ブリッジレポート
(4849) エン・ジャパン株式会社

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ブリッジレポート:(4849)エン・ジャパン vol.54

(4849:東証1部) エン・ジャパン 企業HP
越智 通勝 会長
越智 通勝 会長
鈴木 孝二 社長
鈴木 孝二 社長
【ブリッジレポート vol.54】2018年3月期業績レポート
取材概要「同社の業績拡大が加速している。18/3期決算は、前年比28.3%の増収、同40.5%の営業増益の好決算となった。クオリティにこだわった求人サイト・・・」続きは本文をご覧ください。
2018年6月13日掲載
企業基本情報
企業名
エン・ジャパン株式会社
会長
越智 通勝
社長
鈴木 孝二
所在地
東京都新宿区西新宿 6-5-1
決算期
3月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年3月 31,719 6,856 6,848 4,005
2016年3月 26,135 5,118 5,047 2,756
2015年3月 19,623 3,943 4,259 2,531
2014年3月 16,755 3,441 3,747 2,789
2013年3月 13,563 2,783 2,840 1,545
2012年3月 15,687 3,047 2,884 1,135
2010年12月 9,991 1,774 1,803 875
2009年12月 10,209 1,259 1,212 459
2008年12月 21,329 5,943 5,906 3,090
2007年12月 22,686 7,564 7,573 4,168
2006年12月 16,919 5,605 5,607 3,105
2005年12月 11,491 3,791 3,826 2,203
2004年12月 6,980 2,245 2,254 1,253
2003年12月 4,372 1,749 1,754 1,038
2002年12月 3,107 1,305 1,283 663
株式情報(5/24現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
5,630円 45,500,197株 256,166百万円 24.5% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
56.60円 1.0% 161.09円 34.9倍 625.55円 9.0倍
※株価は5/24終値。発行済株式数は前期末の発行済株式数から自己株式を控除。
※2016年4月1日付で、普通株式1株につき2株の割合で株式分割。上記は分割後の数値。
※BPS、ROEは前期末実績。
 
エン・ジャパンの2018年3月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「人材採用・入社後活躍」を支援する企業として、採用事業のほか、顧客企業の社員に対する集合型研修サービスを中心とした教育・評価事業も展開。創業以来、「独自性」、「社会正義性」、「収益性」という考え方を背景に求職者に徹底的に尽くすというスタンスを貫いてきたことで優位性を確立。現在は、更なる成長を実現すべく人材紹介サービスと海外展開、HR-Techサービスなどの新規事業を推進している。より組織・事業にフィットした人材の採用から、入社後の活躍・定着までを一貫して実現するサービスを提供することで継続的な成長につなげていく方針。
同社は、入社後活躍がゴールとの考えのもと、ミスマッチの少ない採用・入社後サポートに注力することで、企業の生産性向上に貢献する考え。
 
 
 
 
 
 
 
 
採用事業のビジネスモデル
<求人情報サイト>
企業に対して求人広告を企画・提案。同社の社員が求人企業を取材し、その情報をもとに同社のコピーライターが求人原稿を制作した後、求人サイトに求人原稿を掲載。
課金形態は求人広告を掲載した際に「広告掲載料」が発生する掲載課金型求人広告が中心。
一部、求人広告を掲載し、同社求人サイトを通じて人材採用できた際に「成功報酬料」が発生する成功報酬型求人広告を提供。
(同社HPより)
 
 
<人材紹介>
求職者のこれまでのキャリアや転職意向を確認し、今後のキャリアプランに沿った求人を紹介。企業に対しては採用ニーズにマッチしていると思われる人材を紹介。紹介した人材が入社した際に「成功報酬料」が発生。報酬料は概ね年収の30%~35%。
(同社HPより)
 
 
同社の顧客企業は、一般企業と人材関連企業に大別される。一般企業は当社サイトを通じて直接求職者を募集。人材関連企業には、一般企業へ人材を仲介する人材紹介会社や人材派遣会社があり、同社サイトを通じて求職者と接する機会を提供している。
 
 
同社の強み
同社は、約1,000万人を超える会員(※2018年3月現在、主要求人サイト合計)を有する。また、採用に携わった企業は延べ5万社以上にのぼる。同社のサービスに対する満足度と高い知名度によって獲得した会員と取引企業の数は、事業における大きなアドバンテージとなっている。

また、同社は、「求職者の視点に立ったサービス」の提供に徹底的にこだわっている。主力サイトのエン転職では、独自取材により「正直」で「詳細」な求人広告を制作。企業や仕事の良い面だけでなく、そうでない面も含めて発信することにより、入社後のミスマッチ低減を目指している。また2014年には業界初の取り組みとして、各求人へクチコミ付帯をスタート。多面的な情報をもとに転職先を吟味できるサイトとして、転職希望者から高い支持を得ている。
 
海外進出の状況
同社はアジア圏を中心に海外にも展開している。2011年5月にシンガポール拠点を設立、2013年4月にはベトナム最大の求人サイト及び人材紹介を手掛ける「Navigos Group」を子会社化した。また、同年12月にはタイの人材紹介会社「The Capstone Group Recruitment and Consulting(現、en world Recruitment(Thailand) )」、2014年6月にはインドの人材紹介会社「New Era India Consultancy」を子会社化した。
現在は、中長期観点からベトナム・インドにリソースを集中している。
 
 
 
中期経営計画(18/3期~20/3期)
 
同社は、2017年5月に3ヵ年の中期経営計画を策定していたが、好調に推移した2018年3月期決算を踏まえ、2018年5月に中期経営計画数値の更新を行った。以下の中期経営計画の基本方針は変更なし。①国内採用事業は、質・量共に確固たる存在感を確立、②海外事業は、選択と集中を進める。拠点を集中し、確実な成長を実現、③新規事業は、人材領域を中心に一定の規模を確立。
 
 
 
 
各事業の中期戦略(2017年5月策定の中期経営計画基本方針から)
(1)求人サイト [20/3期業績計画:売上高314億円(前回計画比約50億円増)、営業利益95億円(前回計画比15億円増)]
求人サイトは、市場を上回る成長を継続する。主力サイト「エン転職」は高成長を持続。派遣会社向けサイトは領域を拡大し成長を持続する。
(エン転職の今後の成長戦略)
 ① 更なる案件数の拡大
・営業・原稿制作ともに、業務の分業等による効率化を更に推進。
・自社営業人員の強化だけではなく、外部リソースを積極的に活用。
 ② プロモーション
・サイト効果・認知度向上を目的として、継続強化。売上高比率は一定の水準に落ち着く見込み。
 ③ 資産(DB)有効活用
・広告掲載をせず、企業が求職者に直接アプローチするダイレクトリクルーティングを導入(人材関連新規事業)。
 
(派遣会社向けサイト・人材紹介会社向けサイトの今後の成長戦略)
 ① エン派遣とエンバイト(新規事業)は、事業領域を拡大。
・顧客の派遣会社が保有する販売・軽作業・介護等の領域を強化。
 ② ミドルの転職は、採用手法の拡大。
・人材紹介会社に加え、企業が直接求職者へアプローチ可能なダイレクトリクルーティングを導入。
 
(2)人材紹介 [20/3期業績計画:売上高129億円(前回計画比約6億円増)、営業利益20億円(前回計画比約4億円増)]
人材紹介は、今後3年売上を中心に成長を図る。ターゲット領域の拡大による生産性向上を目指す。また、EWJは事業再構築から運用ステージへ移行させる。
 
(3)海外事業 [20/3期業績計画:売上高39億円(前回計画比約7億円減)、営業利益5億円(前回計画比約1億円減)]
海外事業は、選択と集中を進め、成長の確度を高める。各国における今後の人材ビジネス拡大の可能性、ポジション、強みを再評価する。また、最も成長の確度が高いベトナムとインドにリソースを集中する。
 
(4)新規事業[20/3期業績計画:売上高58億円(前回計画比約8億円増)、営業利益12億円(前回計画比約1億円増)]
新規事業は、人材領域を中心に一定の規模を確立する。長期的な人材ビジネスの構造変化に対応するため、今中計期間内に先行投資を実施する。また、M&Aなど不確定要素は含んでいない。
 
(新規事業例)
engage -新たなHR Techサービスの開発強化
engageは、完全無料のクラウド型採用支援システム。WEB知識がない人でも簡単に採用HPの作成・更新が可能。スマートフォンにも対応している。また、600万人以上の会員数を有するエン転職のユーザーへのスカウトも可能。既に8万社以上がengage を導入している。
 
 
AMBI-20代ハイクラス特化のスカウト型求人サイトの開設
AMBIは、日本初の20代ハイクラスに特化したスカウト型求人サイトで、「20代の若手対象」×「年収500万以上」求人のみを厳選して紹介。ユーザーが気になる求人案件に「興味あり」と意思表示をすると、求人企業や仲介するヘッドハンターがその方の職務経歴書を確認した上で、合格可能性を3段階で回答。自身のリアルな市場価値を認識して、新たなチャレンジに踏み込むべきか、今の仕事でさらに力を蓄えるべきか判断することが可能。更に、サイト内でアクションするたびに「興味あり」を使用するポイントが貯まり、活動量が可視化される仕組みを搭載。またサイトに掲載された求人からトレンドを分析した特集記事を掲載することで、転職を本格的に考えていない顧客にもサービスに触れる機会を創出している。
 
BizRoboを活用した採用業務代行サービスを開始
同社は、RPAのベーステクノロジーである「BizRobo!(ビズロボ)」を活用した『採用業務代行サービス』を開始。人手不足により採用活動に手が回っていない企業の採用業務のスリム化を実現し、削減したマンパワーをより創造性が求められる業務にあてることで生産性向上に貢献する。
 
 
株主還元方法の変更
配当性向を30%以上とし、具体的な配当性向は各年度の業績、財務状況、投資計画等を勘案の上で決定する。中期的には20/3月期の配当性向40%を目標にする。上記方針から、2019/3期は配当性向37%とする方針。
 
 
2018年3月期決算
 
 
売上高は前期比28.3%増収、営業利益は同40.5%増益
売上高は前期比28.3%増の407億10百万円(約89.9億円増)。求人サイトは、主力のエン転職において売上高が同38%増の181.8億円(約50.3億円増)と市場を上回る高い伸びが継続した。その他のサイトも、派遣会社向けサービスの「エン派遣」や「エンバイト」、人材紹介会社向けサービスの「ミドルの転職」等を中心に好調な結果となり、前期を上回る売上高となった。人材紹介は、エン・ジャパンの人材紹介が前期比29%増収と伸長、生産性向上が進んだ。子会社のEWJは、前期に実施した組織体制の再強化により、当初想定よりもコンサルタントの生産性が早期に改善したこと等から売上高が前期比で増加した。また、海外子会社は特に注力する方針であるベトナムの成長が全体を牽引した。
利益面では、人件費や広告宣伝費及び業務効率化に伴う業務委託費用などを中心に費用(売上原価+販管費)が前期比25.0%増加、会社計画を上回る売上高の増加に連動し、総費用も会社計画を上回った。次期への先行投資も含め、広告宣伝費も会社計画を超過したものの売上対比では会社の想定内であった。営業利益は前期比40.5%増の96億31百万円。売上総利益率は前期比0.6ポイント上昇。売上高対販管費比率は同1.4ポイント低下した。持分法による投資利益の増加などにより営業外収益が前年同期比で増加し、経常利益の増益率が営業利益の増益率を上回った。その他、特別損失で計上したのれん償却額が前期比減少したことなどから親会社株主帰属する当期純利益が同59.0%増加した。
 
 
18/3期第4四半期の販管費は、前年同期比24.6%増加。国内中心に人員が増加したことによる人件費、テレビCM強化、会員獲得のためのオンライン広告、業務効率化に伴う外部業務委託費用等が主な増加要因となった。広告宣伝費は、売上高が会社計画を超過したこと及び先行投資により、オンライン広告が増加したもの。通期ベースでは売上高対広告宣伝費比率は、会社想定内の水準となった。
 
 
採用事業
当事業には、求人サイトの運営、人材紹介、海外子会社等が属している。求人サイトは、各サイトとも効果面で好調を持続、広告予算が大きい顧客及び新規中小顧客の販売拡大が順調に進んだ。主力のエン転職において売上高が同38%増の181.8億円(約50.3億円増)と市場を上回る高い伸びが継続した。その他の各求人サイトについても、派遣会社向けサービスの「エン派遣」や「エンバイト」、人材紹介会社向けサービスの「ミドルの転職」等を中心に好調に推移し、前期を上回る売上高となった。同社が目指す「入社後活躍」の考えに基づいた、差別化要素を持った機能やサイト運用、積極的なプロモーションが奏功し、広告を出稿する顧客企業へ高い応募効果を提供することが評価された結果と言えよう。人材紹介は、エン・ジャパンの人材紹介が前期比29%増収と伸長した。営業・コンサルタントに対する教育体制の強化や、同社が保有する求職者データベースを活用したターゲット領域の拡充策も順調に推移し、生産性が向上した。また、子会社のEWJも、前期に実施した組織体制の再強化が奏功しコンサルタントの生産性が改善していることや、新規サービスであるRPO(採用代行:Recruitment Process Outsourcing)が順調に推移したこと等から前期を上回る売上高となった。更に、海外子会社においても、注力国であるベトナム子会社の成長が全体を牽引し、売上高が前期を上回った。
以上の結果から、採用事業セグメントの売上高は、397億39百万円と前期比29.4%増加した。また、人件費や広告宣伝費や業務効率化に関連した業務委託費などを中心に販管費が増加したものの、セグメント利益は96億91百万円と同37.4%の増益となった。
 
 
採用事業の四半期売上高は、エン転職(求人広告)、その他求人サイト、エンエージェントなどの拡大に加え、海外子会社の連結開始により、順調に拡大している。
 
 
エンワールド・ジャパンの18/3期第4四半期は、前期に実施した組織体制の再強化が想定よりも早く成果に結び付き、前年同期比増収増益となった。今後、人員増強を図る予定。次期は、新規サービスのRPO(Recruitment Process Outsourcing)及びスペシャリスト派遣を一層強化することからコストが先行する見込み。
 
 
海外子会社の18/3期第4四半期は、注力国であるベトナムが伸長し、全体の業績を牽引し前年同期比で増収増益となった。
インドの子会社は、顧客動向の変化、組織体制の再構築による影響から、当初の会社計画を下回り、減損を実施した。
 
教育・評価事業
当事業には、企業の人材活躍を支援する各種サービス、人事関連システムの提供等が属している。人材活躍支援サービスでは、他の事業部門との連携強化や、教育サービスと評価サービスの連動を進めたこと等から、前期を上回る売上高となった。また、昨年12月に社員の離職リスクを可視化する「HR OnBoard」をリリースする等、同社が培ったノウハウとテクノロジーを融合した新たなサービスを開始した。一方、人事関連システムの提供を行う子会社の売上高は前期を下回った。この結果、18/3期の教育・評価事業の売上高は10億83百万円(前期比1.4%減)、営業利益は30百万円(前期は営業損失1億76百万円)となった。
 
 
18/3月末の総資産は前期末比75億92百万円増加の404億92百万円。資産サイドでは、現預金や売掛金やのれんなどが、負債・純資産サイドでは、未払金や未払法人税等や親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金が主な増加要因。総資産の77%以上を流動資産が占める等、資産の流動性が高い。自己資本比率も70.3%と、高水準を維持している。
 
 
CFの面から見ると、税金等調整前当期純利益やのれん償却額の増加などにより営業CFのプラス幅が拡大した一方、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出の拡大などにより投資CFのマイナス幅が拡大したものの、フリーCFのプラス幅も拡大した。また、配当金の支払額が増加したものの、前期に発生した連結の範囲を伴わない子会社株式の取得による支出がなくなったことなどにより財務CFのマイナス幅が縮小した。
 
 
2019年3月期業績予想
 
 
前期比19.3%の増収、同11.1%の営業増益予想
19/3期の会社計画は、売上高が前期比19.3%増485億50百万円、営業利益が同11.1%増の107億円。
売上面は、引き続きエン転職を中心に求人サイトが前期比で売上高の増加を牽引する他、人材紹介と海外子会社も増加する見込み。エン・ジャパンは前期比18.0%の増収、EWJは同20.2%の増収、海外子会社は同18.0%の増収を計画。
利益面は、原稿制作関連費用への投資やスペシャリスト派遣の強化などにより売上原価が前期比37.6%増加する他、人件費やプロモーション費用に加え、業務効率化のアウトソース費用の増加などにより販管費も同19.6%増加する見込み。売上高総利益率は前期比1.5ポイント低下の89.1%、売上高対販管費比率は、0.2ポイント上昇の67.1%の計画。19/3期の広宣販促費は104億48百万円と18/3期から16.3億円(前期比+18.6%)増加する見込み。売上高に連動したオンライン広告が中心で売上高対広告宣伝費比率は21.5%とほぼ前期並みの水準を想定している。
19/3期の1株当たりの配当は、通期実績を元に配当性向30%以上とし、具体的な配当性向は各年度の業績、財務状況、投資計画等を勘案の上で決定するとの基本方針。現時点では前期末から10.1円増配の56.6円(配当性向37%)の予定。
 
 
 
 
(2)19/3期の基本方針
・2018年3期までの戦略から大きな変更はなし
-求人サイトは、リピート率の向上と出稿予算が大きい顧客の深耕を強化する。
-人材紹介は前期の生産性向上を受け、人員を増強する。
 
・新規採用サービスの強化
- 順調に拡大する「エンバイト」を強化する。
- 「engage」は利用社数拡大に加えて、活用度の向上を図るとともに、本格的なマネタイズの土台を構築する。
- LINE株式会社との合弁会社「LENSA」は夏以降にサービスを開始予定。
 
・海外事業の選択と集中
-アジア地域の中で、今後の業績拡大が期待できるベトナム、インドへリソースを集中する。
 
・広告宣伝は既存求人サイトの強化、および新サービスへの投資を中心に実施
- 広告宣伝費の実額は増加するものの、売上高広告宣伝比率は平準化する見込み。
 
(3)新規人材サービスの動向
新規人材サービス-engage-における新たなHR-Techサービスの開発強化
engageは、スマホ対応の採用サイト作成、応募者管理、エン転職会員へのスカウト(トライアル)などの機能を、すべて無料で利用可能なツール。同社が蓄積してきた採用ノウハウを活かしたデザインテンプレートを提供。情報量豊富でスタイリッシュな採用サイトを、手軽に作成できるメリットを有している。engageの利用社数は8万社を突破するなど急成長している。同社は、利用社数の拡大を優先しつつ、マネタイズ(収益事業化)も開始した。
 
 
・新規人材サービス-HR Onboard- 早期離職防止ツール
同社は、2017年12月8日より社員の離職リスク可視化ツール「HR OnBoard(オンボード)」のサービス提供を開始した。「HR OnBoard」を通じて、入社1年以内の社員が離職する兆候を可視化。具体的な対策をアドバイス。毎月3問ずつ、1年間にわたって中途採用で入社した社員へ質問を送信。社員が月ごとのコンディションをオリジナルスタンプで回答することで、企業は「晴れ・曇・雨」で社員ごとに状況を把握することが可能となる。離職リスクの早期発見、迅速なフォローの実施により早期離職を防ぐ効果が期待される。
 
 
・LENSA(LINE(株)との合弁会社設立)
同社は、2018年4月にLINE(株)との共同出資により、「LENSA(株)」を設立した。 出資比率は、エン・ジャパン51%、LINE(株)49%。 転職求人情報等の掲載・配信事業を展開する新サービス「LINEキャリア」を夏以降に開始する予定。同社の既存の求人サイトとの連携を見込んでいる。 現在、最終的なサービス詳細等を策定中であり、業績への寄与額は不明。
 
・株式会社ゼクウの子会社化
同社は、平成29年10月31日付けで、株式会社ゼクウの全株式を取得し子会社化した。ゼクウ社は、企業の採用業務を効率化する管理システム等を提供している。業種を問わず、大手企業から中小企業まで幅広い顧客に利用されており、企業の採用業務の生産性向上に寄与している。今後同社とのシナジー効果が期待される。
 
 
今後の注目点
同社の業績拡大が加速している。18/3期決算は、前年比28.3%の増収、同40.5%の営業増益の好決算となった。クオリティにこだわった求人サイトと積極的なプロモーションが、引き続き会員数の増加と掲載件数の拡大に結びつき、主力エン転職を中心に市場の伸びを大幅に上回る高成長をもたらしている。こうした足元の業績好調を踏まえ、同社は20/3期を最終年度とする中期経営計画の上方修正を実施した。策定からわずか1年での数値目標の更新は驚きであるが、今後の業績拡大への同社の自信の表れと言えよう。更新された20/3期の売上高を今回(18年5月)と前回(17年5月)で比較すると既存求人サイトで約50億円の増額、人材紹介・新規人材サービスで約14億円の増額となっている。主力エン転職以外にも、派遣会社向けサイトや人材紹介での成長加速を計画している。こうした中期経営計画の達成に向けて、同社は今期積極的な先行投資を実施する。原稿のクオリティ維持と営業効率アップを目的に原稿制作関連費用を大幅に増加する他、新規サービスのRPO(Recruitment Process Outsourcing)やスペシャリスト派遣の強化に伴う投資も積極的に実施する。これらを反映し、19/3期は売上原価が前期比37.6%増加し、売上高対売上原価比率も1.5ポイント上昇する会社計画となっている。先行投資負担の増加がどのようなインパクトで業績拡大に結び付くのか今後の費用対効果が注目される。とりわけ派遣会社向け求人サイトやEWJの今後の売上動向に注目したい。
加えて、現在注力している新規の人材サービスである無料のクラウド型採用支援システム「engage」はリリースから利用社数が急拡大し8万社を超えた。今後はサービスの活用度も高めることで、将来の本格的なマネタイズ(収益事業化)へ繋げていく模様であり、取り組みが注目される。更に、LINE株式会社との合弁会社「LENSA」は夏以降にサービスを開始する予定である。今後明らかとなるサービスの詳細等についても期待を込めて注目していきたい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2017年7月3日。

<基本的な考え方>
当社は、その事業を通じて、株主やクライアント等様々なステークホルダーをはじめ、広く社会に役立つ存在でありたいと考えております。そのために、当社グループ全体として経営環境の変化に対応できる組織体制を構築することを重要な施策と位置付けており、当社グループの健全な成長のため、コーポレート・ガバナンスの強化と充実を図り、公正な経営システム作りに取り組んでおります。
また、役職員の倫理観・誠実さを高めることは、様々なステークホルダーの真の信頼を得るうえで、基本的な前提となると考えております。当社の経営理念の一つに、社会に対して正しいことを行い、社会に役立つ存在たることが当社の存在意義であることを謳った「社会正義性」があります。 今後もこの理念・考え方を役職員の行動の支柱に据えて、コンプライアンスに関する教育の徹底等内部管理体制の更なる整備を進め、これを適正に機能させることによって、健全な経営を確保してまいります。

<コーポレート・ガバナンス・コード各原則の実施について>
ジャスダック上場企業として、基本原則をすべて実施している。