ブリッジレポート
(4847:JASDAQ) インテリジェント ウェイブ 企業HP
井関 司 社長
井関 司 社長

【ブリッジレポート vol.31】2017年6月期第3四半期業績レポート
取材概要「活発な開発投資を受けてカード系の受注が伸びており、17/6期にとどまらず、18/6期、19/6期と好調が続きそうだ。ただ、同社では、その先を見据え・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年5月23日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社インテリジェント ウェイブ
代表取締役社長
井関 司
所在地
東京都中央区新川1-21-2 茅場町タワー
事業内容
クレジットカード決済システム首位。大日本印刷グループ入りで営業力強化が進展
決算期
6月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年6月 7,206 714 730 478
2015年6月 6,160 484 490 471
2014年6月 6,558 145 183 86
2013年6月 5,870 -677 -587 -349
2012年6月 5,241 131 154 270
2011年6月 4,762 321 341 129
2010年6月 4,956 358 387 211
2009年6月 5,527 228 235 187
2008年6月 6,695 417 403 -5
2007年6月 6,367 389 407 -295
2006年6月 7,137 1,482 1,452 947
2005年6月 5,174 678 688 264
2004年6月 5,257 371 365 156
2003年6月 5,891 1,177 1,161 539
2002年6月 5,505 1,854 1,846 1,003
株式情報(5/16現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
555円 26,328,000株 14,612百万円 9.7% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
6.00円 1.1% 20.88円 26.6倍 192.21円 2.9倍
※株価は5/16終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
インテリジェント ウェイブの2017年6月期第3四半期決算の概要と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
クレジットカードの決済システムで国内シェアNo.1のソフトウェア開発会社。“リアルタイム処理が可能な高度なネットワーク技術”、“システムを止めないためのノンストップ技術”、及び“高度なセキュリティ技術”を技術基盤とし、カード不正利用検知システムや証券関連の情報集配信システムでも豊富な実績を有する。営業面では、筆頭株主として議決権の50.61%を保有する大日本印刷(株)及びそのグループ企業との連携が強みとなっている。
 
【事業の目的及びミッション】
事業の目的   安全、安心なITインフラを顧客に提供すること
強みである取引・決済を支える技術とシステム、及び顧客の情報資産を守るサイバーセキュリティ対策に磨きをかけていく。

ミッション   次の30年へ会社を進化させるべく、“二兎を追う”
事業規模の拡大を図ると共に、システムの信頼性を高める(品質の強化)。つまり、規模と品質の二兎を追う。事業規模の拡大では、システム開発請負と保守サービスという従来型の業務だけでなく、同社製品を顧客の都合に合わせて必要な時だけ利用できるサービス(ASP、Saas)の提供や顧客に代わってシステム運用を行うビジネス等、ストック型の新製品、新サービス、新規事業の育成に取り組んでいく。一方、品質の強化では、プロジェクト管理や定期的な工程レビューの実施により利益に対する意識の徹底を図ると共に、開発プロジェクトの利益を確保しつつ事業拡大を図るべく品質保証部門を新設した。
 
 
【事業セグメント】
事業は、クレジットカードや証券等の金融業界やシステム開発会社を主な顧客として、ソフトウェア開発、自社製・他社製パッケージ及びハードウェアの販売、更には保守等を手掛ける「金融システムソリューション事業」と、業種・業界にとらわれず幅広く自社製・他社製パッケージを中心にしたソリューションを提供している「プロダクトソリューション事業」に分かれる。
 
 
金融システムソリューション事業
カード系(金融系)と証券系(非カード系)のビジネスに分かれる。金融系では、クレジットカード会社や銀行、大手システム開発会社等を主な顧客として、クレジットカードやデビットカード、プリペイドカード等による決済や、ATM(現金自動預払い機)を利用した現金取引を行うためのシステム開発を行っている。このシステムは自社開発のパッケージソフト「NET+1」を中核として、店舗等の端末からクレジットカード会社や銀行等のネットワークに接続して取引データの受渡しを行う機能や、カードの使用認証、不正な利用の検知等の機能を顧客企業に提供する。こうした決済に係る取引データを取扱うシステムは、高速で間違いのない処理を実現する機能と性能が要求されるため、証券系では、この技術を活かし、証券会社を顧客として、証券取引に使われる様々なデータの大量超高速処理のためのシステム開発も行っています。

「NET+1」を用いたシステムは、クレジットカードやデビットカード等の商品購入時の与信に応じた代金決済やキャッシュカードカードの残高確認等、24時間365日、いつでもカードが利用できるネットワーク環境を提供するもの。専用ハードと共に提供され、大手クレジットカード会社のネットワークへの接続で7割のシェアを有する。また、「NET+1」は、銀行の店外CD/ATMや海外ATM等の外部ネットワーク接続や消費者金融の外部ネットワーク接続等でも使われている。一方、不正検知システム「ACE Plus」等は、偽造カード・盗難カード利用などクレジットカードの不正使用による被害の極小化や金融機関の振り込め詐欺・マネーロンダリングなど口座不正利用の検知を目的としており、こちらも豊富な実績を有する(シェア6〜7割)。

証券系では、“リアルタイム処理が可能な高度なネットワーク技術”、“ノンストップ技術”、及ぶ“セキュリティ技術”を活かして、クレジットカード業界、証券業界(オンライン証券会社・機関投資家)、及び大日本印刷のグループ企業等のシステム開発を手掛けており、証券業界向けでは高速情報基盤システム(証券取引所等から提供される市況データや気配値等を素早く社内の各端末に配信するシステム)等で豊富な実績を有する。

また、上記ビジネスの他、大日本印刷(株)及びそのグループ企業の顧客資産とネットワークやセキュリティ分野での強みを活かしてサービス(開発)領域の拡大にも取り組んでいる(売上計上、仕訳、取引精算、ブランド管理、加盟店管理、帳票出力、業務運用管理、システムログ、更にはバックアップといったバックオフィス業務等)。
 


(同社資料より)
・統合ATMとは、全国の都市銀行や地方銀行、信用金庫等の現金自動預払機(ATM)を統合したネットワークシステム。
・CARDNETとは、クレジット情報処理センター事業等を行う(株)日本カードネットワークの略称。
・CAFISとは、NTTデータが提供する日本で最大のカード決済総合サービス。
 
プロダクトソリューション事業
当事業は、カードや証券等の業界に捉われず、全ての業界・企業を顧客対象とし、顧客の業務に使用されるPC 端末(エンドポイント)のセキュリティ対策製品を主な事業領域としている。具体的には、「NET+1」や「ACE Plus」等で培ったネットワーク技術やセキュリティ技術をベースとした情報漏洩対策システム「CWAT(シーワット)」(パソコン等の端末から、コピー、印刷、ネットワーク経由等による情報の内部からの持ち出しを監視)を中心に、内部情報漏洩対策、脆弱性対策、及び外部攻撃対策について、監視・検出・診断・認証と防止・阻止の切り口からソリューションを提供している。
 
 
尚、当事業は早期に一定の事業規模(年商10億円規模)に拡大させ、安定的に利益計上できる体制を構築する事が課題だが、売上や利益の数字に表れないメリットも大きい。優れたセキュリティ関連製品を扱う事で得られる最新の情報や蓄積される技術・ノウハウ、海外の有力ベンダーとの提携により広がるワールドワイドのネットワーク、更には全ての業界・企業を顧客対象とする事による顧客層の広がりとビジネスチャンスの拡大等、目に見えない部分での貢献も大きい事業である。
 
※ 17/6期より非連結決算に移行
2016年6月28 日に連結子会社Intelligent Wave Korea Inc.の清算が結了した事に伴い、17/6期より非連結決算に移行した。下記の通り、これまで同社の連結決算と個別決算の差がわずかだった事を踏まえ、17/6期非連結決算については、16/6期連結決算との比較で説明する。
 
 
 
2017年6月期第3四半期決算
 
 
前年同期比23.9%の増収、同21.6%の営業増益
売上高は前年同期比23.9%増の60億56百万円。スマートフォン決済関連やカードブランド統合案件等で金融システムソリューション事業の売上が53億41百万円と同22.9%増加した他、サイバー攻撃対策製品「Traps」(トラップス、米国パロアルトネットワークス社)をけん引役にプロダクトソリューション事業の売上も同32.7%増の7億15百万円と伸びた。

営業利益は同21.6%増の5億22百万円。不採算案件に係る損失計上、第2四半期(10-12月)の共同利用型(ASP)サービスの立ち上げ、エンジニア常駐型サービス(SES:System Engineering Service)の増加等で売上総利益率が低下する中、人件費・採用教育費(新卒20名強、中途30名強、計60名程度の人員増)を中心に販管費も増加したが、売上の増加で吸収。保険解約返戻金及び貸倒引当金戻入益の計上による営業外収益の増加や税負担率の低下で当期純利益は4億06百万円と同41.7%増加した。
 
 
第1四半期(7-9月)に不採算案件に係る損失38百万円を原価計上した他、第3四半期(1-3月)に第4四半期に売上計上(1.4億円)予定のテスト工程プロジェクトにかかる受注損失引当金12百万円を原価計上した。後者は、設計・製造工程に先立って実施されるテスト工程の遅れ(品質重視の観点から、あえて計画以上の時間をかけた)で発生した想定外の労務費や外注費を前倒しで処理したもの。品質向上に向けた組織改革が機能した事による引当金の計上である。現在進行中の設計・製造工程は順調な進捗。
 
 
 
 
 
売上高53億41百万円(前年同期比22.9%増)、営業利益5億20百万円(同14.0%増)。大日本印刷(株)、システム開発会社(クレジットカード会社からの直接売上を含む)、及び信販系カード会社向けの売上が大きなウエイトを占め、伸びも大きかった。大日本印刷(株)向けはスマートフォン決済関連を中心に12億07百万円と前年同期に比べて4億19百万円増加した。大日本印刷(株)はICカードの国内No.1ベンダーだが、昨今、決済の多様化に対応したソリューションを強化しており、スマートフォン決済に係るシステム開発が増えている(インテリジェント ウェイブは決済サーバとの接続部分の開発を担っている)。システム開発会社向けは大手カード会社の3ブランド統合案件で7億56百万円と同6億27百万円増加した。この案件は開発期間が5年に及ぶ大型案件で、17/6期は2年目。今後、テスト工程に入るため、同社の18/6期は更なる売上の増加が見込まれる。信販系カード会社向けは3億97百万円と同1億38百万円増加した。2年を要するシステム統合案件の1年目である。
利益面では、不採算案件にかかる損失や受注損失引当金の計上に加え、共同利用型サービスの立ち上げもあり、利益率が低下したものの売上の増加で吸収した。
 
プロダクトソリューション事業
売上高7億15百万円(前年同期比32.7%増)、営業利益2百万円(前年同期は営業損失26百万円)。売上の内訳は、内部情報漏えい対策の自社製品CWAT(シーワット)が2億80百万円(前年同期2億62百万円)、標的型攻撃等のサイバー攻撃を防ぐための対策製品「Traps」を中心に他社製品が4億34百万円(同2億76百万円)。
 
 
(3)受注高及び受注残高
受注高は前期比46.2%増の80億64百万円。このうち金融システムソリューション事業の受注高は同46.5%増の71億22百万円。請負型のソフトウェア開発の好調に加え、今期からサービスを開始した共同利用型サービスの受注が上乗せされている(5年契約分が一括計上される)。また、プロダクトソリューション事業の受注も「Traps」をけん引役に同44.5%増の9億41百万円と伸びた。「Traps」の引合・受注は、主力の金融業界から、商社、レジャー産業、教育関連、地方自治体等、様々な業界・業種へ広がっていると言う。第3四半期末の受注残高は前年同期末比80.5%増の47億58百万円。内訳は、金融システムソリューション事業が同77.5%増の42億37百万円、プロダクトソリューション事業が同2.1倍の5億21百万円。
 
 
 
 
業容拡大を背景に総資産が83億33百万円と前期末に比べて13億88百万円増加した。借方では、受注・売上の増加で売上債権やたな卸資産が増加した他、共同利用型サービスにかかるソフトウェアの増加で無形固定資産が増加。貸方では、仕入債務や共同利用型サービスにかかる前受金等の増加で流動負債が増加した他、利益剰余金やその他有価証券評価差額の増加で純資産が増加した。自己資本比率65.5%(前期末72.2%)。
 
 
利益の増加や前受金の受入れ等で前年同期の実績を上回る営業CFを確保したものの、共同利用型サービスにかかるソフトウェアの開発投資がかさんだ。
 
 
2017年6月期の主な取り組みと進捗状況
 
「次の30年へ会社を進化させるべく、“二兎を追う”」というミッションの下、「事業規模の拡大」と「システムの信頼性向上」に取り組んでいる。「事業規模の拡大」では、中期的な目標として掲げる売上高100億円の達成に向け、キャッシュレス決済の推進や決済手段の多様化に対応した製品の開発・販売、及びサイバーセキュリティ製品のラインナップ拡充に力を入れており、「信頼性の向上」ではプロジェクト管理の強化と人材育成(OJT、知見の継承)に取り組んでいる。
 
【事業規模の拡大 − 売上高100億円の達成に向けた取り組み −】
金融システムソリューション事業
カード系では、同社はスイッチング(オンライン接続)とオーソリゼーション(認証)での強みを活かし、カード会社3社のカードブランド統合、欧米に比べて遅れているICカード化対応、ブランドデビットカード対応、電子マネー対応、スマートフォン決済、ブランドプリペイドカード対応、不正検知、更には、カード決済取引の確実性・効率性向上のためのフロントオーソリゼーション(本来、認証はカード会社の基幹システムで行われるが、負荷軽減のためフロント側で認証を行うべくシステムの改修・更新が増えている)等、豊富な開発案件を抱えており、特に、カードブランド統合、ICカード化対応、不正検知、フロントオーソリゼーションは18/6期以降も増勢が続く見込み。

また、不正検知システム「ACEPlus」の共同利用型サービスや「OnCore」において、下記の通り進捗があった。一方、証券系では、従来の証券フロントシステムから業務系システム(株式トレーディングシステム)への領域拡大に取り組んでおり、小口案件ではあるが、徐々にオーダーが入り始めている。
 
不正検知システム「ACEPlus」の共同利用型サービス
クレジットカード発行会社の被害額が増加傾向にあり、改めて不正検知システムの需要が増えている。更新期を迎える不正検知システムが増えている事もあり、同社は、導入の敷居が低い「ACEPlus」の共同利用型サービスの提供により、増加する需要の取り込みと更新を契機とする他社システムからの乗り換えで一段のシェアアップを図りたい考え。もちろんコスト面だけでなく、「ACEPlus」の技術的な優位性も強みだ。導入に先立って他社システムとの比較による評価テストが行われるが、高い検知率を示す「ACEPlus」は、テストの都度、評価を高めていると言う。共同利用型サービスは2016年11月に第1号案件の契約に成功しており(「ACEPlus」のユーザーだったカード会社が共同利用型サービスへ移行)、現在、複数の商談が進行中(契約は3〜5年の複数年契約になる)。2017年8月〜9月のサービス開始を目指している。
 
 
「OnCore」
認知度の高まりもあり、「OnCore」の受注がスマートフォン決済向けを中心に増加している(「OnCore」はスマートフォン決済サーバとクレジットカード会社のネットワークを接続する機能を担う)。キャッシュレス決済の推進と様々な決済手段に対応する開発案件が増加しているが、いずれもカード会社等のネットワークに接続してサーバにアクセス(スイッチングとオーソリゼーション)する必要があり、この機能を担うのが「NET+1」であり、その際に不正検知を行うのが「ACEPlus」である。「OnCore」は「NET+1」のスイッチング(ATM接続を含むネットワーク接続)機能を切り出したアプライアンス製品であり、ユーザーは低コストかつ短時間で導入でき、カスタマイズの負担が少ないため同社にとっては収益性が高い。2年前に海外(東南アジア)向けに販売を開始したが、ここにきて国内での出荷台数が20〜30台規模に拡大していると言う。

今後は、国内での拡販に加え、本来、ターゲット市場と考えていた東南アジアでの展開も本格化する。具体的には、タイのネットワークシステム開発会社とのパートナーシップを確立する事ができたため、ATM接続等の需要を開拓していく。既に同社の技術者が現地に赴き、現地向け製品の開発業務に加わっている。タイをステップに、東南アジアに広く展開していきたい考え。
 
株式トレーディングシステムの開発
Devexperts社(ロシア)と株式トレーディングシステムの開発を進めており、秋口には開発を終える予定。このトレーディングシステムは小規模から中規模の証券会社での利用を想定しており、ネット証券を中心にフロントシステムの更新時期をとらえて販売攻勢をかけていく。

上記に加え、2016年10月に「アクワイアリング(加盟店契約)業務共同利用型サービス」の提供を開始した。サービス開始時のネット銀行に加え、同年11月にクレジットカード会社、2017年1月に琉球銀行、と順調にユーザー企業を増やしており、ユーザー企業の加盟店開拓も進んでいる模様。4社目のユーザーとなるクレジットカード会社からの受注も決定しており、秋にはサービスが始まる予定。ユーザー企業5社が損益分岐点で、計画は17/6期が売上高1億79百万円、純損失1億28百万円、18/6期が売上高3億45百万円、純損失億76百万円。
 
 
プロダクトソリューション事業
イスラエル製品を中心にサイバーセキュリティ対策製品のラインナップ拡充に取り組んでいる。現在、標的型攻撃(マルウェア)対策ソフトウェア「Traps」の販売が好調だが、新たな脅威が次々と生まれてくるサイバーセキュリティの分野では、新たなソリューションを継続的に投入していく必要がある。このため、同社は、2012年にCheckmarx社(イスラエル)製ソースコード脆弱性対策「CxSuite」、2014年にRAPID7社(米国)製ネットワークの脆弱性対策「nexpose」、及び侵入テストの業界標準「metasploit」、2015年にPalo Alto Networks社(イスラエル)製標的型攻撃対応ソリューション「Traps」、とラインアップの拡充に努めてきた。
「Traps」のユーザー企業は、金融業界から、商社、レジャー産業、教育関連、地方自治体等、様々な業界・業種へ広がりを見せており、16/6期末に11社だったユーザー企業数が17/6期第3四半期末には24社に拡大している。

そして昨秋には、illusive networks社(イスラエル)製の特定標的型攻撃対策「Deception Everywhere」の取り扱いを開始した。新しいコンセプトの下で開発された「Deception Everywhere」は高度な技術を持った攻撃者による手動攻撃(特定標的型攻撃)から端末を守るもので、従来の標的型攻撃(ウイルスを添付したメール等による攻撃)対策とは異なるリスクに対応する。ユーザーは「Traps」と「Deception Everywhere」を組み合わせて導入する事で標的型攻撃への対応範囲を広げる事ができ、既に大手の生命保険会社から引き合いを受けている。

来18/6期は、米国とイスラエルに拠点を置くAyehu(アイエフ)社製.「eyeShare」(サイバー攻撃の対応を自動化し素早い危機管理を実現)の取り扱いを開始する予定である(現在、準備作業を進めている)。
 
 
【信頼性の向上 − 組織風土の進化 −】
信頼性の向上には、“組織風土の進化による業務の質の向上”が不可欠との考えから、「働きがい」のある職場づくりと仕事以外の「時間の創出」に取り組んでいる。2017年1月には、「働きがい」のある職場づくりの一環として、メンター制度、フリーエージェント制度等の新たな労務人事制度が導入され、仕事以外の「時間の創出」に向け、「時間創出会議」を立ち上げた。
 
 
2017年6月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期の連結決算との比較で11.0%の増収、同12.0%の営業増益予想
通期予想に変更はなかった。セグメント別の予想は、金融システムソリューション事業が売上高69億円(前期比8.0%増)、営業利益7億20百万円(同7.5%増)。損失計上の影響で利益面での進捗が若干遅れ気味だが、豊富な受注残の消化による売上の上振れで吸収できる見込み。一方、プロダクトソリューション事業は売上高11億円(同34.1%増)、営業利益80百万円(同86.0%増)を見込んでおり、売上・利益共に想定通りの着地が予想される。

配当は1株当たり6円の期末配当を予定している。同社は継続的かつ安定的に配当を実施していく方針。
 
 
 
 
今後の注目点
活発な開発投資を受けてカード系の受注が伸びており、17/6期にとどまらず、18/6期、19/6期と好調が続きそうだ。ただ、同社では、その先を見据えた取り組みが始まっている。インターネット技術や各種センサー・テクノロジーの進化等を背景に、家電、自動車、ビル、工場等、様々なモノがインターネットにつながり始めているが、「平成28年度版情報通信白書」によると、IoT時代の到来で、こうしたインターネットにつながるモノの数が爆発的に増加する。また、IHS Technologyによれば、インターネットにつながるモノの数は2015年時点で154億個に達しているが、2020年までには304億個にまで増大すると言う。特に、「自動車」や「産業用途」の分野でのIoTデバイスの伸びが大きいとみている。
こうした中、同社の強みは、24時間・365日、休む事なくカード決済を可能にするノンストップ技術と高速処理技術であり、全国各地の端末から読み込まれた大量のデータを取り込み、データ変換して別のネットワークやサーバに転送する技術である。IoTでは数百億個のデバイスから集まる情報を瞬時に処理して転送する必要がある事を考えると、同社の技術は、まさにIoTに必要不可欠な技術と言えるのではないだろうか。同社は、この強みを活かして、金融業界以外の業界や海外へフィールドを広げていく考えだ。既に次世代ビジネスのための新しいキラーシステムの開発に向けた調査・研究が始まっている。

プロダクトソリューション事業の好調も続きそうだ。同社は「Traps」が主要顧客である金融系の顧客にほぼ行き渡った事から17/6期下期以降の販売を保守的に見ていたが、セミナー等をきっかけに非金融系の企業からの引き合いが増加している。5月半ばには過去最大規模のサイバー攻撃が世界中を襲い、「ランサム(身代金)ウエア」対策等、一段の対策需要の高まりも期待できる。「Traps」とのシナジーが期待できる特定標的型攻撃対策「Deception Everywhere」の取り扱いを開始する等、「Traps」後を見据えた商材の開発が進んでいる事に加え、自社企画セキュリティ製品の検討を始める等(実際の開発はイスラエルの提携先のリソースを活用する)、中長期的な視点からの取り組みも始まっている。
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書        更新日:2016年9月29日
基本的な考え方
当社は、「経営の革新と新技術の開発に努め、優れた安全な品質の製品を廉価でかつ迅速に社会に提供し、良好なインフラストラクチャーを構築して、多くの人々が幸福感に浸れるようなハッピー・チェインをつくる」ことを経営理念として揚げており、社会的責任(CSR)を果たし、株主や顧客、生活者、社員などさまざまなステークホルダーから信頼されることが、企業価値の向上に不可欠であると考えています。そのためには、内部統制システムを含めたコーポレート・ガバナンスの充実は、経営上の重要課題であり、すべてのステークホルダーに対して透明性の高い公正で効率的な経営を実現することが、コーポレート・ガバナンスの重要な目的と認識しています。的確な経営の意思決定、それに基づく適正且つ迅速な業務執行、並びにそれらの監督、監査を可能とする体制を構築、運用するとともに、社員一人ひとりのコンプライアンス意思を高めるために研修、教育を徹底し、総合的にコーポレート・ガバナンスの充実が図れるように努めています。
 
<開示している主な原則>
【原則1-4 いわゆる政策保有株式】
当社は、政策保有株式として上場株式を保有しています。事業の拡大と取引先との関係強化を目的として、保有する上場株式については、四半期ごとに事業及び業績等の経営状況を把握し、リターンとリスクや中長期的な経済合理性及び将来の見通しを踏まえ、保有の継続を判断しています。政策保有株式に係る議決権の行使については、営業政策上、また政策保有によるリターン等を勘案し、当該保有株式の発行会社並びに当社の企業価値向上に資するか否かを判断基準にしています。
 
【原則1-7 関連当事者間の取引】
当社は、関連当事者間取引については、毎年、社内規程、会社法等に則り、また関連当事者の開示に関する会計基準を参考に、「関連当事者との取引調査書」により取引の状況を提出させ、会計監査人の監査を受けています。また、関連当事者間の取引が発生する場合には、取締役会規程に従い、取締役会の決議事項としています。
 
【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
(方針)
当社は、株主、投資家のみなさまをはじめ、すべてのステークホルダーに対して、当社の経営方針、事業戦略や財務情報に関する情報を、(1)正確であること(2)公平であること(3)タイムリーであること(4)わかり易いことを原則として、情報発信に努めています。

(体制)
(1)当社は、IR業務を兼務する担当者を設置しています。IR活動を行うに当たっては、代表取締役社長も積極的に対話に臨み、建設的な対話を促進しています。
(具体例)
・個人投資家向けの定期的に説明会を開催  東京、大阪ほか地方都市で開催される個人投資家向け会社説明会への参加
・機関投資家向けの定期的な説明会を開催  四半期決算及び期末決算発表後の説明会開催
・機関投資家との個別面談を随時に実施
・情報開示の充実  事業報告書の発行、コーポレートサイドを通じた情報開示

(2)株主等との対話の内容については、必要に応じ、IR担当者から代表取締役社長に報告することとしています。

(3)当社は、IRポリシーのもとで適切な情報開示に努めるとともに、インサイダー取引防止規程に従い、インサイダー情報の管理、徹底を図り、漏洩防止に努めています。

尚、同社はコーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施している。
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
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