ブリッジレポート
(6184:東証1部) 鎌倉新書 企業HP
清水 祐孝 社長
清水 祐孝 社長

【ブリッジレポート vol.6】2018年1月期第1四半期業績レポート
取材概要「通期予想に対する進捗率は、売上高20.9%(前年同期22.2%)、営業利益16.1%(同14.7%)、経常利益16.8%(同14.1%)、純利益・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年8月15日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社鎌倉新書
社長
清水 祐孝
所在地
東京都中央区八重洲1-6-6 八重洲センタービル7F
事業内容
葬儀、仏壇、お墓のポータルサイト運営、紹介手数料と広告が収入源。月刊「仏事」など関連出版も
決算期
1月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年1月 1,332 327 324 206
2016年1月 1,147 225 211 125
2015年1月 917 12 27 10
2014年1月 778 57 58 30
株式情報(7/13現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,764円 8,446,156株 14,899百万円 26.9% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 30.26円 58.3倍 107.85円 16.4倍
※株価は07/13終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
鎌倉新書の2018年1月期第1四半期決算と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「人と人とのつながりのお手伝い」をコンセプトに、ライフエンディング市場にフォーカスした事業展開を進めている。ライフエンディング市場とは、死別後に備えた事前準備から、葬儀、仏壇、墓、更には遺族の生活の再構築に関わる市場の事。葬儀社・斎場・火葬場検索サイト「いい葬儀」、霊園・墓地・墓石店検索サイト「いいお墓」、及び仏壇・仏具店検索サイト「いい仏壇」等のポータルサイト運営を中心に、日本初で唯一の供養業界を網羅したビジネス誌である月刊「仏事」やライフエンディングに関連する書籍の制作・販売を手掛けている。
 
【企業理念】
企業理念は、“私たちは、人と人とのつながりに「ありがとう」を感じる場面のお手伝いをすることで、豊かな社会づくりに貢献します”。
「親切」と「ありがとう」の交換は、豊かな社会を形成する土台である、との考えの下、人生の様々な局面で「ありがとう」を感じる瞬間を社会の中に増やしていく事、そのために鎌倉新書は存在していきたい、としている。
 
【沿革】
1984年4月、仏壇仏具業界向け書籍の出版を目的に設立されたが、清水祐孝氏の代表取締役就任を機に、「本を買う人は、紙の印刷物が欲しいのではなく、そこに書かれている情報を求めている」との考えの下、「自分たちの提供する価値は“情報”である」と改めて定義。情報加工業という視点から、事業領域を「インターネットビジネスを含めた情報ビジネス」として、2000年10月に全国の葬儀社や葬儀マナー等に関する情報サイト「いい葬儀」を開始した。
 
 
【事業内容】
事業は、お墓、葬祭、仏壇等のマッチングプラットフォームとなるポータルサイト運営を中心としたWEBサービス事業と、ライフエンディングに関わる書籍の企画・制作・賑売やセミナー等の書籍他事業に分かれる。17/1期の売上構成比は、WEBサービス事業86%、書籍他事業14%。
 
WEBサービス事業
終活から葬儀、仏壇、墓、遺産相続といったライフエンディング全域をカバーするポータルサイト群を通してサービスや商品の情報を発信すると共に、お客様センターで問合せや相談に応じる事で、サイト利用者の意思決定をサポートしている。一方、ポータルサイトに掲載される葬儀社、仏壇仏具店、石材店、寺院霊園等の事業者に対しては、販売支援サービスの提供や掘り起こした見込み客の紹介を行う。サイト利用者には無料でサービスを提供し、紹介した見込み客と事業者との間で契約がまとまった時に成約報酬を受け取る(成約金額の10〜20%程度)。事業者にしてみれば、“後払いの広告宣伝費”と考える事ができ受け入れやすい。

同業者としては、葬儀サービスでは、流通大手イオングループのイオンライフ(株)、「小さなお葬式」や「葬儀本.com」等を展開する(株)ユニクエスト・オンライン等があり、墓では、「もしもドットネット」を運営する首都圏石材協同組合、メモリアルアートの大野屋、(株)日本仏事ネット等を挙げる事ができる。
 
KPI(重視する経営指標) 成約報酬 = 紹介数 × 成約率 × 販売単価 × 手数料率
成約報酬の拡大に向け、同社は紹介数の増加と成約率の向上に取り組んでおり、その結果としてのシェア拡大を手数料率の引き上げにつなげていきたい考え。紹介数の増加には、コンテンツの充実、導線の改良、デザインの改良、広告等の活用がポイントであり、成約率の向上には、サイトユーザーとのコミュニケーション強化や事業者との連携強化が必要となる。
 
 
 
書籍他事業
供養業界の事業者に向けたビジネス情報誌である月間「仏事」(年間購読料:税込み16,200円)等、葬儀や墓・仏壇等、供養に関連する様々な出版物を発行している。出版社としての知名度や信頼感、業界ネットワーク、コンテンツ生成力がインターネットサービスにも活かされている。売上や利益では測れない、シナジーを有する事業である。
 
 
【社会的背景と鎌倉新書の役割】
核家族化が進み、前の世代からの慣習や知識等の引き継ぎが減っているため、消費者は、ライフエンディング全般に、「誰に頼めばいいかわからない」、「どうすべきかわからない」、「選ぶ基準がわからない」、「費用が適正かどうかわらない」といった悩みを抱えており、インターネットで情報検索するケースが増えている。

一方、事業者は、「集客やセールスのコストがかかり過ぎる」、「信頼感をもたれていない」といった悩みを抱えている。このため、10〜20%程度の成功報酬で顧客開拓できる鎌倉新書のポータルサイト活用は魅力的であり、信頼感と言う点では、業界誌の発行体として30年以上の実績を有する同社が仲介する意義は大きい。
 
 
東京圏人口を中心に三大都市圏人口の割合が上昇しており、三大都市圏以外の人口の割合が低下している。こうした人口動態も、慣習や知識等の前の世代からの引き継ぎがなされない要因の一つとなっている。
 
 
成長戦略
 
【鎌倉新書の成長ストーリー】
お墓事業、葬祭事業、仏壇事業の各事業において、新たに取引先業者のマーケティング支援サービスを展開する事で、既存サービスとのシナジーを追及しプラットフォーム型ビジネスの最大化を図っていく。また、ライフエンディング全域をカバーする同社の強みを活かして、相続、遺品整理、信託、高齢者の自己実現に向けた終活支援等、ライフエンディング周辺領域で一般ユーザーが抱えている複合的な課題の解決にも取り組んでいく。既存事業の最大化とライフエンディング周辺事業の育成により、圧倒的な知名度とブランド価値の獲得につなげていきたい考え。
 
 
【組織変更】
上記取り組みの一環として、18/1期期初に、営業企画部、事業開発部及びメディア開発室を新設した。営業企画部はユーザーへの営業強化(取引先業者のマーケティング支援)に取り組み、事業開発部とメディア開発室はライフエンディング周辺市場で事業展開していく。

事業開発部は、お別れ会(葬儀は一線を画す、人々の意識の多様化に対応した新しいお別れの形をプロデュース)、信託、更には、ライフヒストリーやメッセージの作成といった高齢者の自己実現等のニーズを取り込む事で新市場や新商品・新サービスの開発につなげていく。
一方、メディア開発室は、遺産相続、遺品整理、看取り等の、新市場や新商品・新サービスに開発に取り組む。また、事業開発部とメディア開発室が連携して社会貢献のサポートにも取り組んで行く。
 
 
2018年1月期第1四半期決算
 
 
前年同期比20.6%の増収、同40.4%の営業増益
売上高は前年同期比20.6%増の3億55百万円。収益性・効率性重視で臨んでいる書籍他(セミナー等を含む)の売上が33百万円と前年同期の44百万円から減少したものの、WEBサービス事業が同28%増と伸長。お墓事業(同33%増)、葬祭事業(同23%増)、仏壇事業(同18%増)の3事業が、そろって高い売上の伸びを示した。

営業利益は同40.4%増の67百万円。WEBサービスにおける増収効果と効率化に加え、書籍他のコストダウンもあり、売上総利益率が1.3ポイント改善。人材採用の強化に伴う人件費の増加やお別れ会等に関連する会場設営や供花等の業務委託費の増加を中心とする販管費の増加を吸収した。
 
 
 
 
第1四半期の売上は他の四半期と比べ最も低くなる傾向にあるが、当期はWEBサービスをけん引役に過去最高を更新した。
 
 
サイトのUI(User Interface:操作感)/UX(User Experience:満足感)改善や広告効果で見込み客が増加し、紹介数が前年同期比18.0%増加。単価も前年同期比では低下したが、前四半期比では7.0%上昇。営業企画部による見込み客フォローのマーケティングパッケージの提供で手数料単価の引き上げに取り組んでいる。成約率は前年同期に比べて2.7ポイント改善した。
 
 
紹介数が前年同期比8.3%増加し四半期ベースの過去最高を更新。業界全体が低価格化傾向にある中、単価も同12.2%上昇。紹介数が上昇トレンドに乗り、単価は四半期毎に振れがあるものの、高い水準を維持している。
 
 
紹介数が前年同期比15.6%増加した。業界全体の傾向である低価格化の影響を受けて、単価が低下(同△13.9%)したものの、成約率36.6%と前年同期に比べて1.9ポイント改善し、前四半期との比較では3.3ポイントの大幅な改善となった。
 
 
 
主に現預金と純資産の増加で総資産は11憶66百万円と前期に比べて44百万円増加した。自己資本比率81.9%(前期末81.0%)。
尚、7月20日払い込みで、公募増資538千株(売出価格1,757円)及び第三者割当増資80千株(同1,646円)を実施する。約10憶円を調達し、2020年1月までに、7億10百万円をポータルサイトサービス等の既存事業及びお別れ会等の新規事業の拡大に伴う人件費と採用活動費に、90百万円をリスティング広告等の広告宣伝費に、2億04百万円をお別れ会等に関連する会場設営や供花等の業務委託関連費に充当する予定。
 
 
2018年1月期業績予想
 
 
業績予想に変更はなく、前期比27.6%の増収、同28.3%の営業増益予想
売上高は前期比27.6%増の17億円。墓・葬祭・仏壇の3事業の好調でWEBサービスが同23%増の14億19百万円と増収をけん引する中、新規事業の寄与等で書籍他も2億92百万円と同56.1%増加する見込み。
営業利益は同28.3%増の4億20百万円。既存WEBサービスは変動費が売上見合いで増加するものの、増収効果と更なる効率化で売上総利益率が前期の55%から62%に改善する他、書籍他も更なるコストダウンが見込まれる。売上見合いによる共通管理費用の増加や新規事業関連の人件費や先行投資等2億円を吸収して3期連続の営業最高益更新が見込まれる。
 
 
 
 
 
(2)Topic  −「これからハンドブック」を無料配布スタート−

(同社資料より)
同社と、在宅医療、訪問診療クリニックの検索サイト「いしくる」を運営するエムスリードクターサポート(株)と全国の有料老人ホームや民間の高齢者施設を紹介する「有料老人ホーム情報館」を運営する(株)ケアプロデュースとの3社共同で高齢者とその家族が知っておきたい情報を1 冊にまとめた「これからハンドブック」を発行した。「これからハンドブック」は、「在宅医療」、「介護施設」、「終活」の3領域を高齢者ご本人とその家族に向けて1冊にまとめたもの。首都圏の訪問看護ステーションや訪問診療クリニックをはじめ、居宅介護事業所や地域包括支援センターなどへ無料配布を開始した。
 
 
今後の注目点
通期予想に対する進捗率は、売上高20.9%(前年同期22.2%)、営業利益16.1%(同14.7%)、経常利益16.8%(同14.1%)、純利益16.7%(同13.9%)。季節要因や右肩上がりの業績推移から、例年、第1四半期は1年の中で、売上高、利益共に最も少ない四半期だ。そのため、第1四半期の計画も固めに見積もっていた事もあり、上振れしての着地となった。順調な立ち上がりである。
尚、18/4期から本格的に取り組む新規事業では、高齢者のやりたい事の手伝いといったポジティブな領域も含め、高齢者が抱える様々な問題や課題に真正面から向き合っていく。既存WEBサービスの更なる拡大と収益性改善を図る事で高い利益成長を維持しつつ新規事業を育てていく考えだ。
 
 
 
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書       更新日:2017年07月21日
基本的な考え方
当社は、企業価値を向上させ、株主利益を最大化するとともに、ステークホルダーと良好な関係を築いていくために、コーポレート・ガバナンスの確立が不可欠なものと認識しております。具体的には、代表取締役社長以下、当社の経営を負託された取締役等が自らを律し、その職責に基づいて適切な経営判断を行い、当社の営む事業を通じて利益を追求すること、財務の健全性を確保してその信頼性を向上させること、説明責任を果たすべく積極的に情報開示を行うこと、実効性ある内部統制システムを構築すること等が重要であると考えております。
 
<実施しない主な原則とその理由>
【補充原則4-1-2】
当社が属するライフエンディング業界は昨今変化が目覚ましく、このような環境の中、中長期の経営計画を株主の皆様にコミットメントすることは、環境の変化に対応する柔軟性や機動性を損なう可能性があると考えております。そのため、当社では中長期の経営計画は公表しておりません。
 
<開示している主な原則>
【原則1-4】
当社は、取引先との安定的・長期的な取引関係の構築、業務提携、又は協働ビジネス展開の強化の観点から、当社の中長期的な企業価値向上に資すると判断される場合、当該取引先等の株式等を取得し保有することが出来るものとします。政策保有株式のうち、主要なものについては、保有する上での中長期的な経済合理性や取引先との総合的な関係の維持・強化の観点からの保有効果等について検証し、取締役会において報告を行います。また、議決権行使にあたっては、提案されている議案について株主価値の毀損に繋がるものではないかを確認し、賛否を決定して行使いたします。

【原則1-7】
当社は、毎年定期的に関連当事者取引の有無を確認しております。また、競業取引及び利益相反取引などにあたる場合は、事前に取締役会において承認を要することとしております。

【原則3-1】
(1)会社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画
当社の企業理念については当社ホームページにて開示しておりますのでご参照ください。
http://www.kamakura-net.co.jp/company/principle.html
(2)本コードのそれぞれの原則を踏まえた、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針は、当社ホームページに掲載しておりますのでご参照ください。
http://www.kamakura-net.co.jp/ir/governance/index.html
(3)取締役会が、取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続
取締役の報酬は、原則として月例固定報酬としており、株主総会において承認された報酬枠の範囲内で取締役会規程に基づき、独立社外取締役も出席する取締役会の承認を受けて決定しております。
(4)取締役会が取締役候補の指名を行うに当たっての方針と手続
取締役の指名に関しては、的確かつ迅速な意思決定に寄与する能力の有無と適材適所の観点より総合的に検討し、独立社外取締役も出席する取締役会の承認を受けて決定しております。
(5)取締役会が上記(4)を踏まえて取締役候補の指名を行う際の、個々の選任・指名についての説明
当社の取締役候補の指名理由は株主総会招集通知の株主総会参考書類をご覧ください。
 
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
Copyright(C) 2017 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.

« ブリッジレポート:(2925)ピックルスコーポレーション vol.38 | ブリッジレポート:(4829)日本エンタープライズ vol.41»

ブリッジレポート(バックナンバー)
アンケート
ブリッジメール
アラート申込み
CLOSE