ブリッジレポート
(9423:JASDAQ) フォーバル・リアルストレート 企業HP
吉田 浩司 社長
吉田 浩司 社長

【ブリッジレポート vol.4】2018年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「通期予想に対する営業利益の進捗率は72.3%。社長インタビューにもあったように、事業特性や人材の採用・育成等の先行投資を踏まえて通期の・・・」続きは本文をご覧ください。
2018年1月16日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フォーバル・リアルストレート
社長
吉田 浩司
所在地
東京都千代田区神田神保町3-23-2 錦明ビル
事業内容
企業のオフィス移転支援が主軸。OA機器販売やネットワーク構築も。フォーバル傘下で再建中
決算期
3月末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年3月 1,146 45 46 73
2016年3月 925 32 32 32
2015年3月 686 - 21 16
2014年3月 565 -55 -55 -69
2013年3月 777 -45 -46 -38
株式情報(1/4現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
123円 23,401,800株 2,878百万円 51.9% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
1.00円 0.8% 2.35円 52.3倍 7.66円 16.1倍
※株価は01/04終値。ROE、BPSは前期末実績。
 
フォーバル・リアルストレートの2018年3月期上期決算の概要と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「オフィスが変わると環境が変わる。環境が変わると社員が変わる。」という企業理念の下、企業のオフィス移転をトータルにサポート。不動産仲介(物件探し)から、内装・レイアウト設計、ネットワーク環境やOA環境構築、引越手配、更には旧オフィスの退去計画までを一貫してサポートしている。
 
 
【ビジネスモデルと強み】
・不動産情報をドアノックツールとしてオフィス移転需要を掘り起こし、その際に発生するコンサルティングを含めた、内装工事、OA・ネットワーク機器の更新、各種サービスの取次、更には旧オフィスの原状回復等の需要を取り込んでいく。
 
・需要の掘り起こしはWebサイトを中心に、電話によるアウトバンドの営業も展開。引き合いがあれば、営業担当者にITコンサルタントが同行して、不動産仲介物件だけでなく、オフィス移転後のITコンサル、内装、各種サービスの取次、引っ越し、退去後の原状回復等の提案を行う。
 
・オフィスの移転には、通常、不動産会社、運送会社、内装工事会社、更には旧オフィスを管理する不動産会社(退去に伴う敷金の返金等で問題が生じる事が少なくない)等、多くの関係先と関わる必要があるが、同社と契約すれば、窓口を一本化でき、仮にトラブルが発生したとしても、同社が責任をもって対応する。
 
・不動産仲介の際に、引っ越し業者の紹介や取り次ぎをする不動産会社はあるが、内装工事やオフィス移転に際して更新する情報機器等に関するコンサルから手配・セッティングまで対応できる不動産会社はほとんどない。
 
【沿革】
当社の前身の(株)フリードは、(株)フォーバルの営業部長経験者である創業者が通信機器及び事務機器販売を目的に95 年に設立した。マイライン、ADSL、光ファイバーの回線獲得で業容を拡大させ、2005 年11月にジャスダック証券取引所(現JASDAQ)に株式を上場したが、その後、ブロードバンド回線の需要一巡と消費者のモバイルへのシフトで事業環境が急速に悪化。上場に前後して人員を増強した事もあり、07/3期以降、(株)フリードの業績も悪化した。

2007年3月に、支援の依頼を受けた(株)フォーバルが創業者の保有株を引き取り、持分法適用会社化。当初は、通信・OA機器販売や(株)フォーバルテレコムのサービスであるビリング販売等を手掛けていたが、2009年2月の連結子会社化(追加出資等で(株)フォーバルが発行済株式数の57%弱を取得)を契機に、不動産仲介から、内装工事や引っ越し等への対応も含めた新オフィスの整備及び旧オフィスの退去に至る一貫サービスを開始。2009年7月に(株)フォーバル・リアルストレートに社名を変更した。

当初は苦戦を強いられ、11/3期から14/3期まで4期連続の営業・経常・最終赤字を計上したが、吉田社長が就任した14年8月以降、潮目が変わった。苦戦の原因は、物件情報を携えて客先を訪問する不動産営業の社員が十分にITコンサルに対応できていなかった事。このため、吉田社長が主導する形で、営業社員とITコンサルタントが一体となった営業(営業社員にITコンサルタントが同行)に切り替え、これが奏功した。フォーバルグループ各社からの支援でITコンサルタントの増員も進み、15/3期第2四半期以降、売上総利益が安定して増加するようになり、四半期ベースの営業損益の黒字化が定着した(15/3期第4四半期は、営業損失となったが、経常損益では利益を計上)。

吉田社長は(株)フォーバルの出身で、(株)フォーバルテレコムの取締役や(株)ヴァンクールの代表取締役社長を歴任した。(株)フォーバルテレコムは、法人向けVoIPサービス(高速ブロードバンド回線を利用した電話やインターネット接続サービス)や法人向けFMC(Fixed Mobile Convergence)サービスの提供と関連機器の販売等を手掛けており、(株)ヴァンクールは、ビジネスフォン等の通信・通話サービスの提供からOA機器、ネットワークセキュリティー、ホームページ制作等のインターネット関連商品までをトータルプロデュースしている。このため、オフィス環境の整備や関連するソリューションの提供に精通している事が吉田社長の強みである。
 
 
*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。
 
 
2018年3月期上期決算
 
 
前年同期比16.5%の増収、同112.4%の営業増益
売上高は前年同期比16.5%増の615,654千円。売上の内訳は、不動産仲介が同21.7%増の75,615千円、内装工事及び付随サービスが同15.8%増の540,039千円。不動産・内装が堅調に推移する中、既存顧客深耕の成果でネットワーク関連を含めたOA機器販売が増加した。

営業利益は同112.4%増の39,762千円。前年同期と同水準の売上総利益率を確保した事で同社が重視する売上総利益が343,738千円と同16.4%増加。人員増等による販管費の増加を吸収した。
 
 
 
18/3期第2四半期(7-9月)は大型案件の売上計上や下期に売上計上を予定していた案件の前倒し計上があり、前年同期比21.4%の増収、同181.2%の営業増益。売上総利益率が57.5%と前年同期を0.1ポイント上回り、売上総利益が同21.4%増加した。
 
 
上期末の総資産は前期末と比べて47百万円減の3億91百万円。転貸を受けていたオフィスを自社契約(自社名義)に切り替えた影響で投資その他(差入保証金)が増加し、使用していたオフィス家具等を買い取ったため有形固定資産も増加した(契約上の名義が変わっただけで、コスト等に影響はない)。貸方では、利益剰余金を中心に純資産が増加した。自己資本比率50.4%(前期末40.8%)。
 
 
税金等調整前四半期純利益の増加で営業CFは黒字を確保したが、オフィスを自社契約に変更した影響で投資CFのマイナス幅が拡大した。復配した事で財務CFがマイナスになった。尚、通期ベースでは、15/3期以降、営業CF及びフリーCFは黒字を確保している。利益水準の高まりにより、上期ベースでも営業CFの黒字を確保できるようになってきた。
 
 
 
2018年3月期業績予想
 
 
通期予想に変更はなく、前期比20.7%の営業増益
不動産物件の仲介から、内装工事、各種インフラの整備やオフィス機器・什器の手配までを行うオフィス移転のワンストップサービス引き続き力を入れる他、ネットワーク関連やオフィス環境改善等の提案営業による既存顧客の深耕でオフィス関連ニーズの掘り起こしにも努める。
配当は1株当たり1円の期末配当を予定している。
 
 
上期の総括と下期・通期の見通し −吉田社長インタビュー−
 
順調だった上期決算や下期以降の見通し、更には課題の一つである人材の確保について、吉田社長にお話を伺った。
 
【上期の総括 −OA機器部隊の同行営業の成果が徐々に顕在化。計画を上回る着地−】
先ず上期決算を総括していただけますでしょうか。
吉田社長 : 不動産と内装が計画通りに推移し、ネットワーク通信関係が思った以上に好調でした。この結果、それほど大きくはありませんが、全体として計画を上回りました。
 
ネットワーク通信関係の好調は、何らかの施策が成果をあげたという事でしょうか。
吉田社長 : 今期になって特別の事をしたという訳ではありません。取り組んできたOA機器部隊の同行営業が成果を上げつつあると考えています。OA機器部隊は、電話機、コピー機、サーバー等、取り扱う商材が多く、定期的に通っていると、徐々に取引が広がっていきます。既存取引先がありますから新たに取引を始めて頂くまでの苦労は大きいのですが、一度実績を作ると通いやすくなり、定期的に通っていると、コピー機やサーバー等の更新・増設等のニーズを取り込めるようになります。スタートアップの会社で、当初は中古の機器をそろえたが、新しい機器に買い替えるといった案件もありました。
OA機器は不動産よりもスパンが短く、様々なニーズが出てきますから、定期的に通う事が大切です。新規開拓したお客様からのリピートオーダーを徐々にとれるようになってきました。
 
新規開拓と既存顧客からのリピートという両輪が動き始めたと言う事ですね。その結果、上期は計画を上回る着地だったと。取引先の動向に変化はありますか。
吉田社長 : そうですね。少しずつですが取り組みの成果が上がるようになってきました。ただ、それほど大きく上回ったと言う訳ではありませんし、当社が顧客とする中小企業の業況に大きな変化もありません。景気が良くなってきたとか、設備投資が活発になってきたとか、と言う感じはありません。無理強いするような営業はせず、お客様のペースに合わせて、地道に提案営業を行っていきたいと思います。
 
第2四半期(7-9月)の利益が特に増えていますが。どのような要因でしょうか。
吉田社長 : 比較的大きなオフィス面積を必要とする移転案件が取れたという事だと思います。大型案件も、小型案件も、物件成約までの工数には大きな差がありませんから、大型案件ほど貢献が大きくなります。
 
人材の採用・育成も御社の重要課題の一つであると思います。上期の採用は、いかがでしたでしょうか。
吉田社長 : 3名採用し、9月末に1名退職していますから、2名の純増で9月末53名です。通期では7名採用、6名の純増を予定しています。当初は5名の純増を予定していましたが、良い方がいれば採用を前倒しします。今回は面接をしていて良さそうな方が多かったので予定を上回る採用でした。ただ、育成状況を見ながらの採用が基本です。中途採用でもすぐに戦力化する訳ではありません。不動産と内装はもちろん、同行営業があるOA機器についても、一通りの知識を身に着けて、自らも顧客対応できるように準備しておく必要があります。経験も必要ですから、お客様に信頼して頂けるようになるまでには2〜3年はかかります。
新卒採用も再開しました。来年4月に4名が入社予定です。新卒採用は今後も継続していきたいと考えています。人材採用をしても、初年度は業績に寄与しませんが、2年後、3年後の成長につながります。当初はこうした先行投資が負担になっていましたが、人を増やしながら、利益も増やせるようになってきました。
 
暫く控えていた新卒採用の復活という事になると思いますが、実質的には新体制の下で新卒採用の開始という事ですね。5〜6人程度の純増であれば、当面、事務所スペースを拡張する必要はありませんか。
吉田社長 : まだ、移転するほどではありませんが、徐々に厳しくなってきましたから、スペースを有効活用するべく工夫しています。
 
 
【下期・通期の見通し −事業特性を踏まえて保守的に据え置き−】
それでは下期・通期の見通しについてお聞きします。通期の業績予想を据え置いたため下期は減益予想になってしまいました。
吉田社長 : 下期に見込んでいた案件が上期に計上された事や人を増やしている事を考えて慎重に対応しました。お客様の都合や物件次第で前倒しされる事もありますし、逆に良い物件が見つからず遅れる事もあります。下期の見通しが特に弱気な訳ではありませんが、事業の特性上、お客様の都合で計画通りにいかない事が少なくありません。
また、上期に前倒し案件があったという事は、本来見込みづくりに費やす時間を前倒しされた案件への対応に取られてしまったという事にもなります。上期に見込みづくりをおろそかにした訳ではないのですが、下期は見込みづくりに力を入れる必要があります。1年間のうちには、仕込みの時間も必要です。もちろん、大きな案件が決まり、計画を上回る可能性もありますが、業績予想は確度の高い案件を基にしています。OA機器であれば、リースという事もあり、新製品の提案をしたら即決してしまう事もあります。ただ、不動産(オフィス移転)が関係してくると、そうはいきません。不動産が決まらなければ、内装も、OA機器も始まりません。
通期の予想を据え置きましたが、調子が悪い訳ではありません。
 
【ストックオプションの付与 −株主の立場でも会社を見てもらいたい−】
事業の特性を考えると保守的にならざるを得ないけれども、特に弱気な訳でも、不安材料がある訳でもないという事ですね。事業拡大に先行して人材を育成する必要もありますしね。人材と言えば、11月にプレスリリースがありましたが、ストックオプションの付与を継続していますね。
吉田社長 : ストックオプションは2011年に始めたものの、一時期ストップしていました。第5回以降、毎年コンスタントに発行しており、今年が第7回になります。私が就任した当時、既に持ち株会もありましたが、利用は低調で自社株を持っている社員も少ない状況でした。上場企業の社員なのですから、もう少し自社株に興味を持ってもらいたいと思い再開しました。ストックオプションを渡す事で自社株に興味を持ち、それが自社株を持つ動機になってくれればと考えています。「自社株を持っているのだから、株価が上がるように頑張ろう」、そういうのがあってもいいのかなと。2年後に権利行使できるので、その時に株価が上昇していれば権利行使して売却しても構いません。社員としての立場だけでなく、株主の立場でも会社を見てもらいたいと思いますし、日々の業務の励みにもなれば会社にとっても大きな力になると考えています。
 
なるほど。「社員としての立場だけでなく、株主の立場でも会社を見てもらいたい」というのは、示唆に富んだお言葉です。当事者意識が高まるでしょうし、こうした社内の空気は今後入社される新卒の方にも良い影響を及ぼすのでしょうね。今後の展開に期待したいと思います。

本日は長時間にわたり、丁寧なご対応を頂き有難うございました。吉田社長と御社の益々のご活躍とご発展をお祈り申し上げます。
 
 
今後の注目点
通期予想に対する営業利益の進捗率は72.3%。社長インタビューにもあったように、事業特性や人材の採用・育成等の先行投資を踏まえて通期の業績予想を保守的に据え置いた。期初予想の必達を前提としつつ、下期は人材の採用・育成等の先行投資と来期以降を見据えた案件獲得に力を入れる考え。
もっとも、保守的とはいえ、今期は4期連続の営業増益が見込まれ、業績は順調に拡大している。課題は人材の確保だが、社員一人当たり営業利益が継続的に向上する等、人材育成は成果をあげている。新卒採用も始まり、今後、量と質の両面から戦力の充実が進みそうだ。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書        更新日:2017年06月29日
基本的な考え方
当社は、経営の透明性及び健全性の確保、向上に努めることは、企業の当然の責務であると認識しております。企業価値の向上と競争力強化のためには、常に組織の見直し及び職務権限の明確化を図り、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するよう取り組んでおります。また、意思決定の迅速化のために、取締役会の機能充実を図るとともに、監査役及び監査役会による監視、内部統制の体制についても強化しております。
 
<実施しない原則とその理由>
当社は、コーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施しております。
 
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
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