ブリッジレポート
(4847:JASDAQ) インテリジェント ウェイブ 企業HP
井関 司 社長
井関 司 社長

【ブリッジレポート vol.32】2017年6月期業績レポート
取材概要「クラウドサービスはユーザーが順調に増えており、特に既存製品のため新規の投資負担が軽い「ACE Plus」や「OnCore Switch」でクラウドサービスを・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年9月5日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社インテリジェント ウェイブ
代表取締役社長
井関 司
所在地
東京都中央区新川1-21-2 茅場町タワー
事業内容
クレジットカード決済システム首位。大日本印刷グループ入りで営業力強化が進展
決算期
6月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年6月 7,206 714 730 478
2015年6月 6,160 484 490 471
2014年6月 6,558 145 183 86
2013年6月 5,870 -677 -587 -349
2012年6月 5,241 131 154 270
2011年6月 4,762 321 341 129
2010年6月 4,956 358 387 211
2009年6月 5,527 228 235 187
2008年6月 6,695 417 403 -5
2007年6月 6,367 389 407 -295
2006年6月 7,137 1,482 1,452 947
2005年6月 5,174 678 688 264
2004年6月 5,257 371 365 156
2003年6月 5,891 1,177 1,161 539
2002年6月 5,505 1,854 1,846 1,003
株式情報(8/23現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
699円 26,328,000株 18,403百万円 10.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
7.00円 1.0% 22.80円 30.7倍 214.51円 3.3倍
※株価は8/23終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
インテリジェント ウェイブの2017年6月期決算と2018年6月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
クレジットカードの決済システムで国内シェアNo.1のソフトウェア開発会社。“リアルタイム処理が可能な高度なネットワーク技術”、“システムを止めないためのノンストップ技術”、及び“高度なセキュリティ技術”を技術基盤とし、カード不正利用検知システムや証券関連の情報集配信システムでも豊富な実績を有する。営業面では、筆頭株主として議決権の50.61%を保有する大日本印刷(株)及びそのグループ企業との連携が強みとなっている。
 
【事業の目的及びミッション】
事業の目的   安全、安心なITインフラを顧客に提供すること
強みである取引・決済を支える技術とシステム、及び顧客の情報資産を守るサイバーセキュリティ対策に磨きをかけていく。
 
ミッション   次の30年へ会社を進化させるべく、“二兎を追う”
事業規模の拡大を図ると共に、システムの信頼性を高める(品質の強化)。つまり、規模と品質の二兎を追う。事業規模の拡大では、システム開発請負と保守サービスという従来型の業務だけでなく、同社製品を顧客の都合に合わせて必要な時だけ利用できるサービス(ASP、SaaS)の提供や顧客に代わってシステム運用を行うビジネス等、ストック型の新製品、新サービス、新規事業の育成に取り組んでいく。一方、品質の強化では、プロジェクト管理や定期的な工程レビューの実施により利益に対する意識の徹底を図ると共に、開発プロジェクトの利益を確保しつつ事業拡大を図るべく品質保証部門を新設した。
 
 
【事業セグメント】
事業は、クレジットカードや証券等の金融業界やシステム開発会社を主な顧客として、ソフトウェア開発、自社製・他社製パッケージ及びハードウェアの販売、更には保守等を手掛ける「金融システムソリューション事業」と、業種・業界にとらわれず幅広く自社製・他社製パッケージを中心にしたソリューションを提供している「プロダクトソリューション事業」に分かれる。
 
 
金融システムソリューション事業
カード系(金融系)と証券系(非カード系)のビジネスに分かれる。金融系は、クレジットカード会社や銀行、大手システム開発会社等を主な顧客とし、自社開発のパッケージソフト「NET+1」や「ACEPlus」を用いたシステム開発を行っている。「NET+1」を用いたシステムは、店舗の端末や銀行の店外CD/ATM・海外ATM等をクレジットカード会社や銀行等のネットワークに接続して取引データの受渡しを行うためのもの(ネットワーク接続機能、決済の前提となるカード認証機能、加盟店の業務を管理する機能等を有する)。専用ハードと共に提供される。この分野で圧倒的なNo.1ブランドであり、大手クレジットカード会社のネットワークへの接続で7割のシェアを有する。「ACEPlus」は、偽造カード・盗難カード利用などクレジットカードや銀行口座の不正利用の検知を目的とした不正検知システムであり、こちらも豊富な実績を有する(シェア6〜7割)。この他、「NET+1」のオンライン接続機能を切り出したアプライアンス製品として「OnCore」を提供している。「OnCore Switch」は低コストかつ短時間で導入できる強みから、カード決済の清算業務(クリアリング)用途やスマートフォン決済時のATM接続・ネットワーク接続用途での導入が増えている。
一方、証券会社を顧客とする証券系では、金融系で培った“リアルタイム処理が可能な高度なネットワーク技術”、“ノンストップ技術”、及ぶ“セキュリティ技術”を活かして、高速情報基盤システム(証券取引所等から提供される市況データや気配値等を素早く社内の各端末に配信するシステム)等の開発を行っている。

上記の他、大日本印刷(株)及びそのグループ企業の顧客資産とネットワークやセキュリティ分野での強みを活かしてサービス(開発)領域の拡大や、アクワイアリング業務、「ACEPlus」、「OnCore Switch」のクラウドサービスも提供している。
 
 
・統合ATMとは、全国の都市銀行や地方銀行、信用金庫等の現金自動預払機(ATM)を統合したネットワークシステム。
・CARDNETとは、クレジット情報処理センター事業等を行う(株)日本カードネットワークの略称。
・CAFISとは、NTTデータが提供する日本で最大のカード決済総合サービス。
 
プロダクトソリューション事業
当事業は、カードや証券等の業界に捉われず、全ての業界・企業を顧客対象とし、顧客の業務に使用されるPC端末(エンドポイント)のセキュリティ対策製品を主な事業領域としている。具体的には、「NET+1」や「ACE Plus」等で培ったネットワーク技術やセキュリティ技術をベースとした情報漏洩対策システム「CWAT(シーワット)」(パソコン等の端末から、コピー、印刷、ネットワーク経由等による情報の内部からの持ち出しを監視)を中心に、内部情報漏洩対策、脆弱性対策、及び外部攻撃対策について、監視・検出・診断・認証と防止・阻止の切り口からソリューションを提供している。
 
 
尚、当事業は売上や利益の数字に表れないメリットも大きい。優れたセキュリティ関連製品を扱う事で得られる最新の情報や蓄積される技術・ノウハウ、海外の有力ベンダーとの提携により広がるワールドワイドのネットワーク、更には全ての業界・企業を顧客対象とする事による顧客層の広がりとビジネスチャンスの拡大等、目に見えない部分での貢献も大きい事業である。
 
*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。
 
キャッシュレス社会に不可欠な、安全、安心な決済手段ニーズの高まりと2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が相まって、クレジットカード取引に係る案件やスマートフォン決済及び電子マネーの利用に係るシステム開発等、事業機会が拡大している。同社は、大日本印刷(株)のグループ力も活かし、ビジネスチャンスを確実にとらえている。加えて、サイバーセキュリティ製品も、イスラエルでの有力製品の発掘と国内への導入が軌道化しつつあり、売上高は11/6期を底に拡大基調が続いている。得意とする金融のフロント業務以外の分野にも積極的に展開しているため、利益率は期によって振れるが、総じて改善基調。無借金ながら業容の拡大でレバレッジも拡大基調にあり、3要素がバランス良く改善・拡大し、10%を超えるROEを実現している。
 
 
2017年6月期決算
 
 
前期比17.5%の増収、同4.0%の営業減益
売上高は前期比17.5%増の84億69百万円。決済手段の多様化を背景とした旺盛なシステム開発需要を追い風に金融システムソリューション事業の売上が同16.6%増加する中、マルウェア対策ソフトウェア「Traps」をけん引役にプロダクトソリューション事業の売上が同24.8%増と伸びた。

営業利益は同4.0%減の7億02百万円。クラウドサービス事業の立ち上げ、や第1及び第3四半期に発生した不採算案件による外注費の増加(18億21百万円→32億58百万円)やサイバーセキュリティ製品の価格競争等で売上総利益率が低下する中、人件費・採用費(1億21百万円増)を中心に販管費が増加した。経常利益及び当期純利益ベースで増益となったのは、貸倒引当金戻入額の増加や保険解約返戻金の計上による営業外収益の増加と税負担率の低下による。
 
 
 
 
決済手段の多様化を背景とした旺盛なシステム開発需要を追い風に売上高が48億35百万円と同20.4%増加した。売上面で寄与が大きかったのはソフトウェア開発で、大日本印刷が手掛けたスマートフォン決済の基盤構築に係るフロント部分のシステム開発(13億26百万円⇒18億18百万円)、クレジットカード会社への直接売上を含むシステム開発会社経由のクレジットカードのブランド統合に伴う大型のシステム開発(2億31百万円⇒8億22百万円)、及び信販系カード会社経由の既存システムの更新に伴う開発(ネットワーク接続:4億61百万円⇒6億40百万円)等である。この他、ソフトウェア開発と一体となったハードウェアの販売が同22.8%増えた。

ただ、利益面では、増収による増益効果が3億35百万円ある一方、第1四半期及び第3四半期の不採算案件による損失50百万円、クラウドサービス事業に係る損失1億66百万円、採用費・人件費増1億20百万円、その他増床による経費増等26百万円を吸収できなかった。尚、クラウドサービス事業は1億79百万円の売上を計上したものの、1億66百万円の売上総損失(売上高が売上原価を下回った)。売上が損益分岐点を超えていない事に加え、カスタマイズに係る開発費の一部を同社が負担した事で損失が想定を上回った。第1号の契約だった事もあり、カスタマイズにかかるコストの負担領域に一部不明確な部分があったため今回は同社が負担したが、その後の契約については、同社と顧客の負担範囲を明確にしているため再発の不安は少ない。期末現在のユーザー数は3社。
 
 
マルウェア対策ソフトウェア「Traps」(売上高:1億77百万円→3億29百万円)中心に他社製品の売上が伸びたが、価格競争が激化した。「Traps」は案件獲得が順調に進み、サービス(リゾート、ケーブルテレビ、ホテル、塾等)、製造、卸売等へ販売先のすそ野が広がったが、取引実績が豊富な保険、金融、情報通信以外の業種では、同社の知名度が必ずしも高くないため価格競争を避ける事ができなかった。尚、ランサムウェアWannaCryが世界的に猛威を振るったが、「Traps」の導入企業に被害がなかったため、「Traps」は改めて評価を高めていると言う。
 
 
 
17/6期第4四半期は、金融システムソリューション、自社製品「CWAT(シーワット)」が好調だったプロダクトソリューション事業共に第3四半期比で売上が増加した。利益面では、「CWAT」の寄与でプロダクトソリューション事業の利益が増加したものの、外注費の増加(7億10百万円→9億34百万円)やクラウドサービス関連の費用増(18百万円→59百万円)で金融システムソリューション事業の利益が落ち込んだ。
 
 
 
 
借方では、業容拡大で売上債権が、クラウドサービスの提供に伴い無形固定資産(ソフトウェア及びソフトウェア仮勘定)が、それぞれ増加した他、株価上昇等で投資有価証券が増加した。一方、貸方では、純資産やクラウドサービス関連で前受金が増加した。自己資本比率66.4%(前期末72.2%)。

営業CFは11億72百万円。クラウドサービスに伴う開発投資で投資CFが11億51百万円のマイナスとなったものの、フリーCFは黒字を維持した。
 
 
中期事業計画(18/6期〜20/6期)
 
 
長期的な企業価値の向上と組織の進化を実現するべく、18/6期から20/6期に至る中期事業計画を策定した。定量的な目標として19/6期に売上高100億円の達成を含む上記数値計画を掲げており、定性的な目標として、「次世代育成、確立」及び「風土改革」を挙げている。「次世代育成、確立」では次世代を担う人材の育成と業務の標準化・効率化による生産性向上に取り組み、「風土改革」では、育成した人材のための働きがいと時間創出、コミュニケーションの活性化に取り組む。
 
企業価値の向上と組織の進化に向けた戦略 “進化3Way” : Road to 10B(売上高100億円)、次世代育成・確立、風土改革
 
【セグメント別の見通し】
金融システムソリューション事業
3年間の平均成長率6.1%と安定成長を見込んでいる。アクワイアリング業務、「ACE Plus」、「OnCore Switch」のクラウドサービスが17/6期の4倍弱に拡大する他、AI、IoT、東南アジア展開等の新規事業も一定の事業規模に達する。また、カード系大型案件や新たに取り組む証券フロントシステムをけん引役とする証券系が金融システムソリューション事業の平均成長率並みのペースで増加する。
一方、オンライン取引を完遂するためのネットワーク接続機能、決済の前提となるカード認証機能、カード利用の不正検知機能、加盟店の業務を管理する機能等、同社の知見と強みを活かしたシステム開発は売上規模を維持しつつ、売上構成比を下げていく。
 
プロダクトソリューション事業
3年間の平均成長率16.1%と高い成長を見込んでいる。保守収入も見込める自社製品「CWAT」を基盤に、「Traps」を中心に既存の他社製品の安定成長を見込むと共に、マルウェア検知ソリューション(高度な技術をもった攻撃者からのマニュアル攻撃に対応)「illusive Deceptions Everywhere」(開発元Illusive Networks Ltd.)やマルウェア検知後の対応を自動化し素早い危機管理を実現する「eyeShare」(開発元:Ayehu Software Technologies Ltd.)等の新製品の寄与を見込んでいる。
また、現在はエンドポイント中心にイスラエル企業等の製品を仕入販売する技術商社的なビジネスモデルだが、このビジネスモデルは価格競争にさらされる。このため、引き続きサイバーセキュリティの製品ラインナップの拡充に努めると共に、サイバーセキュリティの総合プロバイダーを念頭に、ビジネスモデルを、コンサル、運用支援、ハッカー情報の提供等を含めた各種サポート等で収益を上げるサービス型に変革していく。
 
 
カード系は、ネットワーク接続が大型案件の反動で減少するものの、開発のピークを迎えるカードブランド統合案件が前期(7億43百万円)の約2.5倍に拡大する他、ユーザーによる機能比較で改めて評価を高めている不正検知「ACE Plus」がクラウドサービスも含めて増加する(2社が他社製品から乗り換えを決定)。クラウドサービス事業は、第1四半期にアクワイアリング業務のユーザーが1社増えて4社になる他、不正検知「ACE Plus」のサービスがスタートする(1社)。この他、「ACE Plus」で1社、期中にサービスを開始する「OnCore Switch」で2社のユーザー獲得が見込まれる(いずれも内定)。クラウドサービス事業は、5〜3年契約の下で提供されるストック型のビジネスである。一方、AI関連・Fintechは、大日本印刷経由で受注したスマートフォン決済や電子マネー関連が一旦ピークアウトする。
証券系は、情報系から業務執行系に領域を広げる。具体的には欧州で実績のあるDevexperts社(ロシア)とネット証券等をターゲットとする証券フロントシステムを開発中だ。9月にプロトタイプの完成を予定しており、10月の発売に向け営業活動に力を入れている。
 
クラウドサービス事業は、来19/6期に売上が損益分岐点を超える見込み。新たに3社の開拓が見込まれ、ユーザー数が15社に拡大する。加えて、既存ユーザー4社で機能追加が予定されている。

「ACE Plus」や「OnCore Switch」はアクワイアリング業務と違い、既にある製品をクラウドに乗せるためサービス開始に当たっての先行投資負担が軽い。
 
 
自社製品CWATの売上を保守的にみているものの、今期投入の新製品の寄与も含めて他社製品が伸びる。「Traps」は引き続き幅広い業種から引き合いを得ており、18/6期も増収基調が続く見込み。新製品では、既に商談が進んでいる新コンセプトのマルウェア検知ソリューション「illusive Deceptions Everywhere」や、「Traps」及び「illusive Deceptions Everywhere」とのセットでの導入が有効なITプロセス自動化ソリューション「eyeShare」で1億円程度の売上を見込んでいる。
 
 
全社的な取り組みになるが、既に来春入社の新卒30名を確保した他、即戦力社員40名の期中補充を計画している。
 
(2)「次世代育成、確立」、「風土改革」
採用した人材の育成に向け、改めて教育研修に力を入れる。16名規模でのヒューマンスキル研修を毎月実施しており、5期目を迎えたPM(Project Manager)カレッジは受講生が延べ93名を数える。この他、従業員情報の有効活用を図るシステムが第3四半期に稼働する予定。また、人材育成と並行して生産性向上・品質向上にも取り組んでいく。2年ほど前に設置した品質保証部が中心となり、PASS(プロジェクト評価採点システム)を導入してプロジェクト管理を強化している他、大型プロジェクトについては専門のボード(検討会議)が毎週開催され、コストや進捗状況の確認がなされている。上記に加え、風土改革を進める事で、働きがいと余暇時間の創出、更にはコミュニケーションの活性化を図り、職場環境の改善・向上につなげていく。
18/6期は中期事業計画の初年度にあたるため、環境整備に重点が置かれる。
 
 
2018年6月期業績予想
 
 
前期比6.3%の増収、同21.0%の営業増益予想
売上高は前期比6.3%増の90億円。金融システムソリューション事業はスマートフォン決済関連が一巡するものの、開発がピークを迎えるカードブランド統合案件やクラウドサービスも含めて商談が活性化している不正検知「ACE Plus」でカバーして同3.4%の増収。プロダクトソリューション事業は、「Traps」を中心に既存の他社製品が増加する他、損害保険会社との商談が進んでいるマルウェア検知ソリューション「illusive Deceptions Everywhere」や今期中の発売を見据えて商談を進めている「eyeShare」と言った新商品の販売が下期にかけて軌道化し売上が同27.2%増と伸びる。

営業利益は前期比21.0%増の8億50百万円。金融システムソリューション事業において、ユーザー数の増加でクラウドサービス事業の損益が改善する他、不採算案件の影響も一巡。プロダクトソリューション事業も新製品の寄与等で収益性の改善が見込まれる。経常利益が同13.5%増にとどまるのは、前期に貸倒引当金戻入額の増加と保険解約返戻金の計上があった反動による。
配当は1株当たり7円の期末配当を予定している(予想配当性向30.7%)。
 
 
 
今後の注目点
クラウドサービスはユーザーが順調に増えており、特に既存製品のため新規の投資負担が軽い「ACE Plus」や「OnCore Switch」でクラウドサービスを展開できる事の意義は大きい。17/6期は想定外の開発コスト負担があったが、これは、標準機能か、個社対応かで、ユーザーとの見解の相違があったため。標準機能とする事にメリットがある事を踏まえて、今回は同社が開発費を負担した。この経験を踏まえて、受注時に標準機能の範囲をより明確にするため、今後、想定外の負担が発生する事はないと言う。実際、この第1四半期にサービスを開始した4社目のユーザーからは個社対応に必要な開発費を受け取ったようだ。一方、チャレンジングなのは証券フロントシステムへの参入である。パートナーとなるロシアのDevexperts社は欧米で豊富な実績を有するが日本では実績がなく、日本の証券業界への参入を強く希望していると言う。現在、システムのローカライズと並行して営業活動を行っているが、(株)インテリジェント ウェイブの既存顧客から、価格訴求力がある中での使い勝手の良さや処理速度の速さについて高い評価を得ているようだ。使い慣れたシステムからの乗り換えを促す事は難しい事だが、興味深い取り組みであり、技術やノウハウの蓄積等でのメリットも大きいはずだ。
一方、プロダクトソリューション事業ではイスラエルで発掘した商材を日本で販売するビジネスが軌道に乗ってきた。新商材の「illusive Deceptions Everywhere」や「eyeShare」は「Traps」とのセットでの導入が効果的なため今後の展開が楽しみだ。今更言うまでもないが、事業環境も良好。調査会社によると、2021年の国内のセキュリティ関連(機器・ソフト)市場は東京五輪関連の需要をけん引役に2016年比22.5%増の3,477億円に拡大する見込み。総合プロバイダーを念頭に置いたビジネスモデルの変革にも注目していきたい。
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書        更新日:2016年9月29日
基本的な考え方
当社は、「経営の革新と新技術の開発に努め、優れた安全な品質の製品を廉価でかつ迅速に社会に提供し、良好なインフラストラクチャーを構築して、多くの人々が幸福感に浸れるようなハッピー・チェインをつくる」ことを経営理念として揚げており、社会的責任(CSR)を果たし、株主や顧客、生活者、社員などさまざまなステークホルダーから信頼されることが、企業価値の向上に不可欠であると考えています。そのためには、内部統制システムを含めたコーポレート・ガバナンスの充実は、経営上の重要課題であり、すべてのステークホルダーに対して透明性の高い公正で効率的な経営を実現することが、コーポレート・ガバナンスの重要な目的と認識しています。的確な経営の意思決定、それに基づく適正且つ迅速な業務執行、並びにそれらの監督、監査を可能とする体制を構築、運用するとともに、社員一人ひとりのコンプライアンス意思を高めるために研修、教育を徹底し、総合的にコーポレート・ガバナンスの充実が図れるように努めています。
 
<開示している主な原則>
【原則1-4 いわゆる政策保有株式】
当社は、政策保有株式として上場株式を保有しています。事業の拡大と取引先との関係強化を目的として、保有する上場株式については、四半期ごとに事業及び業績等の経営状況を把握し、リターンとリスクや中長期的な経済合理性及び将来の見通しを踏まえ、保有の継続を判断しています。政策保有株式に係る議決権の行使については、営業政策上、また政策保有によるリターン等を勘案し、当該保有株式の発行会社並びに当社の企業価値向上に資するか否かを判断基準にしています。

【原則1-7 関連当事者間の取引】
当社は、関連当事者間取引については、毎年、社内規程、会社法等に則り、また関連当事者の開示に関する会計基準を参考に、「関連当事者との取引調査書」により取引の状況を提出させ、会計監査人の監査を受けています。また、関連当事者間の取引が発生する場合には、取締役会規程に従い、取締役会の決議事項としています。

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
(方針)
当社は、株主、投資家のみなさまをはじめ、すべてのステークホルダーに対して、当社の経営方針、事業戦略や財務情報に関する情報を、(1)正確であること(2)公平であること(3)タイムリーであること(4)わかり易いことを原則として、情報発信に努めています。

(体制)
(1)当社は、IR業務を兼務する担当者を設置しています。IR活動を行うに当たっては、代表取締役社長も積極的に対話に臨み、建設的な対話を促進しています。
(具体例)
・個人投資家向けの定期的に説明会を開催  東京、大阪ほか地方都市で開催される個人投資家向け会社説明会への参加
・機関投資家向けの定期的な説明会を開催  四半期決算及び期末決算発表後の説明会開催
・機関投資家との個別面談を随時に実施
・情報開示の充実  事業報告書の発行、コーポレートサイドを通じた情報開示
(2)株主等との対話の内容については、必要に応じ、IR担当者から代表取締役社長に報告することとしています。

(3)当社は、IRポリシーのもとで適切な情報開示に努めるとともに、インサイダー取引防止規程に従い、インサイダー情報の管理、徹底を図り、漏洩防止に努めています。

尚、同社はコーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施している。
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
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