ブリッジレポート
(8275) フォーバル/大久保 秀夫社長
2003年10月8日(水)

フォーバルをフォローアップ取材しました。
大久保社長に、同社が現在注力しているIP電話事業を中心に伺いました。

 


大久保 秀夫社長


IP電話事業への取り組み

前回のレポートでも紹介しましたが、IP電話サービスには既に多くの企業が参入しています。
プロバイダ、電力系通信に加え、NTT東西も企業向けIP電話に参入を決定し、IP電話化が急速に加速する勢いです。
「Yahoo!BB」の登場で一気に拡大した個人マーケットに次いで、通信費削減意識の高まりから、主戦場は法人マーケットへ移行し始めています。

  • 日経産業新聞
    「東京ガスは、全国2万台の固定電話を、2004年春までに全てIP電話に切り替える方針。年間5億円以上のコスト削減へ。」
  • 日刊工業新聞
    「IP電話サービスが法人市場で競争強まる。企業のIP電話利用意向は5年後に約6割へ」
  • 国内VoIP市場は、2005年に法人向けサービスが個人向けサービスを逆転し、2007年には市場規模は7200億円までに拡大と予想。2002年の31億円の230倍へ(IDCジャパン調べ)
  • 日本経済新聞
    「三井住友銀行が行内電話網にIP電話を導入。4−5年かけて約5万台全てを移行。年間総通信費の2割弱にあたる5億円削減可能と試算。大手銀行での全面導入は初めて」

このようにIP電話の法人マーケットが急拡大することが予想される中で、法人に強い同社にとっては、ビジネスチャンスが飛躍的に広がると期待しています。
その中でただ単純に電話機を販売するのではなく、顧客の環境に最も合ったブロードバンド環境を提供するのが同社の役割であると考えています。
また、同社設立以来の方針である「ユーザーオリエンテッド」を掲げ、顧客にベストの提案を行うと同時に、ユーザーの声を吸い上げてサプライヤー(端末メーカー、キャリア、コンテンツプロバイダーなど)に新事業・サービス企画の開発を提案。そうして出来上がった商品・サービスを顧客に提供するという「カスタマーエージェント」として、情報通信コンサルティングを展開していきます。
ナローバンド時代はNTT、KDDI、JTなど数社だったものが、ブロードバンド時代となってキャリア等の選択肢が増加し、同社の役割は益々重要になると考えています。
そのためには「ブロードバンドサービス」を提供する通信事業者とのアライアンスが不可欠であり、その第一弾として、DSLサービスではソフトバンクと組んで、法人向け「BBフォン」サービスを展開しました。
「BBフォン(法人、個人含む)」ユーザーは300万を超える急成長を遂げており、これは固定電話網加入者の5%弱に当たります。

そして第二段として光ファイバーを使った法人向けIP電話「FTフォン」サービス開始のため、有線グループとアライアンスを組みました。
有線ブロードネットワークスの通信子会社「ユーズコミュニケーション」の第三者割当増資80億円をITX、同社など15社が引き受けました。(2003年7月)
有線グループはこの資金を法人向け光ファイバー網構築に振り向け、同社は法人向け営業を展開します。


(今までの番号がそのまま使える)番号ポータビリティを実現した「FTフォン」サービス

2003年10月22日に、中小法人向け光ファイバー対応IP電話サービス「FTフォン」サービスの開始をリリースしました。
同社はこの「FTフォン」サービスによって、同業他社に対し極めて大きなアドバンテージを獲得したと大久保社長は考えています。


(クリックすると大きい画像で御覧いただけます。)

「FTフォン」サービスとは?
光ファイバー網を用いたIP電話とデータ通信に加え、専用のIP電話端末をオール・イン・ワンで提供するブロードバンド通信サービスです。

企業側の主要メリット
 
1. 導入に関し、初期投資がほとんど不要
 2.従来と同じ電話番号の使用が可能
 3.複数通話可能なIP電話と最速100メガの高速データ通信を提供
 4.高品質の光ファイバーを業界最低価格で利用可能
 5.NTT基本料金が不要。IP電話で全国一律3分7.5円、ユーザー同士は無料。

このうち最も注目される特徴が「⊇祥茲汎韻古渡暖峭罎了藩僂可能」な点です。

あるヒアリングによれば、法人ユーザーがIP電話を導入するためには以下のような条件があります。
  ・ 安定した通話品質の提供
  ・ 通信コストの削減
  ・ 利用者側のオペレーションが変わらない
  ・ 電話番号が変わらない

現在、総務省はIP電話に関しては「050」で始まる電話番号を付与していますが、法人としては、

  「名刺や書類の刷りなおし、対外告知にコストがかかる」
  「050番号の社会的認知度や信頼性が低い」
  「電話の設置場所がわかる市外局番がないため、どこに本社や事業所があるかわからない」

といった声が多く、「050」は不評で、法人マーケットにおいては現在の電話番号を継続して利用できるサービス「番号ポータビリティ」の提供がなければ、サービスそのものが成り立たないと考えられています。
しかし一方で、総務省は「番号ポータビリティ」を利用するには、NTT固定電話と同等の品質基準を提供しなければならないとしています。
その条件は、

1. ユーザー宅まで回線を直接引き込み、その回線を収容する局側装置を所有する。
2. これらの設備が技術的基準を満たし、固定電話並みの通話品質を確保できる。
3. 電話番号と電話の設置場所の対応関係を維持できる技術的な対策が必要
4. 市外局番毎に需要があり、サービス提供計画に確実性がある。

というものですが、これら全てをクリアするのは極めて難しく、主要な第一種通信事業者の中でも「電話ポータビリティ」の開始を明確に表明できないのが現状です。 これに対して、光ファイバーを用いた「FTフォン」サービスは、この4条件を全てクリア。総務省の認可を日本で最初に取得したメディア社のプラットホームを利用し、法人サービスで最も重要な「番号ポータビリティ」をいち早く可能にしたのです。

今年7月から東京・神奈川の一部地域で試験的に先行販売を行ったところ、わずか3ヶ月強で2000社以上の顧客化に成功しました。
12月からは、全国主要都市での提供を開始するための準備にかかっており、大久保社長が先頭に立って、各県で多数法人顧客を保有する有力企業の代理店ネットワーク作りを積極的に進めています。

同社のメリット
「FTフォン」サービスによって同社グループは、多面的に収益を上げていきます。

*フォーバル
SOHO向けビジネスホンから大企業向け交換機まで、事業規模に応じてメーカーと共同開発したラインアップを販売します。

*フォーバルテレコム
光ファイバーを利用したIP電話サービス「FTフォン」を提供します。各種サービスを企画し、課金の請求・回収を行います。

*フォーバルクリエーティブ
システムに対するウィルス対策を提供します。

これらの他に「FTフォン」サービスを窓口として開拓した企業に対して、従来のOA機器を販売したり、ビジネスポータルサービスを提案するなど、多角的な営業展開が可能となり、顧客基盤の深耕と拡大が可能となります。

 

中小企業の経営体質強化のために

大久保社長は、「日本の経済を回復させるには、中小・零細企業がIT(Information Technology)によるビジネスチャンスの拡大、競争力の強化を図ることが必須であり、これこそが真の意味で痛みを伴わない構造改革である」と考えています。「FTフォン」を始めとしたブロードバンド関連サービスの提供によって、日本経済を支えている中小・零細企業の経営をサポートすることが同社を中心としたフォーバルグループの大きな社会的な役割であり、同時に大きなビジネスチャンスがあると考えています。
大手企業を中心に普及してきたITサービスを中小規模法人も享受できるような新サービスを企画・提供してきたのがフォーバルグループです。
そのために超大手企業や業界の最先端の技術やノウハウを持つ企業とアライアンスを組んできました。そしてこれからもその姿勢は強く続いていくそうです。時期が来れば次々と発表していきたいとのことです。

 

取材を終えて

大手のキャリアに先行して「番号ポータビリティ」をいち早く実現させた、画期的な「FTフォン」サービスの開始。このアドバンテージにもかかわらず、大久保社長は気を緩めることなく更にスピードをアップしていくことを考えています。
他社の認可取得も当然予想されることですが、それまでにしっかりと基盤を固め、他社が出てきたときには既に次のステージに進んでいるという形を目指しています。また同時に、他社が参入することで法人向けIP電話サービスが広く認知され、さらにそれにより市場の拡大が加速することも期待しています。
このサービスの進捗状況については今後順次明らかにしていく予定ということです。
11月15日開催のブリッジサロンには、「多くの個人投資家の皆さんに理解を深めてもらいたい」との考えで、大久保社長が参加されます。同社の成長戦略について、直接お話を聞いてみてはいかがでしょうか?

 
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