ブリッジレポート
(3912) 株式会社モバイルファクトリー

東証1部

ブリッジレポート:(3912)モバイルファクトリー vol.4

(3912:東証1部) モバイルファクトリー 企業HP
宮嶌 裕二 社長
宮嶌 裕二 社長

【ブリッジレポート vol.4】2018年12月期業績レポート
取材概要「同社は「Uniqys Project」を通して、ユーザーにはDAppsが身近になる環境を、開発者には手軽にDAppsを開発できる環境を、それぞれ提供する事で・・・」続きは本文をご覧ください。
2019年3月20日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社モバイルファクトリー
社長
宮嶌 裕二
所在地
東京都品川区東五反田1-24-2
決算期
12月末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2018年12月 2,978 849 848 585
2017年12月 2,437 736 722 511
2016年12月 2,072 611 611 411
2015年12月 1,751 314 305 185
2014年12月 1,540 211 212 118
株式情報(1/25現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,454円 9,156,369株 13,313百万円 26.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - - - 245.46円 5.9倍
※株価は1/25終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
モバイルファクトリーの2018年12月期決算の概要と2019年12月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
位置情報連動型ゲーム(以下、位置ゲーム)を主力とするソーシャルアプリサービスと着メロ等のコンテンツを提供するコンテンツサービスが二本柱。グループは、同社の他、「駅メモ!」及び「駅奪取」の運営を行う(株)ジーワンダッシュ、及びブロックチェーンサービス事業を手掛ける(株)ビットファクトリーの100%子会社2社。
経営理念は「私たちが創造するモノを通じて世界の人々をハッピーにすること」。ブランドメッセージとして、「感動を持ち歩け。」を掲げている。
 
【事業内容】
事業は、位置ゲームを中心とするソーシャルアプリサービスと着メロ等のコンテンツを提供するコンテンツサービスに分かれる。ソーシャルアプリサービスが基本無料アイテム課金制であるのに対して、コンテンツサービスは月額課金制(一部例外)である。18/12期の売上構成比は、ソーシャルアプリサービス75.4%、コンテンツサービス24.6%
 
ソーシャルアプリサービス
「駅メモ!」及び「駅奪取シリーズ」の位置ゲーム2タイトルを、SNSプラットフォーム(GREE、Mobage、コロプラ)やアプリマーケット(App Store、Google Play等)を通して配信している。2011年3月にサービスを開始した「駅奪取シリーズ」は、身近な駅を他人と奪い合う競争要素、実際に訪れた場所が履歴として残るライフログ要素、奪取した駅や路線・称号等を集めるコレクション要素の3要素を有し、2014年6月にサービスを開始した「駅メモ!」は「駅奪取シリーズ」の駅を奪い合ったり収集したりする楽しさを残しつつ、オリジナルキャラクターを育成する楽しさを追及した。
 
コンテンツサービス
主に通信キャリアが運営するサービスを通して着メロ等のコンテンツを提供している。着メロは、自社モデル形式の「最新曲★全曲取り放題」や(株)レコチョク等との協業サービス(OEMモデル形式)の「レコチョクメロディ」等、スマー卜フォンやフィーチャーフォン向けに月額100円(税抜)から300円(税抜)で取り放題というサービス。課金会員数は漸減傾向にあるが、原則内製でもあり、残存者利益を享受しているため収益性は高い。
 
【成長戦略】
国産「位置ゲームNo.1」企業を目指しつつ、「Uniqys Project」(ブロックチェーン関連事業の育成)を推進している。「Uniqys Project」とは、ブロックチェーン技術を用いてGoogleやAppleが中央集権的に運営・管理するネットワークからの脱却を見据えた取り組みである。ユーザーにはブロックチェーン技術を用いたアプリDAppsが身近になる環境を、開発者には手軽にDAppsを開発できる環境を、それぞれ提供する事でDAppsの利用者拡大を目指している。
 
 
2018年12月期決算
 
 
売上・利益共に過去最高を更新
売上高は前期比22.2%増の29億78百万円。「駅メモ!」(iOS/Android版)の配信元を(株)フジゲームスから100%子会社(株)ジーワンダッシュに変更した事に伴い、純額表示(売上総利益を売上として計上)していた同サービスの売上計上方法を、2018 年4月以降、総額表示(売上及び売上原価を計上)に変更した。この影響に加え、プロモーションを強化した成果もあり、「駅メモ!」を中心に位置ゲームの売上が同45.9%増の22億25百万円と伸長。スマートノベル(Android版)を含めたソーシャルアプリサービスの売上が22億46百万円と同40.6%増加した。一方、収益性重視で臨んでいるコンテンツサービスの売上は7億32百万円と同12.8%減少したものの、想定に沿った着地。
尚、4月以降も、スマートノベル(Android)とレコチョクメロディ等のコンテンツサービスの一部が純額計上されている。

営業利益は同15.4%増の8億49百万円。配信元変更の影響で売上原価が13億14百万円と同53.5%増加し原価率が上昇したものの、広告宣伝費の減少等で販管費が8億15百万円と同3.6%減少した。
 
 
 
第4四半期も「駅メモ!」の好調が続き、四半期ベースでも売上・利益が過去最高を更新
DAUが過去最高を更新する等、第4四半期も「駅メモ!」の好調が続き、ソーシャルアプリサービスの売上が第3四半期比12.9%増加。コンテンツサービスの売上も第3四半期と同水準を維持した。
利益面では、売上総利益率の改善が進む中、プロモーション効果の精査による広告宣伝費の減少等で販管費が小幅な増加にとどまり、営業利益が同25.3%増加した。前年同期との比較では、配信元変更に伴う総額表示の影響で売上総利益率が低下したものの、広告宣伝費を中心に販管費が大幅に減少した。
 
 
 
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
期末総資産は前期末との比較で1億11百万円増の26億71百万円。自己資本比率84.1%(前期末86.9%)。CFの面では、利益の増加と売上債権の回収が進んだ事等による運転資金の減少で前期は5億44百万円だった営業CFが9億40百万円に増加した。
 
 
 
*ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
 
(4)位置ゲーム及びブロックチェーン関連事業における取り組み
位置ゲームでは、6月に4周年を迎えた「駅メモ!」において、8月から期間限定で「ステーションメモリーズ!4th Birthday Cafe」をオープンした他、地方自治体等とのイベントを通しての地方創生や地域活性化等にも取り組んだ。
一方、ブロックチェーン関連事業では、7月に100%子会社(株)ビットファクトリーを設立し、「Uniqys Project」の第一弾となるDAppsモバイルブラウザ「Quragé(クラゲ)」(Android版)をリリースした(iOS版は9月にリリース)。11月には、ブロックチェーン・DApps の課題解決への貢献を目的に「Uniqys Lab」を設立し、開発者向けDApps開発ツール「Uniqys Kit」ベータ版をリリースした。更に12月には、仮想通貨を所持していなくても「DApps」利用を可能にする「Uniqys Transaction Proxy」のベータ版をリリースした。
 
位置ゲーム
地方創生
千葉都市モノレール×駅メモ!
2017年より千葉都市モノレールで運行中のラッピングトレイン「駅メモ!」号が、好評を受けて2019年12月まで延長される事になった。期間延長を記念して、12月6日~25日にXmasトレイン(クリスマス限定デザインのヘッドマークの掲出や車内外にクリスマス装飾)の運行を行い、好評を得た。

会津鉄道×ノラとと×駅メモ!
2018年10月25日、「会津鉄道×ノラとと×駅メモ!コラボキャンペーン~駅メモ!で行く、会津鉄道「ノラとと列車」のたび~」を開始した(~2019年7月31日)。このイベントでは、会津鉄道が運営する「お座トロ展望列車」が走行する主要駅と会津芦ノ牧温泉丸峰を対象スポットとしたデジタルスタンプラリーイベントを実施する他、「駅メモ!」ゲーム内に会津鉄道のアテンダント制服を着た「ノラとと」のヒロインキャラクターが「でんこ」として登場する。
 
コラボ
寅さんサミット×駅奪取
2018年11月1日、映画「男はつらいよ」の上映や仮装イベント等、寅さんが歩いたまちを満喫できるイベント「寅さんサミット」と連携し、駅奪取シリーズで「寅さんサミット記念スタンプラリー」を開始した(~2019年9月30日)。このイベントでは、映画のロケ地となった全国各地50の駅を対象としたデジタルスタンプラリーを実施する。

怪獣娘×駅メモ!
2018年11月23日、特撮番組「ウルトラマン」シリーズの個性豊かな怪獣たちを擬人化した人気ショートアニメ作品「怪獣娘~ウルトラ怪獣擬人化計画~」の劇場用アニメ「怪獣娘(黒)~ウルトラ怪獣擬人化計画~」と「駅メモ!」のコラボイベントを開始した(~2019年1月31日)。このイベントでは、上映劇場を対象としたスタンプラリーの実施や怪獣娘(黒)のキャラクターがコラボでんことして登場する。
 
ブロックチェーン関連事業
「Uniqys Lab」
2018年11月、DAppsの普及促進を目的に「Uniqys Lab」を設立すると共に、開発者向けDApps開発ツール「Uniqys Kit」ベータ版をリリースした。「Uniqys Lab」は、ブロックチェーンの研究開発で得た成果や課題等の知見を可能な限りオープンにする事で、ブロックチェーン及びDApps技術の発展と普及に貢献していくチームである。

「Uniqys Transaction Proxy」
仮想通貨を所持していなくてもDApps利用を可能にする開発者向けサービス「Uniqys TransactionProxy(以下、TxProxy)」ベータ版をリリースした。DAppsを利用するためにはユーザーが仮想通貨を所持している必要があり、この事がDApps利用のハードルとなる。「TxProxy」の提供により、仮想通貨を持たなくてもDAppsを利用できるようにする事で、ユーザーの幅を広げてDAppsの普及を促進につなげていきたい考え。
尚、「TxProxy」は、(株)ビットファクトリーがEthereumでのトランザクション(取引記録が書き込まれたデータ)を代理で発行する事で仮想通貨(ETH)を所持していないユーザーも「DApps」利用を可能にする。通常はユーザーが負担する取引手数料を、(株)ビットファクトリーが負担し、本サービスの利用料をDApps開発者から受け取るなどの選択肢が可能となる。仮想通貨(ETH)を所持していないユーザーのDApps利用が可能になり、開発者はDApps利用者の幅を広げる事ができる。
 
 
今後の方向性
 
19/12期の取り組み
前期にDAU及び売上高が過去最高を更新した「駅メモ!」において、引き続き継続率重視のプロモーションに力を入れ、各種コラボやイベントを実施していく。一方、ブロックチェーン関連事業では、DApps開発を支援するべく、DApps開発ツール「Uniqys Kit」正式版をリリースする他、、DAppsの利用者拡大に向け、DApps及びDApps周辺サービスをリリースする予定。

業績予想については、「当社グループの事業を取り巻く環境が急速に変化しており、事業の成長速度を予測することが難しく、現時点で信頼性の高い通期の業績予想を算出することが困難なため」として、上期予想のみを開示し、通期予想については「開示が可能となった時点で速やかに開示いたします」としている。
 
 
中長期の取り組み
ブロックチェーン関連事業では、DAppsを支えるサービスの第一人者を目指して、DApps利用者の拡大とDApps関連サービスの収益化に取り組んでいく。また、位置ゲームにおいては、継続率重視のプロモーションに力を入れると共に機能改善とイベントの実施を継続し、コンテンツサービスにおいては費用対効果を踏まえた運営を進めていく。
 
 
 
今後の注目点
同社は「Uniqys Project」を通して、ユーザーにはDAppsが身近になる環境を、開発者には手軽にDAppsを開発できる環境を、それぞれ提供する事でDAppsの普及に取り組んでいく考え。「Quragé」、「Uniqys Kit」β版、及び「TxProxy」β版を計画通りにリリースしており、「Uniqys Project」は順調に立ち上がったようだ。また、ブロックチェーン関連事業の先行投資を吸収して大幅な増益を達成し、経営基盤が盤石である事も示した。18/12期の取り組みは、「DAppsを開発しやすくする環境・ツールの整備」と言い換える事ができ、これを受けて19/12期はDApps開発者の支援(DApps開発者を増やすための取り組み)を本格化する。ブロックチェーン技術には、グーグルやアップルが中央集権的に運営・管理するネットワークを打破する技術として期待がかかる。しかし、あるシンクタンクでは、「ブロックチェーン技術が成熟し、安定的なエコシステムが出来上がるのは3~5年後」とみている。黎明期がしばらく続く見込みだが、この間に同社がどれだけ存在感を高める事ができるか、注目していきたい。
尚、位置ゲームについては、「Pokémon GO」のヒットを受けて、ガンホーの「妖怪ウォッチ ワールド」やドワンゴの「テクテクテクテク」等、新作が増えてきたが、同社においては広告宣伝費が減少する中でDAUが増えている。電車を利用する「駅メモ!」は他社の位置ゲームとは差別化されているため、位置ゲームの注目度の高まりが、新作の増加による競争激化ではなく、ユーザーの増加につながっているようだ。
 
 
 
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
 
 
◎コーポレート・ガバナンス報告書       更新日:2018年12月21日
基本的な考え方
当社グループは、お客様、株主様、さらには社会全体の信頼と期待に応え、企業価値の極大化のために、法令遵守に基づく企業倫理の確立が最重要課題であると認識しております。そのために、リスク管理、監督機能の強化を図り、経営の健全性・透明性を高め、もって経済社会の発展に寄与していく所存であります。
 
<実施しない主な原則とその理由>
【補充原則4-1-②】
当社が属するモバイルコンテンツ業界は技術革新が目覚しく、サービス内容等についても日々進化しております。このような環境の中で、中長期計画を公表することは、環境の変化に対応する柔軟性等を損なう可能性があり、その結果当社の成長を阻害する可能性があります。そのため、当社では中長期の経営計画を公表しておりません。

【補充原則4-10-①】
当社は、独立社外取締役が取締役総数の半数を占めており、重要な事項に関する検討に当たり独立社外取締役の適切な関与・助言を得られる体制を整えておりますが、諮問委員会の設立は考えておりません。今後は検討してまいります。

【補充原則4-11-③】
当社は、各取締役、各監査役の意見等に基づき取締役会の機能向上に努めておりますが、現時点において取締役会の実効性についての分析・評価は実施しておりません。今後、取締役会の実効性に関する分析・評価の実施及びその結果の開示については検討してまいります。
 
<開示している主な原則>
【原則1-4】
当社は、政策保有株式については、事業上の連携強化等、当社の企業価値の維持向上に資すると判断した場合に保有する場合があります。なお、現時点において上場株式を保有しておりません。

【原則1-7】
当社は、関連当事者との取引については、その取引を行うことが合理的であるか等を考慮しております。また、取引条件が他の取引と比較して適正であるか等に留意して、取締役会の承認を得ることとしております。

【原則2-6】
当社は、企業年金制度を有しておらず、企業年金の積み立てや運用に該当する取り組みを行っていないことから、開示すべき取り組み内容はありません。

【原則5-1】
当社は、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために、機関投資家及び個人投資家と積極的な対話を行う体制を整えております。