ブリッジレポート
(3822:東証1部) Minoriソリューションズ 企業HP
森下 祐治 社長
森下 祐治 社長

【ブリッジレポート vol.3】2017年3月期業績レポート
取材概要「17/3期は利益が期初予想を大幅に上回った。期初予想が保守的だった事もあるが、各プロジェクトが順調に進んだ事や流通系カード会社の大型プロジェク・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年8月1日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社Minoriソリューションズ
社長
森下 祐治
所在地
東京都新宿区西新宿2-4-1 新宿NSビル
事業内容
独立系システム開発会社。基幹系・Web系開発、ITインフラ基盤構築、データ解析に強み。金融、製造、運輸、電力、流通等幅広い分野で開発から保守・運用まで提供するトータルソリューションを展開。中堅・中小企業にも直販顧客拡大。
決算期
3月末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年3月 15,541 1,338 1,356 963
2016年3月 14,768 1,057 1,078 702
2015年3月 13,922 1,065 1,089 692
2014年3月 13,323 824 836 506
株式情報(6/22現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,303円 8,789,244株 11,452百万円 15.5% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
33.00円 2.5% 106.38円 12.2倍 747.09円 1.7倍
※株価は06/22終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
Minoriソリューションズの2017年3月期決算と2018年3月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
ソフトウェア開発とシステム運用管理を二本柱に、ソフトウェア開発に付随するハードウェアや汎用パッケージソフト等の販売を手掛けている。銀行・クレジット等金融機関向けを中心に常駐型のシステム開発及び運用を強みとした(株)JSCと、製造・運輸・流通等の幅広い分野で一括請負型のシステム開発を手掛けていた(株)イーウェーヴが、2010年4月に合併して(株)Minoriソリューションズとして新たなスタートを切った。商号にある「Minori」とは、粒が集まって集団を形成する稲穂をイメージしたもので、実を結ぶ、果実が実る事を意味しており、合併後の新体制において、全社員が集結し、一体となって企業価値の更なる向上を目指し、顧客・ステークホルダー・社員の「実り」として成果を上げていくという思いが込められている。
 
【企業理念・行動指針】
企業理念
私たちは常に高い志をもち、成長・挑戦し続けることにより、情報技術を通じ豊かな実りある社会創りに貢献します。
 
行動指針
1.信頼の確保:私たちは、守るべき法令に加え、公正な取引の確保、お客さまにかかわる情報の守秘義務、 個人情報の適正な管理等の基本的なルールを遵守し、誠実で公正な企業活動を遂行いたします。
2.お客さまとの共生:私たちは、常にお客さまとの信頼関係の維持・向上に努め、お客さまの繁栄と共に自社の発展を目指します。
3.自己改革の継続:私たちは、常に高い志をもち、自己改革を図り挑戦し、成長していきます。
 
 
【事業内容】
事業は、ITコンサルを含めた、システムやソフトウェアの開発、更改等のソフトウェア開発事業、開発したシステムの運用や保守・管理、或いはヘルプデスク等を手掛けるシステム運用管理事業、及びシステム開発に付随する機器販売を行うシステム機器販売事業の3事業に分かれ、それぞれ75.7%、22.7%、1.6%(17/3期実績。以下同じ)。

ソフトウェア開発事業は、顧客の社内に常駐してシステムの一部の開発を請け負う業務(顧客によっては100人規模で常駐する)とシステム全体の開発を一括して請け負う業務に分かれ、銀行向けはセキュリティの面から大半が常駐型で、その他の業種向けは一括請負型が多い。同社がストックビジネスと位置付けている常駐型は安定しているが(短期的な案件の波はある)、人月単価での受け取りとなり人材派遣に近い収益モデルであり、一括請負型は高い収益性を追求できるが、受注に波があり、開発リスクを伴う。

システム運用管理事業では、システムの運用管理(顧客のデータセンターに常駐してのエンドユーザーのシステムの運用管理、エンドユーザーの施設に常駐しての運用管理、ネットワークを介しての運用管理)、コールセンター(ヘルプデスク)の運用等を手掛ける。
システム機器販売事業は、開発に付随して機器を納入するケースが減っている事に加え、クラウドへの移行もあり、減収傾向が続いているが、元来、単純な機器販売の利益貢献は少なく、利益面での影響は軽微である。
 
 
エンドユーザー業種別売上高
エンドユーザー業種別では、常駐型が多い金融が38.3%を占め、次いで幅広いカテゴリーの企業と取引がある製造が19.7%。この他、情報、運輸、通信、公共・エネルギー、流通・サービス他がそれぞれ6〜10%。金融の比率が高いものの、これを除くと、エンドユーザーの業種は分散されている。また、上位10社向けが売上高の50%を占め、上位30社では75%、と上位企業への依存度が高いが、上位企業は、振れはあっても一定の継続的投資が期待できる優良企業が名を連ねており、上記の通り業種が分散されているため、受注・売上は安定している。

尚、製造の売上には、SIerとしては珍しいCAE(Computer Aided Engineering)ソリューションの売上が含まれている。CAEソリューションとは、例えば、新車開発の場合、開発車のデータ(デザインデータや材料データ)を基にコンピュータ内に3Dで新車を再現し(外観だけでなく、内部構造も含めて再現)、強度・耐久・振動・衝突・流体・空力性能など、開発に必要な試験をコンピュータ内で試験同様にシミュレーションし、結果から設計条件を満たしているか判定し、要求があれば対策案も含めてレポートにまとめ自動車メーカーに提出する。メーカーはこのレポートを活用し、試作車台数や実証実験の回数を減らす事で、開発期間が短縮され、結果として開発コストを低減できる。販売先は国内自動車メーカーが主。国内マーケットは未だメーカー内製が中心で競合プレーヤーは少ない。航空機、発電設備、人工衛星、スマホ等へユーザーが広がりつつある。
 
 
【強み・特徴  − 安定した収益基盤、優れた財務体質、希少性高いCAEソリューションの実績 −】
エンドユーザーは、金融を中心に、製造、情報、流通・サービス、運輸、公共・エネルギー、通信、とバランス良く分散されており、かつ、開発から運用管理までのサービスを一貫して提供しているケースが多いため収益基盤が安定している。また、エンドユーザーは、いずれも業界トップまたは、トップクラスの優良企業であり、付き合いの長い企業が多い。

この結果として、財務内容も優れ、100%を超えていれば短期的な支払い能力が安全とされる(理想は200%)「流動比率」が393.7%(16/3期376.8%)、100%未満であれば長期的に安全と言われている「固定比率」は10.3%(同14.4%)にとどまる。ROEは14/3期以降、10%を超えて推移しており、17/3期は15.5%。調達した資金の効率性を示す投下資本利益率も17/3期は14.0%(同10.9%)と高い。資金の有効活用が今後の課題であり、今後の成長投資が期待される。

この他、構造解析や流体解析等のCAEソリューションでの実績や、本社や大阪支社の他に、仙台、松本、名古屋、福岡の各事業拠点が地域経済に貢献しながら収益を上げる等、他社にない特徴を有する。
 
 
*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。
 
 
 
2017年3月期決算
 
 
3期連続の増収、営業利益が過去最高を更新
売上高は前期比5.2%増の155億41百万円。クラウド化による影響等でシステム機器販売が減少したものの、ソフトウェア開発の売上が117億60百万円と9.0%増加した他、低採算案件の見直しを進めたシステム運用管理の売上も、大口の既存顧客を中心に35億31百万円と同2.4%増加。ソフトウェア開発では、金融・運輸向けの各種業務システム開発、製造業向けのERPパッケージを活用した基幹系システム開発案件及びCAE(構造解析・流体解析)案件が堅調に推移した。ソフトウェア開発の人員増強の一環としてシステム運用管理に従事する社員のスキル転換を進めており、システム運用管理は収益性重視の対応を進めている。

営業利益は同26.6%増の13億38百万円。付加価値の高い業務の受注と品質管理の徹底による生産性の向上に加え、既存案件の最適化(選択と集中)もあり、情報サービス(≒ソフトウェア開発+システム運用管理)の原価率が改善。利益率が低いシステム機器販売の減少もあり、売上総利益率が15.9%と0.9ポイント向上した。一方、販管費は主要費目が減少した。
セグメント別では、ソフトウェア開発の利益が17億16百万円と同20.1%増加した他、システム運用管理の利益も3億41百万円と同3.0%増加。ソフトウェア開発(利益率:13.2%→14.6%)、システム運用管理(同:9.6%→9.7%)共に利益率が向上した。一方、システム機器販売は売上の減少で間接費を吸収できなかった。
 
 
 
 
 
金融     売上高59億45百万円(前期比8.7%増)
銀行向けはシステム統合案件等が堅調に推移したが、下期はマイナス金利による収益悪化で案件が絞り込まれた。一方、案件の減少を見越して銀行向けから人員をシフトさせたクレジットカード向けは、流通系カード会社の大型プロジェクト(COBOLからjavaへのマイグレーション)の受注に成功。再編後のシステム整備が途上にある生損保向けも増加した。売上構成比は、銀行及び銀行系クレジットカード会社70%強、ノンバンク(消費者金融)20%弱、生損保10%。売上高が4億77百万円増加したが、この約5割が銀行・クレジットカード会社向けである。
 
製造     売上高30億63百万円(前期比4.0%増)
電機メーカー・自動車メーカー向けの基幹システム開発案件や構造解析・流体解析のCAE案件が堅調に推移した。製造向けは自動車メーカー向けの売上構成比が高く、また、CAE案件は売上が10億円を下回る水準(製造向け売上の約1/3)だが利益率が高い。
 
情報     売上高15億42百万円(前期比4.6%増)
人事関連パッケージの開発・保守支援業務やデータベース運用支援業務が堅調に推移した。
 
運輸     売上高13億74百万円(前期比12.0%増)
開発から運用まで100名体制で対応している大手宅配会社の競争力強化に向けた新規構築案件や既存システム更改案件で売上が増加した。
 
通信     売上高10億33百万円(前期比1.9%減)
各キャリアの設備投資が端境期にあり、売上が減少した。
 
公共・エネルギー     売上高11億02百万円(前期比8.3%減)
基盤構築案件で官公庁・自治体向けが堅調に推移したものの、自由化対応の一巡で電力向けが減少した。電力向けは、東北、関西、九州での展開が中心となっている。
 
流通・サービス     売上高14億79百万円(前期比5.8%増)
各種ECサービス向け基幹システムの開発・保守案件や専門サービス向けデータ解析支援業務の寄与で売上が増加した。
 
 
2018年3月期業績予想
 
 
前期比2.3%の増収、同2.0%の営業増益予想。売上高が4期連続、営業利益が2期連続で過去最高を更新する見込み
「製造業等のIT投資に影響を及ぼす為替や海外の政治・経済に不透明感がある」として保守的な予想にとどまった。売上面では、システム機器販売の減少を織り込む一方、ソフトウェア開発とシステム運用管理で増収を見込んでいる。引き続き付加価値の高い業務の受注と品質管理の徹底と既存案件の最適化による生産性の向上に取り組むものの、前期並みの営業利益率を前提としたため営業利益は13億65百万円と同2.0%の増加にとどまる見込み。
 
(2)セグメント別取り組み
ソフトウェア開発では、サービスの高付加価値化(上流工程業務、インテグレーションサービス等)やビジネスモデルの転換(クラウド活用によるサービス化等)に取り組むと共に、高収益化に向けた業務品質の向上、生産性の向上のための人材獲得と育成・スキルチェンジ等にも力を入れる。また、クラウド、ビッグデータ、IoT、AI等の成長分では、各分野で専門性を持つ会社との協業によりニーズに応えていく。この他、顧客基盤の強化にも取り組む。具体的には、エンドユーザーとの取引は業種を問わず企業単位で投資の波があるため、収益の安定化を図るべく、顧客数の増加と共に大手システムインテグレーターとのパートナーシップに力を入れる。

システム運用管理では、システムの更新に伴う保守運用体制の見直しニーズに対応して、より付加価値の高い業務へシフトを進める。また、開発を受注した案件の保守・運用業務の受注等、トータルアウトソーシングの提案を促進していく。

システム機器販売は、クラウドやデータセンター等、PaaSの活用により需要減少が続く見込み。
 
(3)エンドユーザー別動向
金融向けは総じて堅調な推移が見込まれる。銀行向けはシステム統合案件が一旦収束するものの、引き続き海外案件やフィンテック関連等でのIT投資の増加が期待できる。クレジットカード向けも流通系の各種統合案件を中心に堅調な推移が見込まれ、レガシーシステムの更新案件が続く生損保向けも好調を持続する見込み。

製造向けは、為替の動向に左右される面があるものの、生産管理システムや基幹系システムの開発案件の寄与や自動車向けCAEソリューション業務の需要拡大が見込まれる。

運輸向けは、主力ユーザー企業がITを活用した人手不足対応に力を入れており、関連するシステム開発や更新で好調を持続する。

通信向けは、一部でインフラ更新需要が見込めるものの、全体としては投資の端境期にあり、減収傾向が続く見込み。

公共・エネルギー向けは、公共でIT活用支援やシステム基盤構築案件の進捗が見込まれるものの、新料金システムや営業系システムが一巡する電力向けが減少する見込み。ただ、2020年の発送電分離に向けた動きが、徐々に顕在化してくる見込み。

流通向けは、パッケージベンダーとの連携によるERP構築案件が一服するが、同案件が保守案件として継続する他、中小規模の案件の手持ちも豊富。ただ、大型案件が減少するため、前期比減収が避けられない。

サービス向けは、ネット活用のサービス展開に向けたシステム開発需要が堅調だが、受注競争が激化している事が懸念材料。既存顧客の保守・更新サポートに注力していく考え。
 
 
森下新社長インタビュー
 
2017年6月23日開催の第37回定時株主総会及び同総会終了後の取締役会を経て、森下祐治取締役常務執行役員ソリューション第一本部長が代表取締役社長執行役員に就任された。これに先立つ5月30日、株主総会前のご多忙中にもかかわらず、今後の経営方針等についてお話をうかがう機会を頂いた。

森下祐治新社長は1963年9月5日生まれの53歳。(株)松本計算センター(現TIS(株):証券コード3626)を経て1991年9月に(株)Minoriソリューションズの前身である(株)フライトに入社された。2007年4月に同社執行役員に就任し、以後、取締役執行役員ITソリューション本部長、取締役常務執行役員ソリューション第一本部長等の要職を歴任された。ソリューション第一本部は、クラウド、ビッグデータ、IoT、AI等のイノベーション分野を担うと共に、松本や仙台といった戦略拠点を統括するハブ機能も有する。言わば同社のエース格と言える事業部門である。
 
【取締役常務執行役員ソリューション第一本部長としてイノベーションの先端分野を統括】
これまで取締役常務執行役員ソリューション第一本部長として経営の一翼を担ってこられました。ソリューション第一本部というのは、どのような位置付けなのでしょうか。前期の後半から今期にかけて組織の再編を進めてきましたが、組織の再編は新経営体制への移行後の事業展開とも密接にかかわってくるのではないかと思います。組織再編の概要と共に説明して頂けますでしょうか。
 
私が担当していたソリューション第一本部は、金融イノベーション部、Webソリューション部、ビジネスソリューション部、仙台開発部、松本開発部に分かれます。金融イノベーション部、Webソリューション部、ビジネスソリューション部は、事業本部毎に対応してきたクラウド、ビッグデータ、IoT、AI等のイノベーション分野を集約した事業本部と言えます。また、仙台開発部は電力を中心とした開発を行います。松本開発部は製造業向けを中心としたソリューションの開発等を行います。ソリューション第一本部は、当社の特徴でもあります仙台や松本と言った地方の戦略拠点を統括するハブ機能も有するわけです。

組織図で言えば、代表取締役の下に、経営企画室、リスク管理室、ビジネスイノベーション室、パートナー推進室、技術企画本部、管理本部、業務本部がありますが、これらの本部等と同列で、ソリューション第一本部、ソリューション第二本部、ソリューション第三本部、ソリューション第四本部、及びエンジニアリング本部が置かれています。

第二本部は、主に外資ベンダー、大手メーカー、大手SIerを顧客とし、地方自治体、金融系のシステム開発に先立つ基盤構築、開発後の運用やコールセンター・ヘルプデスク等のサービスを提供しています。第三本部は関西圏を担当しています。関西圏は首都圏ほど市場が大きくありませんから、第三本部はユニットの構成を小規模にして数を増やし、多様なニーズの掘り起こしと機動的な対応が可能な組織構成になっています。第四本部は、銀行、カード、ノンバンク、生損保等の金融ストック系の業務が中心です。

また、どの本部もそうですが、開発とサービスが一体となった事業展開を志向しています。従来は開発とサービスを分けていましたが、人工(注:人月単価)ビジネスからの脱却とサービスの提供による高付加価値化を追求していきます。
 
営業本部を発展的に改組し、新たにビジネスイノベーション推進室を設置
昨年11月には、営業本部を発展的に改組し、新たにビジネスイノベーション推進室を設置しました。クラウド、AI、ビッグデータ、IoTといったイノベーションを活用したソリューションの需要が急速に高まっている事に対応したもので、イノベーションを活用した新規事業の企画や機動的な事業推進体制の構築を目的に設置されました。
ビジネスイノベーション推進室は営業部隊と開発部隊が一体となって事業を進めていきます。当社が長年蓄積してきた技術力、業務ノウハウをベースに、各方面で専門的な強みを持つ企業との協業により、クラウド、AI、ビッグデータ、IoT等を活用したソリューションを展開していきます。

また、ビジネスイノベーションの推進を目的に、この4月にエンジニアリング本部も新設しました。CAEソリューションとのシナジーを追求して、IoTや自動運転等の産業イノベーションへの事業化に取り組んでいきます。
 
【中期経営計画(18/3期〜21/3期)】
なるほど。御社は、金融機関向けを中心に常駐型のシステム開発・運用を強みとした(株)JSCと、製造・運輸・流通等の幅広い分野で一括請負型のシステム開発を手掛けていた(株)イーウェーヴ、と言う異なるタイプの2社が合併して誕生しました。体制の整備でも苦労される事が多かったのではないかと思いますが、合併以来の継続的な売上の増加と営業利益率の改善で収益基盤の強化が進んだため、次のステップに進もうと言う訳ですね。

今後の方向性としては、1月に発表した中期経営計画(18/3期〜21/3期)に示されていると思います。基本戦略として、「高付加価値経営」、「Minoriブランドの向上」、「働きやすい、魅力ある会社」、の3項目を掲げ、最終の21/3期に売上高200億円、営業利益20億円の達成を目指しています。このうち、「高付加価値経営」については、クラウド、IoT、ビッグデータ解析、AI、フィンテックと言った新技術を活用した高付加価値ビジネスを創出していく、とあります。詳しく説明して頂けますでしょうか。
 
先ずクラウドですが、SAP HANA Cloud Platform(以下、HANA Cloud)を活用したシステム開発や各種サービスの提供が中心になります。昨年10月に“松本山雅FC シャトルバス運行情報提供サービス”を開始しましたが、このサービスはクラウド環境とモバイル端末を活用して、主要駅や駐車場からスタジアムまでのシャトルバスの走行状況や乗客の待ち行列状況の情報をチェックできる環境を提供します。HANA Cloudをプラットホームとして、位置情報(IoT)、Webアプリ、データ解析等の技術を統合したサービスです。先ほど、ビジネスイノベーション推進室の説明をしましたが、この実証実験はビジネスイノベーション推進室が企画・開発し、実証実験の場所が松本市だったので、ソリューション第一本部が実働部隊としてプロジェクトを進めました。

この実績が評価され、3月には2017年度「SAP AWARD OF EXCELLENCE2017」(注)において、「特別賞SAP HANA Cloud Platform」を受賞する事ができました。クラウド関連の問い合わせも増えています。実証実験は、当社のクラウドやIoTのソリューションをPRする上で大きな効果がありました。

HANA Cloudでは、クラウドとしてのプラットホーム上に、IoT、ビッグデータ解析、AI、ERP等の様々なサービスが用意されていますから、こうしたサービスとの組み合わせで様々なソリューションを提案できます。ソリューション第一本部は実証実験の経験を基に、現在、クラウド、ERP、ビッグデータ解析を組み合わせたソリューションの開発に取り組んでいます。
 
注:
「SAP AWARD OF EXCELLENCE」は、顧客満足度が非常に高いと評価されたSAP社のパートナー会社の功績を称えるため1998年に創設され、2017年で20回目を迎える。
 
IoT、ビッグデータ解析、AI等で、様々な成長に向けた布石
IoTでは、CAEソリューションによる解析の対象をセンサや部品に広げ、自動運転関連のニーズを取り込んでいきます。この4月にCAEソリューションとIoTによる産業イノベーションの事業化を目的にエンジニアリング本部を新設しました。ビッグデータ解析では、農業機械や建設機械の部品劣化についてのビッグデータ解析による支援を行っています。また、金融機関や商社の顧客に対して、60名ほどの専門部隊による高速データベースツールを活用したサービスも提供しています。ビッグデータ解析ソフトの有力ベンダーであるSAS社(SAS Institute Japan株式会社)との協力の下、ビッグデータ解析のソリューションを今期中に立ち上げる予定です。フィンテックでは、金融機関との現在の取引を活かして需要も取り込んでいきます。

AIでは、コールセンターの支援業務等で商談が進んでいます。具体的にはソリューション第二本部がコールセンターやヘルプデスクでの「AI」や「ビッグデータ解析」の活用に取り組んでいますが、製造業各社からはAIを使った受発注システムの引き合い等が増えています。NEC等のパッケージベンダーが開発したプロダクトを使って、基盤構築に強みを持つ当社がAIを活用したシステムの開発を行います。また、拠点のひとつである松本開発部がある信越地方には工場が多いのですが、AIやIoTに限らず、松本の拠点経由で工場関連の開発の引き合いが多数寄せられます。ICタグを使った工場のライン管理等の引き合いも来ています。

ビジネスイノベーション推進室には電力を担当している社員がいますが、2020年に予定されている送電分離に伴うシステム開発に加え、コールセンターのAI化や契約書のAIによる処理、ドローンを使った送電設備の点検等、様々なご相談を頂いています。
 
「高付加価値経営」については、クラウド、IoT、ビッグデータ解析、AIを活用した取り組みが様々な分野で進んでいるようですね。「Minoriブランドの向上」と「働きやすい、魅力ある会社」の実現では、どのような取り組みを進めているのでしょうか。
 
Minoriブランドの向上に向け、お客様の事業の成長と社会の発展に貢献するICTパートナーとして、業界内でのプレゼンスと企業ブランドの向上に取り組んでいきます。具体的には、「お客様と共に歩むMinori」の実現に向け、技術力、品責、組織力、リスク管理を強化します。また、「社会の中のMinori」として、公共性の高い分野や地域貢献につながる事業を推進していきます。

「働きやすい、魅力ある会社」とは、未来を創造できる会社です。社員一人一人が自身の将来を展望でき、健康に、安心して働ける会社、多様な人材が集まり、一人一人の成長が会社の成長につながる会社です。「健康経営」、「ダイバーシティ経営」、「社員が成長する会社」をキーワードに会社作りを進めていきます。この2月には、経済産業省と日本健康会議が主催する「健康経営優良法人2017」の大規模法人部門において、“保険者と連携して優良な健康経営を実践している法人”に認定されました。この制度は、地域の健康課題に即した組織や日本健康会議が進める健康増進の取り組みを基に、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する制度です。
 
人材を活かす事で収益性を改善
合併初年度となった11/3期の営業利益率は2.8%でしたが、17/3期には8.6%にまで高まりました。品質管理の強化と共に、社員の技術力向上に取り組んできた成果です。ベテランから若手への技術やノウハウの伝承が組織的に進む体制が整備されてきた事に加え、より付加価値の高い業務にシフトさせるためのスキルアップを目的としたジョブローテーションの仕組み作りも進んでいます。システム運用管理の社員にJAVAプログラミングへのスキル転換講習等を受けてもらい、ソフトウェア開発の業務に就いてもらう取り組みを毎年続けています。

常駐型サービスの場合、お客様にしてみれば、業務に精通した技術力のある社員が継続して勤務する事を望まれますが、当社としては、サービスが軌道に乗った後は、高い技術力を持つ社員は難易度の高い新規案件やより付加価値の高い案件に振り向けたいところです。会社全体で社員の育成と技術力の底上げが進むと、こうしたケースで顧客満足度を下げる事なく、より技術力の高い社員を新たな案件に振り向ける事ができるようになります。また、若手社員のスキルアップを目的とした計画的なローテーションも可能になります。
こうした取り組みは、収益性の向上はもちろんですが、「働きやすい、魅力ある会社」と言う基本戦略にも適ったものです。「社員一人一人が自身の将来を展望でき、健康に、安心して働ける会社、多様な人材が集まり、一人一人の成長が会社の成長に」と言う思いを具現化した取り組みと言えます。
 
「Minoriブランドの向上」に向け、「社会の中のMinori」として、公共性の高い分野や地域貢献につながる事業を推進していく、との事ですが、CSRの一環としても取り組んでいる「松本山雅FC」のクラブ運営への支援や“松本山雅FC シャトルバス運行情報提供サービス”がその一例ですね。「働きやすい、魅力ある会社」づくりの一環としてのスキルアップやキャリアアップの取り組みも興味深いものです。
 
 
【投資家の皆様へ】
最後に投資家の皆様へメッセージをお願いします。
 
このたびの経営刷新により経営体制の若返りが進められました。私を含めた新しい経営陣には、事業展開のスピードアップが求められていると考えています。これまでの経営を大切にしつつ、スピードアップを図ると共に、「責任感の醸成」、「自立」と言った視点を経営に加える事で、Minoriソリューションズの強みに磨きをかけていきたいと思います。そのためには、若い社員のレベルアップと、若い幹部の自覚・自立を促していく必要がありますから、何よりも社員教育に力をいれていく考えです。
昨今、クラウド、AI、ビッグデータ、IoT等、新たな技術革新を活用したソリューションの需要が高まっています。こうしたマーケットの変化に対応するべく、営業本部を発展的に改組してビジネスイノベーション推進室を設置すると共に、リソースの活用を目的にソリューション本部の再編も実施しました。2010年4月の合併以来、育ててきた稲穂を実らせ、刈り取り、そして、そこから得られる収穫を、ステークホルダーの皆さんと分かち合う事ができれば、と考えています。より一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 
長時間にわたり、丁寧なご説明を頂き有難うございました。クラウド、IoT、ビッグデータ解析、AIを活用した取り組みが様々な分野で進んでいる事がわかりました。また、「Minoriブランドの向上」や「働きやすい、魅力ある会社」の実現に向けた取り組みも具体的にイメージできるようになりました。こうした取り組みが業績に反映されて来れば、御社の評価が一段と高まると思います。
 
<参考>
中期経営計画(18/3期〜21/3期)
経営目標
 ・お客様の成長に貢献する会社
 ・持続的な成長で株主様の期待に応える会社
 ・自社に誇りを持ち、自らの未来を創造できる会社
基本戦略
 ・高付加価値経営
 ・Minoriブランドの向上
 ・働きやすい、魅力ある会社(未来を創造できる会社へ)
計数目標
 ・21/3期 売上高1,000億円、営業利益20億円
 ・ROE10%を確保し、15%以上を目指す
 
 
 
今後の注目点
17/3期は利益が期初予想を大幅に上回った。期初予想が保守的だった事もあるが、各プロジェクトが順調に進んだ事や流通系カード会社の大型プロジェクトの寄与等が上振れ要因になった。18/3期予想は営業利益率の前提を前期並みの8.6%にとどめる等、保守的なものとなった。クラウド、ビッグデータ、IoT、AI等のイノベーション分野で先行投資が発生する可能性があるが、中期経営計画の目標である2021年3月期営業利益20億円の達成に向け、引き続き品質管理の強化と社員の技術力向上に取り組んでいく考えだ。ビッグデータ解析、IoT、AI等、イノベーション分野での成果の早期顕在化と共に、今期業績の上振れに期待したい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書     更新日:2017年6月26日
基本的な考え方
当社では、企業価値を増加させ、その最大化を図るために、経営と業務執行の透明性、迅速性、公平性の確保および責任を明確化するとともに、さらに規模を高め法令遵守を徹底させることを、コーポレートガバナンス(企業統治)の基本と考えております。
 
<実施しない主な原則とその理由>
【原則1-4 いわゆる政策保有株式】
当社は、円滑な事業運営、取引関係の維持・強化などを目的として、中長期的な経済合理性や将来見通しを総合的に勘案した上で、必要と判断される場合に限り、株式を政策的に保有します。保有する株式については、経済合理性や事業環境の変化などを踏まえ、取締役会にて適宜見直しを行ってまいります。政策保有の株式の議決権行使については、議案の内容を精査し、必要に応じて企業との対話を行い、当社の株主価値向上に資するものか否かを判断した上で、適切に行使いたします。
 
<開示している主な原則>
【原則1-7 関連当事者間の取引】
当社では、取締役及び取締役が実質的に支配する法人との競業取引及び利益相反取引は、取締役会での審議・決議を要することとしております。また、取引条件及び取引条件の決定方針等については、株主総会招集通知や有価証券報告書等で開示しております。当社役員が実質的に支配する法人及び主要株主が当社顧客として取引を行う場合、会社に不利益とならない体制を整えております。
 
【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
ディスクロージャー・ポリシーを当社ホームページに開示しております。
当社では、IR担当取締役を選任するとともに、総務部をIR担当部署としております。
株主や投資家に対しては、決算説明会を半期に1回開催するとともに、逐次、スモールミーティングを実施しております。
 
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
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