ブリッジレポート
(2687) 株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア

東証1部

ブリッジレポート:(2687)シー・ヴイ・エス・ベイエリア vol.54

(2687:東証1部) シー・ヴイ・エス・ベイエリア 企業HP
泉澤 豊 会長
泉澤 豊 会長

【ブリッジレポート vol.54】2019年2月期第3四半期業績レポート
取材概要「今期より主力事業はホテル事業及びマンションフロント事業及びクリーニング事業となる。事業を大きく転換した影響を残したこともあり・・・」続きは本文をご覧ください。
2019年2月20日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア
会長
泉澤 豊
所在地
千葉県千葉市美浜区中瀬1-7-1 CVSベイエリアビル
決算期
2月
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2018年2月 29,394 13 90 -279
2017年2月 29,452 -33 213 94
2016年2月 29,193 151 145 198
2015年2月 28,726 230 278 225
2014年2月 30,193 50 167 -878
2013年2月 27,190 -426 -354 -880
2012年2月 26,882 338 342 -369
2011年2月 28,635 601 650 233
2010年2月 26,322 416 610 235
2009年2月 25,271 571 334 -78
2008年2月 24,277 623 446 216
2007年2月 23,347 699 610 310
2006年2月 22,332 1,018 1,055 600
2005年2月 20,956 1,081 1,101 578
2004年2月 17,236 946 1,048 499
2003年2月 14,024 880 878 390
株式情報(2/15現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
759円 4,936,270株 3,747百万円 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
30.00円 4.0% 806.28円 0.9倍 377.74円 2.0倍
※株価は2/15終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE・BPSは2018年2月期実績。数値は四捨五入。
 
シー・ヴイ・エス・ベイエリアの2019年2月期第3四半期決算と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
(1)沿革 1981年2月設立。「日常生活の便利さを提供できる会社になりたい」を企業理念とし、直営店主体のコンビニ事業をスタート。その後、クリーニング事業及びマンションのフロント(業務)受託事業、ビジネスホテルの運営などに事業を拡大。2015年7月には東京都中央区にユニット型ホテル(カプセルホテル)の1号店となる「東京銀座BAY HOTEL」を開業し、ユニット型ホテル事業を立ち上げた。 2018年3月、会社分割によりコンビニエンス・ストア事業の一部を、企業フランチャイズ契約を締結していた株式会社ローソンおよびローソンが新設する子会社へ譲渡した。マンションフロントサービス事業の事業領域拡大、ホテル事業の更なる強化のほかM&Aなどにより、常にチャレンジを続ける企業文化の下、「選択と集中」により成長企業への回帰を目指す。 2000年12月、大阪証券取引所ナスダック・ジャパン(現:JASDAQ)市場に株式上場。2006年2月には東京証券取引所市場第一部へ昇格している。 (2)成長企業への回帰を目指し事業の選択と集中を実施 2017年11月22日、同社と株式会社ローソンは、両社の取締役会において、CVSベイエリアのコンビニエンス・ストア事業の一部(直営店91店舗及び加盟店5店舗の合計96店舗。以下、対象事業とする。)をローソン社及び、ローソン社が直営店舗の運営を承継する目的で新設する株式会社ローソンアーバンワークスに承継させる2つの吸収分割を行うことを決議した。 【吸収分割の概要】 CVSベイエリアは、対象事業に関して有する資産・債務その他の権利義務を、ローソン及びローソンアーバンワークスに承継した。効力発生日は18年3月1日。なお、同社のコンビニエンス・ストア店舗数は、18年2月末時点で104店舗であった。 分割の対価として、ローソン社より現金約44億37百万円、ローソンアーバンワークスより現金約3億33百万円の合計47億70百万円がCVSベイエリアに対して交付され、店舗内装資産、商品在庫高や引当金などの増減を差し引いて約35億円が19/2期1Qに特別利益として計上された。 この分割によりCVSベイエリアの従業員約230名のうち約160名程度がローソンアーバンワークスに承継されたほか、CVSベイエリアとフランチャイズ契約を締結している加盟店は、分割の効力発生日においてCVSベイエリアをサブ・フランチャイズ本部とする契約から、ローソンとのフランチャイズ契約に変更となっている。 【分割の目的・背景】 ① 厳しさを増すコンビニエンス・ストアの事業環境 CVSベイエリアは、創業以来35年に亘り、コンビニエンス・ストアの店舗運営事業を展開し、2017年11月時点で107店舗まで店舗を拡大させてきた。 しかし、首都圏における大手コンビニチェーンの店舗数が毎年大幅に増加していることで新たな出店余地が狭まってきていることに加え、同社の主力出店地域である東京都心部においては、売上が見込める好立地は各社の出店意欲が高く、結果として店舗賃料水準が大幅に上昇していることなどから、収益性重視の観点から出店を見送らざるを得ないなど、新規出店による継続的な事業規模の拡大を図ることが難しくなっている。 加えて、近年のコンビニ業界の再編を受け、同社の出店エリアである東京都・千葉県内においては直近2年間で約500店弱の店舗が大手ブランドの店舗へと転換され、さらに今後1年間でもほぼ同数の店舗数が転換される見通し。大手チェーンによる寡占化がより進行することで、100店舗程度の規模であるゆえ可能な独自商品の調達やサービスの提供など、同社ならではの強みを活かせる幅が狭まる可能性があることなどが要因となり、コンビニエンス・ストア事業の方向性を検討することとした。 ② 成長のための資金調達が必要なホテル事業 一方、2015年夏より積極的に拡大しているホテル事業は、着実に稼働率や売上高は上昇しているが、開業時計画と比較し収益化に時間を要しているほか、各施設への設備投資額が大きいため負債額も増加。今後のホテル施設の開業や不動産投資を進めるために資金調達方法を検討していた。 ③ 選択と集中を実行。ホテル事業の強化、新規事業の創出に注力 こうした現状を踏まえ、各種検討を行った結果、ローソンが有する経営資源や出店交渉力に、同社が創業以来培ってきた店舗運営力を組み合わせることで、より付加価値の高いサービス提供が可能となり、対象事業の更なる発展が期待できると判断した。 加えて、今後も市場の拡大が見込まれるホテル事業の強化や、新規事業の創出などへの取り組みに経営資源を集約するとともに、バランスシートの改善を図ることが、中長期的に経営を安定させ、株主価値の最大化に資するものと判断し、ホテル施設に併設する店舗や今後閉店を見込む店舗などの一部店舗を除き、対象事業において同社が有する資産・債務その他の権利義務を吸収分割によりローソン及びローソンアーバンワークスに対し、承継することとした。 コンビニエンス・ストア事業を除いた2018年2月期の売上(事業収入)構成比はトップがマンションフロントサービス事業、2位がホテル事業、3位がクリーニング事業となる。 19/2期以降、主力事業はマンションフロントサービス事業となるが、コンビニエンス・ストア事業も一部継続するほか、ホテル事業の拡大、早期収益化に向けた各種施策の実行による既存ユニット型ホテル施設の早期収益化を図るとともに、新たな施設の開業のほか不動産投資事業やM&Aなどの新事業の創出などにより、数年内に分割対象事業の収益を補完することを目指す。 ① マンションフロントサービス事業 2019年2月以降の主力事業。連結子会社(株)アスクほか地域運営会社3社が提供。 【事業内容】 マンション共有施設の案内や宅急便、クリーニングの取り次ぎ等、マンションのフロント業務を手掛けるマンションフロント(コンシェルジュ)サービス、レジデンスサポート(メンテナンスサポート、ハウスクリーニング事業者紹介等)、ミニショップやカフェの運営、更にはカーシェアリング等を手掛けている。 業界トップのマンションフロントサービスでは、首都圏を中心に997件(2018年11月末時点)の施設を受託。マンション内居住者同士のコミュニティ構築支援を目的とした、イベント開催やお祭り開催支援などのサービスも提供し、入居者の満足度向上を目指している。 また、(株)FA24との間で「クリーニング取次ぎ」や「ハウスクリーニング」サービスにおける相乗効果の創出を目指している。 ②ホテル事業 今後の成長性や事業規模の観点から同社が最も注力していくのがホテル事業である。 【事業概要】 ホテル事業は、ビジネスユース及びレジャーユースを対象とし、千葉県市川市及び18年6月より浦安市で運営を行っている「ビジネスホテル事業」(18/2期の事業収入構成比約32%)と、低価格ながらもより快適な空間を提供することで新たな需要を取り込むことを目指す「ユニット型ホテル事業」(同約68%)によって構成されている。 <ビジネスホテル事業> (概要) JR京葉線市川塩浜駅前の自社所有地で、コンビニ併設の108室規模(シングル54室、ダブル12室、ツイン41室、バリアフリー1室)のビジネスホテル「CVS・BAY HOEL」を運営している。 JR京葉線 市川塩浜駅は東京駅から8駅22分、東京ディズニーリゾートのある舞浜駅まで2駅6分、幕張メッセがある海浜幕張駅まで14分の好立地。価格競争力も強く、平日はビジネス客、週末はレジャー客と安定した集客を誇る。 近隣テーマパークの入園者や、都心部でのインバウンド顧客の需要増加を背景に近年は稼働率が高まっており、15年12月に隣接する借地においてシングル11室、ツイン38室、ファミリー2室、ユニット区画20室(女性専用)、3階建ての新館を開業した。本館よりもやや広いゆとりのある客室空間を提供し、やや高めの宿泊料金で本館と差別化を図っている。 女性専用ユニット区画は安心清潔が好評で、18年2月期の稼働率は全体の73.9%に対し、77.6%と高稼働率となっている。 *「市川塩浜第1期土地区画整理事業」現況 同事業は約116,000㎡(うち約43,500㎡が民有地)を対象とし、17年6月より土木(整地・道路)工事に着手済みで、現在は道路工事を実施中。同社は、地権者の減歩(換地処分が行われた際に、処分後の土地面積が従前よりも減ること)などにより捻出された保留地(約11,000㎡)を17年1月、全額借入により約18億円で取得した。取得決議時と比較し建設コストの上昇や新浦安地区での競合ホテルの開業計画を勘案し、今後の自社活用地を除き、特定目的会社へ従前所有地、保留地の一部を売却した。 同社が従前より保有する土地は、換地によりホテル用地の一部に充当されている。 これらにより19/2期に特別利益26億87百万円を計上している。 <BAY HOTEL浦安駅前オープン> 18年6月9日に千葉県浦安市の東京メトロ東西線「浦安駅」徒歩1分の好立地に長期滞在にも快適なアパートタイプホテル「BAY HOTEL浦安駅前」をオープンした。 お風呂とトイレが別々、キッチン付で複数名での長期滞在可能なアパートタイプホテル。出張などのビジネス客から学生の就職活動、家族やグループ旅行に適している。 同社のホテル事業としては新たな取り組みとなり、注目される。 <ユニット型ホテル事業> (背景) 都心部を中心に増加を続ける「宿泊需要」は量だけでなく、質にも大きな変化が生じている。 国内では成田空港へのLCC各社の就航と成田への格安バス(高速バス)の拡充、海外からはアジア各国の成長による観光需要の増加とLCC各社の日本路線の新規開設。 これらを背景に国内では都心部の宿泊料金上昇に伴い低価格な宿泊施設への需要が増加。また、海外からの訪日経験者が増えるに従い、気軽な旅行者が増加し、低価格化した交通費と合わせた旅行費用の低予算化が進んでいる。 一方、従来の都心での宿泊事情は、観光客、ビジネス客、女性客がシティホテルやビジネスホテルを利用するのに対して、価格の安いカプセルホテルは仕事や飲酒で終電に乗り遅れた客が利用するもので、「自宅の睡眠替わり」、「安いが汚い」といった芳しくないイメージが定着していた。 こうした中、宿泊需要を獲得するためには若者や女性、外国人観光客など新たな顧客層を獲得するためのイノベーションが不可欠と考えた同社が、より快適で安心な空間を低価格で提供することでこれらの需要を取り込むためにスタートさせたのが「スマートホテル」である。 (概要) 「スマートホテル」は、賃借した既存建物をコンバージョンして運営するユニット型ホテル。第1号物件として15年7月に「東京銀座BAY HOTEL」を開業。18年11月末現在、東京都心を中心に6施設の運営を行っている。 「日本らしさ」をコンセプトに内装やユニフォームを統一。また、「共有スペース」や「パブリックスペース」などをゆとりある配置とすることで出張や観光需要にとどまらず女性客や外国人観光客獲得を目指している。
 
 
2019年2月期第3四半期決算
前年同期比62.8%の減収、58.5%経常減益 営業総収入は前年同期比62.8%減の83億55百万円。コンビニエンス・ストア事業の再編による店舗数の大幅な減少を受け、全店売上高が減少したことによるもの。ホテル事業及びマンンションフロントサービス事業、クリーニング事業はいずれも増収。一般管理費において、特別利益の計上に伴う外形標準課税の付加価値割部分の増加を受け租税公課を前年同期と比較して55百万円増の1億35百万円計上していたこともあり、営業利益は同18.6%減の72百万円。コンビニ事業が減益だが、ホテル事業やマンションフロントサービス事業は大幅な増益。また、所有する投資不動産に係る修繕工事の一部において、前期から今期に完工時期がずれ込んでいた工事が完工したことで、営業外で不動産管理費用が前年同期と比較して増加、経常利益は前年同期比58.5%減の65百万円となった。一方、株式会社ローソン及び株式会社ローソンアーバンワークスに対し、コンビニエンス・ストア事業の一部を吸収分割方式により承継したことに対する移転利益35億43百万円、保有していた市川塩浜地区の土地の売却に伴う固定資産売却益26億87百万円を特別利益として計上した。これらにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は4,187百万円(前年同期は57百万円)となった。 ホテル事業 事業収入12億84万円(前年同期比20.8%増)、セグメント利益1億41百万円(前年同期は1百万円)。 ホテル業界では、関西地区や北海道で発生した自然災害の影響により、大幅な伸長を続けていた訪日外国人観光客数が一時的に減少に転じたものの、影響は範囲・期間ともに限定的であった。国内全体の宿泊需要は継続して拡大しており、主要都市を中心にホテルの稼働率、客室単価ともに堅調に推移している。しかしながら、東京五輪に向けて新規ホテルの相次ぐ開業が予定されており、需要の伸長を上回る供給客室数の増加による競争環境の激化が懸念されている。 こうした中、ビジネスホテルでは「CVS・BAY HOTEL本館」及び「CVS・BAY HOTEL新館」は、東京ディズニーリゾートの来場者数が過去最高を更新したことや、幕張メッセ来場者の数多くの利用もあり、高稼働を維持している。また、18年6月に地下鉄東西線浦安駅前に開業した「BAY HOTEL浦安駅前」では、各部屋にキッチンや洗濯機を完備することで、3名以上のグループや長期滞在の顧客などの新たな顧客層の獲得を進めており、開業後の稼働率は計画を上回って推移している。 ユニット型ホテル施設では、開業から2~3年が経過したことで、リピーター顧客が増加していることに加え、前期より認知度のさらなる向上のため、海外オンライン旅行会社サイトとの提携を強化し、訪日外国人観光客の獲得を進めてきたことで、外国人宿泊比率の上昇とともに稼働率は順調に伸長している。 マンションフロントサービス事業 事業収入43億80百万円(前年同期比0.4%増)、セグメント利益2億31百万円(同75.3%増)。 マンション業界では、首都圏内の大型マンションにおいて建設コストの高止まりが影響し、販売に陰りが見られる。一方、東京五輪の選手村を活用したマンションの予約販売が本年の初夏頃から予定されるなど、今後も一定数の供給は続く。しかし、マンション建設に適した用地の不足から1棟当たりの戸数が小規模な物件が増える傾向にあり、新規販売戸数の大幅な増加を見込むことは難しくなっている。 こうした中、同社ではマンションコンシェルジュによるワンランク上のマンションライフの実現に努めており、独立系の企業として業界トップシェアを有している。また、コンシェルジュの接客レベルの向上のため、定期的に社内研修を継続して実施している。 また、新たな成長領域への取り組みとして、18年6月より関西地区において複数の公共施設内の受付業務を受託するなど、企業やシェアオフィス、公共施設の受付やコンシェルジュ業務の獲得を進めている。 3Q末現在の総受注件数は、収益性を重視した運営体制構築のため、不採算物件の解約を順次進めていることで、2Q末比14件減少し、997件となった。なお、1Qより、従来までのフロントサービス受託件数に加え、マンション住居者向けポータルサイト「OICOS」及びカーシェアリングサービス「カテラ」単独での導入物件数、人材派遣先企業数を加えた総受注件数に記載内容を変更している。人材派遣サービスの収支改善や不採算物件の解約が進んだことで、大幅な増益となった。 クリーニング事業 事業収入9億88百万円(前年同期比2.1%増)、セグメント利益47百万円(同0.5%減)。 クリーニング業界では、クールビズの定着や衣類の機能性向上の影響などにより、クリーニング支出額は年々減少しており、クリーニング所・取次店の閉鎖が進むなど、近年のクリーニング業界を取り巻く環境は厳しさを増している。 こうした中、同社ではマンションフロントやコンビニエンス・ストア店舗、社員寮においてクリーニングサービスを提供しており、取り次ぎ拠点数の拡大に努めている。また、法人向けサービスとして、マンション内のゲストルームやホテルにおけるリネンサプライ、さらには制服クリーニングの獲得を進めている。加えて、自社工場と商品管理センターによる、ユニフォームのクリーニングからメンテナンス、在庫管理までを一元管理するトータルサービスの拡大を進めている。 しかし、人件費の上昇による洗濯・配送コストの増加を受け、増収ながら小幅な減益となった。 コンビニエンス・ストア事業 事業収入16億81百万円(前年同期比89.5%減)、セグメント利益76百万円(同70.4%減)。 コンビニ業界では、大手3チェーンの店舗ブランドへの集約が一段落したことで市場が寡占化された結果、商品やサービスがより画一化されており、競合店舗との差別化がより困難となっている。また、若年人口の減少などに伴い従業員の確保に苦慮する店舗が増加する兆しが見えている。一方、冷凍食品や健康フードを中心とした中食の販売が好調に推移しており、客単価の伸長が見られるものの、総店舗数の純増により1店舗あたりの商圏は縮小傾向が続いている。このため、大手各チェーンの既存店客数は前年を下回っており、個店の集客力向上への取り組みが課題となっている。 こうした中、18年3月1日付で株式会社ローソン及び株式会社ローソンアーバンワークスに対し、コンビニエンス・ストア事業の一部を吸収分割方式により承継し、直営店8店舗での運営体制へと大幅に事業規模を縮小した。運営を継続する8店舗は主に、特殊立地に属していることから、より立地特性に対応した店舗運営に取り組んでいる。本部施策に加え、店舗毎に重点カテゴリーを設定し、品揃えの拡充及び販売施策を行うとともに、大規模イベントに対応した商品施策を実施した。また、マネジメントスキルの底上げに注力した研修を定期的に開催するなど、人材育成制度の充実にも取り組んだ。なお、店舗数の大幅な減少を受け、全店売上高が減少しているほか、一部店舗の近隣施設が東京五輪に向けた全面改装工事に着手していることで施設利用者が激減している影響も受け、来店客数が大幅に減少しており、セグメント売上、利益ともに減少した。 その他事業 事業収入1億56百万円(前年同期比9.4%減)、セグメント利益11百万円(同52.8%増)。 その他事業では、保有もしくはコンビニエンス・ストア事業に関連した不動産賃貸管理のほか、ヘアカットサービス店舗やネットカフェ店舗の運営など、各種サービスの提供を行っている。ヘアカットサービスの一部店舗の運営形態を見直した影響から減収。一方、都内に保有する不動産の賃貸を開始したことで増益となった。 3Q末の総資産は、前期末比4億28百万円減少し、131億92百万円となった。現預金が33億54百万円増加し、商品が4億18百万円、繰延税金資産(流動)が5億62百万円それぞれ減少したことなどにより流動資産が25億30百万円増加した。一方、土地が 4億34百万円、敷金及び保証金が6億13百万円、投資不動産が18億34百万円それぞれ減少したことなどにより固定資産が29億59百万円減少した。 負債合計は、前期末比45億1百万円減少し、72億54百万円となった。未払法人税等が14億78百万円増加した一方、短期借入金が35億円、 預り金が19億98百万円それぞれ減少したことなどにより流動負債が39億31百万円減少した。また、長期借入金が3億28百万円、資産除去債務が2億30百万円それぞれ減少したことなどにより、固定負債が5億69百万円減少した。 純資産は、前期末比40億72百万円増加し、 59億37百万円となった。剰余金の配当を行った一方、親会社株主に帰属する四半期純利益を 41億87百万円計上した。 自己資本比率は前期末比31.3ポイント増の45.0%となった。
 
 
2019年2月期業績予想
62.6%の減収、91.6%の経常減益予想 通期予想に修正はなく、営業総収入が110億円(前期比62.6%減)、営業利益は72百万円(同453.8%増)、経常利益は11百万円(同91.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は39億80百万円(前期は2億79百万円の損失)を見込む。 ホテル事業ではゲームやアニメ、舞台など、『宿泊』と親和性の高いコンテンツとのコラボ企画を継続的に実施しており、その取り組み内容が各種メディアや展示会で取り上げられるなど、多くの反響がある。今後も宿泊の枠を超えたコト消費としての魅力の発信を続けていくことで、他社施設との差別化を進める考え。マンションフロント事業ではハロウィンなどの住居者向けイベントの提案及び開催支援や、おせち、ハウスクリーニングの予約獲得も進めており、今後も高品質、かつ、差別化されたサービスによるブランド価値向上に取り組む考え。また、人材派遣サービスにおいては、新たに飲食チェーン向けの人材派遣を開始するなど、今後も継続した営業活動による取引先の拡大に取り組む。クリーニング事業においては、ハウスクリーニングサービスでは、グループ会社がフロントサービスを提供しているマンションなどを中心に、年末に向けて多くのサービスの引き合いがある。個人向けのクリーニングでは、販促セールの実施など需要喚起に引き続き努めるほか、クリーニング品の保管サービスなど新たな需要の開拓を進める。 通期配当は30円(うち期末20円)を見込む。 *株主優待制度 17年2月末より「ユニット型ホテル」6施設で使用できる株主優待制度を導入し運用してきたが、19年2月15日に「利用可能施設の追加」、「大口保有優遇制度の導入」、「長期保有優遇制度の導入」等の変更を発表した。 株主優待制度の内容 利用可能施設 株主数の増加に加え、優待券利用者による「広告宣伝効果」や「再宿泊需要の増加」にも期待している。 なお、春休み、年度末、花見、GWシーズン期間中は、インバウンド客を含め宿泊需要が旺盛で、稼働率が高い期間が続くことなどを考慮して、優待利用可能期間から除外しているとのこと。
 
 
今後の注目点
今期より主力事業はホテル事業及びマンションフロント事業及びクリーニング事業となる。事業を大きく転換した影響を残したこともあり、財務面で今期はやや混乱しているが、3Q(9~11月)はかなり落ち着いた印象を受けた。営業利益は上期26百万円から3Q累計は46百万円上乗せ、経常利益は同11百万円から54百万円上乗せし、新体制も徐々に軌道に乗っている。また、着々と業態転換を進める中、攻勢にもでている。来期にはこうした諸施策の効果が表れてきそうだ。 事業譲渡に伴い、自己資本比率は45.0%と前期末13.7%から大幅に上昇、現預金は前期末17億61百万円から51億16百万円へ3倍増。今後の資金の有効活用にも注目したい。 なお、PBRは18/2期実績ベースでは1.9倍だが、3Q末ベースでBPSは大幅に増加、実体ベースでPBRは0.7倍程度となっている。また、時価総額は40億円にも満たず、同社が保有する現預金を大きく下回っている。資金の有効活用が具現化すれば株価の見直し余地が大きく生じることにつながるだろう。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
コーポレートガバナンス報告書 最終更新日 2018年12月10日 <基本的な考え方> 当社は、経営理念として制定している「明日への誓い」のなかで、全てのステークホルダーに対して“より良き明日の実現”を誓い、実践する経営に取り組んでおります。当社の手掛ける事業を通じて、従業員・株主やお客様だけでなく、地域社会へ貢献することにも取り組むよう心掛けており、そのためには、コンプライアンスの遵守を基本とした、コーポレート・ガバナンスの充実を図り、経営の諸問題に対し、真摯に向き合うことが重要であると考えております。そのため、「企業行動基準」を定め、同基準をもとに取締役および従業員が法令および定款などを厳守した行動を行うよう周知を実施しております。 また、当社は監査等委員会設置会社制度を採用しております。 これは監査等委員である取締役が、取締役会において議決権を行使することを通じ、取締役会の監督機能を強化し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指して、コーポレート・ガバナンスの強化を図ることを目的としております。 当社職務執行が適正かつ効率的に行われるよう、社外取締役および監査等委員である社外取締役(独立役員1名含む)の出席のもと、毎月定例で取締役会を開催し、法令・定款および取締役会規程に従い、各業務執行取締役本部長や業務執行役員および子会社の取締役より職務執行に関する報告を実施しているほか、重要事項の審議・決定を行うことでグループ全体の業務の適正に努めております。 また、子会社に対しても「企業行動基準」を横断的に運用しているほか、当社において「関係会社管理規程」を設け、子会社業務を所管する部門を定め適時監督を行うなど、子会社業務の適正の確保に努めております。 また、業務が適正に行われているかを確認し、必要に応じては是正を勧告する独立した機関として、監査等委員会および内部監査室を設け子会社を含めた定期的な監査業務を実施しております。 なお、各従業員に対し、日頃の業務時に振り返ることができるよう、行動指針の要点をまとめた携帯可能なガイド冊子を配布しているほか、企業倫理・コンプライアンス・リスク対応をレベルアップしていくことによりお客様満足の向上を実現させていくことで、株主の皆さまから期待されている企業価値の向上が実現できると考えております。 <コーポレートガバナンスコードの各原則を実施しないおもな理由> 補充原則1-2-4.議決権行使プラットフォームの利用及び招集通知の英訳 当社の株主における海外投資家の比率は相対的に低く、現状の議決権行使状況に大きな支障はないものと考えているため、コスト等を踏まえ、議決権電子行使プラットフォームの利用、招集通知の英訳及び英語での情報開示は実施しておりません。今後につきましては株主構成(外国人株主や機関投資家の株式保有比率など)や議決権行使状況、あるいは株主の利便性を考慮の上、検討を進めてまいります。 原則1-3.資本政策の基本的な方針 当社は、これまで公募増資や立会外分売を行ってきたことで、経営陣である創業者及びその関係者による持株比率の低下が進んでまいりましたが、現在も創業者及びその関係者が議決権の過半数近くを所持しており、上場企業として、所有と経営の分離のあり方については、今後の検討課題と認識しております。 また、新株発行による資金調達については、既存株主の利益を不当に毀損することがないよう、当社の中長期的な成長を実現し、利益の拡大が見込まれるなど、その必要性や合理性について取締役会で審議・監督してまいります。また、その内容については、株主の皆さまに対し適切に開示、説明を行うこととしております。 収益につきましては、将来の企業価値拡大のための事業投資に備えた内部保留の充実をはかりつつ、株主の皆さまへ安定的かつ継続的な利益還元を行ってまいります。 補充原則4-3-2.客観性・適時性・透明性ある手続きによるCEOの選任 補充原則4-3-3.CEOを解任するための客観性・適時性・透明性ある手続きの確立 当社では、独立した諮問委員会を設置しておりませんが、CEOの選解任は、会社における最も重要な戦略的意思決定であることを踏まえ、取締役会において、独立社外取締役の適切な関与・助言を得た上で、CEOの選解任を決議することとしております。 補充原則4-11-1.取締役の選任に関する方針及び手続き 当社は、取締役(監査等委員である取締役を除く)の人数は9名以内、監査等委員である取締役は5名以内と定款で定めております。 取締役会は取締役5名(監査等委員である取締役を除く)、監査等委員である取締役3名で構成されており、当社の事業規模、事業内容において、経営の効率性を確保する観点から、現状の規模は適正であると考えております。 また、その人選においては、各事業分野に精通した人物を選任し、知識・経験・能力のバランスを確保するよう努めております。取締役会の国際性については、当社の事業範囲が国内に限定されているため、現時点においては検討しておりませんが、ジェンダーの面については、その重要性は認識しております。しかしながら、上場から20年近くを経た今期に大規模な会社分割を行ったことにより、現在は40代半ばから50代の社員が数名しかおらず、知識・経験・能力ともに選任要件を満たす社内人材が男女限らず不足していることや、役員報酬の総額についても事業規模に見合った水準に抑えており、多様性を確保するだけに、役員を登用することについては、その必要性を含め今後も取締役会において議論してまいります。 <開示しているおもな原則> 原則1-4.いわゆる政策保有株式 当社は、政策保有株式を保有しておりませんが、保有する場合には、「業務提携、取引の維持・強化及び株式の安定等の保有目的の合理性」を検討し取締役会で諮ることとします。また、政策保有株式を保有した場合の議決権行使については、当社と投資先企業双方の持続的成長と、中長期的な企業価値向上に資するかを基準として総合的に判断するほか、政策保有株主との取引については経済合理性が十分か検証したうえで、決定いたします。 原則2-6 企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮 当社は、企業年金制度は導入しておりません。 原則3-1.情報開示の充実 (4)取締役の選解任及び指名の方針と手続 当社取締役会は、経営陣幹部の選任については、それぞれの経験・実績等を分析しながら、その資質や人格を十分に有する者を指名しております。社内取締役候補者は、経験・実績や知識・専門性・マネジメント力を有する者を指名し、監査等委員長は、当社グループの業務内容に一定以上の知識を有し、かつ財務・会計に関する知見を有する者を指名しております。 なお、社外取締役は、取締役会全体の監督・監視機能の強化を図るべく、多様な知見や豊富な経験を持つ候補者をそれぞれ指名しております。 経営陣幹部の選任にあたっては、上記の選任要件をもとに取締役会が選任した候補者の議案について独立社外取締役が出席する監査等委員会において適切かどうか検討を行ったのち、取締役会において決議します。 経営陣幹部の職務執行に重大な法令・規則違反等があった場合や取締役としての資質や職務遂行能力を満たさないと判断した場合は、取締役会において、独立社外取締役が出席することを必須要件として、役付けの罷免を決議することとしております。 原則4-2-1 客観性・透明性のある経営陣の報酬制度の設計および具体的な報酬額の決定 経営陣の具体的な報酬を決定するにあたっては、事前に独立社外取締役を含む監査等委員会がその内容を審議することで、客観性・透明性ある手続きを確保してまいります。