ブリッジレポート
(6181:東証マザーズ) パートナーエージェント 企業HP
佐藤 茂 社長
佐藤 茂 社長

【ブリッジレポート vol.8】2018年3月期業績レポート
取材概要「修正予想に対しても未達となったが、グラフのように、売上、利益ともに17年3月期第4四半期をボトムに上向いており、前期第4四半期の売上高は過・・・」続きは本文をご覧ください。
2018年7月11日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社パートナーエージェント
社長
佐藤 茂
所在地
東京都品川区大崎1-20-3 イマス大崎ビル
事業内容
婚活支援サービス提供会社。\貲ぅ灰鵐轡Д襯献紊砲茲觜發だ婚率を実現する結婚相手の紹介、∈С茱僉璽謄ーの企画・運営、4覿函γ亙自治体向け婚活支援事業ソリューション、ず礼、保険、保育施設などの関連サービスを展開。
決算期
3月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2018年3月 4,102 195 325 117
2017年3月 3,812 204 212 107
2016年3月 3,644 445 434 285
2015年3月 2,664 146 132 79
2014年3月 2,164 51 39 17
株式情報(7/2現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
377円 10,246,800株 3,863百万円 15.5% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
0.00円 - 18.33円 20.6倍 85.81円 4.4倍
※株価 7/2終値。発行済株式数は直近期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。
 
株式会社パートナーエージェントの2018年3月期決算概要等をお伝えします。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
多様な婚活支援サービスを提供。登録会員の婚活を支援する主力の「パートナーエージェント事業」のほか、婚活パーティーの企画・運営などを手がける「ファスト婚活事業」、これまで競合関係にあった婚活支援サービス事業者と会員の相互紹介を行うことができるオープンプラットフォームである『CONNECT-ship』や、婚活に取り組む企業や地方自治体を対象に、イベント開催の受託からマッチングシステム『parms』の提供、サポートを行う「ソリューション事業」、結婚式場紹介、ブライダルリングの販売、保険契約の見直しなどの関連サービスを提供する「QOL事業」を展開。
「世の中に、もっと笑顔を。もっと幸せを。」という企業理念に基づき、各種サービスを展開している。中でも、専任コンシェルジュによるキメの細かいフォローアップと独自システムによる婚活支援により、高い成婚率実績を出していることが大きな特徴。
 
【1-1 沿革】
2004年6月、ウェディングの企画および施設の運営を手掛ける株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ(4331、東証1部、T&G社)が新規事業として婚活支援事業を始めるにあたり、100%子会社として同社を設立した。そのスタートアップにあたり招聘されたのが大手婚活会社で豊富な経験・実績を積み重ねた現社長の佐藤茂氏。
その後T&G社の業況が低調となり、継続的な投資が難しくなったのを機に、2008年5月、佐藤社長を始めとした経営陣と従業員の共同出資により株式を取得し、T&Gグループから独立した。
「顧客成果追求」の結果である成婚率の高さを顧客に評価され、業績は順調に拡大。2015年10月に東証マザーズに上場した。
 
【1-2 企業理念】
佐藤社長が創業時に掲げた想い「顧客成果の追求」をベースに、以下のようなミッション、ビジョンを示している。
 
佐藤社長はこれらの理念について、具体的な課題やトラブルへの対応など業務を通じてその度ごとに理念に立ち戻り考えることで、初めて社員各人及び組織に理念が浸透すると考えている。
 
【1-3 市場環境】
<未婚者状況>
*上昇続ける未婚率
総務省の国勢調査によれば、25-34歳の未婚率は男女とも上昇を続けている。
 
 
*未婚者の結婚の意思 〜「結婚する意思」は引き続き高水準〜
「2016年社会保障・人口問題基本調査<結婚と出産に関する全国調査> 第15回出生動向基本調査」によれば、結婚する意思を持つ未婚者の割合は18〜34歳の男性で85.7%、女性で89.3%となっており、「結婚したい」と考えている未婚者の数は依然高水準である。
 
 
一方、「一生結婚するつもりはない」未婚者の割合が男女とも上昇してはいるが、その中でも今後「いずれ結婚するつもり」に変わる可能性があると回答した割合は、男性44.1%、女性49.8%となっており、今は結婚するつもりの無い層も半数近くは今後結婚に向けて動き出す可能性がある。
 
*独身でいる理由 〜25歳を過ぎると適当な相手にめぐり会わない〜
未婚者に独身でいる理由を尋ねたところ、18〜24歳の若い年齢層では、「若すぎる」、「必要性を感じない」など積極的な動機が無いことが多く上げられているが、25〜34歳では、「適当な相手にまだ巡り会わない」という理由を挙げる割合が増加しており、出会いやその機会に対するニーズが大きいことが窺える。
 
 
<同業他社>
日本全国には約3,000の婚活会社があるが、その9割は個人事業主で、全国規模で事業を展開しているのは同社を含め数社のみである。

以下は同社を含めた婚活関連の上場企業である。
 
【1-4 事業内容】
報告セグメントとして、パートナーエージェント事業、ファスト婚活事業、ソリューション事業、QOL事業の4事業を展開している。
 
①パートナーエージェント事業
顧客として入会した会員に対する情報提供、相手の紹介、出会いの機会の提供を行っている。
会員にはそれぞれ専任のコンシェルジュが婚活支援の担当としてつき、活動設計を行い、プロフェッショナルとして顧客をサポートしている。また、出会いの機会を提供するため、会員同士のイベントを企画・運営するなど付随サービスも提供している。
会員構成は男女比で4:6〜3:7で女性が多い。
 
 
(サービスの特色)
「1年以内を目途に結婚相手を見つけたい顧客」に対し、高いコーチングスキルを持ったコンシェルジュが担当として付き、プロセスに手間や時間をかけず費用対効果の高いサービスを求める顧客ニーズに応えるべく、PDCAサイクルに基づく活動支援を行っている。
コンシェルジュは、婚活支援を通じて人の役に立ちたい、喜びを共にしたいと考えている、子育てが一段落した年代の女性が中心で、2018年3月末時点で144名のコンシェルジュが在籍している。また、コンシェルジュの活動については、「顧客成果の追求」を掲げている同社においては、成婚率、中途退会率など主として「顧客満足度」の視点から評価を行っている。
 
<PDCAサイクルに基づく活動支援のイメージ>
①入会前:サービス内容と料金体系の明確化
初めて来店した入会を検討している顧客には、入会勧奨を行うアカウントエグゼクティブが応対し、サービス内容と料金体系について正確に理解してもらうべく丁寧な説明を行う。
しかし、一定の基準に基づき、結婚相手の紹介の継続が難しいと判断した場合には、入会を断る場合もある。
これは、入会後月会費等の費用が発生するにも関わらず、コンタクト(お見合い)に至らない、または交際に発展しないなど、顧客が満足できない状況を招くことを避けるためでもある。
 
②入会後:専任コンシェルジュによる活動サポート
入会すると、はじめにその会員がどのような価値観を持ち、どのような相手を希望しているのかを把握するため会員の婚活支援を担当するコンシェルジュが時間をかけて面談を行う。
この際、コーチングスキルを用いて会員がまだ明確にできていない相手への希望や理想像をより明確化することで、抽象的に相手探しをするのではなく、より具体的なマッチングに結び付けられるようにする。
従来のデータによるマッチングだけでなく、コンシェルジュという人間を通して相手を紹介することで同業他社との差別化を図り、結果的に、回り道をせず手間や時間をかけずに費用対効果の高いサービス提供へとつながっている。
さらに、活動を通して、専任のコンシェルジュがPDCAサイクルを用いて活動の軌道修正を支援するため、失敗があっても前向きに婚活に取り組んでもらうことができる。
加えて、コンタクトの感想や感触の確認、その後の交際期間中の悩みごとの相談、成婚(※)後のフォローまで、コンシェルジュが会員の気持ちに寄り添って、共に成婚実現に進んでいけるようにサポートする。
また、成婚後のフォロー期間も1年間に設定することで、成婚後であっても長期間フォローし、結婚までの道のりをサポートしている。
(※)成婚(退会)
交際中の相手との結婚を視野に入れて交際を継続する意向を双方から受けた上で退会すること。
 
③コンタクト(お見合い)の設定:専任のコンシェルジュ以外の活動サポート
活動が進むと、相手とのコンタクト(お見合い)を迎える。コンタクトの日時調整、場所の申し合わせなど、手間のかかる作業もシステムと専門チームがサポートするため、手間をかけずに効率よく活動することができる。
コンタクト当日に道に迷ったり、相手を見つけられなかったりした場合なども、窓口スタッフが電話・メールでサポートを行い、出会いの機会を逃さないように支援している。
また、セカンドオピニオンとしてのアドバイスや助言のニーズに対応するために、サービスデスクを設置し、会員からの相談・要望に第三者からのアドバイスや助言を提供し、活動がより円滑に行えるためのサポート体制を構築している。
 
 
費用内での紹介件数に上限は無い。同社では原則として月2件以上の紹介を行うこととしている。
 
(付随サービス)
①会員向けイベント
コンシェルジュによる相手の紹介だけでなく、会員を対象に出会いの機会を提供するため、婚活パーティーなど各種イベントの企画・運営を行っている。
イベントスペースを自社店舗内に設けることで機動的な開催が可能であり、イベント会場の賃借費用が不要となっている。
 
②オプションサービス
会員向けの写真撮影会を有料で提供している。婚活においては第一印象が重要視されるため、プロのカメラマン、メイクアップアーティストと提携し、自社店舗または提携先スタジオで写真撮影を行っている。婚活に特化しているため、適切な服装、表情など、経験に裏打ちされたアドバイスの提供も可能である。
カラーコーディネート、ファッションアドバイザリー、コミュニケーション力向上など、婚活に関連する予備知識や情報提供を、有料セミナーによって提供している。
 
②ファスト婚活事業
低価格で気軽に始めることができる婚活サービスというコンセプトで展開している事業。3つのサービスで構成されている。
 
 
(1)「OTOCON(オトコン)」婚活パーティー
一般会員向けの婚活パーティーを「OTOCON(オトコン)」として企画・運営している。
一般会員向けではあるが、各種イベントを通じて同社に興味を持ち、会員になるケースも多く、入会の1つのチャネルとして機能している。
また、パートナーエージェント事業の会員向けイベントサービスと同様に、イベント専門のスタッフが自社店舗内のイベントスペースでイベントを企画・運営するため、社内設備の有効活用ができ、かつ入会チャネルとして機能しているため、ファスト婚活事業自体の収益だけでなく、他サービスとのシナジーも発揮している。
 
③ソリューション事業
(1)会員相互紹介プラットフォーム「CONNECT-ship」
婚活支援事業者間で自社会員の相互紹介を可能にするオープンプラットフォーム「CONNECT-ship(コネクトシップ)」が2017年6月稼働を開始した。
 
(概要)
利用事業者と対象サービスは6社7サービスでスタートしたが、18年4月時点で以下の7社11サービスとなっている
 
 
これら一定規模の事業者間において、最大5万人超の会員(各社の会員数合計)の相互紹介を通じて成婚率を高め、顧客成果、顧客満足度の向上を図る「コネクトシップ」は、婚活支援業界初の試みである。
会員相互紹介を実現するプラットフォーム(システム)としては、パートナーエージェントが開発し、運用保守を行う「コネクトシップ」サービスを使用し、「コネクトシップ」の運営事務局も同社が担う。

今後も顧客成果である成婚の最大化という想いを共有できる婚活支援事業者を利用事業者に加え、規模を拡大していく予定。
利用事業者は、自社のサービス内容や運営について、事務局である同社を含めた他の利用事業者から干渉されることなく、自社の顧客に独自のサービスを提供することができる。

システムを提供・運用する同社は、利用事業者各社から受け取る会員同士のお見合い(コンタクト)が成立した場合のコンタクト成立料を収益源とする。
 
(狙い)
利用事業者が、営業面での競争のみならず、新しい枠組みの中で顧客成果である成婚を追求して切磋琢磨すること により、顧客満足度を高めて業界全体の発展を図るとともに、サービス品質に基づき健全な競争を行うよう業界に変革を促すことも、「コネクトシップ」を主導する同社の狙いである。
2018年3月期末の利用者は2万人で会社側の予想通りに成長している。
 
(2)事業会社及び地方自治体向けコンサルティング
婚活業界への参入を検討している事業会社や、住民に対する婚活支援活動を実施しようとしている自治体に対し、「parms」という同社が開発した結婚支援システムをASPで提供している。
「parms」は、結婚支援事業に必要な会員登録、会員管理、お相手とのマッチングなどの基本機能だけでなく、利用者(結婚を望む男女)の活動をサポートする機能や、事業運営側のスタッフの業務を効率化する機能等を網羅的に兼ね備えたシステム。運営主体の要望に応じたカスタマイズも可能となっている。
 
自治体向けの主な実績は以下の通り。
 
④QOL(Quality of life)事業
パートナーエージェント事業によって顧客となった会員に対し、成婚退会後もその関係性を維持して人生の節目において各種サービスを提供し顧客満足度の充足・向上を図りつつ、収益機会の拡大を図る。

成婚退会した会員がメンバーとなる「アニバーサリークラブ」が主として以下のようなサービスを提供している。
 
 
結婚式場紹介に関しては、これまでは式場と直接提携し関東エリアの成婚会員への紹介が中心だったが、(株)リクルートゼクシィナビが運営する「ゼクシィ婚活カウンター」への紹介を開始した。これにより全国の成婚会員に式場紹介サービスの提供が可能となった。
また住宅に関してもこれまでは賃貸住宅の仲介サービスへの送客のみだったが、注文住宅の購入を検討している成婚会員向けに(株)リクルート住まいカンパニーが運営する「ゼクシィ婚活カウンター」への紹介を開始した。
 
【1-5 特長と強み】
「顧客成果の追求」と結果としての成婚率の高さ
同社を特徴づける最大のポイントは、「成婚率」の高さである。
2018年3月期の成婚率は27.2%。過去2番目の水準だった。
 
 
同業他社は明確な数字を開示していないものの平均10%と言われており、同社の成婚率の高さは断トツである。

在籍会員に対するある期間における成婚退会会員数の割合を示す「成婚率」は、婚活会社の必要性を問われてしまう可能性もある両刃の刃であるという意味で、婚活業界においては指標として明示すべきではないとの認識が主流であった。
これに対し佐藤社長は創業時より事業に対する想い、企業戦略として「顧客成果を高める」を掲げてきた。
顧客が同社に求めるものは「結婚」という成果であり、これを可能な限り高めることこそが自社の社会的な存在価値であるという考え方だ。
この目的を実現するために、採用、教育、育成、研修、ナレッジ共有、マネジメント、評価制度、などあらゆる活動のベースを「顧客成果の追求」においている。こうした姿勢が業界では群を抜いて高い「成婚率」に結びついている。
 
 
2018年3月期決算概要
 
 
増収も経費を吸収しきれず減益
売上高は前期比7.6%増の41億2百万円。主力のパートナーエージェント事業が新規入会会員数の鈍化により減収となったが、好調のファスト婚活事業が補い、増収となった。ただ、新規入会会員数が鈍化した一方、中長期的な成長に向けた人件費、新規出店に伴う家賃などの諸経費を含めた販管費が同2.6%増加したことにより、営業利益はほぼ横ばいの1億95百万円。保育施設運営に関する補助金収入が1億23百万円あったため経常利益は同40.6%増の3憶25百万円と大幅に増加したが、保育事業譲渡に際し、企業主導型保育事業の譲渡における制約から、既に受領した設備に関する補助金相当額を減損会計処理する必要が生じ、1億31百万円の特別損失を計上したため当期純利益は同9.4%増の1億17百万円となった。
 
 
(パートナーエージェント事業)
認知度向上に向け課題となっていた広告宣伝について、2017年4月、2018年1月にクリエイティブ変更を行うなど改善・強化を図ったが、主要指標は前期実績を下回った。
ただ、2018年1月の、ドロンジョ、ブラック・ジャックの両アニメキャラクターを用いた新クリエイティブは好評を博しており、新規入会数は下げ止まり、Webサイトへの来訪者数も増えている。
成婚会員数は創業以来2番目の多さで、成婚率も高水準を維持している。
出店については、八重洲店、渋谷店、岐阜店、奈良店、広島店の5店舗を出店した。広島店は中国エリア初の出店。
店舗は全てOTOCONパーティー会場を併設している。
 
 
(ファスト婚活事業)
婚活パーティー『OTOCON』の延べ参加者数が順調に増えており、前期比98.3%増とほぼ倍増。
出店については、婚活パーティーサービスに対する旺盛な需要に応えるため、専用店舗として大阪店と栄店(愛知)を出店し、さらにパートナーエージェント事業との併設店舗として八重洲店、渋谷店、岐阜店、奈良店、広島店の5店舗を出店し、広島店は中国エリア初の出店。
 
 
(ソリューション事業)
前期末の「コネクトシップ」の利用会員数は約2万人。利用事業者数は6社10サービス。18年4月には7社11サービスとなっている。
 
(QOL事業)
めばえ保育ルームを亀戸、芦花公園、千歳船橋、用賀に開園したが、後述するように企業主導型保育施設については事業譲渡した。
 
(3)財務状態とキャッシュ・フロー
 
現預金、売上債権の増加に伴い、流動資産は同2億29百万円増加し、15億68百万円となった。新システム構築、新店舗出店に伴う設備投資で固定資産は同3億17百万円増加し、12億41百万円となり、資産合計は同5億47百万円増加の28億11百万円となった。長短借入金の増加等で負債合計は同3億56百万円増加の19億59百万円。当期純利益の計上及び自己株式の減少で純資産は同1億91百万円増加の8億52百万円となった。
この結果、自己資本比率は前期末から1.2ポイント上昇し、30.3%となった。
 
 
利益増、法人税等の還付などで営業CFはプラスに転じた。設備投資増で投資CFのマイナス幅は拡大。
財務CF、キャッシュポジションはほぼ変わらず。
 
(4)トピックス
◎株式会社グローバルグループと資本業務提携を締結。企業主導型保育事業を事業譲渡
2018年5月、保育施設の運営や保育所開業等コンサルティングを手掛ける株式会社グローバルグループ(東証1部、6189)と資本業務提携を締結し、企業主導型保育事業を事業譲渡した。

(提携の理由・目的)
パートナーエージェントは、事業ポートフォリオの拡大を図る中で、企業主導型保育事業(保育園)を展開してきたが、グローバルグループのような大規模企業グループに事業を譲渡し、運営を移管することで、より安定的な保育園運営が可能になり、待機児童問題の緩和につながると考えた。
一方、グローバルグループは、保育施設を増やすことで育児休業中の保育士の復職を促すなど、長く働ける組織運営を実現させ、また社会的要請に応えて企業主導型保育事業を拡充することができるというメリットがあり、両社の得意分野を活かして互いの事業を発展させることを目的として提携を行った。

(提携・事業譲渡の概要)
パートナーエージェントは、2018年6月、企業主導型保育事業の全部を、グローバルグループの完全子会社で、保育園・保育施設を専業で運営する株式会社グローバルキッズに譲渡した。
グローバルグループは、保育士の生活品質向上を支援するという観点から、復職支援の他、保育士の福利厚生の一環として婚活支援も行う意向があり、パートナーエージェントが協力し、時期は未定だが新たに保育士向け婚活支援サービスを開始する予定である。
 
 
2019年3月期業績見通し
 
 
増収・増益
売上高は前期比6.8%増の43億81百万円の予想。営業利益は同38.1%増の2億69百万円。
 
(2)今後の取り組み
①パートナーエージェント事業
<サービス>
2018年4月16日より、新サービスコンセプトのもと、「チーム婚活×スマート婚活プログラム」を開始。2つのサービスを通じて婚活の成功をより強力にサポートする。

(チーム婚活とは?)
時には上手くいかないこともある婚活において、専任コンシェルジュを中心としたチーム体制を更に強化し、チームで婚活をサポートする。
 
 
(スマート婚活プログラムとは?)
これまで多くの会員の活動を支えてきた中で蓄積した同社の各種データを基に、専任コンシェルジュが会員にフィットした婚活プログラムを案内するほか、8つの出会いのバリエーション用意し、婚活に PDCA サイクルを取り入れるなど、科学的アプローチを取り入れることでスマートな婚活を実現する。
 
 
(AIの導入)
また、2018年6月から、より高品質な婚活支援サービスの提供を目指し、株式会社 FRONTEO(東京都)が独自に開発した人工知能エンジン「KIBIT(キビット)」を婚活支援サービスのマッチングプロセスに導入し、活用することとした。
コンシェルジュによる「チーム婚活」と「スマート婚活プログラム」を通じた婚活支援にAI の活用を付加して「コンシェルジュ×AI」の相乗効果を引出し、マッチング精度の向上、顧客満足度の向上につなげていく。

「KIBIT」活用イメージ
①会員の紹介文やプロフィール情報(趣味や価値観など)のフリーテキストを KIBIT が読み込んで分析。
②これまで蓄積した成婚データを活用しながら、KIBIT が相手候補をスコアリングしてリスト化。
③コンシェルジュはこのリストを活用しながら、会員の希望条件や魅力等に鑑み、相手を紹介する。
 
 
<マーケティング・出店>
マーケティングにおいては、引き続き認知度向上のためにマス広告投資を行い、ファスト婚活事業と連携したマーケティング施策を推進する。
特に、成婚率を強調して広告宣伝をしていた結果、広がった婚活マーケットの裾野への対応が不十分であった点を反省し、より分かりやすいサービスの訴求方法を検討していく。
出店に関しては、今期は新規出店を控え、既存店の成長に注力する。

<主要な指標>
年間入会数8,632名、在籍会員数12,551名、年間成婚会員数3,299名といずれも前期を上回る計画。
在籍会員数が減少から増加に転じ、成婚退会会員数の増加は在籍会員数の増加よりも一定期間遅れるため、成婚率は横ばい程度と見ている。
 
②ファスト婚活事業
現在の好調な流れをより確実なものとして需要を取り込むために新たなパーティーの企画・開催に取り組む。
加えて、既存店舗を改装(現在4店舗を予定)し、パーティー会場を増やす他、状況に応じて新規出店も個別に判断する。
今期のパーティー参加者数は前期比3割増の35万7,696名を見込んでいる。

また、前回のレポートで紹介したように、オンラインマッチング市場の拡大に鑑み、2017年11月、アメリカとカナダにおいてマッチングアプリ「Dine」を提供している株式会社Mrk&Coに出資(1億円)を行った。同社のアプリ「Dine」は、App storeのTop Featuredを両国で獲得しており、今後日本国内のスマートフォン市場向けオンラインマッチングアプリの提供を予定している。
パートナーエージェントは、2017年12月にはOTOCONとの初のコラボ企画を実施するなど、今回の出資により同社を支援し、将来的に、自社マッチングアプリのリリースも含め、自社の婚活支援サービスをはじめとする事業拡大につながるよう協力関係を強化していく考えだ。
 
③ソリューション事業
◎CONNECT-ship(コネクトシップ)
2018年4月から課金を開始した。
パートナーエージェントと他社間でコンタクト(お見合い)が成立した場合はコンタクト成立料を相手方となる他社から、他社(A社とB社)間のコンタクト成立については両社からコンタクト成立料を受領する。
現在、パートナーエージェントによる月間のコンタクト成立件数は約29,000件まで増加している。
「日本で一番お見合いが組めるオープンなプラットフォーム」を目指し、引き続き利用事業者及び利用者の増加に努め、また利用事業者との連携を強化してコンタクト成立件数の増加、顧客成果の最大化に努める。

◎地方自治体向け婚活支援ソリューション
婚活マッチングシステム「parms」の提案、導入、支援に注力する。
2018年6月には新たに埼玉県への「parms」提供が始まった。
埼玉県は出生率が全国平均よりも低く、未婚率は男女ともに年々上昇しており、この状況を改善するために、埼玉県は「SAITAMA 出会いサポートセンター」を開設し、少子化に歯止めをかけたいと考えている。
同社は「parms」の提供に加え、同センターの運営サポートも行う。
また、新たに地方自治体向けに婚活パーティー情報掲載サービスの開始を検討している。
 
④QOL事業
成婚会員向けサービスを引き続き充実させ、株式会社リクルートゼクシィなびと提携した全国の成婚会員向けの「式場紹介サービス」、「自社ブランドのブライダルリング販売」、「ライフステージの変化に応じた保険契約の見直しサービス」など、提携によるアイテム数の拡充と提供エリアの拡大による利用者増を図る。

加えて、結婚に関する価値観の多様化から、披露宴を行わずに近親者や友人とパーティーのみ行う、いわゆる「ナシ婚」の需要が拡大しており、新規事業として、近い友人とのお披露目パーティー等が開催できる会場の運営、パーティーやイベント開催を受託するサービスを検討している。
保育事業は前述のように事業譲渡して全保育施設の運営を移管。新たに保育士向けの婚活支援サービスを開始する。
 
 
今後の注目点
修正予想に対しても未達となったが、グラフのように、売上、利益ともに17年3月期第4四半期をボトムに上向いており、前期第4四半期の売上高は過去3年間の最高を更新した。
また、パートナーエージェント事業における新規入会会員数は通期累計では前期を下回ったものの、四半期ベースでは3四半期前の水準まで回復しており、新クリエイティブの効果が表れたようだ。
ただ会社側は認知度の向上がまだまだ不十分と考えており、今期も様々な取り組みを実施する。
コネクトシップの課金開始もあり、四半期ごとの主要指標及び売上・利益をウォッチするとともに、最高業績であった16年3月期までどの程度のスピードで回復していくのかを注目したい。
 
 
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2018年6月26日

<実施しない主な原則とその理由>
マザーズ上場企業として「当社はコーポレートガバナンス・コードの基本原則について、全て実施いたします。」と記している。
 
 
 
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