ブリッジレポート
(8275) フォーバル/大久保 秀夫社長
2002年12月20日(金)

フォーバルの中間決算説明会に出席しました。
大久保社長が決算概要と今後の事業展開について説明されました。

2003年3月期中間決算概要

<連結>
売上高
19,794百万円
前年同期
22,221百万円
売上総利益
5,682百万円
前年同期
5,209百万円
営業利益
817百万円
前年同期
−728百万円
経常利益
582百万円
前年同期
−818百万円
当期利益
215百万円
前年同期
−3,727百万円

大久保社長は、「事業の集中と選択の効果が出てきた」と認識しています。
前回のレポートでも触れた、子会社フォーバルテレコムによる在日外国人向け電話事業からの撤退でネットワーク関連事業が大幅に売上を減らしましたが、収益性が改善し売上総利益が増益となったのを始め、営業利益以下の段階でも黒字に転換しました。

セグメント別では、フォーバル単体が行っている、本来の強みである「機器関連事業」の中でも利益率の高い電話機販売の構成比率が再び上昇しています。

機器関連事業売上に占める比率(フォーバル単体)
2000/3
2001/3
2002/3
2001/9
2002/9
電話機
38.2%
34.1%
34.1%
34.5%
39.5%

これには、同社の行った「業界初の2分課金サービス」が効果を発揮しています。


大久保 秀夫社長


通常の電話課金は3分単位です。1分、2分しか話していなくても通常3分8.5円で課金されます。ただ、実際の電話利用状況を調べてみると73%の通話が2分以内となっているそうです。そこで同社は2分5.5円という課金制度を導入し、通話料金を約30%削減可能な新型の電話機など、コスト削減型の機器とサービスをパッケージ化し提案しています。


もう一つのセグメントである「ネットワーク関連事業」は、フォーバルテレコム、フォーバルクリエーティブなど主要子会社が主力となっています。上述のように在日外国人向け電話事業からの撤退で売上高は減少しましたが、採算性は向上しています。

 

業績回復について

このように、半期ベースで業績は底打ち・改善を見せています。
これをフォーバルテレコム(FT)を除いたグループの状況で見てみると以下のようになります。

経常利益推移(単位:100万円)
1999/3
2000/3
2001/3
2002/3
2002/9
フォーバル連結
−377
1,281
699
−1,027
582
FT連結
−518
−50
134
−1,779
−145
単純消去後
141
1,331
565
752
727
堅実に経常利益を計上しており(4期単純平均7億円)、今中間期も既に7億円の経常利益を計上しています。

営業キャッシュフロー推移(単位:100万円)
2000/3
2001/3
2002/3
2002/9

フォーバル連結

700
1,487
−682
244
FT連結
−1,256
482
−2,187
−331
単純消去後
1,956
1,005
1,505
575
営業キャッシュフローも安定しており、今中間期も約6億円となっています。

このように、フォーバルテレコムの事業拡大に伴い連結上大きな影響を受けてきましたが、同社グループとしては堅実な収益力を保持しているといえ、フォーバルテレコムの業績改善・安定がグループの業績安定・飛躍につながると考えています。

そのフォーバルテレコムの業績も四半期で見ると回復しています。
(単位:100万円)
2002/1-3
2002/4-6
2002/7-9
売上高
2,422
2,016
1,969
粗利益
70
163
221
販売管理費
431
238
142
営業利益
−355
−75
79
経常利益
−305
−203
57
純利益
−592
−193
68

フォーバルテレコムは、法人マーケットを対象に、「最適キャリアの選択」、「最適端末の選択」、「最適コンテンツの選択」による、「通信+ハード+コンテンツ」のパッケージ化を行い、「ワンストップ・サプライヤー/ワンビリング・ブランド=fitコール」というブランドで、販売店を通じて最適商品の提供を行っています。
複数の請求書を一枚にまとめるワンビリングも今後大きな武器となりそうです。

この4月利用分より、1枚にまとまっていたNTTグループ(NTT東西およびNTTコミュニケーションズ)の請求書が、順次各社それぞれに請求書を作成し、それぞれが郵送しなければいけなくなります。 これにより同社はNTTを利用している顧客にも、便利で効率的なワンビリングサービスを提供することができるようになります。
これに「2分課金」を合わせ同社ならではの「オンリーワン」商品で法人マーケットを積極的に開拓していく考えです。
また、メインターゲットはあくまでも個人事業主、中小企業に置きながらも、長距離IP網キャリア群と地域系キャリア群を組み合わせた、「最適VPN」を構築し、今まではあまり当たっていなかった大企業にも、大手電機メーカーと提携するなどして攻勢をかけていくそうです。

 

社債の償還原資について

2003年9月に24億円の社債償還期日が到来します。これに対しては、「約24億円の現・預金、金融債権」、「安定したキャッシュフロー 年間10億円」に加え、金融機関からの短期的な調達で十分対応可能と考えています。

また、安定したキャッシュフローの源泉としては、以下のように各リスクが極めて低い点があげられます。

  「在庫リスク」:  
  受注後発注が基本です。機器に関しては単品売りをしないため、過当な価格競争もなく収益が安定しています。
  「回収リスク」:  
  ほとんどの場合、顧客はリースを利用しリースの与信の下りない先には販売しません。同社はリース会社から一括で回収します。
  「資金負担」:  
  無店舗の営業形態で、設備投資も少なく事業展開時のリスクも小さくなっています。

 

事業の展開・動向について

前回のレポートでも紹介しましたが、同社グループはソフトバンク・グループのブロードバンド電話サービス「BBフォン」の法人向けサービスを行なうために2002年2月「ビー・ビー・コミュニケーションズ株式会社」をソフトバンク・グループと共に設立しました。
BBフォンはNTT等の電話回線ではなく「Yahoo! BB」独自のインターネット網を利用して通話を行なうIP電話サービスです。
フォーバルグループの役割はフォーバルが販売取次店として法人向け「BBフォン」を販売する他に、フォーバルテレコムは料金請求、営業企画、業務構築等の業務をアウトソーシングで受託することです。

IP電話については、DSL加入者が急速に増加する中で、多くの企業が参入を表明しています。2002年11月末のDSL加入者数は511万回線ですが、「Yahoo! BB」の接続回線数は12月には150万を突破し、純増数の約53%を占めています。同時にBBフォン利用者数も11月末には100万を超えています。
個人向けのADSLおよびIP電話において、「Yahoo! BB」、「BBフォン」が圧倒的なシェアを握った形となっています。

BBフォンの優位性は、以下の点です。
迂回が可能(特許による保護)
携帯電話、緊急電話、フリーダイアル発信が可能
単一企業による全国ネットワーク
050番号(総務省が付与する専用番号) 
578万回線分を承認(他社は1桁下)

フォーバルグループは、
  「売りやすさ」: BBフォンの販売条件の改良と緩和
  「市場の拡大」: SOHO向け製品の提供開始
  「サポート強化」: 法人向け体制の強化&戦略的企業合併
などの方策によって、個人マーケットでの成功を法人マーケット向けに積極的に展開していくことを目指しています。

 

取材を終えて

「選択と集中による業績底入れ」、「IP電話による法人マーケットの開拓」という会社からのメッセージが明確に伝わった説明会でした。
法人に対するIP電話の導入及び今後の見通しに関する調査によれば、3年後には約4割の会社が利用し、5年後には「利用している企業数」が「利用していない企業数」を上回ると予想されています。
今後の最大の注目点である「BBフォン顧客獲得の進捗状況」を中心に引き続きフォローしていきたいと思います。

 
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