ブリッジレポート

(8275) フォーバル/大久保 秀夫社長
2003年5月30日(金)

フォーバルの決算説明会に出席しました。
大久保社長が決算概要、今後の展開などについてお話されました。

 


大久保 秀夫社長

2003年3月期決算概要

<連結>
(単位:100万円)
実績
前期
売上高
37,402
44,411
営業利益
1,522
▲860
経常利益
1,334
▲1,027
当期純利益
443
▲4,756
  • リストラを実行し「選択と集中」の結果を求めた1年でした。
  • 結果として「子会社フォーバルテレコムの業績回復」、「連結の黒字化」を実現することができました。
  • 営業利益ベースでの黒字化の要因は、「Fテレコムの業績回復 18.5億円」、「本体の機器関連事業収益増加 4.3億円」などとなっています。子会社フォーバルクリエーティブの行っているコンピュータセキュリティ事業収益は1.5億円の減少要因となっています。
  • 2002年3月期には、フォーバルテレコムの行っていた在日外国人向け通信事業整理損21億円などが特別損失として発生しましたが、当期はそれがなくなったため、最終利益も黒字転換しました。


2004年3月期決算予想

<連結>
(単位:100万円)
予想
前期比
売上高
38,300
+ 2.4%
営業利益
2,000
+31.3%
経常利益
1,900
+42.3%
当期純利益
800
+80.3%
  • 今回から業績予想を発表することとなりました。
  • 営業利益増減の内訳は、前期に引き続き本体の電話機等機器売上の増加により5億円、リストラ効果で2億円押し上げる一方、前期の特殊要因連結調整勘定がなくなります。

<セグメント別動向>
機器関連

本体による機器売上は、前々期12,674百万円、前期12,324百万円に対し、今期14,000百万円、営業利益1,100百万円を見込んでいます。 中でも電話機売上に関しては、直販及び代理店での営業を強化し、今期6,800百万円(前期比+42.3%)を計画しています。

ネットワーク関連
フォーバルテレコム、フォーバルクリエーティブなどの子会社が中心となるこのセグメントは、今期売上24,300百万円(前期比 −3.1%)、営業利益900百万円(同 −9.1%)と減収・減益を見込んでいますが、減益は前期の特殊要因(連結調整利益)がなくなるためで実質的には増益の予定です。
フォーバルテレコムに関しては、企画・検討中の新規事業(未発表)については織り込んでいません。

 

事業の概況

1980年代に、電電公社(当時)レンタル料の10%安い水準にリース料を設定し、民間企業の電話機をリースで供給する仕組み作りからスタートした同社は、その後も通信における料金革命を推し進めてきました。
現在はインターネットがブロードバンド時代を迎える中、基本料金、付加料金といった最もベースとなる部分にも料金革命を起こそうとしています。

日本のインターネットは急速に普及しています。
インターネット利用者数6,942万人:米国に次いで世界第2位
人口普及率54.5%:世界第10位(前年は16位)
ブロードバンド加入940万人。DSL700万人。(2003年3月末)
ADSL接続料金 「Yahoo!BB 2,453円(2002年7月時点)」は世界的にも低水準

また企業の通信費削減に対する意識も大変強まっています。
日経産業新聞「東京ガスは、全国2万台の固定電話を、2004年春までに全てIP電話に切り替える方針。年間5億円以上のコスト削減へ。」
日刊工業新聞「IP電話サービスが法人市場で競争強まる。企業のIP電話利用意向は5年後に約6割へ」
国内VoIP市場は、2005年に法人向けサービスが個人向けサービスを逆転し、2007年には市場規模は7200億円までに拡大と予想(IDCジャパン調べ)
電力系通信、KDDIなど大手キャリアも光回線を使ったIP電話を開始する予定

このようにインターネットが急速に普及し、中でも法人におけるIP電話ニーズが飛躍的に高まる中、同社にとって大きなフォローの風が吹いていると考えています。
本業回帰を目指し集中と選択によるリストラを実施して底入れした後、2分課金「55フォン」、定額制の「BBフォン」に取り組み、光ファイバー等の新しいブロードバンドインフラに対応した新サービスを提供して更なる成長、V字回復を目指します。

同社の特徴は「ユーザーオリエンティドなキャリア選択業」です。
利用者の利便性を最優先し、ユーザーに最も合ったキャリア等を選択します。
ナローバンド時代はNTT、KDDI、JTなど数社だったものが、ブロードバンド時代となってキャリア等の選択肢が増加し、同社の役割は益々重要になると考えています。
ソフトバンクはADSLにおけるリーディングカンパニーとしてパートナーシップを組んでいるとのことです。

ナローバンド時代の「回線+ハード」の提供、ビリングサービスというベースの上に、ブロードバンド時代の回線(ブロードバンド)およびハード(IP対応機器)、新たなサービスを提供することで、ユーザーにとっての価値の最大化を追求していきます。

最後に具体的な営業提案事例の紹介がありました。

<IP電話導入のための企業向け提案事例>

1. A社 「警備業。従業員数1000名。拠点数51拠点。月間通信費:2,850千円」
問題点 通話料金を削減したい(専用線を引くほど頻度はない)
グループ内でネットワークを結んで勤怠管理したい
初期導入費用は抑えたい

解決策 各支店にYahoo!BB SOHOを導入
全拠点をADSLに。
拠点同士0円通話に。

結果 月額経費削減額(ネット) 1,229千円
年額経費削減額(ネット)14,754千円
2. B社「中古品買取販売(FC)。400店舗。月間通信費:4,852千円」
問題点 販売事例などの情報を共有したいが、ISDNのため写真やPOPが送れない
今後の店舗数増加に合わせ情報インフラを検討中

解決策 各店舗にYahoo!BB SOHOを導入

結果 月額通信費削減額     1,647千円
年額経費削減額     19,764千円

 

取材を終えて

昨年から進めてきた「集中と選択」によって無駄な部分を殺ぎ落とし、筋肉質の企業へと転換することができたようです。
そして、本文中にあるようにブロードバンド普及の中、「法人の時代」の到来で、大久保社長は「同社の出番がやってきた」と捉えて、人員増も含めてより大きく拡大していく考えです。
同社の基本スタンスは、『ユーザーオリエンティドな「問題解決型企業(ソリューション・プロバイダ)」として社会価値を創出しつづける』というものです。
一方で競争も激しくなっていくことも予想されますが、業績底入れを果たした同社の今後の事業展開をフォローアップしていきたいと思います。

 
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