ブリッジレポート
(3034:東証1部) クオール 企業HP
中村 勝 会長CEO
中村 勝 会長CEO
中村 敬 社長COO
中村 敬 社長COO
【ブリッジレポート vol.36】2018年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「18/3期は順調な立ち上がりとなった。ただ、通期の業績予想は、売上高・利益共に上期の上方修正分を全て上乗せしていない。このため、通期予想に対・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年8月29日掲載
企業基本情報
企業名
クオール株式会社
会長CEO
中村 勝
社長COO
中村 敬
所在地
東京都港区虎ノ門4-3-1 城山トラストタワー37階
事業内容
調剤薬局チェーン大手。首都圏中心に全国に店舗展開。
決算期
3月末日
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年3月 131,502 6,865 7,065 4,353
2016年3月 124,957 6,709 6,655 3,641
2015年3月 114,363 4,243 4,262 2,155
2014年3月 100,966 2,105 2,208 777
2013年3月 76,783 2,812 2,829 1,349
2012年3月 66,201 3,308 3,238 1,560
2011年3月 60,915 2,804 2,807 1,137
2010年3月 56,305 2,031 2,032 828
2009年3月 49,010 1,526 1,506 653
2008年3月 38,002 1,314 1,298 547
2007年3月 24,827 937 875 403
2006年3月 21,701 779 763 333
2005年3月 20,193 611 580 74
2004年3月 18,500 28 10 -134
2003年3月 11,869 253 413 -33
株式情報(8/22現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,828円 32,706,099株 59,786百万円 20.7% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
26.00円 1.4% 140.74円 13.0倍 652.42円 2.8倍
※株価は8/22終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
クオールの2018年3月期第1四半期決算の概要と2018年3月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
首都圏を中心に全国展開を進める業界3位の調剤薬局チェーン。従来、調剤薬局と言えば、大病院の近くに出店し顧客獲得を競う門前薬局が主流だったが、同社は創業から一貫して医療機関とのマンツーマン体制による出店戦略を推進し独自の勝ちパターンを確立。近年では、異業種との提携等による人々が集まる導線上への出店に力を入れており、(株)LAWSONとの資本業務提携による「コンビニエンスストア(以下、CVS:Convenience Store)併設型調剤薬局」(調剤薬局とCVSの融合)の街ナカ展開、家電量販店大手の(株)ビックカメラとの連携による駅チカ展開、更にはJR西日本グループとの業務提携による「駅クオール薬局」といった駅ナカ展開が進行中である。また、CSO事業(Contract Sales Organization:MR派遣)や派遣紹介事業、治験支援事業といったBPO受託事業も手掛けている。
 
企業理念    わたしたちは、すべての人の、クオリティ オブ ライフに向きあいます。いつでも、どこでも、あなたに。
 
【事業概要】
事業セグメントは、クオール(株)等が手掛ける調剤事業とCSO事業、治験支援事業等のBPO受託事業に分かれ、17/3期は調剤事業の売上が全体の91.7%を占めた。調剤事業は調剤薬局の経営が中心だが、CVS併設型調剤薬局(「LAWSON」の法人オーナーとして展開)における物販の収益も含まれている。一方、BPO受託事業は、アポプラスステーション(株)によるCSO事業や薬剤師の派遣紹介事業、クオールRD(株)(2017年4月、アポプラスステーションが吸収合併)の治験支援事業、メディカルクオール(株)の出版関連事業からなる。MRの派遣は製薬会社のコスト削減(MRの削減)に対応したもの。
 
調剤事業
クオール薬局
「処方箋は病院の近くで処理するもの」と言う固定観念が強いため、処方箋を受け取った患者が自ら薬局を選ぶ事は稀で、病院等の近くの薬局(門前薬局)を利用するケースが一般的であった。このため、調剤薬局は大病院など大手医療機関の門前に店舗を構え、好立地を活かした店舗運営を志向してきた。これに対して、同社は門前薬局の出店を進めつつも、多くの医療機関と1対1の密接な関係(処方元医療機関の医師との強固な信頼関係)を構築するマンツーマン薬局を志向すると共に、1店舗で複数の医療機関が発行した処方箋を応需する面対応の店舗展開も進めてきた。
 
クオール薬局はマンツーマン薬局が中心だが、近年、面対応タイプが増加している。首都圏中心に出店しており(出店の約50%)、全国のクオール薬局で利用可能なクオールカード(225万人)、処方せん送信アプリと言ったIT化により、近隣の大病院に頼らない面対応の継続的な取り組みが成果をあげており、新患率は毎月8%前後で安定して推移している。
 
面対応強化の一環として異業種と連携  −広範囲な市場をカバー−
2010年以降は異業種との連携により多様なチャンネル展開にも力を入れており、LAWSONとの提携による調剤薬局併設のCVS運営(2014年4月以降は、調剤、CVS、ドラッグストアのヘルスケア融合型にシフト)、駅前の好立地に店舗展開し、高い集客力を誇るビックカメラ店舗でのインストア展開、JR西日本グループとの提携による駅構内での店舗展開を進めている。現在、患者の20%超は能動的に調剤薬局を選択していると言われており、こうした患者の取り込みを図るための差別化戦略であり、患者との接点を点から面に広げる事で広く処方箋を獲得しようとするもの。将来的には宅配サービスも視野に入れており、薬だけでなく、介護用品や弁当等を届ける体制を整備したい考え。
 
 
 
流通改革
2014年3月に立ち上げた医薬品の競争入札を行う医薬品調達機構は、現在全国から18社が加盟している。医薬品調達機構は、先発品を新薬創出加算品目、特許品目、長期収載品目の3カテゴリーに分け、一般競争入札を行っている。これまで同社はすべての医薬品の価格を卸と単独で交渉していたため、値引き率には限界があったが、医薬品調達機構への加盟により、適正かつ公正な価格での交渉・妥結が可能となり現在に至っている。
 
BPO受託事業
製薬企業は生き残りをかけ、事業の選択と集中のプロセスに移行している。このため、先発品に特化し、長期収載品については売却も含めて縮小を進めている。また、販管費の低減(固定費の圧縮・変動費化)にも取り組んでおり、メーカーMRや開発人員の削減等による人員整理を進める一方で、CSO(MR派遣)・CRO(医薬品開発支援)企業の利用を増やしている(外注先の利用による費用の変動費化)。
こうした製薬企業の動きに対応して、同社グループではアポプラスステーション(株)が「メーカーMR(自社のMR)からCMR(Contract MR:派遣MR)への切り替え」(固定費の変動費化ニーズ)に対応したサービスを提供している。
 
 
 
2018年3月期第1四半期決算
 
 
調剤事業をけん引役に前年同期比17.9%の増収、同98.2%の営業増益
調剤事業がけん引役となり、売上高が354億95百万円と前年同期比17.9%増加。利益面でも、収益性が大幅に改善した調剤事業が寄与。営業利益率が前年同期の3.4%から5.7%に2.3ポイント改善し、営業利益が同98.2%増の20億18百万円とほぼ倍増した。最終利益が同54.4%の増加にとどまったのは、前年同期に投資有価証券売却益3億70百万円を計上した反動による。
調剤事業は、調剤報酬改定やC型肝炎治療薬売上減少等の影響が一巡し処方箋単価の減少幅が縮小してきた事で、店舗数の増加とかかりつけ薬剤師・薬局の促進による処方箋応需枚数の高い伸びが素直に反映された。一方、BPO受託事業はMR派遣の案件終了に伴い、一時的なCMRの稼働率低下で減収減益となったものの、計画通りの進捗となった。
 
 
 
調剤事業
売上高328億18百万円(前年同期比20.0%増)、営業利益17億75百万円(前年同期比130.3%増)。既存店が堅調に推移する中、M&A効果等で売上が大きく伸びた。かかりつけ薬剤師・薬局の促進や後発医薬品の使用推進の成果が調剤技術料収入の伸びに反映されている。数量と単価の面からみると、店舗数の増加と上記の取り組みで処方箋応需枚数が同23.5%増加する中、調剤報酬改定やC型肝炎治療薬売上減少等の影響が一巡し処方箋単価の減少幅が縮小(同1.7%減)。利益面では、増収効果に加え、新在庫システムを全店に順次導入し、適正な在庫管理と医薬品調達コストのコントロールに努めた成果が現れてきた。

第1四半期末の店舗数は705店舗(前年同期末569店舗)。出店は、新規出店11店舗(前年同期2店舗)、M&A1店舗(同9店舗)の計12店舗(同11店舗)。一方、閉店は3店舗(5店舗)。
 
 
 
 
BPO受託事業
売上高26億76百万円(前年同期比3.3%減)、営業利益4億50百万円(同1.9%減)。当初計画通り進捗しており、継続的な稼働率の向上により通期では前期比2.6%の増収、同13.6%の営業増益が見込まれる。アポプラスステーション(株)の中核事業であるCSO事業は競争が激化しているものの、MR派遣の受注は計画通り進捗し、業界最多の契約社数(MR派遣先の製薬企業)を維持している。この他、薬剤師等の派遣紹介事業の派遣者数が伸びた。

新規顧客の開拓及び既存案件の契約延長に向け、専門性の高いMRの育成に取り組むと共に製薬企業への営業を強化している。また、事業拡大に向け新たな営業拠点を開設した。
 
 
 
2018年3月期業績予想
 
調剤事業において、売上高・利益が当初計画を上回って推移しているとして、上期及び通期の業績予想を上方修正した。売上高については、技術料単価、薬剤料単価共に想定を上回って推移している。技術料単価については、かかりつけ薬剤師・薬局や後発医薬品の使用推進が要因であり、薬剤料単価については、新薬等の処方箋応需が予想を上回って推移している事が要因。利益面では、売上の上振れに加え、新在庫システムの全店導入による適正な在庫管理と医薬品調達コストのコントロールが要因である。
一方、BPO受託事業においては、CSO事業、派遣紹介事業共に計画通り進捗している。

通期予想は、前期比11.0%の増収、同23.8%の営業増益。配当は、1株当たり上期末14円、期末12円の年26円を予定している。業績予想の修正と共に、上期末配当の予想を2円引き上げた。
 
 
 
 
今後の注目点
18/3期は順調な立ち上がりとなった。ただ、通期の業績予想は、売上高・利益共に上期の上方修正分を全て上乗せしていない。このため、通期予想に対する進捗率は、売上高24.3%(前年同期実績22.9%)、営業利益23.8%(同14.8%)、経常利益23.8%(同14.9%)、純利益25.8%(同17.6%)、と前年同期の実績ベースの進捗率を大きく上回っている(前年同期実績の進捗率は百万円単位での算出)。マンスリーレポートによると、処方箋応需枚数、調剤報酬共に右肩上がりが続いている。更なる上振れに期待したい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書       更新日:2017年06月29日
基本的な考え方
当社は、企業理念、スローガン、クオールビジョン、クオールグループ企業行動憲章に基づいた企業活動を通じ、継続的に企業価値の向上を図ることが、株主の皆さまや患者さま、従業員をはじめとする全てのステークホルダーのご期待に応えるものと認識しております。この実現のため、経営の健全性、透明性、効率性を確保する基盤として、コーポレート・ガバナンスの継続的強化を経営上の重要課題としており、独立役員の要件を満たす社外取締役・社外監査役の選任により、経営監督機能を強化しております。さらに、株主との対話方針として、株主・投資家との対話を積極的に行うこととし、経営計画の進捗をはじめとする経営状況に関する情報、定量的な財務情報、コーポレート・ガバナンスやCSRなどの非財務情報の開示を適時・適切に行うほか、株主の権利行使のための適切な環境整備に努めるなど、株主・投資家を含めたステークホルダーからのご期待に応えるよう努める方針としております。
 
<実施しない主な原則とその理由>
実施しない理由の説明が必要となる各原則については、全てを実施しております。
 
<開示している主な原則>
【原則1−4】いわゆる政策保有株式
(1)当社は、持続的に企業価値を向上させるため、事業戦略上の重要性や、取引先との関係性を総合的に判断し、政策的に必要とする株式について保有していく方針です。
(2)当社は、政策保有株式について、投資先企業の経営方針・経営戦略等を尊重した上で、中長期的な企業価値の向上につながるかどうか等の視点に立って議決権の行使を判断しております。
 
【原則1−7】関連当事者間の取引
当社取締役による関連当事者取引は、法令に従い、取締役会の承認事項としております。また、当社役員に対し、年度ごとに、本人もしくは二親等内の親族(所有会社とその子会社含む)と当社もしくは当社子会社間の取引についてモニタリングを行うとともに、重要な取引については有価証券報告書において記載することとしております。
 
【原則3−1】情報開示の充実
(1)当社は、企業理念、スローガン、クオールビジョン、クオールグループ企業行動憲章を定め、これらを当社ホームページ(http://www.qol-net.co.jp/)に公開しています。また、経営戦略及び経営計画についても、決算発表、決算説明会、株主総会、個人投資家説明会、海外IRを実施し、積極的に開示・公表しております。
(2)当社は、企業理念、スローガン、クオールビジョン、クオールグループ企業行動憲章に基づいた企業活動を通じ、継続的に企業価値の向上を図ることが、株主の皆さまや患者さま、従業員をはじめとする全てのステークホルダーのご期待に応えるものと認識しております。 この実現のため、経営の健全性、透明性、効率性を確保する基盤として、コーポレート・ガバナンスの継続的強化を経営上の重要課題としており、独立役員の要件を満たす社外取締役・社外監査役の選任により、経営監督機能を強化しております。さらに、株主との対話方針として、株主・投資家との対話を積極的に行うこととし、経営計画の進捗をはじめとする経営状況に関する情報、定量的な財務情報、コーポレート・ガバナンスやCSRなどの非財務情報の開示を適時・適切に行うほか、株主の権利行使のための適切な環境整備に努めるなど、株主・投資家を含めたステークホルダーからのご期待に応えるよう努める方針としております。
 
【原則5−1】株主との建設的な対話に関する方針
当社は、株主との建設的な対話を促進し、透明性の高い情報開示と対話を心掛け、良好な関係の構築を目指し、積極的にIR活動を実施しております。具体的には、株主・投資家とのコミュニケーションの機会として、アナリスト・機関投資家向けに年2回以上の決算説明会や海外の機関投資家向けに海外IRを実施しており、積極的に決算情報及び経営戦略の説明を行っております。また、個人投資家向けに年10回以上、説明会を開催し、事業内容及び経営戦略の説明をしております。その他に店舗見学等を実施しております。
 
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
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