ブリッジレポート
(6090:東証マザーズ)ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ 企業HP
菅野 隆二 社長
菅野 隆二 社長

【ブリッジレポート vol.10】2018年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「会社側は「再来期からは研究ステージから事業開発ステージに移行し、コストも低減していくので黒字化も見えてくる。そのための重要な1年。」・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年12月19日掲載
企業基本情報
企業名
ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社
社長
菅野 隆二
所在地
山形県鶴岡市覚岸寺字水上246-2
事業内容
代謝成分の網羅解析技術で創薬等研究開発を支援。バイオマーカー探索から診断薬開発も
決算期
3月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年3月 914 -43 -40 -61
2016年3月 780 -70 -71 -71
2015年3月 686 -100 -17 -34
2014年3月 610 -12 5 1
2013年3月 496 -104 -93 -95
株式情報(12/12現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,007円 5,816,600株 11,673百万円 -3.7% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
0.00円 - -50.44円 -倍 317.98円 6.3倍
※株価は12/12終値。発行済株式数は9月30日現在。ROE、BPSは前期末実績。
 
ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社の2018年3月期第2四半期決算概要、菅野社長へのインタビュー等をご紹介致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
研究機関や製薬企業等のメタボローム解析試験受託及びバイオマーカー開発を中心事業として展開する慶應義塾大学発のベンチャー企業。バイオマーカーを探索する基盤技術であるメタボローム解析技術で世界的に高い評価を受けている。メタボローム解析事業により着実に利益を生み出すと同時に、将来性豊かなバイオマーカー事業への投資および研究開発を進めるというビジネスモデルにより、安定した収益基盤の下で成長を目指している。
 
 
2001年慶應義塾大学先端生命科学研究所の曽我朋義教授は、CE-MS法と呼ばれる生体内の低分子代謝物質(メタボローム)の測定方法を開発した。このメタボローム測定法は、それ以前の測定方法が多くの測定条件を用いるため、代謝物質全体を網羅的かつ効率的に測定することが困難だったのに対し、一斉に、かつ、網羅的に測定できる点で画期的な技術であった。

以前よりメタボローム解析技術は、生物学基礎研究から医薬品開発、疾病バイオマーカー開発等に用いられており、その社会的ニーズの拡大が見込まれていたため、このCE-MS法確立を契機に、事業化を目指して、曽我教授や同大学の冨田勝教授、慶應義塾大学等が中心となり、2003年7月に同社を設立。慶應義塾大学のアントレプレナー支援資金制度により出資を受けた慶應義塾大学発ベンチャー企業の第1号となった。

2008年には、ライフ・サイエンス分野で用いられる化学分析機器や電気・電子計測機器の開発・製造・販売・サポートを行う世界的企業Agilent Technologiesの日本法人で、以前より同社及び慶應義塾大学と取引のあった、アジレント・テクノロジー株式会社の代表取締役副社長の菅野 隆二(かんの りゅうじ)氏が社長に就任。
菅野社長は就任後、同社のコア技術に関する研究開発を進めつつ、より具体的な事業化の道やビジネスモデルの整備・構築に着手すると同時に、認知度向上と研究開発資金の調達による成長スピードの加速を目指して株式上場の準備を開始。2013年12月、創立10年目に東証マザーズに上場した。
 
【企業理念】
同社は自社の存在意義を以下の様に定めている。
「未来の子供たちのために、最先端のメタボローム解析技術をコアとした研究開発により、人々の健康で豊かな暮らしに貢献する」
また、以下の5つの「共有の価値観」を掲げている。
 
 
【同社を見るポイント】
同社の事業内容は、重要なキーワードである「メタボローム解析」「バイオマーカー」の説明と共に、以下に記しているが、多数の専門的な用語も出てくるため、そこから読み始めると同社に対する理解が進みにくい場合があると思われる。
そこで、まず同社を見る際の3つのポイントについて簡単に触れておく。
 
①社会的存在意義の大きさ
バイオマーカーとは、特定の病気に関する現在の状態を測定する際に指標として使われる生体内の物質で、糖尿病の「血糖」、肝機能障害の「γ―GTP」、痛風の「尿酸」などが代表的。
同社は現在大きな社会問題となっている「大うつ病性障害」のバイオマーカーを発見し、その数値を簡便に測定する診断薬を開発している。
うつ病の患者数が年々増加傾向にあるのに対し、現在の病状を客観的に測定する方法が普及していないため、正しい治療を行えば治癒するはずの患者が治らないなど、薬漬けになるなど大きな問題が指摘されている。
同社のバイオマーカーを活用した診断薬が普及すれば、うつ病によるこれらの課題を解決し、社会的損失を減少させることが出来る。
この社会的な存在意義の大きさは同社を見る際に欠かすことはできない。
 
②高い技術力
複雑な人間の体の挙動を調べ、バイオマーカーを発見するための技術が「メタボローム解析技術」であり、同社はこの技術で世界的に高く評価されている。
現在話題になっているうつ病バイオマーカーは、あくまでも一例にすぎず、17年10月には急性脳症バイオマーカー国内特許を取得した。メタボローム解析技術により今後も、様々な新しいバイオマーカーを発見・開発することが期待される。
 
③安定したビジネスモデル
現時点での主力事業は売上の大部分を占める「メタボローム解析事業」。研究機関や製薬会社等の研究開発を支援する事業であり、前2017年3月期で売上913百万円(前期比+29.8%)、営業利益501百万円(同+66.8%)と、着実に利益を上げている。
一方、中長期的に大きな成長が期待される「バイオマーカー事業」はまだ規模も小さく、損失の状況だが、メタボローム解析事業で生み出した利益を、バイオマーカー事業の成長のための投資に回すという、バランスのとれたビジネスモデルが既に構築されている点は、収益化に苦労している企業が多いバイオベンチャーの中でも大いに注目される。
 
【うつ病について】
同社の今後の成長ドライバーである「バイオマーカー事業」において、現在の代表的な対象疾病がうつ病である。うつ病および大うつ病性障害について、概要や日本における現状などをまとめてみた。
 
◎うつ病とは
気分障害の一種で、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態。脳がうまく働いてくれないので、ものの見方が否定的になり、自分がダメな人間だと感じてしまう。そのため普段なら乗り越えられるストレスも、よりつらく感じられるという、悪循環が起きる。
中でも、「大うつ病性障害」は、ストレス源が除去された後もその状態が持続する状態を指し、その点で適応障害や一部の不安障害とは区別され、単純なストレス応答ではなく、脳機能の障害によると考えられている。
(ちなみに、大うつ病性障害とは、英語の「major depressive disorder」の和訳で、majorは「主たるもの」という意味合いであり、重篤なうつという意味ではない。)
 
◎世界および日本におけるうつ病患者数
2012年、世界保健機関(WHO)は、世界で少なくとも3億5千万人が精神疾患であるうつ病の患者とみられるとの統計を発表した。毎年100万人近くの自殺者のうち、うつ病患者の占める割合は半数を超えるとみられている。

一方我が国では、厚生労働省が3年ごとに全国の医療施設に対して行っている「患者調査」によると、1996年には43万人だったうつ病等の気分障害の総患者数は、2011年には95万人と15年間で2.2倍に増加した。
「患者調査」は、医療機関にかかっている患者数の統計データだが、うつ病患者の医療機関への受診率は低いことがわかっており、実際にはこれより多くの患者がいることが推測されると、と同省は記している。
 
 
うつ病になる事は本人や家族にとっても不幸なことであるが、その属する会社等組織における生産性の低下や、自殺による社会的影響などを考慮すると、解決すべき大きな社会問題である。
日本では、うつ病や自殺による経済損失額が、年間約3兆円に上ると推計されている。さらに、こうした損失がなければ、国内総生産(GDP)を約2兆円引き上げられと試算されている(2010年厚生労働省推計)。
全世界での経済損失額は、2002年で約62兆円に上ると試算されており(Screening for Depression in Adults: A Summary of the Evidence. Ann Intern Med. 2002.)、現在では100兆円を超えていると推計されている。
 
◎うつ病の治療
うつ病と診断されれば、一般的には「抗うつ薬」による治療が行われる。
抗うつ薬には、SSRI(選択的セロトニン再取込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害薬)といったものから三環系抗うつ薬などいくつかのグループがあり、他に、症状に合わせて抗不安薬や睡眠導入剤なども使われる。
薬物治療では、主治医による処方された薬の効果と副作用についての説明の下、処方された量と回数を必ず守ることが重要と言われている。しかしうつ病患者には、症状がそれほど重くないと感じる、副作用が心配、などの理由から自分で量や回数を勝手に減らすケースが多く見られ、主治医は十分な効果が得られないと判断して薬の量を増す、もしくは別の薬に変えるなどの対応を取ることとなってしまい、信頼関係が構築できず治癒が遅れる、過剰な薬の投与という結果に結び付いてしまう事も多い。
このため、うつ病であることまたは治癒されたことを示す客観的な評価基準が不可欠であり、同社が発見・開発中のうつ病バイオマーカーおよび診断薬は治療を迅速かつ適切に行うために極めて重要なものである。
 
【メタボローム解析とバイオマーカー】
同社の事業内容の概要を理解するには、「メタボローム解析」「バイオマーカー」という2つのキーワードについて一定程度の理解をしておく必要がある。
 
<メタボローム解析とは?>
人間をはじめとする生物は、筋肉や臓器、骨といった多様な機能を持つ器官から成り立つが、こうした器官はアミノ酸や脂質、核酸などの「代謝物質(メタボライト)」を共通の構成因子としており、代謝物質は全ての生命活動において欠かせない役割を担っている。

代謝物質は食事により供給され、運動など日々の活動の中で消費される。その機能に応じて体内や細胞内を移動し、多くの化学反応によって新しい物質へと作り替えられていく。
このような化学反応のことを「代謝(メタボリズム)」と呼ぶ。体温を調節したり、呼吸をしたり、心臓を動かしたり、食べ物を消化・吸収したり、古い細胞を新しい細胞に生まれ変わらせたりするのも、全て代謝の働きによるもの。
この新しい物質への作り変え「物質変換」は代謝経路という一定の規則により成り立っている。

人間の体の仕組みを探るための手法として有名なものが、遺伝子の解析を行う「ゲノミクス」である。
現在、生物の遺伝子情報(DNAの塩基配列)は自動的な解読およびコンピュータによる解析が可能になり、ヒトゲノムに関しては、ほぼ全ての情報の解読が終了したが、遺伝子の役割と病気との関係は解明できていない部分がまだまだ沢山ある。
そこで、人間の身体と病気との関係を解明するには、ゲノム解析による遺伝子に伴う情報のみでなく、代謝物質までを調査する事が必要であると考えられるようになり、全ての代謝物質を対象として解析を行う「メタボロミクス(メタボローム解析)」の研究、利用が盛んになっている。
 
メタボローム解析は主として以下のような分野で活用されている。
 
<バイオマーカーとは?>
人間の身体には、様々な機能を精緻に制御して、内的又は外的な影響を最小限にして、身体の状態を一定に保つ仕組みである「恒常性」が備わっている。
例えば、体温や心拍数が一時的に変化しても元に戻るという事などが「恒常性」の一例である。

しかし、病気に罹ってこの恒常性に異常が生じると、代謝物質等にも影響が及び、健康の時とは異なる状況が生まれる。この代謝物質等をバイオマーカーと呼び、バイオマーカーを測定することにより、特定の疾患に対する現在の状況を客観的に評価することができる。
バイオマーカーとして広く知られているものとしては、膵臓の機能指標となる血糖や肝機能の指標となるγ-GPT、腫瘍マーカーとして前立腺がんのバイオマーカーPSAや膵臓がんのバイオマーカーCA19-9などがある。
バイオマーカーは、病気に罹った状況をモニターすることを目的に古くから研究されてきたが、より高感度で一度に多くの物質を分析できる新しい方法が生み出され、様々な新しいバイオマーカーの研究成果が相次いで発表されている。メタボローム解析技術により、探索が進んでいるバイオマーカーには、以下のようなものがある。
 
 
【事業内容とビジネスモデル】
同社の事業は「メタボローム解析事業」「バイオマーカー事業」の2つ。
基盤技術であるCE-MS法の優秀性を研究機関や製薬会社等に普及させながらメタボローム研究関連市場の拡大を図り、メタボローム解析事業を国内外へ展開し、収益基盤を確保している。

一方、従来は現在の主力事業である「メタボローム解析事業」で得られた利益を、将来の成長事業である「バイオマーカー事業」の研究開発に投資し、ここで得られた知的財産を、医薬品開発や疾病診断分野で実用化することによる、中長期的な成長を目指してきたが、2017年3月期以降は、将来のより大きな飛躍を図るために外部からの各種資金調達によってバイオマーカー事業への投資を加速させることとした。

それぞれの事業の収益構造や顧客は以下の通り。
 
 
①メタボローム解析事業
「2017年3月期 売上高 913百万円、営業利益 501百万円」
製薬会社や食品会社等の民間企業、および大学や公的研究機関などを顧客とし、メタボローム解析試験を受託している。
顧客は、解析する試料を同社へ送付。同社は試料から代謝物質の抽出、CE-MS法によるメタボローム解析等を行った後、試験結果を報告書として顧客に納品する。
メタボローム解析サービスで得られた代謝物質データは、製薬企業や大学、研究所では基礎生物学研究から薬剤効果及び毒性の評価等、食品企業では発酵プロセスの解析や機能性食品の機能評価等に用いられ、顧客の研究開発の進展に貢献している。近年では、医療、食品のみでなく健康志向市場関連企業の関心も急速に高まっている。創業以来2016年度までの総試験数は4,031件と他に類を見ない豊富な実績を誇っていることに加え、品質の面でも顧客から高い評価を得ている。
 
◎海外市場への展開
メタボローム解析受託サービスをアジアで展開するため、2011年6月に、韓国Young In Frontier Co., Ltd.と韓国内におけるメタボローム解析サービス等の独占的販売権供与契約を締結した。また、選任の担当者を採用し、シンガポール、香港等、韓国以外のアジア地域の開拓にも注力している。アジア地域以外への取り組みとしては、北米市場への展開のため、2012年10月に、医学研究の集積地である米国マサチューセッツ州ケンブリッジ市に、販売子会社Human Metabolome Technologies America, Inc.(HMT-A)を設立し、がん研究向け解析サービスC-SCOPEを主力商品として販売活動を展開している。
また、海外展開を一層加速させるため、2017年5月には、HMT-Aを通じて、欧州(オランダ)に現地法人(孫会社)「Human Metabolome Technologies Europe B.V.」を設立した。
 
◎がん研究向け解析サービス「C-SCOPE」
2012年8月、がん研究向け解析サービスである「C-SCOPE」を発表した。
C-SCOPEは、がん細胞内で変化している特定の代謝物質を、より高感度、より精密に測定するというニーズに対応したもの。独自に開発したがん細胞からの効率的な代謝物質抽出法および高感度分析法を技術基盤としている。

がんは1981年以降国内死因の第1位であり近年総死因の約3割を占めている。厚生労働省によると、がん研究費は年々増加の一途をたどり2012年には357億円が費やされ、有効な新規抗がん剤の開発は多くの製薬企業にとっても急務となっている。
がん細胞が正常細胞に比べて数倍から数十倍のブドウ糖を消費する「ワーバーグ効果」と呼ばれる現象は、80年以上も前に提唱されたが、当時は代謝物質の網羅的測定法が無かったことから研究が滞っていた。
メタボローム解析技術の劇的な進歩に伴い、近年がんの代謝を阻害する抗がん剤の開発が行われている。
同社のCE-MS法によるメタボローム解析は、がん生物学的な基礎研究から抗がん剤開発における臨床応用まで、それぞれの段階で活用できる有効な解析手法の一つと考えられている。
 
②バイオマーカー事業
「2017年3月期 売上高 0百万円、営業損失 -198百万円」
同社は、疾患の早期診断や治療効果をモニタリングする際に重要な役割を果たすバイオマーカーに関する事業を将来の成長事業と位置づけ、大学や製薬、診断薬企業との共同研究開発を通じて、メタボローム解析技術を用いた新たなバイオマーカー探索や臨床検査薬の研究開発を進めている。
自社の研究開発を通じて得られたバイオマーカーや、外部より導入したバイオマーカーを用いて疾病の新たな診断方法を開発するとともに、製品開発・臨床開発等の過程を経て、体外診断用医薬品や診断機器の製造販売を行う。また、開発過程において、共同研究先である製薬企業から研究開発協力金やマイルストン収入、上市後の製品売上ロイヤリティ等が同事業の売上となる。
 
◎知的財産に関する方針
知的財産権・契約担当者が、同社及び共同研究機関の指定特許事務所の弁理士と密接に連携し、すべてのプロジェクトの特許出願、審査請求業務を遂行する他、共同研究における契約の交渉及び契約書類の作成も担当している。発見された疾病バイオマーカーの特許化については、最大限の権利を行使できるよう努めている。
疾病バイオマーカーにより権利範囲が異なるため、発見された疾病バイオマーカーの化学構造を始めとして、診断や創薬での利用法、検出法と測定機器などを広く網羅するように特許出願書類を作成している。
また、各国の臨床検査薬と検査機器企業、製薬企業に関する情報に基づいてライセンス契約先及び市場を想定し、特許協力条約に基づく国際出願を行うことを原則としている。
2017年6月現在、うつ病のバイオマーカーの測定法等に関する「基本特許」は日本・米国・中国で登録済み(欧州は出願済み)、エタノールアミンリン酸(PEA)の測定方法に関する特許は、日・米・中・欧4局すべてで登録済みとなっている。
 
◎バイオマーカー事業の例:うつ病バイオマーカー
同社では、特にうつ病など客観的診断が難しい中枢神経系疾患(気分障害や精神障害等)や、肝炎、糖尿病などを含んだメタボリックシンドローム等社会問題化している疾患とその関連疾患に焦点を当てて研究開発を進めているが、現在の代表的なものが、「うつ病」のバイオマーカーである。
大うつ病性障害の診断は、米国精神医学会の診断基準や世界保健機構(WHO)の基準に基づいて診断されるが、どちらの手法も医師や患者の主観が反映されているケースが多く、他の病気と異なり客観的な指標に基づく診断法が普及していない。そこで、同社は、独立行政法人国立精神・神経医療研究センターとの共同研究により、大うつ病性障害の血液バイオマーカーを発見した。
患者と健康者約30名ずつの血液を収集し、CE-MS法を用いたメタボローム解析により成分の比較を行った結果、血漿中のPEA濃度が、大うつ病性障害患者で固有に低下していることが分かった。
その後の解析により、PEAが精神疾患の中でも大うつ病性障害に特異的なバイオマーカーであることに加え、大うつ病性障害が治癒すると健康基準値まで戻ることも分かった。
 
 
このように、同社はPEAとうつ病の関係を探索・研究してメカニズムを解析する一方、機器分析法測定方法を開発したことで、測定精度を向上させるとともに、治療効果や病状の研究を可能にした。
続いて、従来の酵素法では検出できなかった極めて低濃度の血中PEAを測定できる技術を開発した。
この技術に基づいて2016年に開発されたのが「酵素法によるPEA測定試薬キット」(β版)である。

同社にとって「うつ病バイオマーカー測定試薬キット」の開発に成功したことの意義は極めて大きい。
「安価で大量処理可能な検査方法の実現」と「全世界に試薬キットを供給できる技術的基盤の確立」によって、全世界3.5億人のうつ病患者にPEA検査を供給することが可能となり、同社の社会的存在意義は一段と大きくなった。
加えて、具体的な市場、製品仕様、販路構築、事業規模等を考える新たな事業開発フェーズに移行することができるようになった。
 
 
◎疾病バイオマーカーの発掘
バイオマーカーの発見において以下の3つのコネクションや制度を活用し、バイオマーカー開発パイプラインの拡充に努めている。
 
<受託解析もしくは共同開発顧客とのコネクション>
大学や企業から、バイオマーカー探索関連試験を受託している。また、試験実施の前後で共同開発の提案を受けることもある。
現在、糖尿病性腎症バイオマーカーの共同開発を進めている。
 
<研究者や医師への直接提案>
同社の研究員が、疾病バイオマーカー開発の研究計画を直接研究者や医師に提案し、医師の承諾及び所属機関と共同研究契約を締結の上、試験を実施している。対象となる疾病は患者数、同社解析技術の特長、社会貢献度、バイオマーカーの必要性等から選択している。大うつ病性障害のほか、非アルコール性脂肪性肝炎、繊維筋痛症のバイオマーカー開発を行っている。
 
<メタボロミクス先導研究助成制度>
同社ではメタボローム解析の有用性を広く社会に利用してもらうとともに、若手研究者の育成のために、大学院学生へのメタボローム解析助成制度(HMTメタボロミクス先導研究助成制度)を2009年より実施している。世界各国の大学院生から募集した研究テーマから、優れた提案に対し、無償でメタボローム解析結果を提供して研究を支援している。この研究成果には、バイオマーカー発見につながる研究も含まれ、感染症関連脳症バイオマーカーのように、同社と共同研究に発展した例もある。
 
 
2017年3月、次世代バイオマーカー探索に関わる技術特許を取得したと発表した。
現在同社で開発を進めている肝疾患バイオマーカーであるγ-グルタミルジペプチドは生体内に微量に存在するため、従来のCE-MSメタボローム解析技術では検出困難だったが、今回の特許技術を用いることで、γ-グルタミルジペプチド類を網羅的に検出することが可能となった。
この特許技術により、物質によっては50倍以上の高感度検出を実現できることから、同社のCE-MSメタボローム解析技術を飛躍的に向上させることが可能となり、新たな革新的バイオマーカー発見の可能性を高めることも期待される。
加えて、同年10月には、国立大学法人名古屋大学と共同出願していた「脳症の検出方法」が、日本において特許登録された。脳症はウイルスや細菌の感染等により発症し、意識障害、痙攣、異常行動、幻覚等の症状を伴う疾患。特にインフルエンザ脳症やHHV-6脳症などの急性脳症では、主に小児に発症し症状が急速に進行し重篤化する場合が多いため、いち早く適切な治療を行う必要があり早期に診断が求められる。同社は名古屋大学と共同研究を進める中で急性脳症を診断可能な血液中のバイオマーカー候補を発見し、今回の特許登録に至った。
 
 
2018年3月期第2四半期決算概要
 
 
成長に向けた投資増で損失続く
売上高は前年同期比12.5%増の307百万円。メタボローム解析が食品業界を中心に広がりを見せ、製薬会社から大型案件も受注。メタボローム解析事業の売上高は第2四半期累計期間としては過去最高となった。
営業損失は228百万円で損失幅は前年同期比拡大。メタボローム解析事業は新解析プラン立ち上げに伴う設備や組織体制強化を進め、バイオマーカー事業はうつ病バイオマーカー事業化への継続的な投資を拡大させている。
 
 
売上高は前年同期比12.6%増の3億7百万円。食品業界を中心とした産業界への展開、製薬会社からの大口案件などで2桁増収。製薬企業向けは同90%増加した。地域別では、国内は同5.7%増、北米は同50%増。
新解析プラン立ち上げのための設備への投資や、組織体制強化に注力したため利益は同20.0%減少した。
受注高は前年同期比20.9%増と堅調。

(トピックス)
◎欧州現地法人が稼働
メタボローム解析事業の欧州市場開拓のためにオランダに設立した「Human Metabolome Technologies Europe B.V.」(HMT-E)が2017年7月、稼働を開始した。
アメリカ子会社HMT-A立ち上げの過程で得られたノウハウやリソースを有効活用し、欧米一体となって活動することにより、メタボローム解析事業の海外展開を更に加速させることを目指している。

◎パーキンソン病の早期診断マーカーの探索
順天堂大学大学院医学研究科・神経学講座(脳神経内科)の斉木准教授および服邪教授らの研究に同社が貢献した。
このプロジェクトに研究協力者として参画している同社が、血液中の代謝産物のメタボローム解析を行い、早期のパーキンソン病患者の血液中に含まれる7種の長鎖アシルカルチニンが健常者に比べて顕著に低いことを確認した。今後、パーキンソン病の早期診断の精度向上とともに、血液検査による簡便な発症前診断に繋がる可能性も期待されるということだ。
 
 
 
現預金の減少等で流動資産は前期末に比べ2億51百円減少。有形固定資産(工具、器具及び備品)の増加で固定資産は同46百万円増加し、資産合計は同2億5百万円減少の18億16百万円となった。負債合計はほぼ変わらず。利益剰余金のマイナス幅拡大で、純資産は同2億12百万円減少し16億46百万円となった。
この結果、自己資本比率は前期末の91.4%から89.5%に低下した。
 
 
損失幅の拡大等から営業CFのマイナス幅は拡大。
投資CFはほぼ変わらず、フリーCFのマイナス幅も拡大した。
前年同期にあった新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入が無くなり財務CFはマイナスに転じた。
キャッシュポジションは低下した。
 
 
2018年3月期業績予想
 
 
業績予想に変更無し。メタボローム解析事業は引き続き堅調で増収。バイオマーカー事業の先行投資拡大で損失幅は拡大
業績予想に変更は無い。売上高は前期比7.2%増の9億80百万円の予想。メタボローム解析事業は引き続き堅調に推移。両事業における積極的な投資により損失幅は拡大する。
 
(重点投資項目)
*メタボローム解析事業
1億50百万円の設備投資を行い、CE-OrbitrapMSによる高感度バイオマーカー探索サービス等、新規解析の立上げを進める。
代謝物質には水溶性と脂溶性があり、同社は水溶性代謝物質の解析で高い評価を受けている。脂溶性物質についても解析は行っているが、現状では脂質解析に特化したサービスがない状況。今期は同分野への拡大を目的に、脂質解析の新サービス開発を進めている。

*バイオマーカー事業
今期中のPEA測定研究用試薬の販売を目指した製品開発を含め3億15百万円を投資する。
 
(2)今期の取り組み(前回レポートより)
◎メタボローム解析事業
同事業を取り巻く環境には大きな変化が生まれている。
特に、メタボロミクスが従来の大学や研究室などアカデミア向けの技術から、産業界の技術に進展している。
またそうした中で、機能性食品などの新しい健康食品や、スポーツ、食品、睡眠、ストレス等をキーワードとする健康志向市場が人間の健康状態を把握するメタボロミクスの有用性に関心を向けており、新しいマーケットが創出されつつある。
また、医薬品開発の現場においても、腸内細菌の研究、認知症やアルツハイマー病などの精神神経疾患に対する早期発見や診断および治療法開発、難治性疾患に対する医薬品を含めた医療技術の実用化などに関しても、メタボロミクスの利用が有効視され始めている。

そうしたフォローの風の中、今期は以下の様な施策を推進し、着実な拡大を見込んでいる。
 
 
 
欧州に現地法人を設立するほか、新サービス準備に係る設備投資など、ニッチにとどまらず世界を舞台に勝負するための投資ステージであるため、今期は増収ながらも減益を計画している。
 
◎バイオマーカー事業
各分野で以下の様な取り組みを行っている。
 
*製品開発
PEAの測定には「測定試薬キットと汎用自動生化学検査機器を用いた大規模病院や臨床検査センターにおける測定」と、「測定試薬カートリッジとPOCT測定機器を用いた一般内科やメンタルクリニックにおける測定」の2つを想定している。前者においては、自動化機器に対応が可能な測定試薬キットの開発が、後者においては、より多くの共同研究先が臨床的に測定を行うために不可欠なPOCT測定機器および測定試薬カートリッジの開発が必要である。
自動化機器へ対応できる測定試薬キットの開発は診断よりもはるかに巨大な健診市場への参入に繋がる。
POCT測定機器については今期中にプロトタイプ(量産前の試作品)を開発する。
 
(※)POCT(Point Of Care Testing:臨床現場即時検査) 小型分析器や迅速診断キットを用いて医療現場で行うリアルタイム検査。病院の検査室あるいは外注センター以外の場所で実施されるすべての臨床検査を包含する。そのため実施場所や活用法においては、広域かつ多様なケースが想定される。
被検者の傍らで医療従事者が行うため検査時間の短縮および被検者が検査を身近に感ずるという利点を活かし、迅速かつ適切な診療・看護、疾患の予防、健康増進等に寄与し、被験者のQOL(Quality of life)向上に資すると言われている。
 
*臨床開発
今後の薬事申請のためには、十分な量のデータの取得、分析が欠かせない。
そのため、現在同社が関与していない、言わば第三者的な医師や病院による臨床データの取得が必要であり、多くの施設や医師にPEA測定試験の実施を働きかけ、同社が立てている仮説とのギャップや、医師による判断のバラつきを明確にしていく。
こうした多くの施設や医師によるフィジビリティ試験(実用化のための試験)を通じて、「全てのうつ病を測定する。」という事ではなく、「血中PEA濃度の低下によるうつ病に限定した測定試薬」といった条件を設定するなどが、早期の本格的な事業化には不可欠と考えている。
また、臨床研究の裏付け強化のためには学術研究の実施も重要と考えており、モデル動物を使ったPEA低下メカニズムの解明、抗うつ薬投与の影響検証を国内大学と共同研究で実施するほか、今後のグローバル展開を見据え、生化学的手法を用いた脳内でのPEA生成メカニズムの解明を米国立研究所と共同で実施する。
 
*薬事
2017年2月に体外診断用医薬品の製造販売業の認可を取得した。これにより、体外診断用医薬品の製造を「体外診断用医薬品製造業許可」を持つ企業へ委託することや委託先で製造した体外診断用医薬品を販売すること等が可能となった。これは日本国内において、同社のバイオマーカーが体外診断用医薬品として薬機法上の承認を得るために必須となるもの。

また、次いで5月には「医薬品卸売販売業」の許可を取得した。これにより同社のバイオマーカーが体外診断用医薬品として薬事法上の承認を得られた場合には、この体外診断用医薬品を使用した検査を希望する病院、クリニック、臨床検査センター等の幅広い医療機関へ、同社より直接提供することが可能となる。

このように、今後の事業化に向けた薬事上の重要な基盤整備を進めることができた。今期は独立行政法人医薬品医療機器総合機構への薬事申請事前相談を開始し、具体的な出口戦略の検討を始める。
 
*事業開発
PEA測定試薬キット(研究用)の生産を進めると共に、下期より主に研究機関向けに国内での販売を開始する。
PEA酵素法の基本特許は欧州のみ出願済みなものの未だ登録されていないが、間もなく登録されると見ている。
 
 
 
バイオマーカー事業の進捗状況
 
「酵素法によるPEA測定試薬キット」(β版)の開発により、全世界3.5億人のうつ病患者に、PEA検査を供給することが可能となった同社は、事業化へ向け更に力強い一歩を踏み出す考えだ。
 
 
(1)事業化に向けた新経営体制がスタート
うつ病バイオマーカーの事業化を加速させるために、子会社HMTバイオメディカル株式会社の新経営体制を発足させた。
新経営陣は以下のように、バイオマーカーの事業化に向けた極めて豊富な経験や知見を有したメンバーである。
 
 
(2)PEA測定試薬キット(研究用)販売に向けて
2017年10月、東洋紡株式会社(3101、東証1部)との共同研究により、うつ病関連バイオマーカーの測定に使用される酵素の量産技術を確立したと発表した。
東洋紡は産業用酵素生産で世界第2位のシェアを持つ有力企業で、HMTが販売するPEA測定試薬キット(研究用)向けに継続的に酵素を提供する。
HMTは試験キットに不可欠な研究用試薬を安定的に供給する体制を構築することが可能となり、下期からは研究機関を対象に販売を開始するとともに、顧客の声を収集して薬事申請における改良点や改善点の抽出を進める。
また、東洋紡は次のステップとなるうつ病の体外診断用医薬品開発の支援も行うこととなっている。
 
 
菅野社長に聞く
 
菅野社長に、両事業の現状と今後の展望、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。
 
Q:「まずメタボローム解析事業の現状及び今後の展望をお聞かせください。」
A:「国内では市場拡大を追い風に2桁成長を続ける。巨大な海外市場開拓の拠点も完成した。」
引き続き順調だ。今後も国内では当面は2桁成長が続くだろう。
これまでは、大学や研究室などいわゆるアカデミア向け中心の技術だったものが、ここ数年で民間企業の利用が増加している。
特に食品会社では製品の「品質管理」や「価値の証明」といった点での有用性についてニーズ、関心が高い。
民間企業の場合は良いものであれば多くの予算を投入する。メタボローム解析の利用価値が明確になってきたということであり、一段の市場拡大が期待できる。

お客様が当社を評する声を一言で言うと「安心感」だ。
創業以来累計で4,000件を超える解析を実施してきたが、これだけの実績を有する企業は国内にはなく、世界的にもトップクラスだ。
4,000件のバラエティに富んだサンプルは極めて貴重な「ビッグ・データ」であり、これを有効活用する「メタボロームデータ解析サポート」も順調な滑り出しとなっている。

一方、市場規模が国内の10倍以上と言われる海外での当社の存在感、シェアはまだまだ小さい。
そこでオランダ現法を立ち上げ、日・米・欧の拠点を整備した。
シェアは低いが、アメリカ子会社HMT-A立ち上げの過程で得られたノウハウやリソースを有効活用し、欧米一体となって活動することにより、メタボローム解析事業の海外展開を更に加速させ、非連続な成長を遂げる考えだ。
 
Q:「バイオマーカー事業はいかがですか?」
A:「大きな一歩を踏み出すことができた前期を受け、早期事業化に向け着実な布石を打つことができている。」
製品開発では研究用測定試薬キットおよびPOCT機器の開発、臨床開発においては実施体制の構築、薬事においては製造販売業認可取得、事業開発においてはPEA測定法が米国・中国・欧州で特許登録と、極めて大きな一歩を踏み出すことができた17年3月期を受け、今期も卸売販売業許認可取得に加え、東洋紡とタッグを組み試薬キットに不可欠な酵素を安定供給できる量産体制を構築するなど、早期事業化に向け着実な布石を打つことができている。
加えて、子会社HMTバイオメディカルに強力な経営陣を迎えることができた点も大きな進捗だ。
メタボローム解析事業のウェイトが大きい本体ではなく、診断薬専業で極めてハイスペックな人材を揃えた同社が中心となって各種開発に加え当局との折衝も担うことで、よりスピーディーな事業化が可能となるだろう。
まずは2017年度の達成目標に対ししっかりと進捗させていく。
 
 
一方で、さらに事業化を加速させるためには当社が十分なイニシアティブを握ったうえで、世界規模で機器および試薬の生産・販売を行っている大手企業とアライアンスを組むことも必要と考えている。事業化を着実に進めながらタイミングを計っていく。

17年10月に急性脳症バイオマーカーの国内特許を登録したことも大きな前進だ。
急性脳症は患者の大半が乳幼期から児童期(0-12歳)に集中しており、かぜの症状から始まり、数時間から数日後に意識障害、けいれん、異常行動などを伴う重篤な後症を残す例や、多臓器不全による死亡例も存在する。
発症メカニズムは不明で診断方法も未確立だが早期診断が実現すれば、いち早く適切な治療を行うことができる可能性もあり、大うつ病性障害に続く検査キット開発のシーズとして有望と見ている。
加えて、大うつ病性障害バイオマーカーの開発を通して蓄積してきた知見やノウハウを活かしてより効率的にバイオマーカー開発を進めることができることも分かってきた。
貴重な経験則を有効に活用し、パイプラインの拡充にも取り組んでいく。

上場して資金を調達、優秀な人材を採用しベースを作りながら開発を着実に進めてきたが、来年春には上場後初の新卒社員が6名入社する。それも全員博士号保有者だ。
先日内定式を開催したが、「会社の成長に対する自分の貢献が目に見える。」、「自分の強い思いをHMTなら形にできる。」など、ベンチャー魂に溢れる若者ばかりで大変心強い。
毎年新卒を採用しながら大きく成長するとともにHMTならではの文化を創り上げていきたい。
 
Q:「最後に株主・投資家へのメッセージをお願いします。」
A:「両事業の大きな成長によって、株主・投資家の皆様のご期待にお応えするべく全社一丸となって邁進する当社を是非応援していただきたい。」
当社グループは、PEA検査キットの開発及び製造販売に関して、薬事承認及び保険収載を考慮する時期に入ってきた。これに伴い、キットの開発や製造体制の準備に関する一部の情報について、今後公開を指し控えさせていただくケースが出てくる。ただこれは、バイオマーカーの事業化が順調に進み、重要なステージに入ってきた証しであるとご理解いただきたい。
加えて、メタボローム解析事業は当社独自の技術によって全世界的なマーケットの拡大を取り込む体制作りがほぼ出来上がった。
両事業の大きな成長によって、株主・投資家の皆様のご期待にお応えするべく全社一丸となって邁進する当社を是非応援していただきたい。
 
 
今後の注目点
会社側は「再来期からは研究ステージから事業開発ステージに移行し、コストも低減していくので黒字化も見えてくる。そのための重要な1年。」と今期を位置付けており、卸売販売業許認可取得、東洋紡と酵素量産体制構築、子会社HMTバイオメディカルの組織強化と、早期事業化に向けた布石は着々と打たれているようだ。
まだ、製品開発、臨床開発、薬事、事業開発それぞれに目標は残っているが、今期中の進捗を一つ一つウォッチしていきたい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
◎組織形態及び取締役、監査役の構成>
 
◎コーポレートガバナンス報告書
更新日:2017年7月5日
 
<実施しない主な原則とその理由>
「当社は、コーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施しております。」と記載している。
 
 
 
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