フードテックとは何?~次なるイノベーション~

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この記事の結論

フード ×テクノロジーで「フードテック」

・フードテックは世界の食糧問題解決のカギ

・フードテックは700兆円市場におけるイノベーション


近年、フィンテック、エドテック、HRテックといった「何か」と「テクノロジー」を組み合わせた言葉を耳にすることが多くなったと思います。その中でも特に注目を浴びているのがフードテックです。

フードテックとは文字通り、フード(食べ物)とテック(ICT技術)を組み合わせてできた用語であり、カバーする領域は極めて幅広く、農業生産、流通、外食産業、次世代型食品開発など様々な分野で取り組まれています。

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食糧問題が日々深刻化していく中で、社会的な意義も増していることから、多くの投資家を動かす楽しみなテーマですね。

食糧問題は日本ではあまり頻繁にクローズアップされず、日本が豊富な食べ物に恵まれていることからも、多くの人にとっては実感しにくいテーマかもしれません。

そうはいっても、日本の食料自給率は38%で、半分以上を海外からの輸入に頼っている以上、本来ならばもっと気にかけなければならないはずなのです。

FAO(国際連合食糧農業機関)によれば、現在世界の飢餓人口は8億人に上ります。これは人類の9人に1人が飢えに苦しんでいる計算です。飢餓が原因で1日に亡くなる人の数は5万人に上り、来る将来の人口爆発を考えれば、このままではこの数はもっともっと増えていくでしょう。

加えて、地球温暖化等の異常気象による各地での作物の減産や環境破壊によるマグロなどの絶滅リスクの増加も観測されており、食糧問題がいかにひっ迫した喫緊の課題であるかが明白です!

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フードテック~4つの最先端テクノロジー~

食の産業は世界で700兆円とも言われる最も大きなマーケットです。これにICTを駆使することによって、より大きな付加価値を生み、業界が抱える無駄を減らして、大きなコストを削減することが期待されています。

ビル・ゲイツ氏やジェフ・ベゾス氏も投資するフードテック業界の中でも、今回は食料生産のセグメントに注目して、4つの最先端テクノロジーにをご紹介していきます。

人工肉

フードテックの中でも、特に投資家が関心を持っているのが人工肉です。植物由来のバーガーパティやソーセージを開発・製造するインポッシブル・フーズ(米国)やビヨンド・ミート(米国)がそのフロンティアを開拓しています。

特にビヨンド・ミートは先日(2019年5月2日)、米ナスダック市場に上場したことでも話題になりました。IPO株価は2倍以上に高騰するほどの人気っぷりを示し、人工肉専門の製造業者としては初の上場企業となりました。これを皮切りにフードテック関連企業のIPOも増えていきそうですね。

ビヨンド・ミートは水、小麦、自然由来の油を用いることで肉特有の風味を出す「ヘム」という成分を生み出すことに成功し、本物の肉さながらの食感や味わいを実現しています。肉の値段が今後上がっていくとすれば、人工肉は代替手段として期待されるほか、これまで肉を食べてこなかったヴィーガン、ヴェジタリアンの人も食べられる食材として極めて画期的です。

植物工場

先述した通り、地球温暖化による異常気象によって、世界各地で不作という現象が増えています。ただ歴史的にも農業は、気候リスクや自然災害に強く影響をうける産業であったことから、生産者は長い間、頭を悩ませてきました。この課題解決を目的に、植物工場の開発が活発的に取り組まれています。

屋内での栽培を可能にすることで、気候リスクや害虫リスクに左右されることもありません。また、研究がさらに進めば、砂漠や寒い地域でも農業が可能になるため、作物の生産量が飛躍的に増加することが期待されます。

この分野では、京都のスプレッドという企業が日本発の植物工場の開発に着手しており、世界でも数少ない黒字化に成功しています。すでにフランチャイズ展開も進めており、日本国内で市場シェア10%を狙うことだけにとどまらず、ロボットやLEDを用いた最先端の植物生産システムの海外輸出も計画しています。

細胞培養

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細胞培養では、動植物の細胞を摘出し、人工的な環境下で増殖させ、本物の牛肉や魚、野菜をつくりだします。まだ発展途上の段階ではありますが、成功すれば、業界にとって大きなイノベーションとなること間違いありません。

しかし、その大きな課題はコストにあります。ビル・ゲイツやセルゲイ・ブリンが出資するメンフィス・ミーツ(米国)では牛肉や鶏肉の培養に着手しており、2017年には牛肉のプロトタイプの生成に成功しました。しかし、その製造費用は400グラムで26万円と極めて高くつくものでした。

今後はこのコスト削減をどうするか注目したいですね。

新たな食材

最後に、人類が摂取してきた食べ物の常識を覆すことが期待される「新たな食材」についてご紹介します。

代表的な企業として、日本のユーグレナ(TYO:2931)があります。同社が手掛ける商品に用いられるミドリムシは動物性の栄養素と植物性の栄養素の二つを併せ持つ唯一無二の食材として、世界の食糧不足への貢献が期待されています。

食品としては、飲むタイプのものやクッキーなどが開発されており、ミドリムシに抵抗がある人でも摂取しやすい味とテクスチャーで提供しています。

今回のテーマからは逸れますが、同社はミドリムシから燃料をつくるバイオ燃料事業にも取り組んでおり、食糧問題だけでなく、世界の燃料問題の解決についても着手している、アツい会社です!

最後に

人類が長い歴史の中で不変的に継続してきた「食」にこれから大きな変革が起きそうな予感がしますね。この変革は従来のバリューチェーンを一変させることも考えられます。

直接的に食に関わってない企業にも大きなインパクトが及ぶ可能性がありますので、広い視野をもって、見ていく必要がありそうです。

たとえば、こんなケースを想像してみてください。

フードテック関連企業が培養鶏肉の量産化に成功するとします。仮にあるフライドチキンのお店が培養鶏肉の方が安価だからという理由で取引先を変更すると、それまでバリューチェーンの川上で生産していた養鶏場や川中の加工会社は仕入先を失います。

すると、それまで川上から川下まで鶏肉を搬送していた物流の需要もなくなって、物流会社も影響を被ってしまうわけです。もしかすると物流会社は輸送車両や船舶の数を減らしてしまうかもしれません。こうなるとトラック会社や造船会社も困ってしまいますね。

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グローバル化やテクノロジーの進化が著しい今日この頃において、そのスピードに追い付いていくためのアンテナとリテラシーを持とうとする姿勢は、私たちにとって極めて重要となります。

その一助となれるよう、今後もいろはに投資では、どしどし記事を出していきますので、ぜひ定期的に覗きに来てくださいね!

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