ブリッジレポート
(3134:東証1部) Hamee 企業HP
樋口 敦士 社長
樋口 敦士 社長

【ブリッジレポート vol.4】2018年4月期第1四半期業績レポート
取材概要「18/4期は順調な立ち上がりとなった。コマース事業は前期に大きく伸びただけに、その反動が懸念されたが杞憂に終わった。卸売が高い伸びを続ける・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年10月3日掲載
企業基本情報
企業名
Hamee株式会社
社長
樋口 敦士
所在地
神奈川県小田原市栄町2-9-39小田原EPO
事業内容
モバイルアクセサリーの企画・EC・卸販売(コマース事業)、及びEC事業者向けクラウド型業務マネジメントプラットフォーム「ネクストエンジン」の開発・提供(プラットフォーム事業)
決算期
4月末日
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年4月 8,502 1,106 1,048 695
2016年4月 6,501 450 427 257
2015年4月 5,657 336 329 192
2014年4月 4,681 226 222 121
株式情報(9/20現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,961円 15,917,314株 31,214百万円 29.7% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
5.00円 0.3% 47.44円 41.3倍 173.03円 11.3倍
※株価は09/20終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
Hameeの2018年4月期第1四半期決算と通期の見通しについて、成長戦略と共にブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
happy mobile, easy e-commerce」(社名の由来でもある)を事業Domainと定め、「happy mobile」を実現するためのモバイルアクセサリーの企画・デザイン、インターネット販売及び卸販売事業(コマース事業)と「easy e-commerce」を実現するためのEC事業者向けクラウド型業務マネジメントプラットフォーム「ネクストエンジン」の開発・提供事業(プラットフォーム事業)の2事業を展開している。モバイルアクセサリーECではトップクラス。プラットフォーム事業も業界トップのユーザーを有する。グループは、同社の他、Hamee Korea Co., Ltd.(韓国)、Hamee US ,Corp.(米国)、Hamee Taiwan ,Corp.(台湾)の連結子会社3社(いずれも100%出資)、及び持分法適用会社シッピーノ(株)。この他今期より、Hamee India Pvt. Ltd.(インド)、Hamee Shanghai Trade Co., Ltd.(中国)が連結子会社となった。
 
【事業概要】
事業は、コマース事業、プラットフォーム事業、及び18/4期から区分したその他(コマース事業、プラットフォーム事業のいずれにも明確に分類できない新たなサービスに係るもの)に分かれる。17/4期の売上構成比は、コマース事業88.0%、プラットフォーム事業12.0%だが、営業利益の構成比は、それぞれ81.7%、18.3%。
 
コマース事業    商品企画力を活かし流通の川上から川下までカバー、ネクストエンジンで自社ECを効率運営
モバイルアクセサリーを中心とした雑貨等の商品企画・製造(ファブレスメーカー)及び仕入を行い、一般消費者へのインターネット通信販売(小売)や大手雑貨量販店・大手家電量販店等への卸販売を行っている。インターネット通信販売は、国内に加え、海外子会社を通して、一般消費者向けの現地ECサイト運営や海外ECショッピングモール等への出店(越境EC)も行っている。
 
国内インターネット通信販売(小売)    自社ドメインサイトの運営や有力ECサイトへの出店を通して消費者に販売
自社ドメインサイトに加え、同じタイプの店舗を、楽天やYahoo!等、複数のECサイトに出店している他、コンセプトやターゲットの異なる店舗を同一のモールに出店する等、多店舗展開を進めている。例えば、総合店舗と位置付けられている「楽天店」は、老若男女を問わず、わかりやすい店舗づくりが特徴で、男性向けの「Hamee TV」、女性向けの「Ketchup!」、店舗関係者が“可愛い”と思ったものを集めた「Kawaii館」等がある。商品開発部(商品開発)、カスタマーリレーション部(接客)、WEBマーケティング部(店舗づくり)が一体となった事業展開が強みとなっている。

卸販売(卸売)    量販店及びEC業者に販売
大手雑貨量販店や大手家電量販店を中心にモバイルアクセサリーの卸売を行っている他、EC事業者向けにインターネット卸販売サイトの運営を行っている。小田原本社(神奈川県)の他、東京、大阪に拠点を設け、ラウンダーと呼ばれる実店舗の売場構築を支援する人材を配置している。

海外向け販売    韓国、米国、台湾、中国の子会社が一般消費者向けインターネット販売を展開
韓国、米国、台湾、中国、インドの連結子会社5社を通じてインターネット通信販売及び小売り事業者向けの卸販売を行っており、韓国子会社は商品企画・デザイン・選定等の業務も手掛けている。インドは米国ECのバックオフィス業務の機能も担っている。中国では自社ドメインサイト1店舗を含む3店舗を展開している。
 
 
尚、商品仕入については、500社を超える仕入先のネットワークを有し、モバイルアクセサリー関連の情報網としても機能している。また、社内に商品デザイナーを中心とした商品企画・デザイン専門チームを有し、海外を含む外部メーカーの協力を得て、利益率の高い自社企画商品の製作も手掛けている。この他、玩具や実用品等も取り扱っており、10,000種類を超える商品の卸販売を含めた販売状況を分析する事で、売れ筋商品をリアルタイムに把握し、商品仕入・企画に活用している。
 
 
プラットフォーム事業    自社ECの運営ノウハウ注入による差別化・優位性、アプリ充実でプラットフォームとしての魅力向上
自社サイトやインターネットショッピングモール等でインターネット通販を展開するEC事業者向けに、ネットショップ運営に必要なバックオフィス業務(受注、発注、仕入、在庫〜分析等、ネットショップ運営に必要な業務)を一元管理できるマネジメントプラットフォーム「ネクストエンジン」を開発・提供している。「ネクストエンジン」は同社グループがECを展開する中で開発されたECのバックオフィスシステムであり、現在も同社グループのコマース事業において使用されている基幹システムである。
海外展開も視野に入れており、「海外現地法人で実際にECを運営し、各国のECショッピングモールとの連携等、ノウハウを蓄積したうえで現地(海外)版ネクストエンジンを開発、リリースする」事を基本戦略としている。

インターネット通信販売事業者向け業務マネジメントプラットフォーム「ネクストエンジン」をクラウドで提供
「ネクストエンジン」は、メール自動対応、受注伝票一括管理、在庫自動連携、商品ページ一括アップロード等の機能を有し、ネットショップ運営の業務プロセスの自動化を進め、EC事業者の経営効率向上を支援するクラウド型のシステム。ネットショップのルーティーン業務を可能な限り自動化すると共に、自社ネットショップや大手ネットモール等、異なるインターネットショッピングモールに出店した複数のネットショップの一元管理や複数のネットショップの在庫数表示の同期が可能。業務効率アップにより残業削減はもちろん、販売戦略や商品開発のための時間創出にも寄与する。
 
メイン機能(標準仕様)とアプリケーション(拡張機能、以下「アプリ」)でユーザーニーズに柔軟に対応
「ネクストエンジン」には、メイン機能(標準仕様)とアプリケーション(拡張機能、以下「アプリ」)があり、ユーザーはニーズに合わせて機能を使い分ける事が可能。メイン機能はEC事業者の利便性に資する標準的な機能がワンパッケージで搭載されており、アプリはそれ以上の特殊なニーズに対応するためのオプションと位置付けられている。また、「ネクストエンジン」のOEM提供も手掛けており、GMOソリューションパートナー(株)が「ストックマネージャー」と言うサービス名で、GMOコマース(株)が「すごい!ネットショップ管理」と言うサービス名で、それぞれの顧客にサービス提供している。
「ネクストエンジン」の基本料金は、ユーザーであるEC事業者の受注件数に応じた従量課金制(ユーザーの事業規模に応じた料金体系)。また、専用サーバープランやカスタマイズ(ネクストエンジンオーダーメイド)等のサービスもあり、この場合は顧客毎に個別料金を適用している。ネクストエンジン上の各種アプリについては、アプリによって異なる(無料、定額料金制、従量課金制)。
 
 
プラットフォーム化
2013年12月に「ネクストエンジン」のAPI(※)を公開した事で、「ネクストエンジン」上で自社及び外部ディベロッパーが開発した各種アプリの展開が可能となる等、いわゆるプラットフォーム化が実現した。プラットフォーム化により、アプリとネクストエンジンを連携させる事によるユーザー企業の環境に応じたシステムの構築・運用が可能になった。

※API(Application Programming Interface)
あるコンピュータプログラム(ソフトウェア)の機能や管理するデータ等を、外部の他のプログラムから簡単に呼び出して利用できるようにするインターフェイスのこと。ここで言うインターフェイスとは、機能の呼び出し手順や記述方法等を定めた仕様を指す。APIが提供されている機能は独自にゼロから開発する必要がないため、プログラムの開発を効率的に行うことが可能になる。
 
 
 
成長戦略
 
モバイルアクセサリーのECでトップクラスのコマース事業ではグローバルNo.1ブランドを、データ処理で業界トップの実績を誇るプラットフォーム事業ではECのグローバルプラットフォームを、それぞれ目指している。そして、コマース事業を通して汲み上げたニーズとプラットフォーム事業で培ったIT技術及び受注処理した膨大なデータを活かして、AI・ビッグデータといった新たな領域へ展開していく。また、国内事業と並行してグローバル展開も進めていく。

成長イメージとしては、先ず、自社企画商品の強化によるブランド力向上と自動化の徹底による生産性の向上でコマース事業を安定成長させる。そして、これをベースに、プラットフォーム事業を成長エンジンとしていく。プラットフォーム事業は、アプリの充実と外部システムとの連携強化、及び新たな顧客層の獲得で拡大させ、AI・BIGデータソリューションにより中長期の持続的成長を担保する。更に、グローバル展開で収益の上積みを図る。
 
【コマース事業】
コマース事業の拡大と収益性改善の原動力になっている自社企画商品に引き続き注力していく考えだが、既に自社企画商品が売上の80%程度を占めており、コストを加味した品ぞろえやトレンド等の情報収集等、仕入のメリットを考えると、これ以上、自社企画商品比率を高める事は得策とは言えない。このため、80%程度の自社企画商品比率を維持しつつ、ブランディングの強化により収益性を高めていく。この一環として、人気商品であるスマートフォンケース「iFace」シリーズについて、2017年9月にiFace日本公式サイトを公開した。
また、ブランディングと並行して、IT強化と多店舗展開にも取り組んでいく。IT強化では、自動化の徹底、生産力向上のためのシステム開発を強化・継続していく。多店舗展開では、同じタイプの店舗の複数ECサイト(Amazon、楽天、Yahoo!等)への出店と共に、コンセプトやターゲットの異なる店舗の同一モールへの出店を進めていく。
 
【プラットフォーム事業】
APIを介して様々な企業等とシステム連携を進め「ネクストエンジン」の付加価値を高めると共に、連携により生まれた新たなシステムを外販していく。また、越境ECの取り組みも進める。

2017年5月に、「ネクストエンジン」が、経済産業省が推進する「サービス等生産性向上IT導入支援事業(通称:IT導入補助金)」の対象サービスに指定された(5月19日発表)。IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の生産性の向上を目的に、政府認定のITツール(ソフトウエア、サービス等)を導入する経費の一部を補助する制度で、サービス導入費用の3分の2を上限(上限額100万円、下限額20万円)に補助を受ける事ができる。今回、IT導入補助金の対象サービスとして指定を受けた事で、「ネクストエンジン」を新規導入する際に、ユーザーは最大100万円の補助を受ける事ができるようになった。

システム連携では、6月21日にアスクル(株)(東京都江東区)が運営する個人向け日用品通販サイト「LOHACO(ロハコ)」とのアプリによる連携を開始した。連携アプリを介して、「LOHACO」で発生した注文のネクストエンジン内での一括処理や「LOHACO」とネクストエンジンの在庫数の同期が可能になる。また、6月27日には、ふるさと納税事業を行う地方自治体(本社を置く小田原市)に「ネクストエンジン」の提供を開始した(ふるさと納税事業へ参入)。総務省の「ふるさと納税に関する現況調査結果」によると、全国の自治体数は1,700以上、2015年度の寄附額は前年度の4.3倍にあたる1,652億91百万円(件数ベースでは同3.8倍の726万93件)。ふるさと納税事業を行う地方自治体はEC事業者と同様の業務課題を抱えているため、その解決に「ネクストエンジン」の各機能が役立つと判断し、サービス提供を開始した。

また、「ネクストエンジン」と直接関係はないが、5月24日に、本やDVD、ゲームをスマートフォンで簡単に交換できるアプリ「Spirale(スピラル)」(iOS版のみ)について、ユーザー間コミュニケーションの円滑化と取引の安全を目的にSNS 要素を取り入れた新機能を追加した。「Spirale」はシェアリング・エコノミーに着目したアプリであり、お金を介さずに欲しいモノを手に入れる事ができるという点でフリマアプリとは一線を画す。「読み終わった本を誰かにシェアし、また欲しい本を手に入れる」このスパイラルを繰り返す事で、ユーザーの生活がより豊かで創造力の溢れたものになる、との考えからCToCサービスとして2016年9月に「Spirale」の提供を開始した。今回の新機能の追加はユーザー数と取引数の増加を踏まえてのものだ。今後は「Spirale」に蓄積されるデータを活用し、ユーザーの利便性を高めるような新たなサービスの創造にも取り組んでいく考え。
 
【新たな領域への進出】
AI商材として、2017年9月5日にクマ型メッセージロボット「Hamic Bear(はみっく ベア)」を発表した。「Hamic Bear」はスマートフォンを持たない子供同士でも直接ボイスメッセージの交換ができる。友達登録は保護者の持つ専用のスマートフォンアプリで行うが、Wi‐Fi環境下で独立して子供同士のやりとりが可能。保護者は専用のスマートフォンアプリを通して子供同士のやりとりを見守る事ができる。2017年秋以降、WEBでの先行販売を予定しており、販売予定価格は3,685円(税別)。2017年9月6日から同8日にかけて東京ビッグサイトで開催された「第84回 東京インターナショナル ギフト・ショー 秋2017」において、Hamic Bearのモックアップを展示した。

また、9月12日には保護者が子供の会話を、見守ることができる無料のキッズ用メッセージアプリ「Hamic(はみっく)」iOS版をリリースした。既にiPhoneを利用している子供であれば、iPhoneを「Hamic Bear」と同じように使う事ができる。未成年のスマートフォン使用率の上昇に伴い、子供が犯罪・いじめに巻き込まれるリスクを心配する声や子供のスマートフォンへの過度な依存を懸念する声も高まっている。「Hamic」はこうした声に応えたキッズ用メッセージアプリ。2017年秋に発売予定のクマ型メッセージロボット「Hamic BEAR」とのメッセージ交換が可能なため、アプリ同士、アプリと「Hamic BEAR」、「Hamic BEAR」同士等、組み合わせ自由に子供の安心コミュニケーションネットワークを構築する事ができる。

同社は、“安心・安全”な環境の中での子供のコミュニケーションの自由化・促進を追求するため、サービス、コンテンツの改善・追加を継続的に行っていく予定。クマ型メッセージロボット「Hamic BEAR」及び「Hamic」のAndroid版への対応は2017年秋を予定している。中長期的には、同社が展開するEC自動化プラットフォーム「ネクストエンジン」や次世代の物々交換アプリ「Spirale(スピラル)」等の他事業とデータベースを統合し、ユーザーにとって有益なAIソリューションの開発につなげていきたい考え。
 
Hamic Bearの特長
「Hamic Bear」の頭をタップするだけで、「Hamic Bear」や専用アプリ「Hamic」とのメッセージの送受信が可能。一緒に住む家族はもちろん、離れて生活する祖父母、友達、先生等、保護者の見守る中で、たくさんの人と子供自身が直接繋がり、コミュニケーションをとる事ができる。「Hamic Bear」は全体的に丸みを帯びた安定感のある形状で、柔らかい樹脂素材(PVC)を使用しているため触り心地もソフト。
また、「Hamic Bear」はAIを搭載しているため、発売後も様々な機能の追加が可能。人感、温度、位置情報等を基にした「Hamic Bear」からの情報発信や、「Hamic Bear」を通じてコミュニケーションを促進させるアクション等の機能追加を予定している。
 
【グローバル展開】
韓国(hamee.co.kr)、中国(strapya.world.taobao.com)、台湾(tw.mall.yahoo.com/store/hamee_taiwan)、アメリカ(hamee.com)、インドに現地法人を展開している。各国のECの状況を把握しコマース事業を深耕した上で「ネクストエンジン」をリリースしてプラットフォーム事業に展開し、その後、各国のプラットフォームをネットワーク化する事で、「ネクストエンジン」をECに不可欠なグローバルプラットフォームに育てていく考え。

韓国では、現地法人がiFaceの商標権と取得し、メーカーとしての事業が順調。台湾では、現地法人が「台湾Yahoo!」に出店しており、中国では、2016年10月に、「アリババグループ」の越境ECプラットフォーム「天猫国際(TMALL GLOBAL)」と中国EC2位の「京東集団(ジンドン)」の越境ECプラットフォーム「京東全球購(JD Worldwide)」で越境ECも開始した。越境ECと並行して、「ネクストエンジン」の画面上で「天猫国際」や「京東全球購」での業務処理が可能な連携アプリの開発を進めていく。アメリカでは、現地法人が自社ドメインサイト等でECを行っている。EC最大手のAmazonや2位のeBayとの自動連携アプリも開発済みで、越境ECの支援体制も整っている。インドは米国ECのバックオフィス業務の機能も担っている。
 
 
2018年4月期第1四半期決算
 
 
前年同期比34.4%の増収、同75.2%の営業増益
売上高は前年同期比34.4%増の20億57百万円。「iFace」シリーズの好調や個性的な新商品の継続的なリリースで自社企画商品を中心にコマース事業の売上が同35.4%増加した他、プラットフォーム事業も、メイン機能契約、アプリ契約共に増加し、売上が同27.1%増加した。

営業利益は同75.2%増の2億50百万円。売上総利益率の改善は自社企画商品の好調によるコマース事業の利益率改善によるもので、先行投資によるプラットフォーム事業の利益率悪化の影響を吸収した。販管費の増加は人件費や小売の増加に連動する物流費・支払手数料等の増加が要因。
市場変更費用(22百万円)がなくなった事で営業外損益が改善し、経常利益は同116.5%増加。税負担率が上昇したものの(21.3%→26.7%)、四半期純利益も同102.4%増加した。
 
 
 
前期の第3四半期以降、四半期ベースで売上が減少しているのは季節要因による。特に第1四半期は、Phone等スマートフォンの新機種発表、クリスマス需要、新年度需要等の影響を受ける、第2、第3、第4四半期と比較して売上のボリュームが小さくなる。
 
 
コマース事業
売上高17億62百万円(前年同期比35.4%増)、セグメント利益(営業利益)3億35百万円(同57.3%増)。引き続き「iFace」シリーズが好調に推移した他、水に浮くスマホ用防水ケース、フィンガーリングホルダー、6ポート急速充電器、女性向けスマホアクセサリーブランド「trouver」シリーズの新作等、個性的な新商品を継続的にリリースした。人気商品iFaceシリーズについては、プロモーション強化を目的に2017年9月にiFace日本公式サイトを公開した。
売上面では、Amazon等の主要モールで前年同期比増収となった国内小売が1億61百万円増加した他(内部取引調整前)、大手量販店向け中心に好調が続いた国内卸売も1億83百万円の増加。韓国が前年同期比増収となる等で海外小売も53百万円増加した。利益面では、卸売の構成比が高まったものの、自社企画商品の効果で売上総利益率が48.2%と2.6ポイント改善した。
 
プラットフォーム事業
売上高2億91百万円(前年同期比27.1%増)、セグメント利益(営業利益)1億01百万円(同9.3%増)。第1四半期末の総契約数(OEM除く)が2,767社と前年同期末の2,372社から16.7%(395社)増加し(前期末2,642社)、アプリ契約数も707社から1,088社に69.8%(381社)増加(前期末978社)。利用店舗数も21,095店と前年同期末の17,719店から20.7%(2,376店)増加した(同827店増、いずれも同社調べ)。
契約数は着実に増加したものの、成長加速に向けた機能開発やサポート人員の増員に加え、当面の目標とする契約社数5,000社達成に向けたインフラ投資の影響で売上総利益率が52.6%と13.7ポイント低下した。

上記の他、ネクストエンジンのメイン機能に紐づかないEC事業者向けのサービス等にかかる売上高4百万円、セグメント損失(営業損失)17百万円を「その他」として計上した。
 
 
第1四半期末の総資産は前期末に比べて2億29百万円減の40億10百万円。売上債権の回収が進む一方、未法人税等の納付に加え、払金・未払費用の決済や有利子負債の返済等が進んだ。自己資本比率68.7%(前期末63.6%)。
 
 
2018年4月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比9.6%の増収、同5.0%の営業増益
売上高は前期比9.6%増の93億20百万円。小売を中心にコマース事業の売上が同9.4%増加し、ネクストエンジンメイン機能の契約社数の増加でプラットフォーム事業が同11.1%増加するとみている。
営業利益は同5.0%増の11億61百万円。サポート人員の増員とインフラ投資の積極化でプラットフォーム事業の利益がわずかに減少するものの、コマース事業は支払手数料の増加や物流費の増加等を増収効果で吸収。為替差損を見込んでいないため、経常利益は11億57百万円と同10.4%増加。本社移転に伴う特別損失を吸収して、最終利益は同8.5%増の7億55百万円が見込まれる。

配当は1株当たり50銭増配の期末配当5円を予定している。当面は配当性向10%を目処に配当を実施していく考えだが、将来的には20%〜30%の安定配当を目指している。
 
 
 
コマース事業
小売については、iPhone等の新規機種向け商品の投入予定時期や自社企画商品の需要推移等を勘案し前年比13.5%増、卸売については主要取引先の引き合い情報等を勘案し同6.6%増、コマース事業全体として、前年比9.4%増の売上高81億88百万円を見込んでいる。
 
プラットフォーム事業
売上高は11億31百万円と前年比11.1%増加する見込み。過去実績等を勘案の上、月毎にネクストエンジンメイン機能の新規契約獲得件数及び解約数を見積り、当該契約数に顧客平均単価を乗じる事で予想売上高を算出した。契約数については、17/4期実績(前期末契約社数比18.6%増)を踏まえ、18/4期の伸び率を保守的に16.0%増と想定。また、専用アプリ(カスタマイズ対応)等の上振れ要因は織り込まれていない。利益面では、サポート兼営業人員の増員とインフラ投資等、先行投資を織り込んだ。
 
 
今後の注目点
18/4期は順調な立ち上がりとなった。コマース事業は前期に大きく伸びただけに、その反動が懸念されたが杞憂に終わった。卸売が高い伸びを続ける中、小売の伸びが前期の下期以降加速している。「iFace」シリーズの好調等で需要に供給が追い付かなかった自社企画商品が、小売の各店舗にいきわたるようになった事が要因と思われる。プラットフォーム事業は先行投資が利益を圧迫しているものの、メイン機能契約、アプリ契約共に順調に増加しているため不安はない。IT導入補助金の指定を受けた効果や「LOHACO」との連携効果も徐々に顕在化してくるものと思われる。同社の業績には季節性があり、第2四半期以降がポイントとなるが、第1四半期の業績を見る限りモーメンタムは良好。Hamic BearやHamicが、ユーザーからどのような評価を受けるか注目していきたい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書      更新日:2017年7月27日
<基本的な考え方>
当社グループは、「We Create the Best“e”for the Better“e”World.(より“e”世界につながるもっと“e”を創造する。)」をPhilosophy(経営理念)に掲げ、企業の継続的な発展と株主価値向上のため、コーポレート・ガバナンスに関する体制の強化と経営理念の推進を経営の最重要課題としております。また、当社では、社外取締役(2名)及び社外監査役(3名)により取締役会の監督機能を高め、経営の健全性・透明性の確保に努めております。今後も、取締役及び全従業員が法令・定款を遵守し、健全な社会規範のもとにその職務を遂行し、リスク管理、監督機能の強化を図り、経営の健全性・透明性を高めていく所存であります。
 
<実施しない主な原則とその理由>
【原則5-2】
当社の属するEC市場は、技術革新や業界の変遷が激しい分野であり、将来収益を見通すことが著しく困難なため、定量的な中長期業績予測を掲げることは、必ずしもステークホルダーの適切な判断に資するものではないと考えており、中期経営計画における数値目標を公表しておりません。
 
<開示している主な原則>
【原則1-4】
当社では、原則としていわゆる政策保有株式を保有しないことを基本方針といたします。現状において政策保有株式を保有しておりません。

【原則1-7】
当社は、関連当事者取引について、取引を行うこと自体に対する合理性があり、取引条件の妥当性があることが担保され、グループの利益が損なわれる状況にないもの以外は、これを行わないことを基本方針としております。関連当事者との取引を開始する際には、上記内容が担保されているかを慎重に判断し、会社法並びに当社稟議規程、職務権限規程に則り、取締役会決議等の決裁を受けることとしております。また、役員に対し定期的に関連当事者間の取引の有無を確認しており、有価証券報告書で開示しております。

【原則5-1】
当社は、その持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主等との建設的な対話を重視しており、代表取締役社長及びIR担当取締役ならびにIR&コミュニケーション室を中心に様々な機会を通じて株主や投資家との対話を持つように努めております。なお、IR&コミュニケーション室は、経理部門及び総務部門と一週間に一度の定例ミーティングを実施し、有機的な連携につとめております。現在のところ、社長が出席する決算説明会を年に2回開催しているほか、随時国内外の機関投資家とのミーティングを実施しており、電話取材、年に複数回の個人投資家説明会等も実施しています。それらの結果は、適宜、取締役会に報告しています。なお、株主との対話に際してはインサイダー情報の漏洩防止を徹底しています。
 
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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