ブリッジレポート
(2483) 株式会社翻訳センター

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ブリッジレポート:(2483)翻訳センター vol.10

(2483:JASDAQ) 翻訳センター 企業HP
東 郁男 社長
東 郁男 社長

【ブリッジレポート vol.10】2018年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「中計で掲げているように「中長期的に連結営業利益率8%を目指す」同社だが、今期期初予想7.3%が上方修正で7.4%となり目標に一歩近づい・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年12月12日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社翻訳センター
社長
東 郁男
所在地
大阪市中央区久太郎町4-1-3 大阪御堂筋ビル
決算期
3月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年3月 10,218 697 699 444
2016年3月 9,178 534 534 430
2015年3月 9,191 504 502 283
2014年3月 8,772 364 359 179
2013年3月 7,267 422 422 220
2012年3月 5,536 440 439 227
2011年3月 4,756 279 270 139
2010年3月 4,239 236 239 105
株式情報(12/7現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
4,010円 1,684,500株 6,754百万円 12.8% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
58.00円 1.4% 314.64円 12.7倍 2,064.69円 1.9倍
※株価は12/7終値。発行済株式数は直近期決算短信の発行済株式数。ROE、BPSは前期実績。
 
(株)翻訳センターの2018年3月期第2四半期決算概要等について、ブリッジレポートにてご紹介致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
翻訳業界の国内最大手で初の上場企業。医薬、工業・ローカライゼーション、特許、金融・法務分野において、産業翻訳と呼ばれる技術文書やビジネス文書の翻訳を行う。語学力、専門性、文章力に優れた約4,400名の登録翻訳者を有する。高い品質と専門性、対応言語約80言語という幅広さが特徴。M&Aによって、通訳も含めた言語サービスにおける事業領域の拡大を図る。
 
【沿革】
江戸時代から薬の町として有名な大阪・道修町(どしょうまち)で、医薬専門の翻訳サービスを提供するために設立された(株)メディカル翻訳センターが前身。その後、特許などへ翻訳業務の範囲を広げる過程で東京、大阪、名古屋に設立した数社を整理・統合して1997年8月に(株)翻訳センターとなる。2006年株式上場後、海外へも進出。
 
 
【社長プロフィール】
東 郁男社長は1961年7月15日生まれ。
1992年8月同社入社後、1997年8月取締役就任。2001年9月に創業者からバトンを引き継ぎ、代表取締役に就任し、2006年の株式上場の指揮を執る。
 
【企業理念・経営方針】
<企業理念>
 
<経営ビジョン>
「すべての企業を世界につなぐ言葉のコンシェルジュ」
 
【市場環境】
翻訳ビジネスは大きく分けて、「産業翻訳」、「出版翻訳」、「映像翻訳」があるが、同社の中心的な事業は、企業や官公庁で発生する技術文書、ビジネス文書の翻訳のことを指す「産業翻訳」と言われる分野。
日常生活においては出版翻訳や映像翻訳を目にすることが多いが、約2,800億円といわれる日本の翻訳市場において、産業翻訳は90%と圧倒的な大半を占めている。
一般社団法人日本翻訳連盟によると、国内には約2,000社の翻訳会社・事業者があるが、売上高70億円(翻訳セグメント、2017年3月期)の同社の以下は、10位で売上高数億円程度と、小規模事業者が大多数の業界となっている。
 
日本企業の活動のグローバル化が進むにつれて、翻訳ニーズは益々拡大するものと予想されている。
高速鉄道、プラント設備・装置技術、水道など日本企業による現地インフラ事業の受注拡大
新興国市場における日本の自動車産業の拡大
震災、洪水などの教訓からリスク分散に伴う生産拠点の多極化
企業経営者の多国籍化
所謂「クールジャパン」戦略に基づいた、コンテンツ、製品・サービスの輸出拡大や、来日誘致策の積極化
 
海外に目を向けてみると、アメリカの調査会社コモンセンスアドバイザリー社発表による2017年の世界の言語サービス会社の売上高ランキングにおいて、同社は6年連続でアジア地域では1位にランクインされた。
同社レポートによると、世界の翻訳市場は日本市場の10倍以上にあたる巨大市場が形成されている。当然競争も激しい事は予想されるが、同社は事業拡大のため、新規領域への取組も開始しており、世界トップ10入りを目指している。
 
【事業内容】
医薬、工業・ローカライゼーション、特許、金融・法務など、専門性の高い事業分野における産業翻訳を行っている。
産業翻訳の具体例としては、以下の様なものが挙げられる。
デジタル機器等における複数言語で書かれている取扱説明書
海外生産工場での機械の仕様書や現地従業員向けの作業マニュアル
現地会社で使う規程類などの人事労務資料
国内あるいは外国へ特許出願する際の特許明細書
国内あるいは外国で医薬品の承認申請を取得するための資料
決算短信、株主総会招集通知などのディスクロージャー関連資料
企業間で発生する契約書などの法務資料
 
現在の顧客数は約4,700社。9割が法人顧客。
売上ベースで対応言語の80%が英語で、中国語5%、韓・独・西が数%と続くが、近年、東南アジア言語の翻訳依頼が増えている。
現在、約80言語に対応している。
 
◎ビジネスモデル
翻訳作業は、同社に登録している約4,400名(2017年3月期)の翻訳者が行う。質の高い翻訳者をどれだけ確保できるかが事業拡大の上で大きなポイントとなる。
そのために、登録の際トライアルというテストを実施し、語学力のみでなく、技術知識など専門性や文章力、スピードも評価して一定以上の能力を有した翻訳者のみと契約している。合格率は約26%ということだが、一次審査として書類審査も行っていることから、実際の合格率はもっと低く、狭き門となっている。
登録翻訳者の確保が重要な経営課題と認識しているが、実際のところは、翻訳者の数がボトルネックになった事はないということで、安定的に仕事を発注できる同社の事業規模の大きさもあり、登録者数は順調に拡大している。
同社の売上原価のほぼ大半が登録翻訳者への支払報酬で、原則的に「対応言語 1ワードあるいは1文字」当たりの従量制となっている。
業務フローを示したのが以下の図だが、同社が安定的に利益を生み出すためには以下の2点が最も重要であり、そのために様々なシステムを導入している。
 
 
①翻訳者の選定
品質確保のためには、顧客から依頼された原稿の内容に適した翻訳者を言語、専門性、スピード、発注単価などを加味して選定しなければならない。
この選定でミスをすると、納品までの後工程に支障をきたし、収益低下につながる。

同社では基幹業務統合システムを使用し、常に適切な翻訳者選定が出来るような体制を構築している。案件の受注から納品、回収までを一括管理する同社カスタマイズの基幹業務システムで、販売管理だけでなく、登録者に関する専門分野、過去の実績、スケジュールなど、詳細なデータが蓄積されている。
コーディネータと呼ばれる社内の担当者が、このシステムに蓄積された登録者の専門分野、過去の実績、スケジュールなどのデータを用いて適切な翻訳者を選定する。これによりコーディネータの属人的な経験などに頼らずに適切な翻訳者の選定を行う事が出来る。なお、2015年7月に基幹業務統合システムを改修している。
 
②翻訳のスピードアップ及び品質チェック
顧客に納品する前に必要な校正作業は社内の校正スタッフ、ネイティブスタッフなど、専門スタッフが行っている。また、翻訳作業をより確実かつスピーディーに行えるよう、各種翻訳支援ツールや機械翻訳等を補助的に活用し、品質・価格・納期のサービス品質の向上につなげている。
 
 
従来の手作業による翻訳では、大量の原稿の重複箇所の表現統一を手作業で処理しており、業務の精度を高めるためには、多くの人手を投入するなど、効率的ではなかった。
この問題を解決するために、同社は各種翻訳支援ツールを活用している。これは、重複箇所の表現統一を機械的に処理するもので、ツール導入により翻訳作業に関わる人出を減らし、より速く正確に行うことが可能となった。
 
◎事業セグメント
翻訳事業が売上、利益の大半を占める。
 
 
医薬分野、工業・ローカライゼーション分野、特許分野、金融・法務分野からなる。

① 医薬分野
主に、製薬会社を顧客とした、新薬等医薬品開発段階での試験実施計画書、試験報告書、医薬品の市販後の副作用症例報告、学術論文、および、医薬品・医療機器類の導入や導出に伴う厚生労働省、米国FDA(食品医薬品局)などへの申請関連資料などの翻訳、医療機器メーカーを顧客としたマニュアルの翻訳や化学品、農薬関連の翻訳も行っている。

② 工業・ローカライゼーション分野
主に、自動車、電気機器、機械、半導体、情報通信関連の輸出・輸入メーカーを顧客とした、技術仕様書、規格書、取扱説明書、品質管理関連資料の翻訳、メディアコンテンツ類の翻訳も行っている。

③ 特許分野
主に、特許事務所および各種メーカーの知的財産関連部署を顧客とした、電気、電子、機械、自動車、半導体、情報通信、化学、医薬、バイオ分野における、外国出願ならびに日本出願などに伴う特許出願明細書、特許公報などの翻訳を行っている。

④ 金融・法務分野
主に、銀行、証券会社、保険会社など金融機関、法律事務所を顧客とした、市場分析レポート、企業業績・財務分析関連資料、運用報告関連資料、人事関連資料、マーケティング関連資料、契約書、定款・約款などの翻訳、また、企業の管理系部署などを顧客とした、株主総会招集通知やアニュアルレポート、有価証券報告書などのディスクロージャー関連資料の翻訳、会社案内、法律関連文書、人事規程などの翻訳も行っている。
 
 
(株)アイ・エス・エスにおいて、顧客企業が機密保持上、社外に持ち出せない文書類などの翻訳業務を行う翻訳者派遣、ならびに、会議、商談、工場見学などの通訳業務を行う通訳者の派遣を行っている。
 
 
(株)アイ・エス・エスにおいて、大規模国際会議や企業内会議、商談、工場見学などの際の通訳を請負っている。
 
 
(株)アイ・エス・エス・インスティテュートにおいて通訳者・翻訳者養成のための語学教育を提供している。
 
 
(株)アイ・エス・エスにおいて、国際会議・国内会議(学会・研究会)やセミナー・シンポジウム、各種展示会の企画・運営を行っている。大型案件の受注により知名度、ブランド力が向上。実績を重視する官公庁においては上場企業として財務基盤が強固である点も含め上位の評価を受けている。
 
 
(株)外国出願支援サービスが行っている外国出願用の特許明細書の作成業務など。
 
【特徴と強み】
翻訳業界最大手で初の上場企業である同社は、以下の様な強みや特徴を有している。
 
◎専門性
医薬、工業・ローカライゼーション、特許、金融・法務の4分野において高い専門性を有している。
本業である翻訳に加えて、外国特許出願に際しての出願書類の作成やメディカルライティング(新薬申請資料の作成)を手掛けるなど、その業界に関する高い専門性と翻訳に付随した付加価値サービスを展開している。
近年様々な翻訳支援ツールや機械翻訳サービスが提供されるようになってきているが、同社でも専門性を維持しつつファイル管理や用語統一などを効率化する有効なツールとして積極的に導入を進めている。
 
◎総合力
2006年4月の株式上場時は翻訳事業のみの事業形態であったが、2012年9月に通訳業界で大きな実績をもつ(株)アイ・エス・エスを買収し、事業を拡大した。「すべての企業を世界につなぐ言葉のコンシェルジュ」という経営ビジョンのもと、コア事業である翻訳だけにとどまらず、通訳、人材サービス、コンベンション(国際会議企画・運営)、通訳者・翻訳者育成事業など、外国語ビジネスの総合サプライヤーとして体制を構築している。また、対応言語数が約80言語という幅広さ、前述の外国特許出願時におけるワンストップ・サービスなど、守備範囲の広さが大きな競争優位性に繋がっている。
 
 
2015年5月発表の第三次中期経営計画で目標とする経営指標に「ROE10%以上」を掲げており、資本効率に対する意識を高めている。
2017年3月期のROEは16年3月期に比べ若干低下したが、その要因は主に特別利益に投資有価証券売却益172百万円を計上した前期よりも売上高当期純利益率が低下したためであり、「ROE10%以上」を常時維持するに十分な収益性を備えつつあるようだ。
 
 
2018年3月期第2四半期決算概要
 
 
コンベンション事業の反動減で減収減益も予想を上回る。
売上高は前年同期比1.3%減の49億3百万円。主力の翻訳事業が医薬、特許分野中心に堅調であったが、前年同期に大型国際会議の運営を受託したコンベンション事業の反動減で減収。粗利率が高い翻訳事業のの売上構成比が上昇したことで全体の粗利率は向上した。
営業利益は同17.5%減の2億81百万円。
コンベンション事業の反動減で減収減益となったが期初計画に対しては売上、利益ともに上回った。
 
 
①翻訳事業
増収増益
<医薬>
外資製薬会社との安定した取引に加え、国内製薬会社における受注が拡大した。前期に続きCROからも案件を獲得することができた。
 
<工業・ローカライゼーション>
自動車関連企業からの受注が好調に推移した。
 
<特許>
特許事務所からの受注が好調に推移した。
 
<金融・法務>
企業の管理系部署との取引が拡大しているものの、前年に獲得した金融機関からのスポット案件の反動で減収となった。
 
②派遣事業
増収増益
金融関連企業やITサービス関連企業、医薬品関連企業からの求人が好調に推移した。
 
③通訳事業
増収増益
大手情報通信関連企業や金融関連企業などからの受注が好調だった。
 
④語学教育事業
減収減益
(株)アイ・エス・エス・インスティテュートが運営する通訳者・翻訳者育成講座の集客が計画を下回った。
 
⑤コンベンション事業
減収減益
大型国際会議の多かった前期の反動で減収減益となった。
 
⑥その他
増収増益
外国への特許出願に伴う明細書の作成や出願手続きを行う(株)外国出願支援サービスが好調に推移した。
 
 
現預金の増加などで流動資産は前期末32百万円の増加。固定資産は有形固定資産、のれんの減少などで同49百万円の減少で資産合計は同17百万円減少の50億93百万円となった。
仕入債務、退職給付に係る負債の減少などで負債合計は同1億23百万円減少の15億9百万円となった。
純資産は利益剰余金の増加などで同1億5百万円増加の35億83百万円となった。
この結果自己資本比率は前期末の68.0%から70.3%へ2.3ポイント上昇した。
 
 
税金等調整前当期純利益の減少などで営業CFのプラス幅は縮小した。
関係会社の整理による収入があり投資CFはプラスに転じたが、フリーCFのプラス幅は縮小した。
財務CFはほぼ変わらず。キャッシュポジションは上昇した。
 
(4)トピックス
◎機械翻訳の活用による産業翻訳サービス向上のために資本参加および子会社化を実施
機械翻訳技術の開発およびサービス提供を行っている「株式会社みらい翻訳」へ資本参加するとともに、翻訳事業およびシステムソリューション事業を手掛ける「株式会社メディア総合研究所」を子会社化した。

(株式会社みらい翻訳 概要)
2014年10月に株式会社NTT ドコモ、SYSTRAN INTERNATIONAL Co.,Ltd、株式会社フュートレック(2468、東証2部)の3 社によって設立され、その後パナソニック株式会社も資本参加した合弁会社で、言語バリアフリーの世界の実現に向けて、精度の高い機械翻訳技術の開発およびサービス提供を行っている。
翻訳センター資本参加前の株主はNTTドコモ(持株比率51.0%)、SYSTRAN INTERNATIONAL(同18.0%)、パナソニック(同18.0%)、フュートレック(同13.0%)。

(株式会社メディア総合研究所 概要)
設立は1993年10月。翻訳事業およびシステムソリューション事業を主要事業として展開している。2014年10月にフュートレックの子会社(持株比率100.0%)となり、グループリソースを活用し、機械翻訳システムのサービス提供と精度向上に取り組んでいる。
2017年3月期の業績および財政状況は、売上高16億円、経常利益33百万円、総資産576百万円、純資産313百万円。

【資本参加および子会社化の背景・理由】
近年、ニューラルネットワーク技術(※)を取り入れた機械翻訳が急速に発展しており、産業翻訳業界においても、従来にはないスピードで顧客ニーズやマーケットが変化していくことが予想される。
このような環境下、同社はみらい翻訳およびフュートレック、メディア総合研究所と、事業連携の可能性について協議を進めてきた。
その結果、産業翻訳サービスの向上には企業が保有する翻訳データを効果的に学習できる機械翻訳を活用することが必要不可欠であると判断し、今回の資本参加および子会社化を実施することとした。
今後、同社グループが有する翻訳事業の知見・ノウハウ・経営資源と、みらい翻訳およびメディア総合研究所が有する技術開発力・運用力を活用することで、産業翻訳分野における機械翻訳ソリューションの展開を図り、翻訳事業の成長拡大と更なる企業価値の向上に努める考えだ。
 
(※)ニューラルネットワーク技術:人間の神経ネットワークを模したコンピュータ上の計算モデル。多量のデータから自動的に学習する機械学習には不可欠なものとなっている。音声認識システムや画像認識システム、天気予報など機械学習によって正答率を高めるシステムに応用されている。
 
【株式異動の方法など】
フュートレックが保有するみらい翻訳の株式(持分比率13%)とメディア総合研究所の株式(持分比率100.0% 自己株式除く)を取得した。取得金額はみらい翻訳に関しては非開示、メディア総合研究所はアドバイザリーフィー含め約5.5億円。取得資金は自己資金を利用した。
株式譲渡実行日はみらい翻訳が2017年10月31日、メディア総合研究所は2017年11月15日。

【その他】
メディア総合研究所の子会社化に伴い、翻訳センター取締役経営企画統括の二宮 俊一郎氏を代表取締役社長に派遣した。
 
 
2018年3月期業績予想
 
 
通期予想を上方修正。増収増益
好調な業績に加えM&Aを実施したことも勘案し通期業績予想を上方修正した。
売上高は前期比3.7%増の106億円を計画。前期大幅に伸びたコンベンション事業は減収となるが、主力の翻訳事業、派遣事業、通訳事業は好調。相対的に粗利率の高い翻訳事業の比率が高まることから粗利率も上昇する。
営業利益は11.8%増の7億80百万円の予想。売上高、営業利益ともに連続して過去最高を更新する。配当は前期比3円/株増配の58.00円/株の予定で、増配は4年連続。予想配当性向は18.4%。
 
 
上期同様通期でも翻訳、派遣、通訳の好調を予想。コンベンションは反動減で減収減益だが、足元は好調で、再来期以降の寄与を見込んでいる。
 
 
今後の戦略 ~第三次中期経営計画の進捗~
 
(1)業績目標
第三次中期経営計画の最終年度となる2018年3月期の目標(2015年5月発表)は「売上高110億円、営業利益750百万円、当期純利益450百万円」。これに対し今期予想は「売上高106億円、営業利益780百万円、当期純利益530百万円」で売上はショートするが利益は超過する見込みである。
 
(2)重点施策と進捗
以下3つの重点施策の進捗は以下の通り。
 
① 顧客満足度向上のための分野特化戦略のさらなる推進
専門特化したグループ会社と連携し、ドキュメント作成からパッケージでの受注を進めている。
例えば医薬分野では、翻訳センターが翻訳を、グループ会社のパナシアが専門性を活かしてメディカル・ライティングやドキュメント作成を行い外資製薬会社から新薬申請文書を一括受注するケースが増加している。
 
② ビジネスプロセスの最適化による生産性向上
次期中計での施策に繋がる取り組みが始まっている。
 
*ICTの活用による業務フローの改善
翻訳支援ツールや機械翻訳などの最新のテクノロジーを業務プロセスに取り入れることで、生産性の向上を図っている。
ICTの積極導入に関しては、基幹業務システムの改修が完了し、現在は業務フローの更なる改善を検討中。
 
*人材の能力を最大限活用する多様で柔軟な働き方の推進
優秀な人材の確保を目的に、在宅勤務制度の試験運用を継続している。
 
(3)ランゲージサービスにおけるグループシナジーの最大化
グループの連携を強化し、一体経営による収益拡大を進めている。
先述のパナシアのほか、外国出願用の特許明細書の作成業務を代行する外国出願支援サービスとの連携による翻訳と書類作成の一括受注、通訳、派遣、コンベンション、語学教育の各事業におけるアイ・エス・エスとのクロスセリングも着実に実績を積み上げている。
また、みらい翻訳との連携により、日英・英日において国内最高水準の機械翻訳の構築を目指していく。
 
 
今後の注目点
中計で掲げているように「中長期的に連結営業利益率8%を目指す」同社だが、今期期初予想7.3%が上方修正で7.4%となり目標に一歩近づいた。機械翻訳への本格的な取り組みにより収益性の更なる向上に期待したい。また、一括受注やクロスセルなどグループシナジーも確実に収益拡大に寄与しているようだ。
中計目標である「売上高110億円」に向けて今下期にどれだけ積み上げていくことができるかを注目したい。
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2017年6月28日に提出している。
<基本的な考え方>
当社ではコーポレート・ガバナンスの重要性を踏まえ、「コンプライアンス重視」を基本的な経営方針のひとつとして位置付けております。コンプライアンス体制を整備・確立するために、グループ企業行動規範を定め、コンプライアンス担当役員を長とした委員会を組織しております。これにより、社内のリスク管理体制の整備に努めるとともに、翻訳業界のリーディング・カンパニーに求められる社会的責任を果たしていきたいと考えております。
当社におけるコーポレート・ガバナンスについては、取締役会が経営方針等の最重要事項に関する意思決定機関および監督機関としての機能を担い、3名の社外監査役から成る監査役会が経営の透明性の向上および監視機関としての機能を担っております。また、取締役会の監督機能の一層の強化および適切な意思決定を図ることを目的として社外取締役1名を選任しております。

*JASDAQ上場企業として、コーポレートガバナンス・コードの基本原則をいずれも遵守している。