ブリッジレポート
(6537:東証マザーズ) WASHハウス 企業HP
児玉 康孝 社長
児玉 康孝 社長

【ブリッジレポート vol.1】2016年12月期業績レポート
取材概要「15年間でFC店舗を業界最大級の361店舗まで拡大しながらも撤退が1店舗も無いというのは驚くべき実績だ。「全店舗一括管理運営方式によるFC本・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年3月21日掲載
企業基本情報
企業名
WASHハウス株式会社
社長
児玉 康孝
所在地
宮崎県宮崎市新栄町86番地1
事業内容
コインランドリー「WASHハウス」のチェーン本部としてフランチャイズシステムの提供等
決算期
12月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年12月 3,118 294 284 192
2015年12月 2,050 219 219 131
2014年12月 1,246 65 66 40
株式情報(3/13現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
9,000円 3,412,000株 30,708百万円 15.4% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
8.00円 0.2% 75.25円 119.6倍 634.49円 14.2倍
※株価 3/13終値。発行済株式数は直近期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。
2017年4月1日付で1:2の株式分割を実施する予定。DPSは当該株式分割考慮の金額。
 
WASHハウス株式会社の会社概要、2017年12月期業績見通し、児玉社長へのインタビュー、などをお伝えします。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
コインランドリー業界のデファクトスタンダードの創造を目指し、FCを中心にコインランドリー店舗を展開。
全店舗一括管理運営方式によるクオリティ統一化という今までにない新たなFCビジネスの仕組みを創り出し、FC本部と加盟店の共栄を実現。ストック型の安定した収益構造なども大きな強み。
大阪、東京への進出を契機に全国展開を本格化へ。将来は海外展開も視野に入れている。
2016年12月末現在、386店舗(FC361店舗、直営25店舗)を出店。
 
【1-1 沿革】
児玉社長が起業するにあたり、少子高齢化や人口減少が確実な時代に永続的に売り上げ・利益を伸ばしていくためにはどうしたらよいか、社会的意義がある事業か、先行事業者がいるか、競争に勝てるか、容易に真似されないか、ストック型の事業にできるかなど様々な観点から事業を検討した結果たどり着いたのがコインランドリー事業だった。

事業規模拡大のためにはFC展開が適しているが、FC本部と加盟店との対立というFCビジネスの問題点解決のために24時間365日受付のコールセンター、WEBカメラと遠隔コントロールによる即時サポートなどからなる「全店舗一括管理運営方式」をいち早く導入しFC加盟店の負担を大きく低減。働く女性の増加に伴うニーズの拡大も追い風となりビジネスは順調に成長していった。

創業の地、宮崎県を含む九州地区中心から、出店エリアを順次拡大し、2015年12月大阪、2016年7月には東京へも進出。
2016年11月、東証マザーズ、福証Q-Boardに同時上場した。
 
 
【1-2 経営理念など】
経営理念として、「全ての発想をお客様の立場で考えることを基準とし、真に社会から必要とされる存在であり続ける。」を掲げている。
この経営理念の下、従来のような「単にコインランドリー機器を販売し、それを購入したオーナーが運営するコインランドリー」ではなく、出店後における店舗の完全管理を行うことを目的として、FCオーナーに代わり店舗利用者に気持ち良く利用してもらえるようなサービスを提供し続けることを目指し、「コインランドリー業界のデファクトスタンダードの創造」に取り組んでいる。
 
【1-3 市場環境】
◎成長続くコインランドリー市場
厚生労働省の「コインオペレーションクリーニング営業施設に関する調査」によれば、数字はやや古いが平成25年度の全国のコインランドリーの施設数は16,693か所で、平成8年度の10,228か所からのCAGR(年平均成長率)は2.9%。その後も3%成長が続けば、平成28年度には18,000か所を超え、コンビニエンスストア第2位のファミリーマートの18,140店舗(2016年11月末)と肩を並べ、首位のセブン・イレブン19,166店舗(同月末)に迫る規模となる。
 
 
◎成長を支えるもの
こうした成長の背景としては
共働きの増加による「洗濯時間を減らしたい」という働く女性のニーズ
花粉症などアレルギー対策
良品廉価の衣料品の増加によるクリーニング利用の減少
清潔意識の向上
などがあげられている。

また、これら外部要因に加えて同社を始めとする事業者がユーザーの利便性を考慮した様々なサービスを提供していることも「利用者の拡大 → 店舗の増大」というサイクルに繋がっている。
児玉社長によれば、店舗を中心とした半径2km内の全世帯のうち何世帯がコインランドリーを利用しているかを示す「利用率」は、10年程前は全国平均で3%程度だったものが、現在では5〜8%に上昇しているということであり、今後も利用率の上昇が見込まれている。
 
◎プレーヤー
詳細な情報は得にくいが、コインランドリー市場のメインプレーヤーは同社を含め4〜5社と言われており、同社は最多の同一ブランド管理店舗数を有し、かつ、唯一の上場企業である。
また多くの企業が成長(出店数増)のためにFCビジネスで事業展開しているが、同社は徹底したオペレーションの効率化とクオリティの統一化を追求した「全店舗一括管理運営方式」という他に類を見ない新たなFCビジネスの仕組みを構築している。(詳細は、「1-5 特長と強み」を参照。)
 
【1-4 事業内容】
1.事業構成
「① FC事業」、「② 店舗管理事業」、「③ 直営事業その他」の3事業で構成されている。
 
 
① FC事業
他社にはない独自のオペレーション受託型FC事業を創出している。
同社が出店候補地を選定し、FCオーナーとの間で「WASHハウス」ブランドの店舗の設計、内装工事、機器の設置等をパッケージ化した「WASHハウスコインランドリーシステム一式」を販売するほか、オープン時の広告等開業準備費用、FC加盟金を受領している。

FC加盟店開拓に関しては、テレフォンアポインターが取ったアポイント先に営業担当者が訪問するという分業制を採用している。この分業制により営業担当者は新規開拓電話の心理的負担から解放され、より積極的な営業活動に専念することができる。また、シミュレーション算出や契約書作成等の作業も営業担当から切り離し、「動く作業」に専念できる環境を提供している。
加えて、金融機関等とのビジネスマッチング契約を締結することにより、出店場所やオーナー候補の情報を増やし、出店数拡大につなげるという「仕組み」作りに注力している。

長年にわたり蓄積してきた「営業担当者の経験年数とFC店舗開発実績」の相関関係データを基に毎期の新規開店計画を立てている。
このため、期初の計画数値は極めて高い確度で達成することが可能である。
 
② 店舗管理事業
すべてのFC店舗について店舗管理を受託しており、店舗収支を含む運営状況を月次でFCオーナーに報告し、月次で集金した売上金から差し引くことによりFCオーナーからコインランドリー管理収入を受領している。

同社は店舗の「安心・安全・清潔」を維持する為に、
・ 24時間365日受付のコールセンター、
・ Webカメラと遠隔コントロールによる即時サポート
・ 毎日の点検・清掃
・ 洗剤の補充
・ メンテナンス巡回
・ 集金
・ 広告活動
などのサービスを加盟店に提供している。
店舗管理手数料、システムメンテナンス料、洗剤販売、清掃受託費、広告分担金などが売上の内訳となる。

FCオーナーは店舗管理業務から解放されるため、初期投資コストさえ負担できれば複数の店舗を保有し、収益拡大と共に地域分散による収益変動リスクを低減することが容易である。
 
③ 直営事業その他
コインランドリー「WASHハウス」を直営店として展開し、店舗利用者から洗濯機、乾燥機の利用料を受領している。
直営店は、主に新規エリアへの進出時に出店しており、「安心・安全・清潔」なコインランドリーとしての「WASHハウス」ブランドのローカル認知度を高めるとともに、コインランドリー潜在ユーザーへの利用喚起、FCオーナーと土地オーナー(不動産の有効利用を検討している個人・法人)への店舗モデルの提供など、アンテナ店としての役割を担っている。
その他、コインランドリーの経費精算業務等に伴う業者からの事務手数料収入などの収益を受領している。
 
2.店舗展開
2016年12月現在、FC361店舗、直営25店舗の合計386店舗を、九州、中国を中心に運営している。
2015年には大阪、2016年には東京へも出店し、今後本格的に全国展開を進める考えだ。
 
 
【1-5 特長と強み】
① 新たなFCビジネスの仕組みを創造
同社を最も特徴づけているのが、同社独自のFC事業モデルだ。

一般的なFC事業では、FC本部と加盟店の間に対立が生じやすいという問題が指摘されている。
加盟店がFC本部に加盟金や売上ロイヤリティを支払う対価として、FC本部はブランド名の使用を許可するほか、加盟店にノウハウを提供したり、商品を卸したりするが、店舗の運営、人材の確保などは加盟店がその責任において行わなければならない。
店舗の運営管理は加盟店にとっては相当の負担であり、事業が好調な際は良いが、売上が上がらなくなると、加盟店は「本部の仕組みが悪い」、FC本部は「加盟店の教育が悪い」などと互いのせいにしがちで、苦情に留まらず訴訟にまで進むケースも多い。

これに対し同社では、「全店舗一括管理運営方式」を導入し、
・24時間365日受付のコールセンター
・Webカメラと遠隔コントロールによる即時サポート
・毎日の点検・清掃
・洗剤の補充
・メンテナンス巡回
・集金
・広告活動
といった、店舗運営・管理に必要な活動を全て同社が提供しており、加盟店の店舗運営に関する負担を実質ゼロにしている。

これに加え、同社は月商100万円以上となる物件を基準としているため、地域の人口、年齢分布、収入状況などについてきめ細かい市場調査を実施し、優良物件を開拓するノウハウが蓄積されている。
店舗の完全管理システムと優良物件開拓力、この2つが相まって、加盟店の満足度は極めて高く、過去15年間で業績不振による撤退がゼロという群を抜いた実績に結び付いている。
 
② 明るく清潔な店舗。使いやすさにも配慮。
コインランドリーというと、「暗い・汚い・怖い」というイメージを持つのが一般的だが、同社が提供するコインランドリー「WASHハウス」は、女性や小さい子供のいるファミリー層をターゲットとする「安心・安全・清潔」な店舗を統一ブランドで提供している。
 
 
 
以前は「家事の手抜き」の一つにも数えられたコインランドリーの利用だが、女性就労率の増加や高層マンションの普及、ライフワークの変化などから、自宅の洗濯機よりも一度に大量にかつ洗濯・乾燥の時間を短縮できるコインランドリーへの関心が高まっており、特に健康志向の高まりのなかで、ダニやアレルギー対策として布団やじゅうたんなどの大物洗いの利用が注目されている。
また、子供のスニーカーを洗濯・乾燥できる機器を備えるコインランドリーへのニーズが高まりつつある。

こうしたなかで同社は、以下のような設備を備え消費者ニーズに対応している。
布団の丸洗いも可能な最大22kgまでの洗濯機や最大25kgに対応する乾燥機(標準的店舗)
スポーツシューズや通学用のスニーカー等が洗えるスニーカーランドリー
無料で使用できるシミ抜き用の機器
 
さらに全ての店舗においてWebカメラで24時間店舗をモニターで管理しているほか、本社から遠隔操作でランドリー機器をコントロールできるIoT型ランドリー機器を導入するなど、無人店舗でありながら、有人店舗であるようなリアルタイムのサポートを提供しており、ユーザーが安心して利用することのできる仕組みを構築している。
 
 
加えて、使用している洗剤の成分表示や乾燥機の温度表示を明示することで、安心して消費者が利用できるよう配慮しているほか、清潔な店舗を維持するため乾燥機のフィルター清掃や洗濯機の消毒など店舗の清掃を毎日行っている。
 
③ ストック型の安定した収益構造
店舗管理事業における売上高は、1店舗当たり月額で店舗管理手数料 5万円、システムメンテナンス料 1万円、広告分担金3万円、清掃費約4万円等から成っており、合計約13万円/月。

同社のFC店舗数は2015年12月末で256店舗だったので、2016年12月期の店舗管理売上高は、2015年12月期以前からの継続店舗からの売上高(256店舗×13万円×12か月=399百万円)に、2016年12月期中に開店した新規店舗105店舗からの売上高(店舗ごと開店時期により売上高は異なる。)を合計したものとなる。

続いて、2017年12月期においては、2015年12月期以前からの継続店舗からの売上高399百万円に2016年12月期の新規店舗からの売上高(105店舗×13万円×12か月=164百万円)を加え、さらに2017年12月期中に開店した新規店舗152店舗(計画)からの売上高を合計したものとなる。
 
 
このように、店舗管理事業売上高は、その期以前からの継続店舗からの売上高をベースに、その期中の新規店舗からの売上高がオンされるという形で、期を追うごとに着実にストックが積み上がっていく。
一方、過去15年間で閉店はゼロという実績が示す通り加盟店の満足度は極めて高く店舗数が減少する可能性は低く、ストック型の安定した収益構造をより強固なものとしている。
 
④ 業界健全化に向けた取り組み
成長が続くコインランドリー市場ではあるが、児玉社長によれば課題も山積しているのが現状だという。
その一つが法令順守の問題。

例えば、コインランドリーは乾燥機で大量のガスを使用するため安全性の観点から排気ダクトの材質や取り付け方などが消防法や建築基準法などで詳細に規定されているが、実態は違法な設置が多く見られるという。
また、コインランドリー業者の中には差別化を図り、ユーザーにアピールするために「洗濯代行サービス」を謳って、いるものもあるが、クリーニング業法に抵触し違法である可能性が極めて高い店舗が多い。
 
 
1950年に施行されたクリーニング業法は、国民の公衆衛生を保護する観点から下記の様な規定を設けている。
 
 
同法の趣旨や運用を要約すると意味するところは以下の通りとなる。
コインランドリー業者がクリーニング師の免許を取得しても、クリーニング所ではないコインランドリー施設で洗濯物の出し入れ、たたみ仕上げ等のサービスを行うことはできない。
クリーニング所として届け出た施設内の洗濯・乾燥機はクリーニング業営業者が使用するためのものであり、衛生上の観点から他者(コインランドリーの場合のユーザー)に利用させることはできない。
 
こうした法律があるにもかかわらず、保健所からの指導を逃れるために、店内にカウンターを設けて、その中に洗濯機を設置し、「この洗濯機で洗濯しています。」と説明しながらも、実際にはその洗濯機を使わず、カウンターから外に出てクリーニング所として届け出ていないコインランドリー機器でユーザーの洗濯物を預かって洗濯したり、手たたみサービスを行なったりしているケースも見られるという。

こうした状況に対し児玉社長は、コインランドリーの利用を普及促進させるためには、自社においては「安心・安全・清潔」なコインランドリー作り等に取り組むと共に、業界の健全化を進めることが不可欠と考え、一般社団法人全国コインランドリー管理業協会を2003年12月に設立した。

同協会は、法令等に準拠した設備と衛生管理についての運営基準を定め、現時点では同社の直営店及びFCオーナーの加盟店が店舗単位で加入しており、業界の健全化と一般消費者への啓蒙活動(コインランドリー利用の有用性告知など)を担っている。
 
 
2016年12月期決算概要
 
 
2桁の増収増益で計画も超過
売上高は前期比52.1%増の31億18百万円。過去最高の出店となったFC事業を始めとして3事業とも大きく伸長。
規模のメリットも表れ粗利率は0.5%上昇。
積極的な広告宣伝活動や人員増で販管費も同63.7%増加したが増収効果で吸収し、営業利益は同34.4%増の2億94百万円となった。
2016年11月発表の計画を売上、利益共に上回った。
16円/株の配当を予定している。
 
 
① FC事業
FC新規出店は福岡県45店舗、熊本県11店舗など合計105店舗で過去最高となり、2016年12月末のFC店舗数は361店舗となった。
2015年12月期比で「WASHハウスコインランドリーシステム一式」の販売が前年の出店数よりも33店舗増加したため、大幅な増収となった。
 
② 店舗管理事業
FC新規出店に伴い管理受託店舗数が上記のように105店舗増加した。
 
③ 直営事業その他
東京都2店舗、大阪府1店舗の計3店舗を新規出店した結果、2016年12月末の直営店舗数は25店舗となった。
 
 
上場に伴う資金調達による現預金増などで流動資産は前期末に比べ19億87百万円増加。固定資産は同1億39百万円増加し、資産合計は同21億26百万円増加し37億71百万円となった。
仕入債務、預り保証金の増加などで負債合計は同3億円増加の16億6百万円。
資本金、資本剰余金、利益剰余金の増加で純資産は同18億26百万円増加し21億64百万円となった。
この結果自己資本比率は前期末の20.6%から36.8%上昇し57.4%となった。
 
 
売上債権、法人税等の増加などで営業CFのプラス幅は縮小。
直営店出店に伴う有形固定資産の取得による支出増加で投資CFはマイナスに転じた。
フリーCFはプラスを維持。
株式発行による収入増で財務CFのプラス幅は大幅に拡大し、キャッシュポジションも上昇した。
 
(4)トピックス
◎株式分割を発表
投資単位当たりの金額を引き下げることにより、流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的として、2017年3月31日を基準日、4月1日を効力発生日として1:2の株式分割を行うと発表した。
 
◎定款を一部変更
今後の事業内容の多様化に対応するため、定款を変更し事業目的を追加することとした。2017年3月30日開催予定の第16回定時株主総会に付議する。

(追加内容)
洗濯用洗剤の製造
貸金業
 
後述するように、全量を外部から調達していた洗濯用洗剤の内製化を進め、将来の収益機会の拡大と原価率の改善を図る。
また、貸金業については、金融機関と競合することが目的ではなく、FCオーナーが金融機関から資金調達を得るまでの間に融資を行うことにより、建築工程をスムーズに進めることができることや、予定した融資金額が金融機関から満額出ない場合に補うことを目的としている。これは、前述の通り、店舗の売り上げを当社が回収していることもあり、貸し倒れリスクがほとんど無い事業と考えている。
 
 
2017年12月期業績予想
 
 
FC店舗数の拡大続き大幅な増収増益
売上高は前期比36.6%増の42億60百万円の予想。FC新規出店は152店舗と前期を上回り過去最高を更新。
新規事業展開に伴う人員増を吸収し、営業利益は同27.2%増の3億74百万円の予想。
期末の店舗数はFC513店舗、直営29店舗の合計542店舗を見込む。今期も閉店はゼロの計画。
配当は8円/株(株式分割考慮。実質前期同金額))を予定。予想配当性向は21.3%。
 
 
① FC事業
FC新規出店は九州エリア85店舗、中国エリア37店舗、関西エリア30店舗の合計152店舗と過去最高を計画。
2017年12月末のFC店舗数は513店舗を予定。
 
② 店舗管理事業
FC新規出店に伴い管理受託店舗数は152店舗増加の計画。
 
③ 直営事業その他
東京エリア3店舗、大阪エリア1店舗の計4店舗を出店する計画。
 
 
児玉社長に聞く
 
児玉社長に今後の事業展開や投資家へのメッセージなどを伺った。
 
Q「今後の出店戦略についてお聞かせください。」
A「今期は関東エリア、関西エリアで直営店を合計4店舗開店。2018年12月期からFCの本格展開を開始する。全国展開を見据えた将来の店舗数はとりあえず2万店舗と考えている。」
 
現在の当社店舗は創業の地である宮崎県を含む九州エリアが全体の約8割となっているが、2015年大阪、2016年東京へ出店したことを足掛かりに、全国展開を本格化させる。

2016年12月1日の宮崎県の世帯数は46万5,033世帯。これに対し県内店舗数は55店舗で、年間100万円の売上を上げるためには、1店舗当たりのカバー世帯数は8,455世帯となる。(465,033÷55=8,455)
この1店舗当たりのカバー世帯数は、利用率(半径2km内の世帯が使用する割合)が3%程度だった15年前は12,600世帯だったので、利用率の向上により現在では当時の7割の世帯数で年間100万円の売上を上げられるということだ。

東京への進出に関しては地代家賃の高さから成功を疑問視する向きもあるが、利用率が3%であっても新宿では半径500m、つまり宮崎の16分の1の面積で1店舗12,000世帯をカバーすることができる。いくら東京の地代家賃が宮崎よりも高いとはいえ宮崎の16倍という事は無い。事実、新宿店は計画通り順調な滑り出しとなっている。
今後利用率が上昇すれば出店余地は大きく上昇していく。

当社は新たなエリアでの展開を始める際はまず直営店を出店し、約1年かけて利用状況などを調査、確認した後にFC展開を本格化する。
今期は関東エリア、関西エリアでは直営店をそれぞれ3店舗、1店舗開店し、2018年12月期からFCの展開を開始する。
大阪、東京への進出を足掛かりに今後も未開拓エリアへの進出を進め、全国展開を本格化させる考えだ。
 
 
多店舗展開においては外食産業に見られるように、適切な人材の確保が大きなボトルネックとなってしまうケースが多いが、当社の場合は店舗に必要なのは洗濯機と乾燥機であり、そうしたボトルネックは存在しない。もちろん物件開発や営業スタッフを育成する必要はあるが、大きなネックとなるようなことは無い。
全国展開を見据えた将来の店舗数はとりあえず2万店舗と言っているが、更に拡大させることは可能だと思っている。

また全国展開のためにはメディア戦略も極めて重要だ。
安心・安全・清潔をコンセプトに全店舗統一のブランド戦略を展開し、競合を寄せ付けない圧倒的なブランドイメージを確立させる。
唯一の上場企業である当社はこの点で大きなアドバンテージを有している。
一般的な企業の3倍といわれる売上高の10%程度を広告宣伝に振り向けることのできる当社のFCの仕組みを利用し、TVCMやローカルキー局を使ったメディア戦略を進めていく。そうした中で、「布団を洗う文化」を定着させ、利用率の全国的な引き上げに繋げていきたい。
 
Q「事業基盤を更に拡大させるためにどんな取り組みを進めていきますか?」
A「洗剤の内製化による収益機会の拡大や海外展開を今期以降進めていく。」
 
私の頭の中には多くのビジネスプランがあるが、現時点でお話しできるものを幾つかご紹介する。

まずは洗剤の内製化による収益機会の拡大と原価率の改善だ。
当社では多い時で月間約30トンの洗剤を外部から購入し、FC各店に納入しているが、これを全て内製化する。
以前より宮崎県と共同で洗剤製造の研究を進めてきたが、宮崎県から土地も紹介していただき自社工場を建設する。
前期までに生産のための研究や調査を行い想定したコストで生産する目途は立ったので、今期は具体的な計画を立案し、来期以降から生産を開始したい。
土地は紹介いただくため必要なのは建物と機材だけなのでそう大きな投資にはならない。
地元宮崎に貢献するために、農業の6次産業化も視野に入れて事業を進めていく考えだ。

二つ目は海外展開。
昨年の9月、白物家電メーカーとして日本の技術を三洋電機から一部事業譲渡で継承したアクア株式会社(中国ハイアールのグループ企業)と、日本マイクロソフト株式会社が、日本国内において家電とクラウドを組み合わせた家電IoTサービス開発の協業を行う基本合意を行った。
具体的な取り組みの第一弾として、アクアのコインランドリー向けIoT洗濯機「AQUA ITランドリー」の運用システムを2017年中にマイクロソフトのクラウド「Azure」へ移管。収集したデータを分析してサービスを改善したり、故障発生の予測に繋げたりすることを目指しているとの発表があった。

実はこのプロジェクトには当社もかかわっており、日本国内だけではなく海外でも使用できる次世代の当社オリジナルシステムをマイクロソフトが開発中だ。ハードの開発も同時に進めており、今年の秋口には実際の運用がスタートする予定だ。

海外展開では現在米国市場を中心に調査をしている。
米国には1店舗に120台もの洗濯機が設置されているような大型コインランドリーが多数あり、その市場規模は日本の1,200億円をはるかに上回る7,000億円とも言われている。
ただ米国のコインランドリーは、歴史は古いもののチェーン店やFCが存在しない、ユーザー目線のサービスを提供できていないなど旧態依然とした状況であり、そこに大きなチャンスがあると考えている。
清潔・安心に加え、最先端のハード、ソフトを導入して利便性をアピールし、この巨大市場の開拓に取り組んでいく。

今後の取り組みとしてはこの他に、様々な分野でのM&Aを検討しているほか、店舗を組立ユニット化して販売すること等も考えている。
 
Q「御社が競合他社と大きく違う点はどこでしょうか?」
A「当社は採算の合う物件のみをFCオーナーに提供する「投資」との位置づけ。決して遊休地の有効活用やサイドビジネスではない。」
 
通常のFCビジネスはFC店舗運営をやりたいというオーナーがいれば、物件の優劣は関係なく契約を締結するのが一般的だ。加盟金受領やハードの販売が最優先でその物件が儲かるかどうかは関係ない。だから「遊休地の有効活用」とか「サイドビジネス」いったキャッチフレーズでアピールする事が多い。

これに対し当社は、1店舗月商100万円が可能かどうかを基準に出店する。やりたいという人がいてもその基準にあった物件が出てくるまでは待っていただく。遊休地の有効活用ではないし、十分な採算が取れるので決してサイドビジネスという位置づけでもでもない、採算重視の「投資」という位置づけであり、ここが他社との大きな違いだ。
「全店舗一括管理運営方式」に加え、こうした姿勢で臨んでいるからこそ、当社とFCオーナーの共栄が可能であり、15年間で業績不振による撤退は1店舗も無く順調に店舗を拡大することができている。
 
Q「株主や投資家へのメッセージをお願いします。」
A「当社の強みや特長をご理解いただき、中長期で当社を応援していただきたい。」
 
投資家が当社をご評価下さっているポイントは、主として「新しいFCビジネスモデルの構築」、「ストック型の安定した収益構造」、「事業の拡張性・将来性」、「多店舗展開におけるボトルネックが無い」、「洗濯という作業はブームで流行り廃りすることの無いものである(高い事業の永続性)」といったことだが、加えて、ある機関投資家からは、「今まで日本企業がグローバルなデファクトスタンダードを作り上げた実例はほとんど見られないが、日本で初めての世界に通用するデファクトスタンダードを構築した企業になれる可能性があるのではないか。」というコメントを頂いたが、まさにこれから我々がチャレンジしようとしている大きな目標だ。
当社のことをまだよく知らない方々には、これらの点を是非知って頂きたい。

また、今後は今まで以上にIRやPRを重視し積極的な情報発信を行っていく。それぞれのリリースには今後の事業展開に関するヒントが必ずメッセージとして含まれているので、是非注目して欲しい。

日本市場における本格的な展開はこれから本番を迎えるが、そこに留まるつもりは毛頭ない。
グローバル・デファクトスタンダードの構築を通じて巨大な海外市場の開拓に邁進する当社を是非中長期の視点で応援していただきたい。
 
 
今後の注目点
15年間でFC店舗を業界最大級の361店舗まで拡大しながらも撤退が1店舗も無いというのは驚くべき実績だ。
「全店舗一括管理運営方式によるFC本部と加盟店の共栄」、「売上の上がる物件しか扱わない収益性重視」がその要因であるが、換言すれば「成功のための仕組み作り」が同社成長の源泉である。
この「仕組み」と「利用率の向上」に加え、「ストック型の安定した収益構造」、「世界で通用するビジネスモデルの可能性」を現在の株式市場は高く評価している形だ。
また、これまで明確には言及していなかった新たな取り組みも具体的な姿を現し始めた。
短期的には四半期ごとの出店推移を、中長期的には巨大な海外市場開拓のための具体的な取り組みや児玉社長が温めているM&A案件にも注目したい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2016年11月21日

<実施しない主な原則とその理由>
「基本原則の全てを実施してまいります。」と記述している。
 
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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