ブリッジレポート
(4290:東証1部) プレステージ・インターナショナル 企業HP
玉上 進一 社長
玉上 進一 社長

【ブリッジレポート vol.28】2018年3月期業績レポート
取材概要「ファーストコンタクトから現場対応までをグループで一貫して提供できる事が同社の強み。創業から手掛けるコンタクトセンターは質の高い・・・」続きは本文をご覧ください。
2018年8月1日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社プレステージ・インターナショナル
社長
玉上 進一
所在地
東京都千代田区麹町2-4-1
事業内容
コールセンター活用のBPO。自動車の事故、故障対応や金融関連が主業。不動産分野に注力
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2018年3月 33,119 4,230 4,638 2,936
2017年3月 29,477 3,768 4,124 2,789
2016年3月 27,328 3,345 3,717 2,668
2015年3月 24,236 3,151 3,182 1,957
2014年3月 22,223 2,809 2,704 1,981
2013年3月 24,225 2,380 2,158 1,409
2012年3月 23,385 2,621 2,651 1,543
2011年3月 19,210 2,291 2,360 1,145
2010年3月 16,174 2,390 2,434 1,587
2009年3月 14,729 2,316 2,311 1,410
2008年3月 13,438 1,806 1,817 1,074
2007年3月 12,829 1,631 1,634 877
2006年3月 10,040 1,298 1,206 655
2005年3月 8,306 1,052 1,055 566
2004年3月 7,101 458 387 353
株式情報(7/18現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,502円 63,852,080株 95,905百万円 13.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12.00円 0.8% 50.19円 29.9倍 373.34円 4.0倍
※株価は7/18終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
プレステージ・インターナショナルの2018年3月期決算の概要と2019年3月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「エンド・ユーザー(消費者)の不便さや困ったことに耳を傾け、解決に導く」という経営理念の下、国内外でBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を展開している。サービスの主なものは、自動車保険加入者にサービスを提供するロードアシスタンスサービス(電話対応から現場でのサービスまで)、海外旅行損害保険加入者向けの日本語緊急コンタクトセンターサービス、物件の管理会社等と契約しマンションの入居者に提供するホームアシストサービス(水漏れ、鍵開け、ハウスクリーニング等)、駐車場管理会社向けのパークアシストサービス等。いずれのサービスも馴染みはあるが、B2Bの事業形態をとっているため、言い換えると、サービス提供の際はクライアント企業(損害保険会社、自動車関連会社、不動産管理会社等)の社名を名乗って対応するため、“プレステージ・インターナショナル”という同社の社名を耳にする事は少ない。
 
【グループ経営理念とグループ事業方針】
グループ経営理念
エンド・ユーザー(消費者)の不便さや困ったことに耳を傾け、解決に導く事業創造を行い、その発展に伴い社会の問題を解決し、貢献できる企業として成長する。
 
グループ事業方針
プレステージ・インターナショナルグループは、社会に必要とされ、クライアント企業から信頼され、エンド・ユーザーから感謝されるソリューションを提供できるグループを標榜し、社会貢献を常に念頭におきながらクライアント企業、株主、社員、地域と共に繁栄できるグローバルカンパニーを目指します。
 
 
【事業セグメントの概要】
18/3期の売上構成比は、ロードアシスト39.9%(17/3期38.5%)、プロパティアシスト13.2%(同12.8%)、インシュアランスBPO11.1%(同12.2%)、ワランティ13.0%(同13.5%)、カスタマーサポート18.3%(同17.5%)、ITソリューション及び派遣・その他4.5%(同5.5%)。
 
 
【特徴】
玉上社長が、7年間にわたる海外生活で言葉や文化の違いにより不便な思いをした経験から、「海外でも日本にいるときのように高品質で心のこもったサービスを受ける事ができればいいのに…。」という思いが会社設立(1986年10月)の動機。その翌年にニューヨークへ進出し、トラブルに遭った日本人からの問い合わせに24時間日本語で対応するサービスを開始した。その後、アジア、ヨーロッパの主要都市にネットワークを広げると共にサービス内容を拡充。国内でのサービスも育成して業容を拡大した。

2001年7月にヘラクレス市場に上場を果たし、2003年10月には、秋田県秋田市に緊急要請を24時間年中無休で受け付けるコンタクトセンターを開設(現「秋田BPOキャンパス」WEST棟650席)。「長期的かつ安定した人材の確保によってはじめて顧客への安定したサービスの提供が可能になる」との考えから開設した同キャンパスは、その後、07年EAST棟(550席)、12年サテライト棟(300席)と規模を拡大。高品質のインフラに対するクライアントからの評価は高く、ショールームとしての役割に加え、秋田での新たな雇用創造の一翼も担っている。2012年12月の東証2部上場を経て、2013年12月に東証1部指定を達成した。
 
【強み】
同社の強みは、安定したストックビジネス、高品質なサービスを支えるサービス拠点、そして、この結果としての高い収益性と経営効率を実現している事。
 
(1)安定したストックビジネス
クライアント企業である損害保険会社等の既存顧客向け付加価値サービス(保険特約)が中心のため、外部環境による収益の振れが比較的小さい。主たる業務委託契約フィーは、サービス対象者数×予想利用率によって算出され、サービス対象者やサービス対象者一人当たりの利用が増えると、翌期の委託契約フィーに反映される。特に自動車のトラブル対応は認知度の向上で導入企業や利用者が増加しており、継続的なサービス対象者数の増加と利用率の向上につながっている。自動車メーカーや販売会社がサービス収入の拡大に力を入れている事も追い風となっている。不動産関連サービスも同様に、フローの物件売り切りビジネスに依存していたマンションデベロッパー等がストックビジネスとして強化している事が追い風になっている。また、海外事業として手掛けているヘルスケア・プログラム(海外赴任での健康トラブル対応)は、業績改善による企業活動の活発化で需要が増えている。
 
(2)高品質なサービスを支えるサービス拠点
同社は、秋田、山形、富山にコンタクトセンターを展開しており、現場対応については、中間持株会社(株)プレミアアシストホールディングス傘下の、(株)プレミアロードアシスト、(株)プレミアホームアシスト、及び(株)プレミアパークアシストの3社が全国の主要都市に展開している(政令指定都市全てをカバーする事を目標としている)。
 
人材の安定化を求め地方都市に展開するコンタクトセンター
高品質なサービスの提供を実現するべく、国内にコンタクトセンターを保有し現場部隊を内製化すると共に、世界14ヶ国17拠点のグローバルネットワークを有する。コンタクトセンターは人材の安定化を念頭に地方都市に開設しており、現在の稼働施設は、秋田BPOメインキャンパス※(秋田県秋田市)、山形BPOガーデン(山形県酒田市)、秋田BPOキャンパスにかほブランチ(秋田県にかほ市)、及び富山BPOタウン(富山県射水市)、及び秋田BPO横手キャンパスの5施設。
※秋田BPOキャンパスのこと
 
総席数:1,500席
投資額:約40億円
託児所、カフェテリア、社員寮、自動車整備工場、研修施設、自家発電装置等を完備。
 
総席数:500席
投資額:約11.8億円
託児所、カフェテリア、研修施設、自家発電装置、社員寮、駐車場等
 
総席数:1000席
投資額:約30億円
託児所、カフェテリア、社員寮、研修施設、自家発電装置、駐車場(1,010台)
東日本大震災以降のBCP(事業継続計画)に対する意識の高まりに応えるべく、秋田BPOキャンパスや山形BPOガーデンから遠く離れた富山県射水市に開設された。2015年4月に130名(700席)でサービスを開始、同年12月には1,000席体制が整った。3〜5年後のフル稼働を目指して継続的にオペレーションのできる人財の増員を図っていく考え。
 
秋田BPOキャンパスはキャパシティ率(従業員数/席数)が100%に達し、稼働率は100%を超えている。2014年8月に開設した秋田BPOキャンパスにかほブランチ(秋田県にかほ市)も120名前後(150席)が常時勤務しフル稼働に近いため、2017年4月に横手市庁舎(秋田県横手市)の一室に仮センターを開設し、秋田BPO横手キャンパス(仮)を立ち上げた。2019年4月の竣工・本格稼働(500席)に向け建設工事が進行中である。
 
全国主要都市において現場部隊を内製化  −独自ブランドPremierAssist(プレミアアシスト)の展開−
ロードアシスト、ホームアシスト、パークアシストでは、全国主要都市に内製化した現場部隊を展開している。トラブル現場で顧客対応するスタッフは清潔感のあるユニフォームで統一された正社員である。スタッフには定期的にマナー講習等が実施され、サービス品質向上への取り組みには余念がない。同社グループ企業の正社員による現場対応への評価は高く、競争力の源泉となっている。また、グローバルネットワークを有し、各海外拠点では、海外で病気・ケガをした際の医療費の査定やキャッシュレスで受診可能な病院ネットワークの開拓を行っている。
 
 
2018年3月期決算
 
 
前期比12.4%の増収、同12.3%の営業増益
売上高は前期比12.4%増の331億19百万円。新規クライアントの獲得が進んだ事に加え、エネルギー自由化に関連するサービスの寄与もあり、主要セグメントで売上が増加した。

利益面では、富山BPOタウン(15年4月オープン)の稼働率が想定を下回った事等で売上総利益率が0.9ポイント低下した他、現場対応グループ会社の拡充や海外拠点の新設等の先行投資もあったが、売上の増加で吸収して営業利益が42億30百万円と同12.3%増加。為替差益1億68百万円(17/3期1億68百万円)や持分法投資利益1億64百万円(同1億53百万円)の計上で経常利益は46億38百万円と同12.5%増加。固定資産売却益や補助金収入の減少による特別利益の減少や税負担率の上昇を吸収して当期純利益は29億36百万円と同5.3%増加した。

同社単体、国内グループ企業、及び海外グループ企業別では、売上構成比(単純合算)は、同社単体58.7%、国内グループ企業28.3%、及び海外グループ企業13.0%。利益ベースでは、42.8%、32.2%、25.0%。現場対応グループへの先行投資で国内グループ企業の比率が低下し、査定業務の国内グループ企業への移管で海外グループ企業の比率も低下した。
 
 
ロードアシスト事業
売上高132億03百万円(前期比16.3%増)、営業利益14億73百万円(同17.3%増)。自動車メーカー向けの既存受託業務拡大に加え、5月にサービスを開始した大型クライアントの寄与もあり、売上が増加。下期以降、現場対応グループ会社の拡充等、先行投資が実を結び、下期にかけて利益率の改善が進んだ(上期は、前年同期比12.7%の増収、同6.7%の減益)。
 
プ口パティアシスト事業
売上高43億86百万円(前期比15.9%増)、営業利益3億58万円(同64.7%増)。既存取引先向けの業務が拡大する中、エネルギー自由化関連サービスで新たに1社を獲得する等でホームアシストの売上が増加した。利益面では、下期以降、現場対応グループ会社の拡充等の先行投資が実を結び利益率の改善が進んだ(上期は、前年同期比12.8%の増収、同13.4%の減益)。
 
インシュアランスBPO事業
売上高36億75百万円(前期比2.4%増)、営業利益5億11万円(同12.5%減)。海外駐在員向けサービス(ヘルスケア・プ口グラム)の新規クライアントの獲得で通期売上は増加したが、下期は同サービスの案件数の減少と年明け以降の円高で前年同期比減収。利益面では、売上が伸び悩む中、システム投資等が負担になった。クライアントからは拠点拡充の要望が強く、今期はインドが本格稼働し、来期はメキシコが本格稼働する。
 
ワランティ事業
売上高43億09百万円(前期比8.5%増)、営業利益9億61万円(同15.7%増)。家賃債務保証プログラム、自動車延長保証、住宅設備延長保証等を中心に売上が増加した。家賃債務保証プログラムは子会社(株)イントラストが手掛けており、事業規模の拡大に伴うスケールメリットや家賃保証関連のソリューションの好調で利益率も改善傾向にある。
 
力ス夕マーサポート事業
売上高60億56百万円(前期比17.5%増)、営業利益9億14万円(同18.0%増)。既存業務の拡大と4月にサービスを開始した新規クライアント向けの寄与でコールセンターサービスの売上が伸びた他、海外カードサービスも増加した。新規クライアントのオペレーションの安定化で、下期は利益率の改善も進んだ。

上記の他、ITソリューション及び派遣・その他は、介護事業を中心に派遣の売上が増加したものの、新規案件の寄与で前期の売上・利益が押し上げられた反動によるITソリューションの売上減少をカバーできなかった。
 
 
期末総資産は前期末との比較で41億09百万円増の342億95百万円。借方では、現預金や余資運用の一環としての投資有価証券の他、期末の曜日の関係で売上債権・立替金が増加。貸方では、未払い法人税等や純資産が増加した。自己資本比率69.5%(前期末70.1%)。
 
 
利益の増加と運転資金の減少で営業CFが43億23百万円と同42.6%増加した。投資CFは余資運用の一環としての投資有価証券の取得に伴う支出が中心。財務CFは、子会社(株)イントラストの株式売り出しによる収入7億円があったものの、長期借入金の返済と配当の支払いで支出が超過した(前期は子会社上場の影響があった)。
 
 
2019年3月期業績予想
 
 
前期比8.7%の増収、同11.1%の営業増益予想
売上高は前期比8.7%増の360億円。家賃債務保証をけん引役にワランティ事業の売上が同16.0%増と伸びる等、主要セグメントで前期比8〜16%の増収が見込まれる。営業利益は同11.1%増の47億円。プロパティアシスト事業等で先行投資が続くものの、富山BPOタウンや現場対応グループの稼働率の改善で吸収する。
設備投資は、富山総合研修センター(10億円)やIT投資等で20億円(前期7億02百万円)を計画しており、減価償却費は11億円(同9億68百万円)を織り込んだ。

配当は1株当たり上期末6円、期末6円の年12円(予想配当性向23.9%)。記念配当2円を落として、普通配当を2円増配。
 
 
ロードアシスト事業は損保向けサービスの安定成長と自動車メーカー向けサービスの拡充で安定した成長が続く見込み。プロパティアシスト事業は事業領域の拡大で二桁増収が続く見込みで、サービス開発に伴う先行投資を既存サービスの収益性改善で吸収する。インシュアランスBPO事業はヘルスケア・プログラムが成長ドライバー。為替の想定が106.3円と保守的な事もあり、利益の伸びは売上の伸びを下回る見込み。ワランティ事業は収益性の高い家賃保証関連ビジネスがけん引。新規サービスの開発も進める。カスタマーサポート事業は海外カード事業も含めて安定成長が見込まれる。BPO拠点活用によるサービス価格向上に力を入れる。
 
 
 
中期事業計画「HOP3」(19/3期〜21/3期)
 
【前中期経営計画(16/3期〜18/3期)】
人材採用の遅れ等で売上高が未達に
18/3期に終了した前中期経営計画(16/3期〜18/3期)では、定量的な目標として、売上高350億円、営業利益率13%(営業利益45億50百万円)、ROE15%、ROA10%、連結配当性向20%を掲げていた。新規クライアントの獲得やエネルギー自由化に関連したサービスの開発・提供等が順調に進んだが、人材採用の遅れで売上高が目標に届かず、営業利益率も12.8%と目標をわずかに下回った。ROE・ROAについては、子会社イントラストのIPO(2016年12月、東証マザーズ上場)による影響を大きく受けたが、配当性向は26.0%(16/3期16.4%、17/3期20.4%)と目標を達成した。
 
 
定性的な目標は総じて達成
一方、定性的な目標としては、骨子として、①「継続的・安定的な成長」、②「プレステージ・インターナショナルでしか実現できないサービスの創造」、③「地方都市での雇用の創造・継続」、及び④「女性の雇用機会の創出」、の4つを掲げていた。
①については、売上高・営業利益共に16/3期から18/3期にかけて過去最高の更新が続いた。また、大手クライアントとのジョイントベンチャー設立のように、クライアントとの長期・安定的な関係の持続に向けた取り組みでも成果をあげた。②については、現場対応人員を15/3期末の335名から18/3期末450名に増員し、他社との差別化のポイントである現場対応専門グループ会社を強化した。③については、横手拠点の仮稼働もあり、従業員規模が順調に拡大した(地方拠点従業員数15/3期末2,088名→18/3期末2,754名)。④については、女性役員の登用に加え、地方でのスポーツ健康推進活動が評価を受けた他、SNSのフォロワー数が累計で2,000名を超える等、女子スポーツチームも地域に浸透しつつある。
 
各骨子における課題
①については、リソース不足で同社グループの案件対応率が目標の80%に届かなかったロードアシスト事業、中米・南アジア地域における拠点体制整備が遅れているインシュアランスBPO事業において、クライアント獲得機会の喪失が発生した。②については、ロードアシスト事業及びプロパティアシスト事業における現場対応専門隊員の多能工化が遅れている事に加え、PREMIER Assistの認知度向上も必要。③については、富山拠点は採用の遅れに加え、離職率が他の拠点に比べて高い。各拠点の文化に合わせて人事施策を実施する必要がある(18/3期 秋田7.8%、山形11.7%、富山15.2%)。④については、女性管理職比率の更なる引き上げに取り組む(18/3期 男性72.3%、女性27.7%)。
 
【新中期事業計画「HOP3」(19/3期〜21/3期)】
数値目標、4本柱、テーマ
数値目標は、売上高450億円、営業利益率14%、ROE15%・ROA10%、総還元性向30%。売上高については、市場の変化を見据えた新規分野の開拓と既存事業の拡充により、年率10%成長を維持する。営業利益はアプリ活用等で効率化を図ると共に、年率10%成長を維持する。ROEについては、財務レバレッジを有効活用し、ROAについては先行投資フェイズが続くものの資産の効率性を維持する。株主還元については、必要キャッシュポジションを月商3ヶ月分(年間売上高の1/4)とし、配当や自社株買いを実施していく。

定性的には、前中期事業計画で骨子としていた、①「継続的・安定的な成長」、②「プレステージ・インターナショナルでしか実現できないサービスの創造」、③「地方都市での雇用の創造・継続」、及び④「女性の雇用機会の創出」、を4本柱としている。①については、サービスの質向上や対応地域拡大により既存事業の深耕を図り、②については、既存の業界の枠を超えて、新たなサービスの提供領域を開拓する。③については、より広範囲の地域社会の活性化に寄与すると共に、若年層がやりがいを持って地域で活躍できる職場環境の整備に取り組む。④については、女性創造プログラムとライフサイクルに合わせたワークスタイルを推進する。

テーマとして、持続的な安定成長のための3要素である、「事業」、「地域創生」、及び「人財」を掲げており、上記4本柱を普遍的価値として継承しつつ、「事業」、「地域創生」、「人財」の3分野においてリテンション(囲い込み)サイクルの創造に取り組んでいく考え。
 
「事業」
ロードアシスト事業、インシュアランスBPO事業、及びカスタマーサポート事業において、市場の変化に合わせたターゲット市場の選択と集中、及び事業構造の変革を行い、プロパティアシスト事業、ワランティ事業において、これまでに培ってきたサービス提供のノウハウを活かして新規分野へ横展開していく。また、ファーストコンタクトから現場対応までをグループで一貫して提供できる事が同社の強みである事を踏まえて、事業横断的な現場対応グループ及び海外拠点の機能強化を継続する。

ロードアシスト事業では、成長フェイズにある自動車メーカー向けマーケットにおいて、ターゲットをインポーターから新たなアシスタントサービスに対するニーズが高まっている国産車メーカーにシフトさせつつ、重点投資していく(安定成長フェイズにある損保マーケットは利用率向上や共済保険会員の取り込みに注力)。
ポイントは、①マルチオペレーターや専門知識に精通したスペシャリストの育成等によるオペレーションの高スキル化、②迅速な対応を可能にするAIを活用したシステムの導入、及び③現場対応グループの継続的な拡充。現場対応については、富山総合研修センター開設による教育制度の統一と「PREMIER Assist」のブランディング(フィールドオペレーションのブランド化)に取り組むと共に、首都圏等の主要都市外でのフランチャイズ化と指定協力会社の組織化によりネットワークを強化する。これらの取り組みにより、18/3期に43.5%だったPIグループ現場対応率を21/3期に80%に引き上げる。

プロパティアシスト事業は多様なサービス領域を有しポテンシャルが特に高い。共用部対応と修繕(リフォーム)で新規事業を育成すると共に、住宅延長保証の付加価値としての「住宅カルテ」(物件価値の維持)の提供や点検サービスの提供先の拡大(デベロッパーから仲介会社へ)で既存事業を拡大させて行く。

インシュアランスBPO事業では、これまで海外旅行保険事業の一環として海外駐在員向けにヘルスケア・プログラムを提供してきたが、この4月からヘルスケア・プログラムをサービスのメインに据えた。18/3期に約31千人だったヘルスケア・プログラムの会員数を60千人に拡大させる考えで、目標達成に向けグローバルネットワークの強化に取り組む。7月にメキシコで業務を開始し、今期中にベトナム・カンボジアへ進出する予定(南アジアや中東を今後の注力地域としている)。また、プログラムの対象を留学生に広げる他、出国前検診等のサービスメニューの追加や緊急搬送・通訳手配の充実等、現場対応力も強化する。

ワランティ事業では、これまでに培ってきた保証サービスのノウハウを活かして、医療・介護保証や製品保証(通信分野等)等に横展開していく。

安定成長フェイズにあるカスタマーサポート事業においては、コンタクトセンターサービスは、富山BPOタウンを活用してクライアントとの強固なパートナーシップの下で提供する長期案件に限定して受託していく(大型案件であってもコンペ等には参加しない)。また、海外カードビジネスは米国に経営資源を集中していく。
 
「地域創生」
新施設の開設により雇用の創造と継続に取り組むと共に、地方創生活動に取り組んでいく。新施設の開設については、19/3期以降、下記の通り、秋田、山形、富山、青森で計画があり、地方創生活動への投資では、北陸で初めて開催されるファッションイベント「プレステージ・インターナショナル presents TGC TOYAMA 2018 by TOKYO GIRLS COLLECTION」(2018年7月21日 富山市総合体育館)にプラチナパートナーとして協賛する。
 
 
「人財」
主要地域の拠点を法人化(上席執行役員が常駐)し、拠点の状況に応じたマネジメントを強化する。また、同社初の女性取締役を選任し女性社員の活躍を支援していく他、ITシステムの強化によるオペレーション負担の軽減、福利厚生の充実・評価制度の整備にも取り組む。18/3期末の拠点従業員数は2,754人(キャパシティ3,300人)だが、21/3期末までに4,000人(同4,500人)に引き上げたい考え。
 
 
今後の注目点
ファーストコンタクトから現場対応までをグループで一貫して提供できる事が同社の強み。創業から手掛けるコンタクトセンターは質の高い顧客対応力が評価されており、リーマン・ショック前後から強化してきたフィールド部隊は、現在、国内で唯一、全国レベルでの対応力を有する。
ただ、コンタクトセンター、フィールドサービス共に、人でしかできないサービスである。このため、中期事業計画「HOP3」(19/3期〜21/3期)の目標達成にあたっての最大のリスクは「人」だ。前中期事業計画では、特に富山での採用の苦戦が響き、一部の数値目標を達成する事ができなかった。ただ、富山よりも人口が少なく採用が難しいはずの、にかほや横手では人の確保が富山よりも順調なようだ。秋田BPOキャンパスで教育を受けた後、にかほや横手といった働きやすい場所で働く事ができる。秋田県では就業場所が点から線、更には面へと広がりつつあり、採用しやすくなっている。これまでは大きな拠点で多くの人財を確保する戦略だったが、今後は、核となる拠点を中心に、そのサテライト的なオフィスを増やし、徐々にオフィスの規模を拡大してスケールメリットを追求していく考え。
一方、フィールド部隊については、これまで育成プログラムが十分ではなかった、という反省がある。需要に応じるべく教育・研修が不十分な状態で現場に送り出されるケースが少なくなく、離職の要因になっていたと言う。このため、来年6月、富山BPOタウンに総合研修センターの開設を計画している。同社の手が届き難い地方についてはフランチャイズ化を進め、教育・研修やファイナンス等も含めて支援していく。長期的にはフィールド部隊の育成と充実による高付加価値化が期待できるが、自社のフィールド部隊の拡充も含めて、当面は投資フェイズが続く見込みだ。
 
 
 
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
 
 
◎コーポレート・ガバナンス報告書       更新日:2018年7月9日
基本的な考え方
当社におけるコーポレート・ガバナンスとは、エンド・ユーザー、クライアント企業、株主、社員、地域等の各ステークホルダーとの関係における企業経営の基本的な枠組みのあり方と理解しております。当社及び当社グループとして、コーポレート・ガバナンスの充実・強化は株主利益および企業価値向上のための責務と考えており、以下の方針を定めております。

1 株主の権利を尊重し、平等性を確保します。
2 各ステークホルダーとの適切な協働を図ります。
3 会社情報を適切に開示し、透明性の確保を図ります。
4 公正・透明で迅速果断な判断を可能にする取締役会等の体制の構築に取り組みます。
 
<開示している主な原則>
原則3-1(情報開示の充実)
(1)当社は「エンド・ユーザー(消費者)の不便さや困ったことに耳を傾け、解決に導く事業創造を行い、その発展に伴い社会の問題を解決し、貢献できる企業として成長する」を経営理念としております。具体的な経営戦略、経営計画につきましては、2018年5月11日付で開示しております「中期事業計画」をご参照下さい。
(2)当社におけるコーポレート・ガバナンスとは、エンド・ユーザー、クライアント企業、株主、社員、地域等の各ステークホルダーとの関係における企業経営の基本的な枠組みのあり方と理解しております。当社及び当社グループとして、コーポレート・ガバナンスの充実・強化は株主利益および企業価値向上のための責務と考えており、以下の方針を定めております。
1 株主の権利を尊重し、平等性を確保します。
2 各ステークホルダーとの適切な協働を図ります。
3 会社情報を適切に開示し、透明性の確保を図ります。
4 公正・透明で迅速果断な判断を可能にする取締役会等の体制の構築に取り組みます。
5 株主との適切な対話を行ないます。

原則5-1(株主との建設的な対話に関する方針)
当社では、経営戦略本部を担当部署としております。
株主や投資家に対しては、決算発表後に決算説明会を開催するとともに、逐次、各BPO拠点見学を兼ねた説明会やスモールミーティングを実施しております。また、海外機関投資家向けにスモールミーティングも実施しております。
株主・投資家との建設的な対話を促進するための体制・取組みに関する基本方針は以下のとおりになります。
(1)株主との対話については、建設的な対話が実現するよう、代表取締役又はIR担当執行役員が直接面談に臨むことを基本としております。
(2)IR担当の執行役員は、経営戦略本部を管掌し、財務経理本部等を含めて他部署と十分な連携をとれる横断的な体制を構築しております。
(3)株主構造の把握に努めるとともに、決算説明会および各BPO拠点において個人投資家向け説明会を実施しております。
(4)代表取締役およびIR担当執行役員は、取締役会および執行役員会において対話の状況について定期的にフィードバックを行なっております。
(5)決算説明会および株主との面談は、すでに開示されている情報を敷衍して説明することとしており、開示されていない重要事実に該当する事実については開示・説明しない方針であります。かかる措置は、株主間の公平、市場の健全性の確保のほか、株主の自由な株式売買を保障するうえで必要な措置と認識しております。
 
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