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(9837:東証1部) モリト 企業HP
一坪 隆紀 社長
一坪 隆紀 社長

【ブリッジレポート vol.9】2017年11月期第2四半期業績レポート
取材概要「第2四半期実績の通期予想に対する進捗率は、売上、利益ともにやや低いものの、春先に開催した展示会からの引き合いは好調で、実際の受注にも・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年10月17日掲載
企業基本情報
企業名
モリト株式会社
社長
一坪 隆紀
所在地
大阪市中央区南本町4-2-4
事業内容
服飾資材、自動車内装品やカメラ資材などの卸。企画製造から関与。中国で生産も。販路世界的
決算期
11月末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年11月 40,086 1,767 1,647 1,181
2015年11月 43,293 1,721 1,871 1,432
2014年11月 35,862 1,429 1,729 1,270
2013年11月 33,145 1,390 1,699 1,081
2012年11月 31,521 1,389 1,405 787
株式情報(10/12現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,089円 30,800,000株 33,541百万円 10.7% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
28.00円 2.6% 105.44円 10.3倍 1,177.30円 0.9倍
※株価は10/12終値。発行済株式数は直近期決算短信より。ROE、BPSは前期末実績。
 
モリト株式会社の2017年11月期第2四半期決算概要等について、ご紹介します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
靴・衣類などに紐を通す穴に取り付ける環状の金具である「ハトメ」をはじめとし、ホック、マジックテープ®などの服飾の付属品や、自動車の内装品等の企画・開発から製造に加え、卸・流通までを一貫して手掛ける専門商社。
創業100年を超す歴史の中で培われた高い信頼性、高シェア、グローバルネットワークなどが強み。
2017年5月末現在、連結子会社は国内3社、海外9社の合計12社。
 
【沿革】
大阪の呉服商で奉公人として働いていた創業者・森藤寿吉氏が、1908年(明治41年)に独立し、ハトメ、ホックの仲買商「森藤商店」を一人で開業。大正時代に入りファッションの洋装化が進むのに伴い、靴の需要も拡大し、急成長を遂げる。1937年にはホックをスマトラ、ジャワへ、靴ひもをヨハネスブルグ(南アフリカ)、イギリスへ輸出するなど国際化も進めた。太平洋戦争後は、カラーナイロンファスナーやマジックテープ®の販売を開始したほか、1990年代に入り汎用資材の拡販を目指し、自動車の内装品、カメラのストラップなど生活産業資材関連事業にも進出し事業ドメインを拡大した。海外事業も積極的に展開。1989年、大阪証券取引所第2部に上場し、2013年7月の東証・大証の統合に伴い東京証券取引所第2部に移行。2016年12月、東証1部に上場した。
 
 
【ビジョンなど】
1.創業理念
「積極・堅実」
創業期より培われてきた同社の精神。「自ら進んで判断・行動することで確実に成果を上げることが出来る」という意味を表す。
また、「他人に勝つためには常に他人の意表をつくアイデアが必要。日頃から何かないかと考えながら商売せよ。」という、創業者・森藤寿吉氏の精神が同社事業のバックボーンとなっている。
 
2.経営理念
「パーツでつなぐ、あなたとつながる、未来につなげる」
(1)多彩なパーツを全世界に供給し、ジャンルを超えた無限の市場作りを追求します。
(2)お客様の要望を形にし、人々の豊かな暮らしにつながる本物のもの造りを実現します。
(3)ファッション性、機能性、快適性、安全性といったトータルな視点で価値創造力を発揮し、全ステークホルダーと一体になって未来創りに貢献します。
 
 
3.経営ビジョン
『存在価値を創造する、あたらしい「モリトグループ」の実現』
 
4.企業行動指針
 
【事業内容】
ハトメ、ホック、バックル、ファスナーなど服飾の付属品を扱う「アパレルコンポーネント事業」、カメラ・携帯端末用のストラップ、靴の副資材や靴の中敷きなどフットケア商品を扱う「プロダクト事業」、マットエンブレム、ドアグリップなど自動車の内装品を中心とした「輸送事業」の3事業で構成される。
どの事業においても、ファッション性、機能性、快適性、安全性等を勘案し、市場や顧客ニーズに沿った商品の企画、開発からはじまり、製造、流通、販売までを一貫して手掛けている。
報告セグメントは、日本、アジア、欧米の3セグメント。
 
 
2016年11月期の売上構成比45%。
ハトメ、ホック、バックル、ファスナー、リベットなど服飾品やフットウェアの付属品を、主として卸、商社、代理店などを通じて同社の最終顧客である国内外のアパレルメーカー等に納入している。
ファーストリテイリング、GAPなどとは直接取引を行っている。
海外における同社の知名度は高く、GAP、H&M、ZARAといったメーカーとは10年から20年以上という長い取引関係にある。
 
 
 
2016年11月期の売上構成比44%。
カメラ・携帯端末用のストラップ等を映像関連の電機メーカー等に納入しているほか、靴の副資材、靴の中敷き、靴クリームなどフットケア商品は同社オリジナル製品として自社ブランドで販売している。
映像機器資材では、キヤノン向け45%、ニコン向け35%などとなっており、その他、オリンパス、京セラ等が顧客となっている。
 
 
2016年11月期の売上構成比11%。
主としてマットエンブレム、ドアグリップ、アームレストといった自動車の内装品を中心に取り扱っている。
自動車関連が約9割を占める。内半分がトヨタ系顧客向けで、次いで日産系3割、ホンダ系1割となっている。
 
【特長と強み】
①安定した業績推移
沿革でも触れたように、創業以来ハトメ、ホック、マジックテープ®などを中心にアパレルコンポーネント事業を展開してきた同社だが、汎用資材の用途拡大を進め、輸送事業を含むプロダクト事業をスタートさせ、現在ではアパレルコンポーネント事業で約半分、プロダクト事業および輸送事業で約半分となっている。
この事業ポートフォリオは同社の業績に安定性をもたらしており、戦後2度の石油ショック、世界的な経済危機「リーマンショック」を含めても赤字に陥ったことが無い。
 
②多くのアイテムで高いシェア
下表の様に様々な商品アイテムにおいて高いシェアを有している。
価格のみで見れば同社よりも低価格で供給する新興国の企業もあるが、企画・開発から製造、流通にわたり一貫し、加えて様々な状況にも適切に対処できる対応力、長い歴史の蓄積の中で培った安全性も含めた品質の高さ等で発注元からの信用、信頼度は高く、それが高シェアにつながっている。

例えば、同社では顧客のサンプル製作段階から適切な技術的アドバイスを提供したり、顧客の要望に合わせた微妙な色味の調整を何度も繰り返すほか、本生産に入ってからも定期的にチェックを繰り返すなど、単に完成品を販売するのではなく、取引開始に至るまで多くのハードルをクリアし、川上から川下までの全工程を仕組みとして顧客に提供している。こうした付加価値の提供が海外の有名ブランドを中心とした顧客から高く評価されている。
 
 
 
③グローバルネットワーク
企画・開発は主として日本で行う一方、欧州、北・中・南米、アジア太平洋、アフリカに製造・販売の拠点を多数有している。
 
 
同社ではグローバル成長企業を目指しグローバルな生産拠点、販売網の拡充とグローバル経営を支える内部体制の構築を進めている。
これが計画通りに進捗し、より強固なグローバルネットワークが構築されれば、同社の競争優位性は一段と強固なものとなるだろう。
以上の3点に加え、「ユニークなポジショニング」も同社の特徴の一つと言って良いだろう。
同社が取り扱う品目一つ一つをとれば競合先もあるが、これだけ多彩な品目を取扱いながら、その企画・開発から製造、流通、販売までを一貫して手掛け、売上高400億円を超すというボリュームを実現している企業は世界的にも他に見当たらないということだ。
 
 
16年11月期のROEは、売上高当期純利益率および総資産回転率の低下により前期に比べ0.8%低下した。
第7次中期経営計画において目標数値は掲げていないが、マージンおよび資産効率性の改善が期待される。
 
 
2017年11月期第2四半期決算概要
 
 
円高影響で減収。粗利は増加したが販管費増を吸収できず営業減益
売上高は前年同期比2億75百万円減(1.4%減)の200億57百万円。為替の減収要因が約1.6億円あった。地域別には日本は微増収、アジア、欧米共に減収。
原価改善効果により粗利率は0.9%上昇し、減収ではあったが粗利額は同1億10百万円の増益(2.1%増)となった。
退職給付債務の増加など販管費増を吸収しきれず、営業利益は同6.6%減の6億59百万円となった。
為替差損が1億50百万円から11百万円に縮小したため、経常利益は同16.1%増の6億73百万円。大阪市内の土地を売却し、固定資産売却益32億円を特別利益に計上したため、四半期純利益は32億17百万円と大幅に増加した。
 
 
◎日本
前年同期比0.9%増収、6.1%増益

<アパレルコンポーネント>
前年同期比3%の減収。
大手量販店向け、ユニフォーム・ワーキングウェア向け付属品、レディースアパレル向け付属品が増加した一方、スポーツ向け付属品・製品が減少した。

<プロダクト>
前年同期比2%の減収。
デジカメ向け付属品は既存ビジネスが大幅に減少。
サポーター等の健康関連向け付属品・製品の受注が増加した。

<輸送>
前年同期比23%の増収。
特にコア商品である、エンブレムなどフロアマット用の付属品が好調だった。
 
◎アジア
前年同期比5.4%減収、2.0%増益。

<アパレルコンポーネント>
前年同期比15%の減収(為替の影響除くと14%減)
香港における欧米アパレルメーカー向け付属品が減収だった。
e-commerceの台頭や百貨店売り上げの減少に起因する生産及び在庫体制の抜本的な見直しの必要性など、世界的にアパレル産業は過渡期を迎えており、同社もそうした流れに的確に対応する必要があると考えている。

<プロダクト>
前年同期比8%の減収(為替の影響除くと6%減)
タイ日系メーカー向け売上が低調だった。

<輸送>
前年同期比50%の増収(為替の影響除くと52%増)
昨年スポットオーダーのあった深曙Vの日系自動車メーカー向け売上は無かったが、上海でのビジネスは概ね好調だった。
 
◎欧米
前年同期比7.0%減収、51.0%減益。

<アパレルコンポーネント>
前年同期比4%の減収(為替の影響除くと3%減)
米国小売生産調整のため、アパレル、スポーツグッズなどアメリカ内需向け付属品が減収だった。

<プロダクト>
前年同期比65%の減収(為替の影響除くと63%減)
デジカメケースなど映像機器向け付属品がフルモデルチェンジのため受注が減少した。

<輸送>
前年同期比16%の減収(為替の影響除くと14%減)
昨年米国日系自動車メーカー向けにスポットオーダーがあったため前年同期比減収となったがほぼ計画通りに進んでいる。
 
 
現預金の増加等で流動資産は前期末比28億70百万円増加した。固定資産はほぼ変わらず、資産合計は同27億25百万円増加の435億78百万円となった。長短期借入金の減少等で負債合計は同6億7百万円減少の109億85百万円となった。利益剰余金の増加、為替換算調整勘定がプラスに転じたことなどから純資産は同33億32百万円増加の325億93百万円。この結果、自己資本比率は前期末に比べ3.1%上昇し74.7%となった。
 
 
営業CFは法人税等の支払額減少などでプラス幅は拡大した。
投資CFは有形固定資産の売却による収入の増加でプラス幅は拡大。この結果、フリーCFのプラス幅も拡大した。
財務CFは前期にあった社債発行による収入がなくなったものの短期借入金の減少額が前期よりも縮小したことなどによりプラス幅は拡大した。現金及び現金同等物残高は増加した。
 
 
2017年11月期業績予想
 
 
業績予想に変更なし。増収増益
業績予想に変更はない。売上高は前期比7.3%増の430億円の予想。各地域とも増収予想を見込んでいる。
営業利益は同1.8%増の18億円を予想。為替レートは106円/USDの前提。
第7次中期経営計画の2年目にあたる今期は、日本発付加価値商品の開発とグローバル展開による収益拡大を要とし、ASEAN、中国、欧米のみならず未開拓市場での事業についても取組みを加速させる。
 
 
株主還元については、前期までは継続的配当の実現をベースに「配当性向30%、連結自己資本配当率(DOE)1%維持」を基本方針としていたが、今期より、「配当性向50%以上、DOE1.5%維持」に引き上げる。
今期の配当は、年間合計28.00円/株の予想。(6.00円/株の東証1部上場記念配当を含む。)
予想配当性向は26.6%となるが、記念配当を除いた普通配当22.00円/株と特別な損益等を除いた親会社株主に帰属する当期純利益を基準とする配当性向は50%以上となる。
 
 
中期経営計画の進捗状況
 
①グループ収益基盤の拡大強化
M&Aは複数案件を検討、進行中。規模拡大やシナジー効果を追求する。
メキシコに法人設立の申請中。北米自動車市場向けの生産拠点に加え、スコーヴィルの服飾付属品の拠点とする。
米国西海岸での事業拡大については受注も入り始め順調な進捗となっている。
BtoCビジネスへの取り組みについては、新会社の設立を準備中。来期から本格的に展開する。3〜5年程度の長期ビジョンの下、売上構成比で2割程度まで引き上げたいと考えている。「モノづくり」に取り組むことで社員の活性化にもつなげていく。
産学連携は、「RFID(Radio Frequency Identification:IC と小型アンテナが組み込まれたタグやカード状の媒体か電波を介して情報を読み取る非接触型の自動認識技術)」を利用した事業を検討し、世界的なスポーツ関連企業、IT関連企業との協議を進めている。
 
②資本政策
人件費の次にウェイトの大きい物流費の削減を目指し、物流拠点の再構築を進める。資金源としては今回の土地売却代金など資産の有効活用を中心に、借入金を組み合わせる。
同時に株主還元についても前述のように、前期までは継続的配当の実現をベースに「配当性向30%、連結自己資本配当率(DOE)1%維持」を基本方針としていたが、今期より、「配当性向50%以上、DOE1.5%維持」に引き上げる。
 
③内部統制の強化
働き方改革に向け、在宅勤務制度の導入なども視野に入れシステムの強化・構築を進める。
コーポレートガバナンス・コードについては、自社らしさを把握してしっかりと適切に対応していく。
 
 
スコーヴィルとの取り組み
 
2014年にM&Aしたスコーヴィルについては着実にその効果が現れている。
2016年11月期においてはヨーロッパ倉庫の統合および香港事務所の統合が完了した。今期から年間で約3,000万円のコスト削減につながる見込み。またシナジーによる売上高は1.5百万USDであった。
2017年11月期のシナジーによる売上高は前期を大きく上回る4.5百万USDを目標としている。子供服、アパレル、ユニフォームなど、アジアを中心とした活動を強化する。
また、2017年5月にはニュージャージーにあった子会社カネエムインクの事務所を、スコーヴィルのニューヨーク事務所と統合した。
今後は、アメリカ、香港においてモリトとスコーヴィルの拠点の統廃合を進め、営業力の強化を図る考えで、現在具体的な作業に入っている。
 
 
今後の注目点
第2四半期実績の通期予想に対する進捗率は、売上、利益ともにやや低いものの、春先に開催した展示会からの引き合いは好調で、実際の受注にも結び付き始めているということであり、下期に十分カバー可能と会社側は考えている。短期的には、第3四半期、第4四半期の進捗を、中長期的には、M&A、新会社によるBtoCビジネスの展開に注目したい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書
更新日:2017年3月10日
 
 
 
 
 
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