ブリッジレポート
(4767:東証1部) テー・オー・ダブリュー 企業HP
江草 康二 社長兼CEO
江草 康二 社長兼CEO

【ブリッジレポート vol.44】2017年6月期業績レポート
取材概要「17/6期は主要取引先である広告代理店が苦戦した影響もあり、TOWの営業利益が伸びを欠いたが(同0.5%の営業減益)、T2Cがカバーした・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年9月12日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社テー・オー・ダブリュー
社長兼CEO
江草 康二
所在地
東京都港区虎ノ門 4-3-13 ヒューリック神谷町ビル
事業内容
経営理念は「世界一の“感動体験”をクリエイトし、笑顔を増やす」。イベントプロデュース業界において、独立系ではNO.1の総合プロモーションカンパニー。
決算期
6月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年6月 16,251 1,811 1,823 1,206
2016年6月 15,230 1,678 1,682 1,083
2015年6月 13,442 1,335 1,349 818
2014年6月 12,188 1,026 1,035 638
2013年6月 12,346 850 864 428
2012年6月 13,935 973 987 508
2011年6月 10,570 378 377 131
2010年6月 12,575 671 670 357
2009年6月 14,210 1,401 1,392 876
2008年6月 14,397 1,362 1,343 729
2007年6月 13,070 1,051 1,041 551
2006年6月 12,341 781 784 423
2005年6月 10,705 771 782 465
2004年6月 9,638 781 765 466
2003年6月 9,441 1,103 1,073 537
株式情報(8/23現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
784円 22,468,452株 17,615百万円 15.8% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
27.00円 3.4% 52.30円 15.0倍 358.63円 2.2倍
※株価は08/23終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
テー・オー・ダブリューの2017年6月期決算と2018年6月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
イベント・プロモーション業界で独立系No.1の東証一部上場会社。イベント及びプロモーションの企画・制作・運営や、セールスプロモーションに関するグッズ・印刷物の制作等を手掛ける。インターネットの影響力の拡大を踏まえ、長年培ってきたイベントの制作力とアイディア力にデジタルテクノロジーを加えたインタラクティブプロモーション(IP)に力を入れ、多くの実績を上げている。「世界一の“感動体験”をクリエイトし、笑顔を増やす」を経営理念とし、社名のテー・オー・ダブリューは、「Top Of The World」の頭文字に由来する。

グループは同社の他、イベントの制作・運営・演出及び映像制作を手掛ける(株)ティー・ツー・クリエイティブ(以下、T2C)、及び「スポーツ」の持つ様々な力を引き出し、「スポーツ」に関わる全ての領域で新しいビジネスの可能性を追求する(株)スポーツイズグッドの連結子会社2社。

尚、「インタラクティブ・プロモーション」とは、デジタル技術とアイディアで感動体験を創りだし、その体験を情報拡散・共感させるプロモーションである。
 
 
【事業内容】
イベントの企画から本番実施までの流れ
イベントは、主催者が何らかの目的(対象者に情報を発信したいとの意図)を持った時点で案件が発生する。同社は、主催者よりその目的についての説明を受け、企画の作成に入る。その後、幾度かのミーティングを繰り返す事で、企画書 → 基本計画書 → 実施計画書 → 詳細計画書へと段階的に移行し、最終的には進行台本、施工図面、タイムスケジュール表となり、各種資料に従い舞台作りやリハーサルが行われ、イベント当日を迎える。
 
同社の業務範囲
イベントの場合、同社は、上記の企画からイベント本番までを受注し、「企画」・「制作」・「運営」・「演出」を行うが、実際のイベント現場では多くの業務がある。具体的には、照明、音響、映像、舞台制作、モデル・コンパニオン・警備員の派遣、整理、撤収、清掃等種々雑多の業務があり、これらの専門業者を外注先として業務毎に発注し、イベント全体をトータルにディレクション、プロデュースする事で主催者の意図を来場者に伝える事が同社の業務である。連結子会社については、(株)ティー・ツー・クリエイティブがイベントの「制作」・「運営」を、(株)スポーツイズグッドがスポーツ体験のプランニング及びプロデュース業務を、それぞれ専業として行っている。
一方、プロモーションの場合は、「企画」、「デザイン」、「制作」が主な業務だが、印刷、プレミアム、グラフィックデザイン、事務局運営、OOH(Out of Home:交通広告や屋外広告等)、Web制作等の業務もあり、同社は、イベント同様、トータルにディレクション・プロデュースし納品する。
 
【中期的方針と18/6期の戦略】
中期的方針   日本初の“体験デザイン”プロダクション、高い収益力維持と戦力増による規模拡大、“2020案件”の取込み
モノ余りの現代、人がモノを買う目的は、「モノ自体を買う」ことだけでなく、その選択の過程から得られる「体験価値」にも重きが置かれるようになってきた。「体験デザイン」とは、買い方、作り方、売り方も含めたトータルなブランド体験を設計(デザイン)する事であり、同社は日本初の“体験デザイン”プロダクションを目指して、強みである「リアルプロモーション(イベント)」を軸に、「ネット(SNS)プロモーション」、「AR、VR、アプリ等のデジタル技術を活用した体験イベント」、「動画制作・プロモーション」、「データに基づくPRプロモーション」等を組み合わせる事によりIP(デジタルとリアルで体験をデザインし、その感動をネットで拡散させる)力を強化している。
この一環として、2017年7月1日付で、従来の企画チームとIP室を、ブランド体験を専門にデザインする「体験デザイン本部(企画室25人、IP室18人)」に再編した。ソリューション力の強化に向け、企画室の傘下に、「データ」を駆使し、プロモーションの「精度」と「成果」を追求する“体験ストラテジーチーム”と人を動かすための「体験クリエイティブ」を追求する“体験クリエイティブチーム”を新設した。

規模拡大については、4年前から新卒を定期採用しており、若手(14年4月11人、15年4月15人、16年4月17人、17年4月20人)の増員と戦力化に取り組んでいる。17/6期末のグループ社員は16/6期末の 169人(TOW:133人、T2C:36人)から188人(TOW:138人、T2C:50人)に増加した。

2020案件”の取込みでは、2016年5月に、同社、デジタルテクノロジーの可能性を追求するワン・トゥー・テングループ、そして、CM や映画等の映像制作の(株)ギークピクチュアズの3 社合弁で、スポーツに関わる全てのアクティベーションのプランニングとプロデュースを目的に(株)スポーツイズグッド(Sports is good.)を設立した。「スポーツ」の持つ様々な力を引き出し、新たな可能性の模索と市場への積極的な参画を図っていく考え。足元、開催1000日前(2017年10月28日)を控え、2020年案件の引き合いが増加傾向にあり、16/6期末には28百万円だった2020年案件の期末受注残が17/6期末には2億47百万円に拡大している。
 
18/6期の戦略   生産効率の向上、経営力及びグループ力の向上、出資及びM&A
顧客ポートフォリオの選択と集中、言い換えると、大手代理店に経営資源を集中する事で生産効率の向上を図っていく。また、組織再編による“経営力”の強化を図るべく、2017年7月に関西・中部支社を急成長中の子会社T2Cへ統合した。“グループ経営”強化の一環として、T2Cの営業進捗管理や経理部門強化等のマネジメントをTOWレベルに引き上げていく。
この他、「リアル」、「デジタル」、「映像」、「PR」、「データ」等で強みを持つ企業と更に踏み込んだアライアンス関係を構築するべく、出資及びM&Aに積極的に取り組んでいく。この一環として、大手映像会社(株)ギークピクチュアズ(代表者:小佐野 保)と資本業務提携した。近年、プロモーション設計における動画の企画・制作ノウハウの重要性が高まっており、動画広告費・動画制作費の増加も著しい。(株)ギークピクチュアズの強みは、映像制作(CM、MTV、映画、TV番組)に加え、デジタルテクノロジー(AR、VR、MR、AI、IoT等)、デジタルマーケティング、プロモーション、エンターテイメント・コンテンツなど多様な領域での実績とノウハウ、そして充実した研究部門を有する。このため、TOWでは体験デザインの強力なシナジー・パートナーに成り得ると期待している。
 
 
2017年6月期決算
 
 
異業種企業とのコラボによる体験型プロモーションの強化が奏功。前期比6.7%の増収、同7.9%の営業増益
売上高は前期比6.7%増の162億51百万円。デジタル技術を駆使した体験型プロモーションや、コンテンツ制作や映像制作等を強みとする異業種企業とのコラボで強化した統合プロモーションの好調で売上高が2期連続で過去最高を更新した。

利益面では、TOW、T2C共に大型案件が増加したため、売上総利益率が16.1%と0.1ポイント低下したものの、増収効果で吸収して売上総利益額が増加。コストコントロールにより販管費は小幅な伸びにとどまり、営業利益は18億11百万円と同7.9%増加した。受取配当金の増加等による営業外収益の増加と税効果会計の影響で当期純利益は12億06百万円と同11.4%増加した。
 
 
 
 
 
 
期末総資産は前期末に比べて9億53百万円増の118億07百万円。CFの改善と好業績を反映して現預金と純資産が増加した他、業容の拡大で売上債権・仕入債務も増加した。自己資本比率68.2%(前期末66.2%)、投下資本利益率14.8%(前期14.5%)。
 
 
*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。
 
 
「広報」が堅調に推移する中、大型のコンビニ店頭プロモーションの寄与で「制作物」が大きく伸びた。
 
 
売上構成比の小さい業種が減少したものの、力を入れている情報・通信、食品・飲料・嗜好品、化粧品・トイレタリー・日用品、及び自動車の4業種が順調に伸びた。
 
 
小型案件が減少し、5,000万円から1億円の中・大型案件が増加した。この結果、案件数がわずかに減少したものの、案件単価が上昇し1,000万円を超えた。T2Cの外部売上も同様の傾向で、案件数が230件と2件増加し、案件単価が720万円から840万円に増加した。
 
 
小型案件を中心に件数が減少した影響を受けたが、提案案件や最も重視している指定案件が金額ベースで増加した。
 
 
勝率は社内ガイドラインとしている3割以上を高い水準で上回った。
 
 
2018年6月期業績予想
 
 
前期比2.6%の増収、同2.2%の営業増益予想
デジタルとリアルによる体験型プロモーションの受注拡大を見込んでおり、2020年案件の貢献も始まる見込み。当期純利益が減少するのは、TOWよりも法定実効税率の高いT2Cの連結に占める利益比率が高まり、連結ベースの税負担率が上昇するため。T2C(資本金1億円)は外形標準課税の適用対象外の法人である事等の理由から、TOWに比べ法定実効税率が高い。
 
(2)18/6期の戦略   生産効率の向上、経営力及びグループ力の向上、出資及びM&A
大手代理店に経営資源を集中する事で生産性を高めていく考え。また、営業強化と効率化を目的に、期初に関西・中部の業務を子会社T2Cへ統合した。このため、TOWは減収・減益となるが、関西・中部の統合効果に加え、外部売上高も増加(37億91百万円→38億50百万円)するT2Cが増収・増益となり吸収する。また、「リアル」、「デジタル」、「映像」、「PR」、「データ」等で強みを持つ企業と更に踏み込んだアライアンス関係を構築するべく、出資及びM&Aに積極的に取り組んでいく。
 
 
 
 
 
(2)配当
同社は、利益配分の指標として、連結ベースの配当性向及び株価配当利回りの二つを用いている。具体的には、連結ベースの配当性向40%で算出された1株当たりの予想配当金と、同決算発表日の前日(2017年8月7日)の終値に株価配当利回り4.5%を乗じて算出された1株当たりの配当金のいずれか高い方を最低配当金として配当金を決定している(内部留保を確保するため、連結配当性向換算で50%を上限としている)。

上記計算に基づき算出された18/6期の1株当たり配当金は26.15円。これを踏まえて、通期の予想配当金を前期に比べて1円増配の27円(上期末13円、期末14円)とする考え。
 
 
今後の注目点
17/6期は主要取引先である広告代理店が苦戦した影響もあり、TOWの営業利益が伸びを欠いたが(同0.5%の営業減益)、T2Cがカバーした。18/6期は大手代理店に経営資源を集中する事で生産性を高めていく考え保守的な業績予想とは裏腹に事業環境は良好なようだ。また、電通の予想によると、2018年の世界の広告市場は4.3%増の5876億ドル(約65兆2200億円)。ネット広告は全体の37.6%を占め、初めてテレビ広告(35.9%)を上回ると言う。日本も例外ではなく、今後、広告のデジタルシフトが一段と進むものと思われ、早くからデジタル分野の強化に取り組んできた同社にとって追い風。事業環境が良好な上、同社の戦略も的を射たもの、と言い換える事ができるだろう。売上・利益共に3期連続の過去最高更新を目指す18/6期に期待したい。
 
 
 
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
 
 
◎コーポレート・ガバナンス報告書        更新日:2016年10月07日
基本的な考え方
当社では、コーポレート・ガバナンスの意味を「企業価値の継続的な向上を目指して、経営層による適正かつ効率的な意思決定と業務執行、並びにステークホルダーに対する迅速な結果報告、及び健全かつ公正で透明性の高い経営を実現する仕組みの構築・運用」と考えております。
株主をはじめ、顧客、従業員その他のステークホルダーに対する責任を果たすとともに、当社の継続的成長と中長期的な企業価値の向上を図ることを目的として、以下の基本方針に則って、実効性あるコーポレート・ガバナンスを実現してまいります。
 
1.株主の権利を尊重し、平等性を確保する。
2.株主を含むステークホルダーの利益を考慮し、適切に協働する。
3.会社情報を適切に開示し、透明性を確保する。
4.取締役会による業務執行に対する監督機能の実効性を向上させる。
5.中長期的な株主の利益と合致する投資方針を有する株主との間で建設的な対話を行う。
 
<実施しない主な原則>
【補充原則1-2-4 議決権行使プラットフォーム利用、招集通知の英訳】
【補充原則3-1-2 英語での情報開示・提供】
【補充原則3-1-5 取締役会が経営陣幹部の選任と取締役候補の指名を行う際の、
 個々の選任・指名についての説明】
【補充原則4-1-2 中期経営計画に対するコミットメント】
【補充原則4-10-1 指名・報酬等に関する独立社外取締役の関与・助言】
【補充原則4-11-3 取締役会全体の実効性の分析・評価】
 
<開示している主な原則>
【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主・投資家との双方向の建設的な対話を促進し、これにより当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けた実効的なコーポレート・ガバナンスの実現をはかることを、当社の責任を果たす上での最重要課題の1つと位置付けます。
このような考えに基づき、当社は以下のような施策を実施します。

1.株主との対話に関する担当取締役の指定
当社は、経営トップ自らが株主との対話に取り組み、総務チーム長がIR実務を統括します。
2.社内部署の有機的な連携のための方策
当社は、IR担当部署でもある総務チームが経理チームと日常的に打ち合わせや意見交換を実施しており、開示資料作成に際しても連携し、経営トップを交えて内容の検討を行っております。
3.個別面談以外の対話の手段の充実に関する取組み
当社は、株主総会を株主との重要な対話の場と位置付け、株主総会において、当社事業に関する十分な情報開示の確保をはじめ、株主の皆様からの信認を得られるような運営につとめます。
また、当社は、定期的に決算説明会を開催することにより、株主・投資家の皆様とのより緊密なコミュニケーションの実現につとめます。
4.株主の意見・懸念のフィードバックのための方策
当社は、株主・投資家との対話において把握されたご意見や当社に関する懸念を担当部署において取りまとめ、その重要性や性質に応じ、これを定期的に経営陣幹部や取締役会に報告するための体制を整備します。
5.インサイダー情報の管理に関する方策
当社は、株主・投資家の実質的な平等性を確保すべく、公平な情報開示につとめることを基本方針とします。当該方針に基づき、当社に関する重要情報については、適時かつ公平にこれを開示することとし、一部の株主・投資家に対してのみこれを提供することがないよう、その情報管理の徹底につとめます。
 
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
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