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(2146:JASDAQ) UTグループ 企業HP
若山 陽一 社長
若山 陽一 社長

【ブリッジレポート vol.30】2018年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「2015年の改正労働契約法の施行を機に、生産工程において、契約社員の比率が低下する一方で、派遣社員の比率が上昇傾向にある。実際、これまで・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年9月12日掲載
企業基本情報
企業名
UTグループ株式会社
社長
若山 陽一
所在地
東京都品川区東五反田1-11-15 電波ビル
事業内容
製造・建設・設計開発分野の正社員派遣事業を展開。待遇向上とキャリアアップの諸制度により、業界No.1の従業員定着率を誇る。
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年3月 57,588 3,413 3,341 2,033
2016年3月 44,050 2,462 2,421 1,497
2015年3月 36,478 2,232 2,157 1,168
2014年3月 30,779 1,824 1,754 934
2013年3月 27,854 1,473 1,388 922
2012年3月 24,106 1,453 1,379 880
2011年3月 20,227 1,442 1,309 766
2010年3月 18,056 290 182 -1,401
2009年3月 40,694 1,793 603 -10,861
2008年3月 51,787 4,200 3,473 1,203
株式情報(8/24現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,168円 34,978,100株 75,833百万円 41.9% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 78.98円 27.4倍 158.19円 13.7倍
※株価は08/24終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
UTグループの2018年3月期第1四半期決算の概要と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
顧客開拓力と業界No.1の従業員定着率を強みとする製造派遣・請負を事業基盤に、エンジニア(設計及び建設技術者)派遣を育成中。M&Aへの積極的な対応も含めて、既存事業の強化と新規分野への展開で人材業界における日本を代表するリーダー企業となる事を目指している。同社自身は純粋持株会社としてグループを統括し、実際のサービス提供は連結子会社が担う。
 
 
【コーポレートブランディングの刷新】
創業21年目を迎えた2015年を新たな創業の年と位置づけて社名変更を行い、新たなビジョンを策定すると共にブランドマークを刷新した。
 
・古くは法隆寺等の建造物から、現代では道具や印刷用紙にも用いられる「白銀比」 により構成
・UTグループの個々とチームワークとその結束を体現し、更に、社員や事業が成長するデザインとして採用
・緑は、成長するキャリア、イキイキとした働き方、社員に安心と安定した職場を提供する姿を表す
・黒は、当社のサービス品質を担保する姿勢を表す
 
新コーポレートメッセージ 「Upward Together」
・「はたらくカで、イキイキをつくる。」をミッションに、お客様と協力しながら共にビジネスを成長させるという、UTグループの社会的使命を表明するメツセージ。
・自分の能力の限界を解き放ち、チームで挑戦する事により更に能力やスキルを高めていくという姿勢を表している。
 
【事業内容】
事業は、製造業向け人材派遣・請負のマニュファクチュアリング事業、インハウスソリューション(正社員転籍型請負)に特化したソリューション事業、及びエンジニアリング事業の3セグメントに分かれる。18/3期第1四半期の売上高・利益を3事業セグメントでみてみると、売上構成比は、マニュファクチュアリング事業74.1%(前期通期74.9%)、ソリューション事業12.9%(同11.8%)、エンジニアリング事業13.0%(同13.3%)。利益構成比は、それぞれ89.7(同54.1%)、20.3%(同25.6%)、△10.0%(同20.3%)。エンジニアリング事業は新卒の採用・育成が中心のため、新卒が入社する第1四半期は先行投資負担が重い。

マニュファクチュアリング事業の取引先業種(分野)と売上構成比は、半導体・電子部品59.8%、自動車関連17.4%、住宅4.6%、電池を中心に環境・エネルギーを含むその他が18.2%。10/3期(事業セグメントは製造派遣事業)には91%を超えていた半導体・電子部品の構成比が、近年、大きく低下しているが、この間、同業種向けの売上自体は増えている。一方、非正規労働力の活用を契約社員から派遣社員へシフトさせている自動車関連は売上構成比が上昇傾向にある。
主な取引先は、アイシン精機グループ、ジーエス・ユアサグループ、ソニーグループ、大日本印刷グループ、東芝グループ、トヨタ自動車グループ、日本写真印刷グループ、日本電気グループ、パナソニックグループ、浜松ホトニクスグループ、日立製作所グループ、三菱電機グループ、三菱自動車グループ、LIXILグループ、ロームグループ(五十音順)。

ソリューション事業は、国内メーカーの一部事業に従事する正社員の転籍受入れと、受け入れ社員が従事していた製造ラインの請負を合わせて行うもの。顧客企業は事業の選択と集中を進める事ができ、同社は良質な人材と良質な職場を確保できる(3年間の売上が保証される)。長期安定収益が期待できる上、請負業務であり、採用効率も良いため収益性が高い。

エンジニアリング事業は、設計開発技術者派遣(構成比50.8%)、建設技術者派遣(同28.4%)、ソフトウェア開発技術者派遣(同20.8%)に分かれる。設計技術者を中心に、建設委技術者、及びソフトウェア開発技術者の派遣を行っている。未経験者を採用・育成しての派遣を基本とし、製造業派遣社員のエンジニアへのグループ内職種転換制度「One UT」(収入増につながるため年間100人規模で職種転換が行われている)や、入社予定者も対象とするエンジニア育成施設「UT Advanced Career Center」が整備されている。折からのエンジニア不足を背景に未経験者の需要も強く、同社は未経験者の育成体制が評価され好調な受注が続いている。
 
 
 
 
中期経営計画
 
 
法整備が進み、キャリア支援を伴った派遣社員活用の環境が整ってきた事を踏まえて、「日本全土に仕事を作る」と言うビジョンの下、日本全土に良質な職場を作りマーケットを獲得していく事で、5年後の21/3期末までに技術職社員数を29,000名に拡大させ、売上高1,450億円、EBITDA82億円、営業利益100億円を達成したいと考えている。
 
基本方針
計画達成のための基本方針は、「企業と求職者の双方から選ばれる企業グループになる」事であり、そのためには社員と顧客の双方に価値を提供できなければならない。同社は、社員へ提供する価値を「安定雇用とキャリア形成」と定義し、キーワードは、「安心(職場数、インハウスシェア)」、「つながり(定着率アップ)」、「成長(5年間で社員の年収20%UP)」。「安定雇用とキャリア形成」に取り組む事は、安倍政権が掲げる「一億総活躍社会」への貢献にもつながる。一方、顧客へ提供する価値については「労務コストの低減」と定義しており、キーワードは、「マッチング(充足率、シェア)」、「リスクコントロール(提案の質)」、「人材戦略策定支援(提案件数)」。「労務コストの低減」は、「日本の製造業の競争力を向上」にもつながる。
 
社員へ提供する価値
「安心」については職場の数を増やすと共にインハウスシェアを引き上げる事がポイント。リーマン・ショック時には派遣契約の解約が相次いだが、同社においてはインハウスの高さと解約は反比例の関係にあったと言う。「つながり」は定着率の向上につながる。新卒社員と異なり、横のつながりがない派遣社員は孤立しがちなため、キャリア開発部門が中心となり、アプリの導入による社員間のコミュニケーションの促進等に取り組んでいる。一方、「成長」では、技能研修(保全技能士の資格取得)、マネジメント研修、Job Change(One UT)といったプログラムにより、社員のキャリア形成支援やスキルアップによる年収アップ(5年間で年収を平均20%アップが目標)の機会を提供している。
 
顧客へ提供する価値
「マッチング」では需要に合わせて採用人数をコミットメントしており、足元では確実な人員の確保が単価アップにもつながっている。また、「リスクコントロール」を念頭に置いた定着率向上や構内でのjob training等の質の向上に向けた提案に加え、正社員を転籍させたうえでの工場運営の請負等、正社員も含めた「人材戦略策定支援」の提案を行っており、インハウスシェアの向上に寄与している。
 
 
 
2018年3月期第1四半期決算
 
 
前年同期比45.1%の増収、同14.8%の営業増益
売上高は前年同期比45.1%増の182億82百万円。セグメント別では、マニュファクチャリング事業が同49.3%%増の135億38百万円、ソリューション事業が同28.8%増の23億65百万円、エンジニアリング事業が同41.1%増の23億78百万円。

利益面では、最2四半期に始まる大型案件に要する社宅の確保で売上総利益率が低下する中、採用費・教育費等で販管費が増加したため、売上高が前年同期比45.1%増加する中で、営業利益が同14.8%の増加にとどまった。貸倒引当金繰入額の減少で営業外損益が改善した他、税負担率の低下で四半期純利益は5億4百万円と同37.5%増加した。

同社が重視している経営指標の一つであるEBITDAは10億47百万円(前年同期は8億45百万円)と同23.8%増加した。また、第1四半期末のバックオーダー数も前年同期末比75.1%増の3,423人と大きく伸びた。
 
 
マニュファクチャリング事業
iPhone関連で電子部品・半導体分野が大きく伸びた。iPhone関連は動員力が要求されるため「コミット受注」(後述)による好条件の案件が多い。自動車関連は第2四半期に大型案件がスタートする予定。セグメント変更により減少した環境・エネルギー関連を「その他」に分類した。利益面では、第2四半期に始まる自動車関連の先行投資を吸収した。期末技術社員数は前期末(9,237人)比41.6%増の13,077人。

コミット受注とは、採用人数をコミットする事で通常よりも高単価で受注する事。高単価での受注を採用条件に反映させるため、採用しやすく定着率も高い。これを評価されて更なる契約につながると言う好循環が生まれている。半導体・電子や自動車関連の大企業の案件では月間300〜500人の動員力を要求されるケースが多い。同社は、それまで最大750人だった月間の採用数を、Webマーケティングの強化等による応募総数の引き上げ(月間約7,500人→約9,000人)と業務プロセスの改善等により、7月に1,000人の大台に乗せた。月間の離職者が約500人(離職率:約3%)のため、1,000人採用できれば500人程度の増員が可能だ。月間1,000人採用の定着と共に離職率の引き下げに取り組み、更なる動員力の強化に取り組んでいく考えだ。
第2四半期以降、トップラインを伸ばしつつ、採用コストをコントロールしていく事で利益率の改善を図っていく。大規模案件の受注により1工場当たりの平均派遣人数が26人と前年同期末比30%増加しており、この面からも利益率の改善が期待できる(1工場当たりに人数の増加は営業利益率の改善につながる)。また、過去の経験から、リセッションがあった時の解約順番が劣後するため、生産変動に対する耐久性が高まると言う。このため、引き続き新規の開拓よりも既存客深耕(1工場当たりの人員増)に注力していく。
 
 
ソリューション事業
第1四半期は日立グループから250人の契約社員の転籍案件がスタートした。同案件は、順次、正社員の受入れが始まり、事業規模が拡大していく。下期の受注に向け複数の案件で商談が進んでいる。期末技術社員数は前期末(1,355人)比31.4%増の1,781人。
 
エンジニアリング事業
新卒入社に伴う季節的な稼動率の低下、社員のバリューアップを目的としたグループ内職種転換制度「One UT」の強化に伴うコスト増、Webサイト制作を手掛ける(株)レイハウオリのM&Aに伴うのれん償却費の発生等で営業損失となったが、コストコントロールは機能しており、通期では利益を確保できる見込み。前期は130人程度だった「One UT」の実績を今期は500人に拡大させたい考え。

売上面では、「One UT」による増員もあり設計が前年同期比50.9%増、M&Aによる120名程度の寄与もありソフトウェア開発が同55.9%増、と共に大きく伸長。一方、職業紹介も手掛ける建設技術者は職業紹介による社員の一時的な減少で同14.6%の増収にとどまった。期末技術社員数は前期末(1,172人)比41.7%増の1,661人。
 
 
 
第1四半期末の総資産は前期末に比べて10億97百万円減の220億47百万円。自己株式の取得に加え、法人税の支払い、賞与の支給等の季節要因と第2四半期の案件稼動に向けた先行投資で現預金が減少した。自己資本比率25.4%(前期末24.2%)。
 
 
2018年3月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比21.6%の増収、同23.0%の営業増益予想
17/3期並みの増収を前提とした予想である。技術職社員は16,000名でスタートし、新卒500名を含む人員の拡充で期末20,000名を想定している。法改正による規制、厳格なコンプライアンス基準、製造派遣事業における大規模な動員力ニーズ、と言った人材サービス会社に対する昨今の課題や要請が全て同社に有利に働く状況にある。製造業向け人材サービスに特化してきた強みを最大限に活用して、収益性を改善させつつ事業を拡大させる考え。

尚、EBITDAは43億80百万円と同19.9%増加する見込み。
 
(2)コミットメント
EBITDA成長率      30%以上(新中期経営計画5か年の平均成長率)
総還元性向       30%以上
グロスDEレシオ(新設) 1.0以下(21/3期に実現)
 
 
今後の注目点
2015年の改正労働契約法の施行を機に、生産工程において、契約社員の比率が低下する一方で、派遣社員の比率が上昇傾向にある。実際、これまで契約社員に依存していた自動車業界でも派遣社員の活用が増加している。今回、同社が一つの工場全てを任された大手自動車メーカーでは、常時3,500人の契約社員(期間工)を雇用していたが、1年間で約半分が入れ替わり、その都度人員を補充していた。しかし、2年ほど前から人員の確保が難しくなっており、徐々に3,500人からの乖離が大きくなってきたため、人材派遣の活用に踏み切ったと言う。「現在国内の生産工程では42〜43万人で契約社員数と派遣社員数が拮抗しているが、契約社員からのシフトと正社員の削減による派遣社員の増加で、2〜3年内には派遣社員の市場が60万人程度に拡大していく」と言うのが同社の見解。同社は、業界で唯一の正規雇用者の派遣企業、業界で群を抜く採用力・動員力、更には上場企業としての信用力及び厳しいEICC基準への対応力と言った強みを活かして、正社員から派遣社員の活用、契約社員の活用から派遣社員の活用、と言った需要を取り込んでいく考えだ。
尚、事務派遣の市場は約100万人で、業界1位のリクルートの派遣社員数が10万人、2位のパーソルグループ(旧テンプグループ)が9万人と、トップを争う2社が概ね10%のシェアを有している。また、製造派遣も最盛期の約50万人当時は、トップ企業のクリスタルグループが5万人、リーマン・ショック前の日研総業(現日研トータルソーシング)が約4.5万人と概ね10%のシェアを有していた。このため、同社は、数年後の60万人市場では、トップ企業が6万人程度の事業規模になると考えている。現在進行中の中期経営計画(〜21/3期)で最終目標としている3万人の2倍の規模である。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書         更新日:2017年06月27日
基本的な考え方
当社は、当社グループの業務の健全かつ適切な運営の確保を行うため、グループ全体の管理を一元的に行います。

1.コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、「経営環境変化への対応」の観点から意思決定のスピードアップを図り、変化に柔軟に対応していくこと、「経営の透明性」の観点から経営チェック機能の充実を図ること、「経営の健全性」の観点から法令を遵守し、社会倫理に反することがないようにすることをコーポレート・ガバナンスの基本的な方針としております。

2.当社グループとしてのコーポレート・ガバナンス
当社は、グループの事業を統括する持株会社として、各グループ事業会社の独立性を尊重しながら、UTグループ コンプライアンス・リスク管理委員会等を通して、横断的に管理・調整し、グループ経営管理体制の強化に努めます。

3.監査役制度の採用とコンプライアンス・リスク管理会議の設置
当社は、経営の監視機能を重視して、監査役制度を採用しております。また、社外の弁護士も参加するUTグループ コンプライアンス・リスク管理会議を設置し、コンプライアンスの徹底を図ります。
 
<実施しない原則とその理由>
当社は、JASDAQ上場企業としてコーポレートガバナンス・コードの基本原則をすべて実施しております。
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
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