ブリッジレポート
(4709:東証1部) インフォメーション・ディベロプメント 企業HP
舩越 真樹 社長
舩越 真樹 社長

【ブリッジレポート vol.61】2018年3月期業績レポート
取材概要「同社の18/3期は、上期の不採算プロジェクトの発生により期中に下方修正を実施したものの、営業利益は修正後の会社予想を20%以上上回る好決・・・」続きは本文をご覧ください。
2018年7月4日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社インフォメーション・ディベロプメント
社長
舩越 真樹
所在地
東京都千代田区 五番町 12-1 番町会館
事業内容
独立系情報サービス会社。金融向けITアウトソーシング主力に幅広いITサービスを提供。
決算期
3月
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2018年3月 23,207 1,254 1,274 622
2017年3月 21,554 1,105 1,133 654
2016年3月 20,082 970 964 548
2015年3月 18,868 966 998 508
2014年3月 17,578 735 765 372
2013年3月 16,446 427 448 -490
2012年3月 16,137 629 659 365
2011年3月 16,450 839 892 447
2010年3月 17,263 850 864 155
2009年3月 18,458 1,057 1,109 563
2008年3月 18,032 1,200 1,191 594
2007年3月 14,692 1,024 1,024 550
2006年3月 13,028 851 845 430
2005年3月 11,378 550 557 119
2004年3月 11,203 625 628 203
2003年3月 11,668 598 591 274
株式情報(6/18現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,422円 10,999,616株 15,641百万円 8.4% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
40.00円 2.8% 70.91円 20.1倍 689.74円 2.1倍
※株価は6/18終値。発行済株式数は前期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
インフォメーション・ディベロプメントの2018年3月期決算概要等についてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
金融向けITアウトソーシングに強みを持つ独立系の情報サービス会社。システム運営管理とソフトウエア開発・保守を二本柱とし、一つの顧客に対し、コンサルティングからソフトウエア開発、システム運営管理等の複数のサービスを提供するBusiness Operations Outsourcing(BOO)戦略を推進しており、好不況の波の大きいIT業界にあって、相対的に業績の変動が小さく、高配当を継続している。尚、2013年12月17日、JASDAQから東証2部に市場変更。2014年9月8日、東証1部に上場した。
 
【事業セグメント】
事業は、システム運営管理、ソフトウェア開発・保守、及びその他に分かれ、各事業の概要と売上構成比は次の通り。
 
システム運営管理    (18/3期売上構成比58.6%)
1,600名規模の技術者を擁する専門部隊が、ミドルウェアのカスタマイズからハードウェアの保守、24時間体制のオペレーションまで、トータルかつ高付加価値のアウトソーシングを実現している。金融機関をはじめ、情報、通信、製造など、さまざまな業種に対応し、長年にわたる顧客からの高い信頼を獲得している。
 
ソフトウェア開発・保守 (18/3期売上構成比36.6%)
500名を超える技術者が、顧客の開発ニーズに合わせたシステム構築をサポート。グループ内にオフショア(海外子会社に委託開発)、ニアショア(地方事業所での開発)体制を構築しており、多数の高度な専門技術者が高品質なサービスを実現し、金融機関、エネルギー、運輸をはじめとする幅広い分野の顧客へ、多くの開発実績を築いている。
 
その他         (18/3期売上構成比4.8%)
BPO、セキュリティ、コンサルティングなどを展開している。海外の大手ベンダーと提携し、各種セキュリティ製品の提供からコンサルティング、セキュリティ環境の構築・導入・運用・サポートまで一貫したサービスを提供している。
 
 
また、顧客別の18/3期売上構成比は、メガバンク、有力地銀、生損保、農林系等の金融機関が48.9%、SIer、情報通信機器ベンダー、或いは通信キャリア系情報サービス大手等の情報・通信・サービスが31.8%、製造、輸送、公共団体、エネルギー等のその他が19.3%。
 
 
その他、契約形態別の18/3期売上構成比は、金融機関、エネルギー、運輸、製造等の直接契約が75.7%、大手ベンダーの戦略パートナーが24.3%と直接契約の比率が高い。
 
【IDグループ】
現在の国内外の連結子会社は7社。このうち国内(3社)は、情報システム・コンサルティング等の(株)プライド(出資比率92.7%)、システムマネジメントサービスやITSMコンサルを手掛ける(株)フェス、障がい者雇用を促進するための特定子会社愛ファクトリー(株)(同100%)。一方、海外(4社)は、中国でソフトウエア開発、システム運営管理等を手掛ける艾迪系統開発(武漢)有限公司(同100%、ID武漢)、シンガポールでシステム運用コンサルティングやセキュリティサービス等を手掛けるINFORMATION DEVELOPMENT SINGAPORE PTE. LTD.(同100%、IDシンガポール)、及びアメリカで人財採用・育成、現地市場調査・情報収集、ソフトウェア開発等を手掛けるINFORMATION DEVELOPMENT AMERICA INC. (同100%、IDアメリカ)。
このほか、2016年5月には、ミャンマーでITトレーニングアカデミーの運営等を行うIDM INFORMATION DEVELOPMENT MYANMAR CO., LTD.(ID83.9%、IDシンガポール出資比率16.1%)を子会社化。同月、欧州におけるパートナー候補(資本提携、業務提携先)の調査や、金融機関の運用管理ビジネスに関わる情報収集、有望なコンテンツの発掘を目的として、アムステルダムに駐在員事務所を設立した。
 
 
 
【IDグループのサービスの特徴 − i-Bos24® (ID's Business
  Operations-Outsourcing Service 24)−】
同社は、コンサルティングからソフトウェア開発、システム運営管理、クラウド・セキュリティ、BPOまで、トータルなITアウトソーシングサービス「i-Bos24®」を提供している。
 
 
 
 
内閣府が6月8日に発表した18年1-3月の国内総生産(GDP、季節調整済み)2次速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.2%減(年率換算で0.6%減)と、5月16日公表の1次速報値から修正はなかった。9四半期ぶりにマイナス成長となったものの個人消費が生鮮食品の値上がりや寒波の影響により弱含んだ一時的な要因とみられており、4-6月は回復傾向に転じるとの予想が多い。また、情報サービス産業との関連性が深い民間企業設備(実質)は前期比+0.3%と、1次速報値の前期比-0.1%から上方修正され、6四半期連続のプラスと回復基調が継続している。
更に、経済産業省発表の「特定サービス産業動態統計調査」(18年6月18日発表。4月分確報値)によると、4月の受注ソフトウエア売上高は前年同月比で減少したものの、情報サービス産業売上高は回復傾向となり、システム等管理運営受託売上高は増加基調を継続している。
 
【中期経営計画「I-vision50」】
1.概要
同社グループでは、2016年4月に策定した中期経営計画「I-vision 50」(2017年3月期〜2019年3月期)のもと、「より高い品質のサービスをより早くお客さまに」を経営ビジョンに掲げ、各種施策に取り組んでいる。
「I-vision 50」は、3つの基本方針(「徹底した業務プロセスの改革(BPR)」「新たな成長分野の構築」「グループのガバナンス強化」)と、7つの重点施策(①構造改革、②働き方改革、③新技術の利活用推進、④ダイバーシティの推進、⑤グローバルの推進、⑥連結経営のガバナンス強化、⑦BOO戦略の推進) から成り、向上した収益を社員の賃金増に繋げることで、より高い業績目標へチャレンジする好循環を生み出し、社員以外のステークホルダーに対しても、公正な還元を可能とする環境を整えることを目指している。
最終年度である2019年3月期の数値目標は、売上高240億円、営業利益16.8億円であったが、4月27日に、売上高263億円、営業利益14.8億円に修正された。売上高目標の増額は買収した子会社の寄与が大きく、営業利益目標の減額は外注単価や人件費の上昇などが影響している。
 
 
2.重点施策とその成果
①働き方改革
生産性向上、および優秀な人財確保のため、ワークライフバランスを重視し、魅力ある職場づくりを通じた「働き方改革」に全社をあげて取り組んでいる。(同社は、社員が会社の重要な財産の1つであるとの考えから、「人材」を「人財」と表記している。)
・スーパーフレックスタイム制度の導入 
・有給休暇取得率目標対比 108%達成(年間目標有給休暇取得率:70%) 
 
②構造改革
過去の慣習にとらわれず仕事のやり方を抜本的に変革し、新たな業務プロセスの創造を進める。また権限委譲、ITシステム化を進めることで、組織全体の生産性向上を図る。
・決定・決裁権限基準の見直し・全社公募での業務改革・改善活動の実施・時間外労働削減(前年比12.8%減)
 
③新技術の利活用推進
既存サービスの競争力強化、生産性および品質向上のため、新技術の取り込みを積極的に進めている。これらの取り組みにより社員のパワーアップ、およびグループの総合力の結集を実現する。
・AI・機械学習を活用した最先端セキュリティソリューション「Seceon(セキオン)OTM」販売開始・「Seceon OTM」、Interop Tokyo 2017の「Best of Show Award」ファイナリスト(AI部門)選出 
・Seceon Inc.に対する連携および開発力強化、事業拡大を目的とした投資の実施・スマートグラスを活用したSaaS型遠隔作業サービスの販売開始
・産業用制御システム向けセキュリティ製品を提供するCyber X社とパートナー契約を締結
・RPA、AIを利用したサービスモデル企画委員会の設置
 
④ダイバーシティの推進
グローバル戦略を確実に推進していくための人財育成、および人財の多様化を通じて、変化し続けるビジネス環境への対応力強化や組織の活性化を図っている。
・女性管理職比率 12.1%・社員に占める外国籍社員の割合 9.2%
 
⑤グローバルの推進
日本企業の海外展開への対応、およびグローバル競争力強化のため、積極的に海外展開を進めている。より高い品質の商品やサービスを海外に向けて打ち出し、8つの海外拠点を通じて24時間365日体制でのサポートを提供する。
・アジア・オセアニア統括本部の創設・オランダOGD ict-dienstenとの覚書締結
・オランダIndica Holding B.V.との協業契約締結
 
⑥連結経営のガバナンス強化
国内外あわせて12拠点間との密なコミュニケーションにより、それぞれのソリューションを結集し、企業価値最大化を図っている。各拠点が持つ人財やノウハウ、営業状況などを含めた、経営情報をスピーディに把握し、グループ全体で顧客の課題解決に努める。
・株式会社テラコーポレーションの吸収合併
・株式会社フェスの子会社化
 
⑦BOO戦略の推進
同社のサービス内容は、システム運営管理、ソフトウエア開発、クラウド・セキュリティ、BPO、コンサルティングと多岐にわたる。BOO戦略とは、一つの顧客に対して幅広いサービスを提供することであり、同社の様々なサービスを日本国内のみならず、海外でも提供する。
 
 
 
2018年3月期決算概要
 
 
前期比7.7%の増収、同13.5%の営業増益。
売上高は前期比7.7%増の232億7百万円。買収した子会社の寄与や金融系運営管理業務における既存顧客の深耕拡大などによりシステム運営管理の売上高が増加した。一方、大型プロジェクトの受注により公共系で増加したものの、大型プロジェクトの収束により金融系で減少したことからソフトウエア開発の売上高は減少した。また、その他事業は、セキュリティ製品の販売拡大に加え、コンサルティングの売上高が増加した。売上高は、6期連続の増加で過去最高を更新した。
営業利益は前期比13.5%増の12億54百万円。ソフトウエア開発における2件の不採算プロジェクトによる売上原価の増加(2018年3月期にすべて終了)とセキュリティ事業における「Seceon OTM」の積極的な営業展開をはじめとするマーケティング費用の増加などが影響したものの売上の増加によりカバーした。買収した子会社の寄与や不採算プロジェクトの対応力強化が奏功し、昨年10月20日に下方修正した営業利益予想を大幅に上回る着地となった。営業利益は、5期連続の増加で過去最高更新となった。売上高総利益率は、前期比0.7ポイント上昇の19.2%、売上高販管費比率は、0.4ポイント上昇の13.8%となった。また、経常利益は同12.5%増の12億74百万円。親会社株主に帰属する当期純利益は同4.8%減の6億22百万円。前期に計上した退職給付制度終了益がなくなったことと、投資有価証券評価損を計上したことなどが影響した。
 
 
システム運営管理事業の売上高は前期比12.6%増の135億89百万円。プラットフォーム開発業務は、運輸系の売上高が減少した。一方で、買収した子会社や金融系運営管理業務における既存顧客の深耕拡大などが売上高の増加に寄与した。増収効果によりセグメント利益も同12.2%増加した。

ソフトウエア開発事業の売上高は前期比1.3%減の84億99百万円。公共系の大型プロジェクトの受注により売上高が増加したものの、金融系ソフトウエア開発の大型プロジェクトの収束により売上高は若干減少した。一方、セグメント利益は同1.4%の増加となった。

その他事業の売上高は前期比27.8%増の11億18百万円。セキュリティ製品販売に加え、コンサルティングの売上高が増加した。マーケティング費用の増加があったものの、増収効果によりセグメント利益は黒字へ転じた。
 
 
第4四半期(1-3月)の業績は概ね拡大基調にある。18/3期第4四半期(1-3月)は、過去の第4四半期(1-3月)と比較し高水準の売上高、営業利益となった。
 
 
18/3期は、ソフトウエア開発事業で不採算プロジェクトが2件発生したことが売上原価の上昇に大きく影響した。プロジェクト期間が短い中で、納期の死守と品質の確保のため、管理要員と開発要員の管理を図ったことから、労務費と外注費が大きく増加した。しかし、2プロジェクトとも18/3期中に開発が終了した。
 
 
18/3末の総資産は前期末比33億64百万円増加の139億17百万円。資産面では現預金や売上債権やのれんの増加などが、負債・純資産面では有利子負債や賞与引当金の増加などが主な増加要因。自己資本比率は54.5%と前期末比14.5ポイント低下した。これは、株式会社フェスの買収にともない短期借入金が増加したもの。
 
 
前期に比べ、賞与引当金の増加、仕入債務の増加などにより営業CFのプラス幅が拡大した。一方、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出の増加などにより投資CFのマイナス幅が拡大したことから、フリーCFはマイナスに転じた。また、財務CFは短期借入金を増加させたためプラスへ転じた。期末のキャッシュポジションは高まった。
 
(3)最近の主なトピックス
◎株式会社フェスの全株式取得による子会社化
同社は、2018年1月4日付で株式会社フェスの全株式を取得し、子会社化した。
株式会社フェスは1999年に、システムオペレーションを代行するサービスを主たる事業目的に、株式会社セゾン情報システムズの子会社として設立。その後医療系運用業務、また近年では「ITSMコンサル業務」への参入等により業容を拡大し、「従来型運用」を「次世代ITサービスマネジメント」に変えるべく新しい取り組みを行っている。今回の株式取得により、両社の中核事業であるシステム運営管理事業の規模拡大、および効率的な運営体制の構築などに大きく寄与することが期待される。その他、両社の長年にわたり蓄積された技術やノウハウの共有化を進めることで、それぞれの得意とする顧客領域に対してこれまで以上に幅広いサービス展開が可能となる見込みである。なお、買収金額は20億円で、全額借入金で対応した。
 
 
◎米国CyberX社の国内第一号販売パートナーに
同社は、 米国CyberX Inc. (本社:米国フレイミングハム、開発:イスラエル、Founder & CEO:Omer Schneider )と日本における第一号販売パートナー契約を締結、産業用制御システム(ICS)向けセキュリティプラットフォーム「CyberX」の国内販売を開始した。
CyberXは、ICS環境における機器同士の行動分析とそれらの異常検出、さらに、独自の対ICS脅威インテリジェンスとを組み合わせた最先端の産業用制御システム向けサイバーセキュリティソリューション。 また、CyberXは、ICS環境のプロセス制御とシステム監視に対する脅威、マルウェア、不正なリモートアクセスなどの脆弱性検出や、ICS環境下にあるIT資産の把握が可能。エネルギー、製造、公益事業など多様な分野にまたがるIndustrial Internet of Things(IIoT)及び、産業ネットワークのサイバーセキュリティの確保において定評があるプラットフォームで、既に北米トップ電力会社5社に採用され、全世界350社での稼働実績を持っている。
 
◎オランダ Indica Holding B.V.との協業契約締結
同社は、Indica Holding B.V. (本社:オランダ ヒルバーサム、CEO:Pieter Klinkert 以下、Indica 社)と協業契約を締結した。2018年5月25日からEU一般データ保護規則(GDPR: General Data Protection Regulation)の適用が開始された。EU域内の個人データを扱う日本企業も適用対象となり、個人データの処理と移転に関して組織的な対応が必要となる。GDPR対応のプロセスは非常に複雑で特殊な専門知識を求められるものの、Indica社のソリューションはGDPR用最先端データマッピングにより、GDPRを順守したうえで、そのプロセスを単純化することができる。また、Indica社が特許を有する構造化データと非構造化データとを関連付けるアルゴリズムにより、企業の全データの管理および監視が可能となる。企業の保有データを、①どのような個人データが保管されているのか、②どこに保管されているのか、③誰がアクセス権を持っているのか、といった観点で分析し可視化することができるため、個人情報ポリシーとの整合性を担保しつつ、管理工数の大幅な削減が実現できる。同社は、今後日系企業の欧州拠点に向けて、Indica社のソリューションの販売機会を創出していく予定である。
 
 
2019年3月期業績予想
 
 
前期比13.3%の増収、同17.7%の経常増益の計画
売上高は前期比13.3%増の263億円の計画。引き続き金融機関を中心に顧客のIT投資の拡大が期待される。また、今後セキュリティ対策への投資の加速も予想される。こうした中、BOO(既存顧客に対し、コンサルティングからソフトウェア開発、システム運営管理、クラウド・セキュリティまで、複数のサービスを提供すること)の推進により、既存顧客の推進を図るとともに、新規顧客の獲得を目指す。また、買収した子会社も売上高の増加に寄与する見込み。
営業利益は同17.9%増の14億80百万円。不採算案件を防ぐ取り組みなどにより、収益性の改善を図る計画。売上高営業利益率は、同0.2ポイント上昇の5.6%の計画。前上期に発生した不採算プロジェクトがなくなることも収益性の改善に寄与する。
1株当たりの配当は、前々期より3円増額となった前期と同額の期末40円の予定。予想の配当性向は56.4%。
 
(2)営業利益計画達成へ向けた取組策
リスク回避の施策
同社が属する情報サービスセクターは、①不採算案件の発生、②外注費の増加、③時間外労働の増加などのリスクに直面している。同社では、こうしたリスクの回避に向け、今後の下記の施策を徹底する。
・社員とパートナーのパワーアップによる生産性向上
・働き方改革
・徹底したプロジェクトの管理
 
不採算プロジェクト防止へ向けた対応策
18/3期上期に発生した不採算プロジェクトの反省をもとに、同社では現在不採算プロジェクト防止のための対応策を実施している。
19/3期においても以下の課題への対応を強力に推し進める。
 
課題1−大規模化と短納期化への対応
[対応策]
・プロジェクト状況の収集から分析、課題対応をスピードアップする手法の標準化とサポートツールの導入を更に進める。
・既に導入している開発フレームワークの一層の強化。
 
課題2−プロジェクト規模拡大による要員調達
ノウハウ及びマネジメント人財の不足
[対応策]
・新規パートナー会社の開拓推進と既存パートナー会社との情報交換の活発化。
・多数のパートナーをマネジメントする人材の育成・強化。
 
 
今後の注目点
同社の18/3期は、上期の不採算プロジェクトの発生により期中に下方修正を実施したものの、営業利益は修正後の会社予想を20%以上上回る好決算となった。買収した子会社の寄与があったものの同社の第4四半期(1-3月)決算は、過去の第4四半期の中でも高水準の営業利益となった。前上期の不採算プロジェクトを受けて強化された対応策が早くも成果に結び付いたものと推測される。現在同社は、①プロジェクト状況の収集から分析、課題対応をスピードアップする手法の標準化とサポートツールの導入を更に進める、②既に導入している開発フレームワークの一層の強化、③新規パートナー会社の開拓推進と既存パートナー会社との情報交換の活発化、④多数のパートナーをマネジメントする人財の育成・強化、を掲げ、今まで以上に不採算プロジェクトの防止を強力に推進している。こうした施策が実を結び19/3期は1年を通じて不採算プロジェクトを封じ込めることができるのか注目される。
また、世界中でサイバー攻撃や情報漏えい事件が発生している中、セキュリティ対策への注目が増している。同社は、「Seceon OTM」や「CyberX」の販売開始、Indica社との協業開始などセキュリティ製品販売分野においてソリューションのラインナップを急速に拡充している。ソリューションの積極的な営業展開のための大規模なマーケティング費用の投入があったものの、セキュリティ製品販売が属するその他セグメントは18/3期に黒字化を達成した。セキュリティ製品の販売動向が鍵を握るであろう、その他セグメントの今後の業績動向が注目される。
加えて、19/3期は中期経営計画の最終年度である。株式会社セゾン情報システムズから全株式の取得により子会社化した株式会社フェスとどの様にシナジー効果を創出するのか、また、セキュリティ製品販売分野をどの様に強化していくのかなど、今後の戦略が興味深い。新中期経営計画策定の動きについても期待を込めて注目したい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2018年6月25日
 
 
 
 
 
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