ESG・ESG投資とは?メリット・デメリット・投資方法を簡単に解説

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ESGアイキャッチ

・ESGって聞いたことあるけど、内容が分からない。
・ESGと投資ってどのような繋がりがあるのかな。

このような疑問を解決します。


本記事の結論

  • ESGとは「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字を取った言葉
  • ESG投資は長期の資産形成に向いている
  • ESGに銘柄に投資するなら「投資信託」「IRレポートを読んで自分で選ぶ」

ニュースでよく見かけるようになった「ESG」という言葉。

中にはSDGsと混同している人も多いですよね。

本記事ではESGの定義からメリット・デメリット、そして投資方法まで簡単に理解できるように解説していきます。

ESGとは?

ESGとは

ESGとは「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字を取った言葉で、企業が取り組むべき課題のことです。

ESGとよく間違えて理解されている、「SDGs」と比較して見ていきましょう。

ESGとSDGsには大きく2つの面で違いがあります。

名称意味主な対象
ESG企業が取り組むべき課題企業や投資家
SDGs国連の持続的な開発目標各国政府、企業、個人

意味や対象がそれぞれ異なりますね。

ただし、ESGとSDGsは全く別物というわけではなく、「SDGsの達成にESGへの取り組みが必要不可欠」と覚えておきましょう。

「SDGs」という全世界の目標を達成する手段が「ESG」というイメージだね!

ESGの具体的な内容

それぞれの具体的な取り組みを見ていきましょう。

ESGとは

Environment(環境)

  • 再生可能エネルギーの使用
  • 二酸化炭素排出量の削減
  • 製造工程での廃棄物低減

Social(社会)

  • 地域社会への貢献
  • ダイバーシティ(人材の多様化・女性活躍)
  • 人的資本(人財)の活用

Governance(企業統治)

  • 積極的な情報開示
  • 取締役会の多様性(社外取締役など)
  • 資本効率への高い意識

これら3つの観点で、各企業が幅広い取り組みを実施しています。

どれも最近のニュースや新聞で取り上げられる内容ばかりだね!

そして近年では、これら3つの観点から企業を分析して投資する「ESG投資」が注目されているのです。

ESG投資とは?

ESG投資とは

これまで投資家は、企業の営業利益やキャッシュ・フローなどの株価指標・財務情報をもとに投資判断を行ってきました。

ESG投資とは、こういった財務情報に加えて、企業のESG活動への評価・分析を基に投資を行うことです。

そしてESG投資が生まれた背景には、以下のような要素があります。

  • 企業の財務情報だけでは長期的な収益性を図るのが困難
  • 人財の活用(人的資本)など非財務情報の重要性が高まっている
  • 世界的な環境問題が企業業績に大きな影響を与えている
  • サプライチェーンでの人権問題が消費者の購買判断に大きな影響を与えている

⇒「ESGへの取り組みが企業の持続的成長に必要」という認識の広まり

非財務情報も投資の判断材料の1つになったんだね!

また、企業にとってはESGに取り組むメリットは投資家の評価が上がるだけではありません。

ESGへの取り組みを課題として掲げ、積極的に対応・開示することで、長期的な収益力の向上、ブランド力や企業価値の向上にもつながるのです。

ESG投資の7つの種類

GSIA(Global Sustainable Investment Alliance)によると、ESG投資の手法は以下の7つに分類されます。

ESG投資の7種類

ESG投資といっても、こんなに投資の種類があるんだ!

それぞれの投資方法を具体的に見ていきましょう!

①ネガティブスクリーニング

ネガティブスクリーニングとは、特定の業界を投資対象から除外する手法です。

例えば、アルコール、タバコ、銃器、カジノ、または化石燃料を扱う業種が該当します。

すなわち、「ESGと逆方向のものには投資を行わない」ということです。

Global Sustainable Investment Review 2020によると、2番目に多いESG投資の手法だよ!

②ポジティブスクリーニング

同業種の中でESGのパフォーマンスが優れている企業に投資をする手法です。

環境問題や人権問題、従業員への対応、ダイバーシティなどに積極的に取り組んでいるかが判断材料になります。

③国際的規範に基づくスクリーニング

ESG分野での国際基準に照らし合わせ、その基準をクリアしていない企業を投資先から除外する手法です。

国際基準には、国際労働機関(ILO)などの国際機関が定めるものが参照されます。

④ESGインテグレーション

ESGインテグレーションは、最初から投資対象を狭く絞るのではなく、従来用いられていた財務情報に基づく投資判断に、環境・社会・ガバナンスといった「非財務情報」を組み入れる方法です。

ESG投資のうち、現在主流となりつつある投資手法だワン!

⑤サステナビリティ・テーマ型投資

サステナビリティ・テーマ型投資は、サステナビリティ(持続可能性)をテーマとする事業を投資対象とする方法です。

サステナビリティをテーマとする事業には、再生可能エネルギーや持続可能な農業といったものが挙げられます。

⑥インパクト/コミュニティ投資

インパクト/コミュニティ投資は、企業の財務情報から判断して得られるリターン、および「社会的・環境的に強い好影響」をもたらす技術やサービスによる事業を投資対象とする方法です。

途上国における教育事業やエネルギー事業などが挙げられます。

⑦企業エンゲージメント

企業エンゲージメントは、株主の立場から企業に対してESGを呼びかけて、ESGに対応するよう働きかける方法です。

株主の権利を用いて、積極的に企業の意思決定に意見することを指します。

投資判断だけではなく、投資後の働きかけも重要な戦略となるのです。

ESG投資といっても、どのような視点を持つかで投資手法が大きく変わるんだね!

ESG投資は急拡大中

ESG投資の拡大

注目のESG投資ですが、その拡大は止まりません。

今までは以下のような流れでESG投資は拡大してきました。

  1. 2006年:責任投資原則(PRI)の提唱
  2. 2008年:リーマンショックを機に長期投資へのシフト
  3. 多くの機関投資家がPRIに賛同、署名する

ESG投資が拡大したきっかけは、2006年に国連責任投資原則(PRI)が「投資にESGの視点を組み入れること」といった考え方を機関投資家の投資原則として掲げたことから始まりました。

日本では、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がPRIに2015年に署名したことで、ESG投資が広がり始めました。

2021年7月時点で世界の4,249機関が署名し、日本でも96機関が署名しています。

また世界のESG投資額を見ると、ESG投資が世界各国で拡大していることが分かります。

署名機関の資産残高は総額で100兆米ドルを超えており、世界の株式市場の時価総額に匹敵するほどに拡大しています。

他にも「サーキュラーエコノミー」や「脱炭素」の流れが大きくなり、ESGに関心が寄せられるようになりました。

世界、そして日本でESG投資が広まっているんだね!

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ESG投資のメリット

ESG投資のメリット

ESG投資は投資家に以下のメリットをもたらします。

  • 長期の資産形成に向いている
  • 社会貢献につながる

長期の資産形成に向いている

ESG投資はFXやデイトレードのような短期的なリターンではなく、長期的なリターンを目指す投資です。

ESGに取り組む企業は、機関投資家のESG投資対象になる可能性も高く、中長期な投資資金の流入が見込まれます。

また、ESGに取り組む企業は持続的な成長を意識していると言えるため、将来の成長も期待できますね。

仮にESGに取り組んでいない企業は今後どうなるの?

取り組まない場合には「ダイベストメント」されてしまう可能性があります。

実際に、オランダの年金機構「ABP」では投資先からたばこと核兵器の製造メーカーを除外すると発表されています。

そのため今後は段階的なダイベストメントが実施されるでしょう。

ダイベストメントとは

投資している株式や債券、投資信託などから資金を引き揚げること。

従来は赤字事業やノンコアな事業からの撤退の際に用いられていたが、ESG投資の拡大を受けて、ESGに取り組まない企業への投資を辞めるケースも増えている。

近年では多くの年金基金がESG投資を組み入れるなどESG投資の規模が大きくなっているため、個人投資家にとっても重要なテーマになっています。

社会貢献につながる

ESG投資をすることで地球温暖化や女性活躍に取り組む企業の後押しになります。

そのため、間接的にあなたの資金がESGの取り組みに役立つのです。

また、環境分野への取り組みに特化した資金を調達する際に発行される「グリーンボンド」も増えています。

「グリーンボンド」は企業の環境分野への取り組みをアピールすることが出来るため、投資家だけでなく企業にとってもメリットがあるのです。

私の周りでも環境問題や人権問題に関心を持っている人が多いよ!

ESG投資のデメリット

ESG投資のデメリット

ESG投資は拡大しつつありますが、デメリットもあります。

しかし、投資方法次第でデメリットを解消できるのでしっかり理解していきましょう。

  • 短期のリターンが小さくなる可能性あり
  • グリーン・ウォッシュに注意が必要

短期のリターンが小さくなる可能性あり

一般的な投資では効率性やリターンの大きさなどを考慮して投資先を選びます。

しかし、現在主流の投資方法の「ESGインテグレーション」では企業の財務情報に加えてESGへの取り組みを分析、評価する必要があります。

また、ESG自体が長期的な課題であり、短期的に解決されて成果が出るとは限らないのです。

投資初心者が選ぶにはとても手間がかかりそうだね!

投資先を選ぶ手間を短くする方法は後ほど解説していきますね。

グリーンウォッシュに注意が必要

グリーン・ウォッシュとはESGに取り組んでいないのにあたかもESGに取り組んでいるように見せることです。

企業だけでなく投資信託でもESGに取り組んでいない企業が含まれている可能性もあります。

グリーン・ウォッシュを見抜く方法はあるの?

グリーン・ウォッシュを見極めるには複数の情報を基に判断することをおすすめします。

企業が公表するIR情報のみならず、第3者からの評価を取り入れるのも良いでしょう。

ESG投資をする方法

ESG投資の方法

ESG投資には2つの方法があります。

  • ESG投資信託に投資する
  • ESG銘柄を自分で選ぶ

ESG投資信託に投資する

ESGに特化した投資信託に投資をすることで、個別でESG銘柄を探す手間が省けるので投資初心者にもおすすめです。

ここでは、ESGに特化した有名な投資信託をご紹介していきます。

  • グローバルにESG投資したい方は「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(愛称:未来の世界)」
  • 日本企業をメインにESG投資したい方は「Smart-i 国内株式ESG インデックス」
  • 集中投資で大きなリターンを狙いたい方は「ベイリー・キフォードインパクト投資ファンド(愛称:ポジティブ・チェンジ)」

グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(愛称:未来の世界)

委託会社アセットマネジメントOne株式会社
信託報酬1.848%
純資産総額11,773.32億円(2021/9/9時点)
運用方針主としてわが国および新興国を含む世界の金融商品取引所上場株式(上場予定を含みます。)に実質的に投資を行います。
アセットマネジメントOne株式会社HPより作成

「未来の世界」は設定来+25.76%の騰落率があり、ファンドの組入比率のうち約75%を米国が占めています。

ESG投資額が増え続けるアメリカに資本の大部分を投資しているんだね!

同ファンドは、みずほ証券またはPayPay証券でのみ購入することができます。

Smart-i 国内株式ESG インデックス

委託会社りそなアセットマネジメント
信託報酬0.2365%
純資産総額4.00億円(2021/9/9時点)
運用方針主として、「RM国内株式ESGマザーファンド」への投資を通じ、国内の金融商品取引所上場株式のうち、MSCI ジャパン ESG セレクト・リーダーズ指数(配当込み)に採用されている株式に投資し、同指数の動きに連動する投資成果を目指して運用を行う。
りそなアセットマネジメントHPより作成

「Smart-i 国内株式ESG インデックス」は購入手数料のかからない「ノーロード型」のファンドです。

手数料を抑えたい人におすすめだね!

さらに手数料を抑えたい方は手数料の安いネット証券がおすすめです。

ベイリー・キフォードインパクト投資ファンド(愛称:ポジティブ・チェンジ)

委託会社三菱UFJ国際投信
信託報酬1.518%
純資産総額1,709.82億円(2021/9/9時点)
運用方針外国投資信託証券(円建)への投資を通じて、日本を含む世界各国(新興国を含みます)の株式等を実質的な主要投資対象とし、主として中長期的な値上がり益の獲得をめざします。
三菱UFJ国際投信HPより作成

「ポジティブ・チェンジ」は長期投資を前提とし、なおかつ25~50銘柄へ集中投資することが出来ます。

集中投資のためリスクもありますが、リターンを受ける可能性も大きくなります。

「ポジティブ・チェンジ」に投資するならSBI証券などの手数料の安いネット証券がおすすめです。

ESG銘柄を自分で探す

ESG銘柄を選ぶ際には企業の財務情報とESGへの取り組みの非財務情報から分析、評価をする必要があります。

正直なところ、投資初心者がESG銘柄を個人で選ぶのは困難で多くの手間がかかります。

しかし、投資初心者でも読みやすい「ブリッジレポート」を使えば比較的簡単に企業理解が進み、ESG銘柄を選べますよ。

企業理解をすることでグリーン・ウォッシュを見抜くのにも有効だワン!

実際にブリッジレポートで紹介されている、ESGに取り組んでいる企業を見てみましょう。

①オプテックスグループ株式会社

市場東証1部
業種電気機器(製造業)
代表取締役社長兼CEO小國 勇

オプテックスグループは世界シェア40%を誇る屋外用防犯センサーや、世界シェア30%・国内シェア50%の自動ドアセンサーを中心に、環境関連製品等の製造・販売も手掛けるオプテックス株式会社を中心とした持株会社です。

レポート内の社長インタビューでは、以下のようなコメントもあります。

近年、企業の成長には「ESG(環境・社会・ガバナンス)」の観点が不可欠と言われますが、環境問題や社会問題というのも、世の中に存在する「不」であると思います。

当社グループは創業時より、得意のセンシング技術を駆使して、「安全・安心・快適」な社会や産業に貢献していくことを目標に、事業を展開してきました。
それは言い換えれば、先程申し上げたように、世の中に存在するさまざまな不安や不快、不便から「不」を取り除く仕事(=ふとるビジネス)の拡大でした。

「オプテックス流三方よし」も、多様なステークホルダーとの関係構築を目指すという意味で、当社グループならではのESGに対する姿勢を表したものであると考えています。

②ピックルスコーポレーション

市場東証1部
業種食料品(製造業)
代表取締役社長宮本 雅弘

ピックルスコーポレーションは浅漬・キムチ・惣菜の製造・販売及び漬物等の仕入・販売を行っていて、連結子会社17社、持分法適用関連会社3社と共に全国的な製造・販売ネットワークを構築しています。

レポート内の社長インタビューでは、以下のようなコメントもあります。

異常気象は主原料である野菜の生育に大きな影響を及ぼすため、地球温暖化への対応は極めて大きな経営課題であるため、経営理念・経営方針双方に地球環境への配慮を挙げています。

また従業員の成長も当社の成長には欠くことのできない要素であると認識し、そのための環境作りにも積極的に取り組んでいます。

このように、当社の事業内容および存在自体が「ESG」のうち、「E」および」「S」への取り組みそのものといっていいでしょう。

③プレミアグループ

市場東証1部
業種その他金融業(金融・保険業)
代表取締役社長柴田 洋一

プレミアグループは国内外15社以上のグループ会社により、中古車の購入に伴うクレジットサービスや故障保証(ワランティ)サービス等自動車関連サービスを展開しています。

レポート内の社長インタビューでは、以下のようなコメントもあります。

私たちが取り扱っているオートクレジット、故障保証、自動車部品の流通などは全て「中古自動車」に関連したビジネスであり、元々、循環型社会の形成に繋がっているものです。

ですので、この「中古自動車」をキーワードに、関連したビジネスを徹底的に追求していくことが、脱炭素、温室効果ガス削減など環境問題の解決、すなわち、ミッションに掲げる豊かな社会構築に貢献することになるのだと考えています。

当社が今後とも持続的に成長していくためにはミッションに示したような人財を育成していくことが欠かせません。

また経営の一番の役割は、そうした人財が成長できる場、人財が活性化し常に高いモチベーションを維持できる場を作ってあげることだと思います。

また、以下の記事では脱炭素関連銘柄をご紹介しています。

ESGとは【まとめ】

ESGまとめ

ここで一度、大事なところを復習しましょう。

  • ESGとは「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字を取った言葉
  • ESG投資は長期の資産形成に向いている
  • ESGに銘柄に投資するなら「投資信託」「IRレポートを読んで自分で選ぶ」

今後もESGへの取り組み・ESG投資はグローバルで加速するとみられています。

今後、株式投資をするときは、財務情報だけでなくESGへの取り組みも意識してみましょう!

いろはに投資では「ESG」のほかにも様々なトレンドや投資の情報を配信していますよ。

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