FOMCとは?日程や市場への影響、役割などをわかりやすく解説!

・FOMCってよく聞くけど、なんだろう?
・市場にはどんな影響があるの?
・今後の金融政策の見通しは?
このような悩みを解決します。
この記事の結論
- FOMCとは”Federal Open Market Committee”の略称で、米国金融政策の方針を決める委員会
- FOMCは世界の株価、為替に影響を与える
- 今後もインフレと利上げの動向に注目
FOMCは今後の金融政策を占う重要な会合です。
FOMCの結果はマーケットに大きな影響を与えるため、世界中の投資家から注目されています。
この記事では、FOMCの概要や役割、今後の見通しなどを解説していきます。
この記事を読めば、FOMCの概要や注目ポイントが分かるワン!
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目次
FOMCとは

FOMCとは”Federal Open Market Committee”の略称で、和訳は「連邦公開市場委員会」です。
金利や為替、マネーサプライに関する金融政策の方針を決定する委員会で、日銀の金融政策決定会合に相当します。
7名のFRB(連邦準備理事会)理事、5名の米連邦銀行総裁の計12名によって構成されています。
開催頻度は約6週間に1度で、年8回開催されます。
米国の金融政策を決める会合なんだね!
投資家から注目される理由
経済の中心である米国の金融政策は、世界中の投資家から注目されています。
どうして投資家から注目されているの?
金利と景気、為替は密接に関係しています。
米国の金利が上がればドルは買われ、反対に金利が下がればドルは売られます。
また、金利が上がると企業は資金調達のコストが増加するため、景気も下向きになる傾向があります。
金利が与える影響
- 為替
金利が上がると通貨は買われ、金利が下がると通貨は売られる - 景気
金利が上がると資金が借りにくくなり、景気は悪化傾向へ - 株価
金利が上がると資本コストの上昇により、下落傾向へ
金融政策では、インフレ率の管理も重要な目標になっています。
現在アメリカのインフレ率は8%を超え(2022年7月時点)、家計にも大きな影響を与えています。
政策金利を上げることで、インフレ率を正常な水準に戻すという目的があります。
また米国市場の動向は、世界の市場に影響を及ぼしています。
実際に日本の株式市場も、前日の米国市場に連動する傾向があります。
為替や株価への影響について、詳しく説明していくワン!
FOMCによる影響

先に説明したように、FOMCで決定される金利と為替、株価は深く関係しています。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
株価との関係
まず、金利と株価の関係です。
金利と利息
そもそも、企業は銀行融資や債券などでお金を借りています。
当然借りたお金には利息がつきますね。
金利が上昇すると、この企業が支払う利息も大きくなります。
そのため、支払利息が企業の収益を圧迫することになるのです。
したがって、企業は資金を借りにくくなり、株価が下がることに繋がります。

金利と借り入れの関係は、「FRBやECBが利下げをする理由は?」という記事で詳しく解説しているワン!
金利と投資家
金利が上昇すると、国債をはじめとした債券の利回りも上昇します。
すると投資家は、価格変動リスクの大きい株式より、債券で安定したリターンを求めようとします。
そのため株式市場から資金が流出し、株価が下がる要因となるのです。
為替との関係
続いて、金利と為替の関係です。
金利の高い通貨を持っていると、それだけ利息を得ることができます。
そのため金利の安い通貨を売って、金利の高い通貨を買おうとする動きが活発になります。
よって、アメリカの金利が上がるとドル高に、金利が下がるとドル安になる傾向があるのです。

実際、昨今の日本とアメリカの金利差により、ドル円は大幅な円安ドル高で推移しています。
日本は金融緩和を続けており低金利、それに対しアメリカは利上げを行なっているためです。
政策金利は株価、為替、景気に大きな影響を与えているんだね!
FOMCの日程・見通し

今年(2022年)のFOMCは、以下の日程で開催予定です。
2022年FOMCスケジュール |
---|
1月25日〜26日 |
3月15日〜16日 |
5月3日〜4日 |
6月14日〜15日 |
7月26日〜27日 |
9月20日〜21日 |
11月1日〜2日 |
12月13日〜14日 |
前回FOMCの結果
前回FOMC(7月26日〜27日)では、政策金利の目標レンジを2.25〜2.50%に引き上げることが決定されました。
これは前々回(6月14日〜15日)より0.75%の利上げになります。
また目標インフレ率2%の達成のため、継続的な利上げを行なっていく方針をまとめました。
インフレ率を抑えるために、利上げを継続するんだね…
ちなみに、政策金利2.25〜2.50%は、前回(2018年)利上げにおけるピーク水準でもあります。
これは利上げの節目として捉えられていますが、米国インフレ率は未だ高い水準にあります。
そのため、利上げはまだまだ続きそうですね。
景気とインフレ抑制のバランスをどう取っていくかが、今後の焦点となるんだワン!
今後の見通し
次回のFOMCは9月20日〜21日に予定されています。
インフレを抑えるという目標がまだ達成されていないため、今後も利上げが続くと予想されています。
逆に利上げをしないとなれば、株価にはプラスになるかも…?
どちらにせよ、FOMCの動向には毎回注目しておくのが良いですね。
FOMCで重要な経済指標

FOMCや金融政策の決定には、様々な経済指標が影響を与えています。
これらの指標が金融緩和や引き締めを判断する一因になっています。
代表的な経済指標として、以下が挙げられます。
それぞれの指標について、詳しく見ていきましょう。
FF金利
FF金利(FFレート)は米国の政策金利の名称で、FRBが行う金融政策の誘導目標金利です。
FOMCでFF金利の誘導目標が決定されます。
日時 | FF金利(%) |
---|---|
2022年1月 | 0.25 |
2月 | 0.25 |
3月 | 0.50 |
4月 | 0.50 |
5月 | 1.00 |
6月 | 1.75 |
7月 | 2.50 |
雇用統計
雇用統計はアメリカの雇用の状況を表す指標です。
代表的なものに「失業率」「非農業部門雇用者数」「平均時給」などが挙げられます。
雇用情勢を見ることで景気の良し悪しがわかり、今後の金融政策に影響を与えます。
日時 | 失業率(%) | 非農業部門雇用者数(万人) |
---|---|---|
2022年1月 | 4.0 | 46.7 |
2月 | 3.8 | 67.8 |
3月 | 3.6 | 43.1 |
4月 | 3.6 | 42.8 |
5月 | 3.6 | 39.0 |
6月 | 3.6 | 37.2 |
7月 | 3.5 | 52.8 |
8月 | 3.7 | 31.5 |
GDP
GDPは”Gross Domestic Product”の略で、「国内総生産」のことです。
こちらも雇用統計同様、その国の経済、景気の良し悪しを表します。
日時 | 実質GDP(%) |
---|---|
2022年第1四半期 | -1.4 |
第2四半期 | -0.9 |
CPI
CPIは”Consumer Price Index”の略で、「消費者物価指数」のことです。
モノやサービスの価格を表します。
その国のインフレ率を測る重要な指標であり、インフレの促進や抑制など、金融政策に大きく関わってきます。
日時 | CPI(前年比、%) |
---|---|
2022年1月 | 7.5 |
2月 | 7.9 |
3月 | 8.5 |
4月 | 8.3 |
5月 | 8.6 |
6月 | 9.1 |
7月 | 8.5 |
ISM製造業景況指数
ISM製造業景況指数は、米国における製造業の景況感を示す指標です。
各企業役員に、「生産」「価格」「受注」などの項目を「良い」「変わらない」「悪い」の3段階で評価してもらい、指数を算出しています。
50%が中立で、それを上回ると景気拡大、下回ると景気後退を示しています。
日時 | ISM製造業景況指数(%) |
---|---|
2022年1月 | 57.6 |
2月 | 58.6 |
3月 | 57.1 |
4月 | 55.4 |
5月 | 56.1 |
6月 | 53.0 |
7月 | 52.8 |
8月 | 52.8 |
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【まとめ】FOMCとは

FOMCについて、よく理解できたよ!
今回はFOMCの概要から影響、今後の見通しまで解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。
- FOMCとは”Federal Open Market Committee”の略称で、米国金融政策の方針を決める委員会
- FOMCは世界の株価、為替に影響を与える
- 今後もインフレと利上げの動向に注目