ブリッジレポート
(6183:東証1部) ベルシステム24ホールディングス 企業HP
柘植 一郎 社長
柘植 一郎 社長

【ブリッジレポート vol.1】2018年2月期決算レポート
取材概要「19/2期の業績予想は「達成可能な数値ではあるが、チャレンジングな部分もある」(柘植社長)と言う。受注環境が良好なため、売上は伸ばしやす・・・」続きは本文をご覧ください。
2018年5月23日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ベルシステム24ホールディングス
社長
柘植 一郎
所在地
東京都中央区晴海1-8-11
事業内容
コールセンター(CRM)事業大手。医薬向けBPOも。14年10月伊藤忠が資本参加し筆頭株主に
決算期
2月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年2月 108,916 8,172 7,196 4,304
2016年2月 102,540 8,884 7,875 5,031
2015年2月 112,071 18,833 16,387 9,875
2014年2月 107,561 16,599 12,957 8,024
株式情報(4/27現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,754円 73,617,320株 129,124百万円 13.4% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
36.00円 2.1% 84.08円 20.9倍 590.61円 3.0倍
※株価は4/27終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
ベルシステム24ホールディングスの2018年2月期決算の概要と2019年2月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
持株会社である同社と子会社7社でグループを形成。コンタクトセンターアウトソーシングを中心とするCRM事業、テクノロジーサービス及びコンサルティングサービスを主たる事業とする。 子会社は、コンタクトセンター運営及びその付帯業務の株式会社ベルシステム24、ITサービスデスクやBPO(Business Process Outsourcing)等のCTCファーストコンタクト株式会社(出資比率51%)、CSO(医薬品販売業務受託機関)事業及びMIS(メディカルインフォメーションサービス)事業の株式会社ビーアイメディカル、SMO(治験施設支援機関)事業の株式会社BELL24・Cell Product、コンテンツ販売の(株)ポッケ、障がい者の雇用促進を目的とする特例子会社の株式会社ベル・ソレイユ、ベトナムでコンタクトセンター事業を展開するBELLSYSTEM24−HOASAO(出資比率49%)の7社。 伊藤忠商事(株)が同社議決権の41.01%を有し、同社を持分法適用関連会社としている(同社は出向者を8名受け入れている)。生活消費関連分野を中心とする非資源分野に注力している伊藤忠商事(株)グループにおいて、コールセンター事業を手掛ける同社は「企業と消費者の接点」としての役割を担っている。2014年10月の資本提携以降、様々な連携を進めており、伊藤忠商事グループと取引は順調に拡大している(伊藤忠商事グループとの取引は、他のクライアント企業と同様の取引条件で行っており、今後も同様の方針)。
 
 
【事業内容】
事業は、報告セグメントであるCRM事業とその他に分かれ、CRM事業が連結売上高の90%以上を占めている。その他には、(株)ビーアイメディカルが手掛けるCSO(医薬品販売業務受託機関)事業及びMIS(メディカルインフォメーションサービス)事業、(株)BELL24・Cell Productが手掛けるSMO(治験施設支援機関)事業、(株)ポッケが手掛けるコンテンツ販売等が含まれている。
 
CRM事業
主に(株)ベルシステム24及びCTCファーストコンタクト(株)の事業領域である。電話を主なコミュニケーションチャネルとする従来型のインバウンド・アウトバウンドコールの業務に加え、Webやソーシャルメディア等のIT技術を駆使した様々なサービスを、クライアント企業へ提供している。売上の90数%を継続業務が占めるストック型のビジネスで、選挙関連等のスポット業務が残り数%。また、ソフトバンク向け(BBコール業務)の売上が全体の10数%(継続業務)を占めている。業務は、次の4業務に分ける事ができる。 .ライアント企業のカスタマーサポート業務  (主にクライアント企業の商品・サービスに関する質問に対応する業務) ▲ライアント企業のセールスサポート業務  (主にクライアント企業の商品・サービスの販促をサポートする業務) クライアント企業のテクニカルサポート業務  (主にクライアント企業のIT製品の操作方法等に関する質問に対応する業務) BPO業務  (主にクライアント企業のWeb制作、データ入力作業等を請け負う業務)
 
その他
CSO事業、MIS事業、SMO事業、その他事業に分かれる。
 
CSO事業
主に(株)ビーアイメディカルの事業領域である。医薬品のプロモーション活動等、医薬品等の営業・マーケティング段階において必要となる様々な業務。
 
MIS事業
主に(株)ビーアイメディカルの事業領域である。資格者を配した人員体制で24時間365日の医療・健康にかかわるコンタクトセンターサービスを提供するBPO業務。
 
SMO事業
主に(株)BELL24・Cell Productの事業領域である。治験実施施設である医療機関と契約し、GCP(Good Clinical Practice:国際的に合意された臨床試験の実施基準をもとに、日本の環境をふまえて日本で正しく治験を実施できるように厚生労働省が省令等で定める基準)に基づき適正で円滑な治験を支援する医療サービス支援業務。
 
その他事業
(株)ポッケや(株)ベル・ソレイユの収益が計上されている。(株)ポッケは、モバイル・PC等を通じた一般消費者向けコンテンツ販売(月額課金)や事業者向けに気象予報コンテンツの販売を行っている。また、(株)ベル・ソレイユは、障がい者の雇用促進を目的とする特例子会社として、同社グループの総務業務及び事務代行の受託を主な業務としている。
 
【沿革】
1982年9月、テレマーケティング・エージェンシーとして設立された(株)ベルシステム二四を前身とする(1992年8月に(株)ベルシステム24に商号変更)。電話による秘書代行業務に着目し、1982年10月に電話転送機による24時間電話業務代行サービス及び夜間、休日におけるクレジット申込み電話受付業務を開始し、その後、通信販売の電話注文受付業務、自動車事故報告の電話受付業務の開始等により業容を拡大。1994年12月に日本証券業協会に店頭登録銘柄として登録、1997年2月の東証2部上場を経て、1999年11月に東証1部に指定された。より機動的な経営判断に基づくグループ戦略の展開を図るため、2005年1月に東証1部の上場を廃止。上場廃止後、数度にわたる企業再編を行い現在のグループを形成。2014年10月には伊藤忠商事(株)が資本参加(発行済株式数の49.9%を取得)。2015年9月に(株)ベルシステム24ホールディングスに商号を変更し、同年11月、東証1部に上場した。
 
 
中期経営計画(18/2期〜20/2期)
 
【事業環境】
国内のアウトソーシング市場は年率5%程度での成長が続いているが、米国に比べると日本のBPOの対GDP比率は低く、拡大余地は大きい。AI活用による消費者との対話の自動化・ハイブリッド化(ボイス+メール・チャット)やRPA・IoT等の先端技術の活用が進みつつあるが、その一方、介護、育児、ライフワークバランス等で、働きたい人と働く機会とのアンマッチが継続し、働き手の時間と場所の制約も増えている。また、海外では、ASEAN諸国を中心にBPO市場の成長が続いており、大手BPO企業は拡大と同時にテクノロジーを活用した効率化を実現している。
 
【中期経営計画の概要】
こうした中、同社は、次世代コンタクトセンターのあり方を見据えた長期的な成長の観点から、20/2期を最終とする中期経営計画を進めている。中期経営計画は、「従来ビジネスの拡大」、「新領域での拡大」、及び「人材マネジメントの高度化」の3つの成長戦略を柱とし、これらの成長戦略に基づき、既存顧客との関係強化とサービス品質の優位性の追求、伊藤忠商事グループとの協業の更なる拡大、及びAI等の新技術を活用したサービスの提供やアジアを中心とした海外展開に取り組むと共に、退職抑止や採用力強化を念頭に業務管理体制・設備の両面から整備を進めていく考え(中期経営計画の事業期間を超えた22/2期までの5年間で、各取組合計100億円以上の投資を計画)。
 
 
【中期経営計画における取り組み】
従来ビジネスの拡大
顧客との関係強化と伊藤忠グループとのシナジーの拡大に取り組むと共に、品質優位性を更に追求する。顧客との関係強化では、既存顧客との友好な関係を活かした顧客内シェアの拡大(年間5億円超クライアント向けの売上は18/2期で38社、588億円、更なる拡大を目指す)、満足度の向上、及び新しい付加価値の提供に取り組む。伊藤忠グループとのシナジーの拡大では、グループ企業との取り組みの拡大に加え、高度なBPOサービスを実現するためのキーテクノロジー企業への出資や提携を積極化する。また、グループ企業とのBPOモデルの共同構築も拡大させる。品質優位性の更なる追求では、個別プロジェクト毎の品質・収益の管理体制や退職抑止・採用強化等の人事施策を強化する。
 
新領域での拡大
事業構造改革(新しい収益モデルの展開)、サービス(BPO事業の高度化)、及びマーケット(海外事業強化)がポイント。事業構造改革では、課金型ビジネス、レベニューシェア、更にはパートナーとのビジネスの創造に取り組み新しい収益モデルを展開する。サービスでは、経理・人事・IT等の型の整備、伊藤忠テクノソリューションズ(株)との協業推進、及び新技術を活用した高効率型モデルの構築にも取り組み、BPO事業の高度化を図る。また、2017年末に同社株式の約14%を取得した凸版印刷と共にRPA、MA(マーケティングオートメーション)等を導入した新たなBPOビジネスも視野に入れている。マーケットでは、伊藤忠グループのネットワーク活用、ベトナム事業の拡大、更には新拠点の展開により、海外事業を強化する。
 
人材マネジメントの高度化
採用力強化、現場人材管理の精微化、及び退職抑止に取り組む。具体的には、ターゲットを明確にセグメンテーション(主婦、学生、潜在等)すると共に、各ターゲットの採用活動やブランディング等の施策を導入する(ターゲットマーケティング)。応用・採用、リテンション、人件費、外注費の科学的分析と実験的取組みも進めている。また、長時間労働の撲滅、管理者層の意識改革、及び多様な人材の代用と多様な働き方の導入による働き方改革を推進する他、新しい報酬施策、新しいセンター(小型分散)、新しい技術活用(AI等)といった戦略投資も実施する。 上記に加え、同社グループを取り巻く各ステークホルダーや社会から信頼される企業であり続けるため、コーポレート・ガバナンスの充実とコンプライアンス体制の整備・向上にも取り組んでいく。また、社会全体の多様な豊かさの実現に寄与するべく、これまでの常識や慣行の見直しを行い、「時間」、「場所」そして「才能」の無駄をなくし、自社の経営資源だけでなく、業界や社会の資源活用の最適化に向けた取り組みも進めていく。
 
 
2018年2月期決算
 
 
前期比6.2%の増収、同14.0%の営業増益
売上収益は前期比6.2%増の1,156億18百万円。SMO事業の減収等で、その他の売上が同8.7%減少したが、CRM事業の売上が同7.2%増加し吸収。CRM事業では、スポット売上が同6.1%減少したものの、既存業務+新規業務等の売上が同9.8%増と増加する中、旧BBコール業務も同1.5%増と堅調に推移した。 業種別では、売上構成比の大きい、放送・出版・情報サービス、金融、流通(小売・卸売)が堅調に推移する中、通信をけん引役に運輸・通信が同36.5%増と伸びた。 営業利益は同14.0%増の93億19百万円。増収効果(10.2億円の増益要因)と価格の適正化や前期に立ち上げた大型案件の収益性改善(合計15.1億円の増益要因)で、事業の拡大による人件費を中心にした販管費の増加(13.2億円増)を吸収した。前期は複数の大型案件の立ち上げに苦戦したことが収益性の悪化に繋がったが、今期は、これら案件のオペレーションを軌道に乗せ、業務効率の改善が進んだ。また、新規案件が総じて順調に立ち上がった。
 
 
 
 
 
期末総資産は前期末と比べて29億66百万円増の1,424億37百万円。ネット有利子負債が710億88百万円と15億08百万円減少し、自己資本比率が30.5%と1.6ポイント、NET DERが1.63倍と0.17、それぞれ改善した。
 
 
 
(2)中期経営計画(18/2期〜20/2期)の進捗状況
中期経営計画は、「従来ビジネスの拡大」、「新領域での拡大」、及び「人材マネジメントの高度化」の3つの成長戦略を柱としている。 「従来ビジネスの拡大」に向けた取り組みでは、年間5億円超クライアント向けの売上が約10%増加する等、既存クライアント向けの売上が増加した他、伊藤忠シナジーが100億円に迫る規模に拡大。この他、2017年5月にITサービスデスクやBPO等を手掛けるCTCファーストコンタクト(株)を子会社化し(51%出資し、合弁会社化)、6月には北海道に5拠点目となる札幌センターを開設した。尚、CTCファーストコンタクト(株)はサポートサービス業界の国際機関であるHDIが主催する「HDI Academy 2017 in Japan」(2017年10月開催)において、「HDIアワード ブロンズ賞」を受賞した。
 
 
 
「新領域での拡大」に向けた取り組みでは、LINEを活用した「Bell Cloud AI for SNS」(2017年4月)及び自動音声対応ソリューション「Bell Cloud AI for IVR」(7月)を開発した。7月にはベトナムHoa Sao社への出資を完了し事業を開始した。この他、協業・業務提携も進め、8月にセールスフォース・ドットコムとの協業による「Sales force Service Cloud」を活用したサ一ビスを開始し、9月に韓国のコンタクトセンター大手Hankook社と業務提携した。 尚、「Bell Cloud AI for SNS」は、「LINE力ス夕マ一コネク卜」上で消費者からのチャットでの問い合わせに対応するサービス。IBM Watsonを活用したAIによるAuto Reply機能と人によるチャット対応のManual Reply機能を自動的に切り替えるHybrid Reply機能を搭載し、シームレスなサポートを実現する。一方、「Bell Cloud AI for IVR」は、CTCとの共同開発によるもので、消費者の問い合わせに対し、「○○の方は1と♯・・・」といった従来の消費者に電話機をプッシュ操作させるのではなく、音声認識技術とAI技術を活用した音声による双方向の会話を実現する。 上記に加え、「従来ビジネスの拡大」と「新領域での拡大」の両面からの取り組みになるが、2017年12月に凸版印刷(株)と資本業務提携(同社株式の約14%の取得とBPO事業における業務提携)した。また、先述のCTCファーストコンタクト(株)の子会社化も、「従来ビジネスの拡大」だけでなく、「新領域での拡大」も視野に入れている。 「人材マネジメントの高度化」では、新人事制度の一環として、2017年10月に継続雇用期間が6カ月を超える有期雇用社員 約2.2万人を対象に、無期雇用への転換を可能にする新たな制度を開始した。この他、福利厚生制度の充実を図った他、4月に沖縄で保育所の開設し、11月に島根大学のキャリア教育授業で講座を実施した。 また、「新領域での拡大」も念頭に、AI(人工知能)技術を活用したWeb接客サービスを提供する(株)空色(東京都品川区、代表取締役中嶋洋巳)と資本提携し、(株)ベルシステム24のコールセンター求人サイト「スタボ」に(株)空色のWeb接客「OK SKY」や「AI-Chat for 就業サポート(仮称)」を導入した。
 
 
2019年2月期業績予想
 
 
前期比7.9%の増収、同10.5%の営業増益予想
売上収益は前期比7.9%増の1,247億円。引き続き旺盛なアウトソーシング需要が見込まれる中、伊藤忠シナジーの拡大に加え、凸版印刷とのシナジーも徐々に顕在化してくる見込みで、既存業務+新規業務が拡大し増収をけん引する。 営業利益は同10.5%増の103億円。増収効果(14.2億円の増益要因)に加え、引き続き価格適正化及び効率化効果も見込まれ(合計8.2億円の増益要因)、業容拡大に伴う人件費の増加(6.8億円増)や、新技術を活用したサービスの開発、新人事制度への移行に伴う人件費等の増加、及び採用・リテンション強化等による経費増(合計6.3億円増)を吸収する。
 
 
(2)19/2期の取り組み方針
引き続き、中期経営計画の3つの成長戦略(「従来ビジネスの拡大」、「新領域での拡大」、及び「人材マネジメントの高度化」)を進めていくが、19/2期のポイントは、「従来ビジネスの拡大」と「新領域での拡大」の両面から取り組む凸版印刷とのシナジーの追求と「人材マネジメントの高度化」に向けた新人事制度への移行である。
 
凸版印刷とのシナジーの追求
凸版印刷のBPOサービスの強みは、高度なセキュリティ環境下でワンストップの業務受託が可能な事と、事務局オペレーション、決済系ソリューション、マーケティング支援等での豊富な実績。しかし、増大するBPO需要に見合ったサービス体制の整備は凸版印刷にとっても容易ではない。このため、消費者対応の業務領域を(株)ベルシステム24ホールディングスが有する経営資源で補完する事は魅力的だ。一方、(株)ベルシステム24ホールディングスは、凸版印刷のサービスを補完する事で事業領域を広げる事ができる上、凸版印刷の経営資源を活用する事でキャンペーン関連のバックオフィス業務等への対応が可能になれば、これを起点にコンタクトセンターアウトソーシングの新規受注につなげる事ができる。 両社は、それぞれの顧客基盤やこれまでに培った技術力や事業ノウハウ等を融合させる事で、自治体や金融機関をはじめ、幅広い業種の企業向けに新たなサービスを開発・提供しBPO事業の拡大を図ると共に、AI・RPA(ロボットによる業務自動化)といった新技術を用いた高度なBPO事業を推進し、国内市場はもちろんアジア地域での事業展開を強化していく考え。
 
新人事制度
企業はコア事業への経営資源の集中を進めており、また、人手不足により非コア事業の内製化も限界に近付きつつある。このため19/2期も良好な事業環境が続く見込みで、足元、新たな案件が日々持ち込まれていると言う。ただ、人手不足は同社にとっても懸念材料であり、採用、教育、退職抑止等の課題に直面している。こうした当面の課題解決と共に、中長期的な成長力の維持を念頭に新人事制度が策定された。新人事制度の策定に当たっては、1年以上かけて現場でのヒヤリングを行い、現場ニーズを収集し、マイニングを行った。新人事制度の導入に伴い、19/2期は人件費が増加するが、人件費の増加は単なる時給の引き上げではなく、人材マネジメン卜の高度化に向けた先行投資である。2017年10月、新人事制度の一環として、継続雇用期間が6カ月を超える有期雇用社員(約2.2万人)の無期雇用への転換を可能にする新たな制度を開始しており、19/2期は取り組みが本格化する。 新人事制度の一つに、「キャリアの複線化」がある。新領域だけでなく、既存ビジネスの拡大のためにも、必要な社員の資質は画一的なものではなく、多様性が求められている。このため、キャリアアップのためのステップ(階段)を複数用意する事で、社員の選択余地を広げると共に、社員個々が持つ多様な能力を評価しやすくした。キャリアアップのためのステップを複数用意する事は評価基準を複数用意する事であり、これまでの画一的な評価の下で埋もれていた資質や能力が評価されやすくなる。このため、有期雇用から無期雇用への雇用契約を変更する際のハードルが低くなる。言い換えると、「有期雇用社員と無期雇用社員がシームレスにつながる会社(⇒雇用の安定・安心)の実現」であり、これが新人事制度のコンセプトである。 有期雇用社員の無期雇用化では契約期間のみが変更となるため固定費の増加は無く、また、これにより退職防抑止が進み、勤続年数が長くなれば、スキル向上による対応品質の向上や業務高度化への対応力の向上が期待できる。ちなみに、1,000人の社員が退職すると、これを補充するための採用・教育費等で5億円程度のコストが発生すると言うから、退職抑止によるコスト抑制効果も大きい。
 
 
今後の注目点
19/2期の業績予想は「達成可能な数値ではあるが、チャレンジングな部分もある」(柘植社長)と言う。受注環境が良好なため、売上は伸ばしやすいが、高度化する業務への対応を念頭に受注案件を選別していく考え。“チャレンジングな部分”とは、難易度の高い高付加価値な案件にチャレンジしていくという事。新人事制度への移行は、この方針と軌を一にするもので、移行に伴い固定費が増えるが、社員のレベルアップによる業務の高度化・高付加価値で、この影響を吸収して一段の収益性向上を目指している。「優良な顧客資産を活かして、内容のある成長をしていきたい」(柘植社長)と言う。新人事制度の浸透も含めて、目先の表面的な数値よりも、内容を精査していく必要がありそうだ。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書更新日:2017年06月26日
基本的な考え方
当社及び当社のグループ会社(これらを総称して、以下「当社グループ」といいます。)では、「人にしかできない高い次元のイノベーションやホスピタリティ」と、コミュニケーションにおける時間と距離、量と質の限界を超越しサービスを革新的に進化させる「最先端の技術」の融合と相乗により、常に新しい価値を生み出して市場を創造すること、そして顧客企業のパートナーとして、その成長戦略を支えるとともに、自らも高い創造力をもって力強く成長して行くことを経営の最重要課題としております。当社グループは、これらの実現のために、経営理念(Bell Mission)と5つの基本指針(Bell Way)を定めて実践するとともに、あらゆるステークホルダーに支持され続けるために「公正・透明・自由な競争と適正な取引の実現」や「法令の範囲に捉われない積極的且つ公正な情報開示」を重視しており、この考え方は、当社グループ共通の行動規範である「ベルシステム24グループ行動規範」に記されております。当社は、この行動規範を通じて当社グループ共通の価値観を醸成し、企業が果たすべき社会的責任について当社グループの全従業員に理解を共有することで、コーポレート・ガバナンスの強化を図り、もって企業価値の最大化を図っております。
 
<開示している主な原則>
【原則1−4 いわゆる政策保有株式】  純投資目的以外の投資を行う際は、投資対象会社との業務提携、情報共有等を通じて当社グループの事業における相乗効果が期待されるか否かによって投資の是非を判断することを基本方針としております。  また、主要な政策保有については、毎年、取締役会において継続保有の是非を検証することとしております。なお、政策保有株式に係る議決権の行使については、投資の目的である相乗効果が最大限発揮され、当社グループの企業価値向上に寄与するかどうか等を総合的に判断して、提案された議案を検討し、行使することとしております。 【原則1−7 関連当事者間の取引】  関連当事者取引の管理等に関する規程を定め、原則として取締役会の承認を要するものとする一方、取引の規模や性質等によっては取締役会の承認を要しないこととする基準を設けて運用しております。  また、取締役会の承認の有無にかかわらず、毎期初には継続する関連当事者取引の承認を取締役会に求め、もって取締役会による監視を行っております。なお、当社は、現時点において親会社等は存在しませんが、存在することとなり、親会社等との取引を行う場合において、取締役会の判断が社外取締役の意見と異なる場合には、その意見を事業報告に記載することにより、開示してまいります。 【原則5−1 株主との建設的な対話に関する方針】  当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、以下の方針に則り、当社が相当と認める範囲および方法で株主との間で建設的な対話を行います。 (1) IRを管掌する取締役を指名し、かかる取締役が株主との対話全般を統括します。 (2) IR管掌取締役のもと、IR部門を設置し、これを中心に経営企画部門、経理・財務部門その他の関連部門と適切に情報交換を行い、有機的に連携します。 (3) 株主との対話の手段を充実させるため、第2四半期および通期の決算発表時において、決算説明会を実施します。 (4) 対話において把握された株主の意見等については、IR管掌取締役や関連部門に随時報告するとともに、必要に応じて取締役会に共有します。 (5) 対話にあたっては、情報伝達行為や取引推奨行為の禁止、インサイダー情報の再伝達を制限するための必要な措置を定めたインサイダー取引防止規程に従って対応します。
 
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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