ブリッジレポート
(3194:東証1部) キリン堂ホールディングス 企業HP
寺西 豊彦 社長
寺西 豊彦 社長

【ブリッジレポート vol.44】2018年2月期第3四半期業績レポート
取材概要「引き続き順調な進捗を見せている。既存店の客数伸び率は9月、10月の台風の影響で第3四半期(9−11月)も前年同期比マイナス1.6%となった・・・」続きは本文をご覧ください。
2018年2月6日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社キリン堂ホールディングス
会長
寺西 忠幸
社長
寺西 豊彦
所在地
大阪市淀川区宮原4-5-36
事業内容
関西を中心に売場面積150〜300坪型の郊外型ドラッグストアをチェーン展開する(株)キリン堂を中心とした持株会社。
決算期
2月
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年2月 116,450 1,298 1,835 635
2016年2月 112,902 1,699 2,320 826
2015年2月 108,033 952 1,437 619
2014年2月 103,055 1,820 2,282 942
2013年2月 101,761 1,924 2,242 882
2012年2月 102,229 1,684 1,960 184
2011年2月 100,465 1,118 1,537 188
2010年2月 104,964 1,232 1,527 -443
2009年2月 106,695 1,781 2,030 500
2008年2月 106,098 2,321 2,530 804
2007年2月 72,803 1,312 1,651 577
2006年2月 66,690 1,308 1,574 753
2005年2月 58,165 745 985 414
株式情報(1/24現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,942円 11,332,206株 22,007百万円 5.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
25.00円 1.3% 82.89円 23.4倍 1,142.96円 1.7倍
※株価は1/24終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数。ROE、BPSは前期実績。
 
(株)キリン堂ホールディングスの2018年2月期第3四半期決算概要などについてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
関西圏を地盤としてドラッグストア・保険調剤薬局を運営する(株)キリン堂を中心とした持株会社。
医薬品等の卸売事業や医療・介護コンサルティング等も手掛ける子会社も有する。ドラッグストア事業では、近畿2府5県(大阪、京都、兵庫、奈良、和歌山、滋賀、三重)を中心に、香川、徳島、石川においてドミナント戦略を進めており(特定地域内に集中出店することで経営効率を高めるとともに、地域内でのシェアを向上させ競争優位に立つ戦略)、関東1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)でも店舗展開をしている。グループ店舗数は365店舗(FC1店舗を含む)。
連結子会社は、下記4社。持分法適用関連会社として中国で主に卸売を展開するBEAUNET CORPORATION LIMITEDがある。
連結の従業員数は1,720名。(いずれも2017年11月30日現在)
 
 
 
【同業他社比較】
ドラッグストアを中心業態とする上場企業は、以下の14社が挙げられる。(売上規模順)
 
前回レポート作成時からは売上高、時価総額とも同社の順位に変化はないが、PERは大きく水準訂正された。
 
 
2017年2月期のROEは利益率の悪化により過去5年で最も低い5.1%に低下した。
第1次中期経営計画の最終年度である2017年2月期は、当初ROE11%以上を目指していたが未達となった。
第2次中期経営計画では、2020年2月期10%以上を目標としており、その実現が期待される。
 
 
2018年2月期第3四半期決算概要
 
 
新店寄与、既存店も好調で増収。新規出店に伴う経費増を吸収し増益。売上、利益とも計画を上回る。
売上高は前年同期比9.6%増の947億77百万円。新店が寄与したことに加え、既存店売上高も同3.6%増と好調だった。小売事業において集客増を図った結果、相対的に利益率の低い雑貨等が伸張したことなどから粗利率は同0.5P低下したが、増収効果により売上総利益は同7.6%増加した。
新店増による人件費や施設費などが増加したが、前期で旧ニッショードラッグののれん償却が終了したこともあり、営業利益は同62.4%増の10億62百万円。売上、利益ともに計画を上回った。
 
◎出退店状況
2018年2月期第3四半期(累計)の出店は19店舗、M&A等による増加が6店舗(全て調剤薬局)で、店舗数は25店舗増加した。退店は4店舗。2017年11月末のグループ店舗数はFC1店舗を含む365店舗となった。
 
◎既存店の状況
2018年2月期第3四半期(累計)の既存店売上高は、前年同期比3.6%増と好調だった。客数、客単価ともにそれぞれ同0.7%、2.9%増加した。9月、10月に客数はマイナスとなったが台風の影響による一時的なものであり、11月には再びプラスに転じている。
顧客の利便性向上、来店動機創出につなげるべく、主に購買頻度の高いハウスホールド商品や食品の導入・拡大を目的とした売場改装を27店舗で実施したほか(今期計画35店舗)、ポイントカード会員の拡大とポイントカードを利用した会員向け販促を推進した。
第3四半期累計平均のカード会員数は、既存店で126万人で同2.4%増加。
売上高に占めるポイント会員売上高の比率は8割近くに達しており、既存店売上の安定的な拡大に向け顧客の囲い込みを一段と進めていく。
 
 
◎PB商品売上高の動向
全体の粗利率向上につなげるため、今期も引き続き、相対的に粗利率の高いPB商品の売上構成比率上昇に取り組んでいる。
ヘルス&ビューティケア(HBC)商品については、成分強化や規格増量などリニューアルの推進、潜在需要を開拓するPB商品へチャレンジするほか、機能性表示食品の届け出への対応も進めていく。また、セルフ販売を基本とした価格訴求型PB商品については、フェイス数アップや専用什器の展開などに努めている。教育・売場・販促の連携を一層促進する。
第3四半期累計の新規開発SKU数は187SKUで、うちHBC商品は70SKUであった。
小売事業の商品売上高全体に占めるPB商品の比率(PB比率)は第3四半期(累計)実績で9.2%、HBC商品売上高に占めるPB商品売上高の比率は10.2%。第1四半期、第2四半期と低下していたが、価格訴求型商品の投入で上昇した。
 
 
集客強化のため雑貨等の売上高は前年同期比2桁の増加と好調だった一方、健康食品はダイエット関連が低調だった。相対的に利益率の低い雑貨等が伸張したことに加え、雑貨等自体の利益率も低下したことなどから、小売事業の粗利率は同0.3P低下した。
 
 
新店増で販売費、人件費が増加したが、ほぼ計画通りだった。
 
◎調剤事業について
調剤薬局、調剤薬局併設型ドラッグストア計9店舗を新たに出店したほか、M&A等で6店舗(全て調剤薬局)を取得、1店舗を閉店した結果、2017年11月末の処方せん取扱店舗数は14店舗増の77店舗となった。
処方せん応需枚数は前年同期比10.2%増の76.7万枚、調剤売上高は同13.3%増の86億45百万円となった。
調剤技術料の加算獲得は、後発医薬品調剤体制加算については2016年4月に行われた改定前の水準にほぼ回復したが、基準調剤加算についてはまだ十分ではなく、かかりつけ薬剤師の育成や在宅支援の取り組みの強化を進める必要がある。
 
 
現預金、たな卸資産等の増加により、流動資産は前期末比49億19百万円増加。固定資産は有形固定資産の増加等で同18億61百万円増加し、資産合計は同67億80百万円増加の528億35百万円となった。一方、仕入債務の増加などにより、負債合計は同60億57百万円増加の394億43百万円となった。純資産は同7億23百万円増加の133億91百万円。この結果、自己資本比率は前期末より2.1P低下の25.3%となった。
 
 
2018年2月期業績予想
 
 
業績予想に変更無し。
修正(29年10月)後の通期業績予想に変更は無い。売上高は前期比7.0%増の1,246億円、営業利益は同17.0%増の15億20百万円の計画。
配当は、前期と同じく年間25.00円/株の予定。予想配当性向は30.2%。
 
 
(2)下期の取り組みと進捗
「第2次中期経営計画」の重点課題対策を推進する。
 
 
今後の注目点
引き続き順調な進捗を見せている。既存店の客数伸び率は9月、10月の台風の影響で第3四半期(9−11月)も前年同期比マイナス1.6%となったものの、11月は回復し今期累計ではプラスを維持。客単価もプラスで推移している。
また2四半期連続で低下していたPB比率も第3四半期は上向いた。これらが一時的なものではなく、継続したモーメントとなるか注目したい。
 
 
 
<参考1:第2次中期経営計画について>
 
同社は、2018年2月期を初年度とする3か年の第2次中期経営計画を策定した。
 
①第1次中期経営計画の振り返り
「収益力の改善」、「経営効率向上と徹底したコストコントロール」、「新規出店による売上高成長」を基本テーマとし、「2020年2月期 連結売上高1,500億円、500店舗体制」の実現を目指した通過点の位置づけであった第1次中期経営計画では、出店総数はほぼ計画通りで、ポイントカード会員拡大、調剤売上高計画100億円の達成などで、売上高こそ計画を上回ったが、営業利益、営業利益率、ROEは目標を下回った。
収益率改善を優先課題として取り組んできたものの、目に見える成果に結びついていない点を反省し、既存業態における新たな利益成長の原動力の創出が不可欠と考えている。

つまり、ドラッグストア業界は、業種・業態を越えた競争激化など、厳しい経営環境が継続する中、従来型のドラッグストアの展開だけでは、成長率の鈍化が予想され、「1.関西ドミナント推進による市場シェアトップの奪回、優位性の確立」、「2.既存の郊外型ドラッグストアからの脱却」、「3.『社会の変化・お客さまの変化・競合他社の変化』に対するスピーディな意識及び行動の変革」が必須である。
 
②第2次中期経営計画
同社は、自社の強みとして①「『未病対策』への取り組み」、②「関西ドミナント展開」の2つをあげている。

①においては、従業員に未病の意識が浸透しているため、HBCを中心としたPB商品の育成と開発が進みPB比率は着実に上昇、2017年2月期で10.2%となった。また単品の粗利高上位20品目のうちHBCのPB商品が15品目を占めている(2017年2月期実績)。
②においては、関西におけるドラッグストア売上シェアは9.3%で3位にランクインしている(出典:DRUG magazine 2017年9月号)。また、ドミナントにより顧客へのブランド浸透度は高く、カード会員数は2017年2月期で129万人と3年前から約5割増となっており、会員売上比率は前期で78.4%と高い。

こうした強みを一段と発揮して、関西No.1ドラッグストアチェーンの構築を目指す同社が、その基盤構築のために取り組むのが「第2次中期経営計画」である。
 
 
重点課題 ①関西ドミナントの推進
3年間でドラッグストア45店舗、調剤薬局8店舗を出店する。ドラッグストアのうち22店舗は調剤併設店舗。
また、現在取り組んでいる都市型店舗のフォーマットを確立する。
 
重点課題 ②既存店の活性化
食品・雑貨販売強化を目的として3年間で100店舗を改装し、客数増加を図るとともに、HBC商品の販売増につなげ、HBC商品のPB比率を引き上げる。
(第1次中計期間中に行った改装により、改装前後の3か月で主として来店回数増に起因した増収効果が明確に認められている。)
加えて、専属チームによる全面改装により収益構造改革を目的としたドラッグストアの新フォーマットを確立する。
 
重点課題 ③調剤機能の強化
調剤併設型ドラッグストアのフォーマットを確立させる。
また、M&Aを推進するとともに、かかりつけ薬剤師の育成や在宅支援の取り組みを強化する。
前期約9%であった調剤売上構成比を12%まで引き上げる。
 
重点課題 ④アシスタントスタッフの戦力化と作業システム改革
POSシステム及びバックオフィスシステムの改革を行うとともに、効率的な人員配置に取り組む。
 
重点課題 ⑤販売チャネルの拡大
リアル店舗とECサイトの連携による販売機会の拡大を図る。ECは越境ECが中心だったが、今後は国内販売も強化する。
 
重点課題 ⑥不採算店のスクラップ
より積極的なスクラップアンドビルドを進め、3年間で不採算店40店舗を閉店する。
 
 
<参考2:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2017年5月29日に提出している。
 
 
 
 
 
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