ブリッジレポート
(4290) 株式会社プレステージ・インターナショナル

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ブリッジレポート:(4290)プレステージ・インターナショナル vol.25

(4290:東証1部) プレステージ・インターナショナル 企業HP
玉上 進一 社長
玉上 進一 社長

【ブリッジレポート vol.25】2017年3月期業績レポート
取材概要「同社の強みは、コンタクトセンター、フィールド部隊、そしてITモバイル。この強みを活かして、人でしかできないサービスに磨きをかけ、差別化を・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年7月25日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社プレステージ・インターナショナル
社長
玉上 進一
所在地
東京都千代田区麹町2-4-1
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年3月 29,477 3,768 4,124 2,789
2016年3月 27,328 3,345 3,717 2,668
2015年3月 24,236 3,151 3,182 1,957
2014年3月 22,223 2,809 2,704 1,981
2013年3月 24,225 2,380 2,158 1,409
2012年3月 23,385 2,621 2,651 1,543
2011年3月 19,210 2,291 2,360 1,145
2010年3月 16,174 2,390 2,434 1,587
2009年3月 14,729 2,316 2,311 1,410
2008年3月 13,438 1,806 1,817 1,074
2007年3月 12,829 1,631 1,634 877
2006年3月 10,040 1,298 1,206 655
2005年3月 8,306 1,052 1,055 566
2004年3月 7,101 458 387 353
株式情報(7/6現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,175円 63,609,680株 74,741百万円 14.4% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
10.00円 0.9% 45.59円 25.8倍 332.68円 3.5倍
※株価は07/06終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
プレステージ・インターナショナルの2017年3月期決算の概要と2018年3月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「エンド・ユーザー(消費者)の不便さや困ったことに耳を傾け、解決に導く」と言う経営理念の下、国内外でBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を展開している。サービスの主なものは、自動車保険加入者にサービスを提供するロードアシスタンスサービス(電話対応から現場でのサービスまで)、海外旅行損害保険加入者向けの日本語緊急コンタクトセンターサービス、物件の管理会社等と契約しマンションの入居者に提供するホームアシストサービス(水漏れ、鍵開け、ハウスクリーニング等)、駐車場管理会社向けのパークアシストサービス等。いずれのサービスも馴染みはあるが、B2Bの事業形態をとっているため、言い換えると、サービス提供の際はクライアント企業(損害保険会社、自動車関連会社、不動産管理会社等)の社名を名乗って対応するため、“プレステージ・インターナショナル”と言う同社の社名を耳にする事は少ない。
 
【グループ経営理念とグループ事業方針】
グループ経営理念
エンド・ユーザー(消費者)の不便さや困ったことに耳を傾け、解決に導く事業創造を行い、その発展に伴い社会の問題を解決し、貢献できる企業として成長する。
 
グループ事業方針
プレステージ・インターナショナルグループは、社会に必要とされ、クライアント企業から信頼され、エンド・ユーザから感謝されるソリューションを提供できるグループを標榜し、社会貢献を常に念頭におきながらクライアント企業、株主、社員、地域と共に繁栄できるグローバルカンパニーを目指します。
 
 
【事業セグメントの概要】
17/3期の売上構成比は、ロードアシスト38.5%(16/3期37.8%)、プロパティアシスト12.8%(同11.9%)、インシュアランスBPO12.2%(同12.2%)、ワランティ13.5%(同12.5%)、カスタマーサポート17.5%(同18.2%)、ITソリューション及び派遣・その他5.5%(同7.5%)。
 
 
【特徴】
玉上社長が、7年間にわたる海外生活で言葉や文化の違いにより不便な思いをした経験から、「海外でも日本にいるときのように高品質で心のこもったサービスを受ける事ができればいいのに…。」と言う思いが会社設立(1986年10月)の動機。その翌年にニューヨークへ進出し、トラブルに遭った日本人からの問い合わせに24時間日本語で対応するサービスを開始した。その後、アジア、ヨーロッパの主要都市にネットワークを広げると共にサービス内容を拡充。国内でのサービスも育成して業容を拡大した。
 
2001年7月にヘラクレス市場に上場を果たし、2003年10月には、秋田県秋田市に緊急要請を24時間年中無休で受け付けるコンタクトセンターを開設(現「秋田BPOキャンパス」WEST棟650席)。「長期的かつ安定した人材の確保によってはじめて顧客への安定したサービスの提供が可能になる」との考えから開設した同キャンパスは、その後、07年EAST棟(550席)、12年サテライト棟(300席)と規模を拡大。高品質のインフラに対するクライアントからの評価は高く、ショールームとしての役割に加え、秋田での新たな雇用創造の一翼も担っている。2012年12月の東証2部上場を経て、2013年12月に東証1部指定を達成した。
 
【強み】
同社の強みは、安定したストックビジネス、高品質なサービスを支えるサービス拠点、そして、この結果としての高い収益性と経営効率を実現している事。
 
(1)安定したストックビジネス
クライアント企業である損害保険会社等の既存顧客向け付加価値サービス(保険特約)が中心のため、外部環境による収益の振れが比較的小さい。主たる業務委託契約フィーは、サービス対象者数×予想利用率によって算出され、サービス対象者やサービス対象者一人当たりの利用が増えると、翌期の委託契約フィーに反映される。特に自動車のトラブル対応は認知度の向上で導入企業や利用者が増加しており、継続的なサービス対象者数の増加と利用率の向上につながっている。自動車メーカーや販売会社がサービス収入の拡大に力を入れている事も追い風となっている。不動産関連サービスも同様に、フローの物件売り切りビジネスに依存していたマンションデベロッパー等がストックビジネスとして強化している事が追い風になっている。また、海外事業として手掛けているヘルスケア・プログラム(海外赴任での健康トラブル対応)は、業績改善による企業活動の活発化で需要が増えている。
 
(2)高品質なサービスを支えるサービス拠点
人材の安定化を求め地方都市に展開するコンタクトセンター
高品質なサービスの提供を実現するべく、国内にコンタクトセンターを保有し現場部隊を内製化すると共に、世界14ヶ国17拠点のグローバルネットワークを有する。コンタクトセンターは人材の安定化を念頭に地方都市に開設しており、現在の稼働施設は、秋田BPOキャンパス(秋田県秋田市)、山形BPOガーデン(山形県酒田市)、秋田BPOキャンパスにかほブランチ(秋田県にかほ市)、及び2015年4月にサービスを開始した富山BPOタウン(富山県射水市)、の4施設。
 
総席数:1,500席
投資額:約40億円
託児所、カフェテリア、社員寮、自動車整備工場、研修施設、自家発電装置等を完備。
 
総席数:500席
投資額:約11.8億円
託児所、カフェテリア、研修施設、自家発電装置、社員寮、駐車場等
 
総席数:1000席
投資額:約30億円
託児所、カフェテリア、社員寮、研修施設、自家発電装置、駐車場(1,010台)
東日本大震災以降のBCP(事業継続計画)に対する意識の高まりに応えるべく、秋田BPOキャンパスや山形BPOガーデンから遠く離れた富山県射水市に開設された。2015年4月に130名(700席)でサービスを開始、同年12月には1,000席体制が整った。3~5年後のフル稼働を目指して継続的にオペレーションのできる人財の増員を図っていく考え。
 
全国主要都市において現場部隊を内製化 - 独自ブランドPremierAssist(プレミアアシスト)の展開 -
全国主要都市に内製化した現場部隊を展開しており、拠点数は、ロードアシスト26拠点、ホームアシスト11拠点、パークアシスト9拠点の計46拠点。トラブル現場で顧客対応するスタッフは清潔感のあるユニフォームで統一された正社員である。スタッフには定期的にマナー講習等が実施され、サービス品質向上への取り組みには余念がない。同社グループ企業の正社員による現場対応への評価は高く、競争力の源泉となっている。また、世界14ヶ国17拠点のグローバルネットワークを有し、各海外拠点では、海外で病気・ケガをした際の医療費の査定やキャッシュレスで受診可能な病院ネットワークの開拓を行っている。
 
 
 
中期経営計画(16/3期~18/3期)
 
【新中期経営計画の骨子と基本戦略】
骨子として、「継続的・安定的な成長」、「プレステージ・インターナショナルでしか実現できないサービスの創造」、「地方都市での雇用の創造・継続」、及び「女性の雇用機会の創出」、の4つを掲げており、この4つを効果的に融合させ、バランスのとれた経営を行う事で、成長・収益性・効率性の向上・維持と強固な組織の構築を目指している。
 
【進捗状況】
最終年度となる18/3期の数値目標として、売上高350億円、営業利益率13%(営業利益45億50百万円)、ROE15%、ROA10%、連結配当性向20%を掲げている。ただ、18/3期の会社発表の業績予想は売上高330億円、営業利益43億円(営業利益率13.0%)。雇用環境の悪化による過去2年間の富山BPOタウンでの採用の遅れが響き、売上高は目標に届かない見込みだが、効率化による収益性の改善は進んでおり、営業利益率目標の13%は達成できる見込み。
 
 
【18/3期の重点強化ボィン卜】
富山BPOタウン(総席数1,000席)のキャパシティ率の引き上げ
人材採用が遅れている富山BPOタウンは、職種別採用と地元密着型プロモーションを推進する事で期末までに550人体制を確立し、キャパシティ率を55%に引き上げる。職種別採用は、それぞれのライフスタイルに合わせた働き方を可能にするもので、地元密着型プロモーションでは、2016年に始動した女子ハンドボールチーム(2017年の日本リーグ参戦を目指している)が地元イベントに積極的に参加する事で、富山県内での認知度を高め、新卒者採用の拡大につなげる。
 
 
※アランマーレ事業
同社は、地方都市の活性化と、女性がより一層活躍できる場の整備を目的として、2015年に実業団を設立した。現在、女子バスケットボール(秋田BPOキャンパス)、女子バレーボール(山形BPOガーデン)、女子ハンドボール(富山BPOタウン)の3チームが活動している。事業の目的として、地域社会への貢献(地元でスポーツを続けたい女性の積極活用、地域イベントへの積極参加)、企業価値向上(同社の知名度向上、ブランディング戦略への活用)、及び社内交流活性化(従業員間コミュニケーションの活性化、明るい社会環境の醸成)の3点を挙げている。
 
秋田BPO横手キャンパス(仮)の立ち上げ
2017年4月に横手市庁舎(秋田県横手市)の一室に仮センターを開設し、約80人体制で横手キャンパスの運用が開始した。17/3期末現在、秋田県では、秋田BPOキャンパス(1,500席)、にかほブランチ(150席)の合計1,650席体制だったが、新たに秋田BPO横手キャンパス(500席)を開設し、2018年11月までに2,150席体制を確立する。
 
【株主還元戦略】
これまでは、インシュアランスBPO事業において、一定のキャッシュポジションを維持する必要があった(保証を行うグループ会社での資金ニーズ)。しかし、同事業が、直接リスクテイクしない仕組みに転換したため、必要なキャッシュポジションの水準を引き下げる事が可能になった。
今後は、キャッシュマネジメントの精度向上により、グループ会社にあるキャッシュを還元する事でプレステージ・インターナショナルのキャッシュポジションを改善し、中期経営計画の目標とする配当性向20%の達成のための原資としていく考え。
 
 
2017年3月期決算
 
 
前期比7.9%の増収、同12.6%の営業増益
口ードアシスト事業、プロパティアシスト事業、インシュアランスBPO、ワランティ事業等、主要事業全てで売上が増加し、連結売上高が294億77百万円と前期比7.9%増加した。利益面では、増収効果に加え、富山BPOタウンの竣工に伴う先行コストの一巡もあり、売上総利益率が24.0%と0.2ポイント改善。人財の増加等による販管費の増加を吸収して、営業利益が37億68百万円と同12.6%増加し、4期連続の最高益更新となった。最終利益が同4.5%の増加にとどまったのは、税負担率の上昇と(株)イントラストの東証マザーズ上場に伴う非支配株主に帰属する当期純利益の増加による。
 
 
 
ロードアシスト事業は売上高113億49百万円(前期比10.0%増)、営業利益12億56百万円(同15.7%増)。前期にスタートした新規案件の通年寄与と利用の増加による既存業務の拡大で売上が増加。富山BP0タウン竣上に伴う先行コストが一巡した事や業務の効率化効果で収益性が改善した。

プロパティアシスト事業は売上高37億82百万円(前期比16.3%増)、営業利益2億17百万円(同12.4%減)。既存受託業務の好調と新規業務受託の寄与で売上が増加した不動産専有部サービス(ホームアシスト)が増収をけん引した。大手不動産会社や仲介会社の間で同社のサービスがスタンダードになりつつあると言う。ただ、現場対応子会社に対する先行投資と新規受託業務の立ち上げ負担で営業利益は減少した。尚、新規受託業務とは電力会社向け「駆けつけサービス(水や電気等のトラブル時に平常時30分で駆け付け)」である。

インシュアランスBPO事業は売上高35億90百万円(前期比7.8%増)、営業利益5億84百万円(同20.0%増)。海外駐在貝向けサービス(ヘルスケア・プログラム)の新規クライアン卜獲得等で売上が増加する中、海外拠点のバックオフィス業務を秋田BPOキャンパスにかほブランチに集中させた効果と固定費削減効果で利益率が改善した。

ワランティ事業は売上高39億70百万円(前期比16.3%増)、営業利益8億31百万円(同28.1%増)。家賃保証プログラムが収益性を改善させながら売上を伸ばす中、自動車延長保証・メンテナンスプログラムが堅調に推移した。尚、2016年12月に家賃保証プログラムを手掛ける(株)イン卜ラストが東証マザーズに株式を上場した。

カスタマーサポート事業は売上高51億55百万円(前期比3.9%増)、営業利益7億75百万円(同15.9%増)。クレジッ卜力ードサービスの安定稼動に加え、力ス夕マーコン夕ク卜セン夕ーでの新規クライアントの獲得もあり売上が増加。増収効果と、カスタマーコンタクトセンターにおいて富山BP0タウンの先行コストの一巡で収益性が改善した。

ITソリューション、派遣・その他は売上高16億27百万円(前期比20.5%減)、営業利益1億01百万円(同50.0%減)。ITソリューションはシステム提供サービスで契約終了があり売上が減少。派遣・その他も、持分法適用会社との派遣業務契約が請負契約(委託契約)に変更されたため売上が減少した(契約変更に伴い、ロードアシスト事業で売上・利益を計上)。利益面では、新規案件の検収でITソリューションの売上が増加したものの、上記契約内容変更の影響を受けた事に加え、富山BPOタウンでの女子ハンドボールチームの活動費用も負担になった。
 
 
期末総資産は前期末に比べて42億47百万円増加。借方では、(株)イントラストの上場に伴う資金調達や富山BPOタウンへの投資一巡によるCFの改善で現預金が増加した。今後の設備投資に充当する考えだ。貸方では、好決算による利益剰余金や(株)イン卜ラストのIPOによる資本剰余金の増加で純資産が増加した。自己資本比率70.1%(前期末68.2%)。
 
 
 
2018年3月期業績予想
 
 
前期比11.9%の増収、同14.1%の営業増益予想
ロードアシスト、プロパティアシスト、インシュアランスBPO、ワランティ、の4事業で前期比10%超の増収・増益が見込まれる。特にプロパティアシスト事業は現場対応子会社の稼働率向上と前期に立ち上げた受託業務の軌道化で利益が倍増する見込み。

設備投資は、現場部隊拡充に伴う車両投資(2億73百万円)、秋田BPOキャンパス改修費1億円等の他、システム開発や秋田BPO横手キャンパス仮センター等で、9億17百万円(前期は11億59百万円)を予定している。減価償却費は、車両をリースから自社保有(購入)に切り替える事もあり、前期の9億61百万円から12億14百万円に増加する。

配当は、上期末5円、期末5円の年10円を予定。2016年10月の株式分割(1:2)を考えると、創立30周年記念の記念配2円を落とし、実質3円の増配。配当性向は21.9%となる見込みで、17/3期(20.4%)に続き、中期経営計画の目標である20%を達成する。
 
 
(2)事業戦略
現場対応(フィールド)機能の強化:ロードアシスト事業、プロパティアシスト事業
現場対応(フィールド)機能の強化・拡充を目的に、ロードサービス事業、住まいの駆け付け事業、及び駐車場管理事業を統括する中間持株会社(株)プレミアアシストホールディングス(旧(株)プレミアアシスト)を設立し、傘下に(株)プレミアロードアシスト、(株)プレミアホームアシスト(旧(株)プレミア・プロパティサービス)、及び(株)プレミアパークアシストの3社を置いた。
 
 
プレミアロードアシストによる案件対応率アップ戦略
プレミアアシスト”ブランド”のPRや指定協力会社(同社が要求する水準のサービス品質を保持・向上できる会社)を拡大し、18/3期末までにプレミアロードアシストの案件対応率を現在の約45%から80%に引き上げる。
 
「住まいの駆け付けサービス」の深耕・拡大:プロパティアシスト事業
野村不動産ホールディングス(以下、野村不動産H)との共同出資で「住まいの駆け付け」事業を専門とする(株)ファースト・リビング・アシスタンスを設立した(出資比率:野村不動産H51%、同社49%)。野村不動産Hはサービス提供ノウハウや管理会社へのネットワークといった強みを活かし、企画・開発及び管理会社ヘの提案を行う。そして、(株)ファースト・リビング・アシスタンスが高品質のホスピタリティを特徴とする現場対応サービス(駆けつけサービス)を提供する。
 
アジア地域での拠点拡充・ヘルスケア・プログラム事業推進:インシュアランスBPO事業
アジア地域におけるインシュアランス機能強化の一環として、インド拠点を法人化した(来期は南米地域における機能強化に向け、メキシコに進出する予定)。海外駐在邦人約46万人に対して、同社のヘルスケア・プログラム提供者数は未だ約3.1万人。膨大な需要を取り込むべく、ヘルスケア・プログラム事業をワールドワイドで推進していく。
 
(株)イントラストを中心とした保証事業の拡大:ワランティ事業
保証会社による機関保証の利用がメジャー化しており、入居者による利用率が増加している家賃保証、昨今の高齢化や法整備により需要が急増している介護施設費用保証など、(株)イントラストを中心とした保証事業の拡大に取り組んでいく。また、外車メーカー向けサービスの収支改善が続いている自動車延長保証、更には、契約ストックが順調に拡大している住宅設備保証、更にはMVNO事業者を中心に堅調な製品保障がワランティ事業の成長を下支えする。
 
 
今後の注目点
同社の強みは、コンタクトセンター、フィールド部隊、そしてITモバイル。この強みを活かして、人でしかできないサービスに磨きをかけ、差別化を図っていく考え。創業から手掛けるコンタクトセンターは質の高い顧客対応力が評価されており、リーマン・ショック前後から強化してきたフィールド部隊は、現在、国内で唯一、全国レベルでの対応力を有する。現場対応を専門とするグループ会社3社の持株会社体制への移行は、インフラ・システムの一元化や技術の共有化を通して組織体制の一段の強化につながろう。加えて、グループ会社によるサービス提供の割合を引き上げる事でサービスの品質向上と稼働率向上による収益性の改善も期待できる。また、ITモバイルは、これまでの電話に代わってスマートフォンが、利用者とコンタクトセンター、そしてフィールド部隊をつなぐ役割を果たす。
 
 
 
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
 
 
◎コーポレート・ガバナンス報告書       更新日:2017年07月05日
基本的な考え方
当社におけるコーポレート・ガバナンスとは、エンド・ユーザー、クライアント企業、株主、社員、地域等の各ステークホルダーとの関係における企業経営の基本的な枠組みのあり方と理解しております。当社及び当社グループとして、コーポレート・ガバナンスの充実・強化は株主利益および企業価値向上のための責務と考えており、以下の方針を定めております。

1 株主の権利を尊重し、平等性を確保します。
2 各ステークホルダーとの適切な協働を図ります。
3 会社情報を適切に開示し、透明性の確保を図ります。
4 公正・透明で迅速果断な判断を可能にする取締役会等の体制の構築に取り組みます。
 
<実施しない主な原則とその理由>
補充原則1-2-4(株主総会における権利行使にかかる環境整備)
当社は、議決権電子行使プラットフォームに参加し、電子行使を可能とする環境を整えております。一方、招集通知の英訳は現状では行なっておりません。
今後については、株式分布状況等を考慮しつつ、招集通知の英訳の検討を進めて参ります。
 
原則4-10(任意の仕組みの活用)
現状、任意の仕組みは導入しておりませんが必要に応じて更なる統治機能の充実を図る方針でございます。
 
補充原則4-10-1(諮問委員会等の設置)
現状、社外取締役が取締役会の過半数を占めておりませんが、社外取締役は取締役会事務局と連携することにより情報の提供を受け、自身の専門的な知識と豊富な経験を活かして助言を行なっております。また、必要に応じて監査役も含めて取締役会とは別にミーティングを開催しており、重要な事項に関する検討に際しては、独立社外取締役の適切な関与・助言を得られる環境の整備に努めております。今後、必要に応じて、現行運用の制度化や諮問機関の設置等を検討する方針でございます。
 
<開示している主な原則>
原則1-4(政策保有方針)
(1) 政策保有株式に関する方針
当社が純投資目的以外の目的で保有する株式は、取引先の株式を保有することで中長期的な関係維持、取引拡大、シナジー創出等が可能となるものを対象としております。発行会社の株式を保有する結果として当社の企業価値を高め、株主・投資家の皆様の利益に繋がると考える場合において、このような株式を保有する方針としております。当該方針に従い、四半期毎に中長期的な経済合理性や将来の見通しについて取締役会において検証しております。

(2)政策保有株式に係る議決権の行使について
当社は、適切な議決権行使が企業のガバナンス体制強化を促し、企業の中長期的な価値向上と持続的成長に繋がるものと考え、原則としてすべての政策保有株式について議決権を行使いたします。また、議決権の行使に当たっては、投資先企業の状況や当該企業との取引関係等を踏まえた上で、議案に対する賛否を判断いたします。
 
原則1-7(関連当事者取引)
関連当事者取引に関しては、会社関係者や近しい当事者との取引を通じて、会社の実態を意図的に歪めること、特定の対象に対して利益を提供する可能性があることから、有価証券報告書等で開示を行い、その公正性・妥当性について担保する必要のあるものと認識しております。
当社における関連当事者取引に関する考えは以下の通りであります。
1 原則として、関連当事者等に該当する対象との取引は行わない。
2 やむを得ず取引を行う場合(一般の取引先が関連当事者に該当した場合も同じ)はその取引を行う合理性・妥当性を確認する。
3 関連当事者取引に関して、第三者と行う同様の取引条件に比較し同水準であることを確認する。
4 以上を確認した上で、必要な決裁を得る。
当社では、取締役が行なう競業取引および利益相反取引に加え、関連当事者取引についても取締役会での審議・決議を要することとしております。
取締役会において社外取締役および監査役の意見を求め、当該意見を考慮しつつ決定しております。
 
原則5-1(株主との建設的な対話に関する方針)
当社では、経営統括部を担当部署としております。
株主や投資家に対しては、決算発表後に決算説明会を開催するとともに、逐次、各BPO拠点見学を兼ねた説明会やスモールミーティングを実施しております。また、海外機関投資家向けにスモールミーティングも実施しております。
株主・投資家との建設的な対話を促進するための体制・取組みに関する基本方針は以下のとおりになります。
(1)株主との対話については、建設的な対話が実現するよう、代表取締役又はIR担当執行役員が直接面談に臨むことを基本としております。
(2)IR担当の執行役員は、経営統括部を管掌し、財務経理部等を含めて他部署と十分な連携をとれる横断的な体制を構築しております。
(3)株主構造の把握に努めるとともに、決算説明会および各BPO拠点において個人投資家向け説明会を実施しております。
(4)代表取締役およびIR担当執行役員は、取締役会および執行役員会において対話の状況について定期的にフィードバックを行なっております。
(5)決算説明会および株主のとの面談は、すでに開示されている情報を敷衍して説明することとしており、開示されていない重要事実に該当する事実については開示・説明しない方針であります。かかる措置は、株主間の公平、市場の健全性の確保のほか、株主の自由な株式売買を保障するうえで必要な措置と認識しております。