ヤマワケエステートの評判は怪しい？968人に聞いた独自アンケート結果を公開

InstagramやWebページで「ヤマワケエステート」という不動産投資サービスの広告を見たことがある方は多いでしょう。

実際にサイトを見てみると利回り10%超・10万円から投資できるファンドが中心で、配当重視の投資家なら魅力的なサービスです。

ただ、魅力的な利回りである半面「広告が多いから怪しい」「元本割れリスクが高いのでは？」と不安に感じている方もいるでしょう。

今回はいろはにマネーの独自調査をもとに、ヤマワケエステートの利用者の声や投資家構成をまとめました。

「魅力的に思うけど、ちょっと不安…」という方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

ヤマワケエステートの特徴は？

サービス名	ヤマワケエステート
初回募集開始時期	2023年10月18日
募集時点の想定利回り（年利）	8.00〜84.60%
最低投資金額	1万円～
ファンドの運用期間	3ヶ月～16ヶ月
優先劣後構造	あり

ヤマワケエステートは、不動産投資型クラウドファンディングサービスです。

不動産投資型クラウドファンディングは、不特定多数の投資家から資金を集めた資金をもとに不動産を取得・運用する金融商品となっています。

少額から投資ができて、投資家は賃料収入や売却益を原資とした分配金・償還金を受け取れるのが特徴です。

ヤマワケエステートは、不動産クラウドファンディングのなかでも利回りが高く、運用期間が短い商品が多い傾向にあります。

運営会社であるヤマワケエステート株式会社は宅地建物取引業者で、WeCapital株式会社の子会社となっています。

まずは、ヤマワケエステートの特徴について詳しくみていきましょう。

高利回りの案件が多い

2024年8月現在、ヤマワケエステートのファンドは全て想定利回りが8%以上で、10%を超える商品も複数あります。

ファンド名	想定年利回り(税引前)
山梨県都留市 リゾートヴィラファンド	13.6%
札幌市宮の森 4th 隈研吾＆Knight Frank社	13.8％
軽井沢 ShoheiHishida別荘プロジェクト	14％
東京都大田区羽田エリア　新築ファンド	13.7％
東京都渋谷区富ヶ谷　宅地ファンド	14.4％

ヤマワケエステートでは不動産事業で得た利益が還元される「インカム型」と不動産の値上がり益を追求する「キャピタル型」があり、その両方をバランス良く狙う「インカム + キャピタルゲイン型」もあります。

直近では「インカム + キャピタルゲイン型」のファンドが多いです。

不動産投資クラウドファンディングには数十のサービスがありますが、ヤマワケエステートはトップクラスに利回りが高いのが特徴的です。

1万円から投資可能なファンドも

ヤマワケエステートは、最低投資金額1万円のファンドがあります。

たとえば、2023年10月に募集された「新宿区弁天町新築レジデンスファンド」などが、1万円から投資可能でした。

短期運用ファンドが多い

ヤマワケエステートが2024年以降に募集したファンドは、すべて運用期間が10ヶ月以内です。

過去には3ヶ月～4ヶ月程度の短期運用ファンドも見られるなど、運用期間が短い傾向にあるのが特徴です。

ヤマワケエステートの利用者968人にアンケート【利用者の属性・特徴】

SNS上では「ヤマワケエステートは怪しい」という意見も散見されますが、実際どうなのでしょうか。

実態を探るため、いろはにマネーではヤマワケエステートの投資家向けに独自アンケートを実施しました。

まずはアンケート結果より、ヤマワケエステートの投資家属性から見ていきましょう。

投資家の年齢・投資経験年数

年齢層でみると、40代が最も多く全体の31%を占めています。

次いで多いのは全体の26%を占める50代、24%の30代です。

NISAでの積立や株式投資と比べると安定的な利回りが期待できるため、30代以降の余剰資金の投資先に人気なようです。

一方で、投資経験年数は1年～3年、10年超がともにトップ。

値動きのない投資を好む初心者の方から、既に株式投資などをしている上級者まで人気を集めていることが分かります。

ヤマワケエステートの投資額や他の投資先

ヤマワケエステートでの累計投資金額は、100万円超の人が最多。ですが、65%は100万円以下と幅広く分かれています。

また、1万円から投資できるファンドを活用して10万未満で投資している人も14%いる状況です。

まずは少額から始めて、慣れてきたら金額を増やして新たなファンドに応募できます。

また、ヤマワケエステート以外の投資先としては投資信託・ETFや個別株との回答が多く、いずれも過半数を占めています。（複数回答可）

まずはNISAやiDeCoを活用し、分散先としてヤマワケエステートで不動産クラウドファンディングに投資する方が多いと考えられます。

ヤマワケエステートの良い評判

独自アンケートでは、ヤマワケエステートに満足している点（メリット）・改善して欲しい点（デメリット）も記述式で集めました。

まずは良い評判（メリット）から見ていきましょう。

利回りが高い

まず、圧倒的に多いのは「利回りが高い」という評判です。

2024年7月以降に募集されたファンドは、想定年利回り10%超えが相次いでいる状況です。

短期間で高い収益を稼ぎたいという方にとって、ヤマワケエステートの利回りの高さは魅力のひとつとなっています。

過去の募集ファンド

ファンド名	募集期間	利回り(年利）	運用期間
東京都荒川区 町屋駅周辺　新築ファンド	2024/08/02 ～ 2024/08/05	13%	約5ヶ月
東京都板橋区舟渡　新築ファンド	2024/08/01 ～ 2024/08/08	12.7％	約10ヶ月
東京都墨田区立花　新築ファンド	2024/08/01 ～ 2024/08/08	11.8％	約6ヶ月
東京都墨田区東向島　新築ファンド	2024/08/02 ～ 2024/08/05	13.3％	約6ヶ月
福岡県北九州市小倉 2nd 宅地ファンド	2024/07/12 ～ 2024/07/15	12.7％	約10ヶ月

短い運用期間のファンドが多い

ヤマワケエステートのファンドは全体的に運用期間が短めな傾向にあります。

特に、3ヶ月～6ヶ月程度の短期運用ファンドの募集実績が豊富です。

一般に中途換金がしづらいクラウドファンディングにおいては、運用期間が短いファンドの方が投資しやすいです。

過去の短期運用ファンドの事例

ファンド名	募集期間	利回り(年利）	運用期間
東京都荒川区 町屋駅周辺　新築ファンド	2024/08/02 ～ 2024/08/05	13%	約5ヶ月
東京都墨田区立花　新築ファンド	2024/08/01 ～ 2024/08/08	11.8％	約6ヶ月
東京都墨田区東向島　新築ファンド	2024/08/02 ～ 2024/08/05	13.3％	約6ヶ月
東京都板橋区東新町　新築ファンド	2024/02/22 ～ 2024/02/27	11.4%	約5ヶ月
東京都大田区東六郷 リバーサイド新築2棟ファンド	2023/12/28 ～ 2024/01/09	16.0%	約6ヶ月
東京都品川区南大井　開発ファンド	2023/11/29 ～ 2023/12/04	12.2％	約6ヶ月

元本割れのファンドがない

過去に元本割れを引き起こしたファンドがないのが安心という声も多かったです。

安定した運用ができるファンドを厳選しているだけでなく、優先・劣後構造で投資家のリスク低減も図っています。

万が一売却損が発生しても、一定額の範囲内であれば投資家に損失は生じない仕組みです。

少額から投資できる

ヤマワケエステートがここまで募集・運用したファンドは、全て1万円～10万円で投資が可能です。

数百万円の自己資金が必要となる現物での不動産投資と比べると、気軽に投資を始められるのが魅力といえます。

ファンド数が多い

ヤマワケエステートのファンド募集実績（募集中のものも含む）は118本となっています。

また、2024年8月3日時点では6本のファンドが募集中で、毎週のようにファンドが出ています。

人気が高いため抽選に外れてしまうこともありますが、募集頻度が多ければそれだけチャンスも多くなります。

ヤマワケエステートの悪い評判

ヤマワケエステートで投資するときのデメリットや注意点は、以下のとおりです。

償還実績がまだ少ない

ヤマワケエステートは、まだ償還実績が少なくて不安という声もありました。

募集ファンドが100件越えと多い半面、運用終了済のファンドは24件（2024年8月3日時点）と限定的です。

ただし、既に償還済のファンドでは想定利回りを超えたものも多いです。

ファンド名	想定利回り(年利）	実績利回り(年利）	運用期間
神奈川県愛川町　一戸建て再生ファンド	84.6％	95%	約3ヶ月
東京都板橋区弥生町 土地再生ファンド	10.0％	15.0％	約2ヶ月
兵庫県尼崎市園田エリア リノベーションマンション	8.7％	8.7％	約12ヶ月

運用終了後、償還までの期間が長い

ヤマワケエステートのファンドは、運用終了タイミングと投資家への償還タイミングにタイムラグがあるケースがしばしばみられます。

たとえば「東京都品川区 大井町駅近・新築ファンド」は8月4日に運用が終了していて、すでに利回り14.8%（年利）が実績として掲載済です。

しかし、本ファンドの償還予定日は10月31日で、運用終了からおよそ2カ月待たなければなりません。

抽選が当たりにくい

ヤマワケエステートでは抽選方式のファンドを多く募集しています。

過去には応募が殺到して高倍率化したファンドも散見されており、当たりにくさを指摘する声もありました。

高倍率化したファンドの例

ファンド名	募集時期	募集終了後の応募倍率
東京都荒川区 町屋駅周辺　新築ファンド	2024/08/02 ～ 2024/08/05	398%
東京都墨田区東向島　新築ファンド	2024/08/02 ～ 2024/08/05	334%
福岡県北九州市小倉 2nd 宅地ファンド	2024/07/12 ～ 2024/07/15	582%
東京都大田区東六郷 リバーサイド新築2棟ファンド	2023/12/28 ～ 2024/01/09	992%
埼玉県川口市 宿場町・鳩ヶ谷 二世帯住宅ファンド	2023/12/28 ～ 2024/01/11	2218%

利回りが高すぎて不安

ヤマワケエステートは利回りが高いのが魅力のひとつである一方「リターンが高い＝リスクも高いのでは？」と不安視する意見もありました。

ヤマワケエステートの運営体制自体は、優先・劣後構造も取り入れているなど、一般的な不動産投資クラウドファンディングと大きく変わりません。

クラウドファンディングに限らず、投資全般において利回りや収益性とリスクは比例する傾向にあります。

たとえば、ヤマワケエステートにおいては都心部よりリスクが高い傾向にある、地方案件が多いのが特徴です。

ここまで元本割れなどは発生していませんが、ヤマワケエステートへ投資するときには一定のリスクがある点を理解のうえ投資を検討しましょう。

ヤマワケエステートは怪しくない！まずは少額から始めてみよう

ヤマワケエステートは利回りが高めではあるものの、適切なリスク軽減対策が取られているなど、怪しいサービスではありません。

まだ運用開始から1年弱のため償還実績は少ないものの、償還ファンドも着実に増えてきています。

特に30代~50代で、既にNISAやiDeCoに投資している方は分散投資として検討してみると良いでしょう。