ブリッジレポート
(8275:JASDAQ) フォーバル 企業HP
大久保 秀夫 社長
大久保 秀夫 社長

【ブリッジレポート】フォーバル vol.16
(取材概要)
「主力の電話機販売の不振が響き、下期も苦戦が続く見込みです。ただ、その一方で、セキュリティ関連、Web関連等の新しい事業が育ちつつあります。・・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
株式会社フォーバル
社長
大久保 秀夫
所在地
東京都渋谷区神宮前 5-52-2 JBPオーバルビル
事業内容
電話機販売大手。OA機器販売、情報通信サービスへも拡大。
決算期
3月
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2006年3月 27,500 3 14 1,063
2005年3月 40,089 1,962 1,962 1,174
2004年3月 32,981 1,446 1,360 660
2003年3月 37,402 1,522 1,334 443
2002年3月 44,411 -860 -1,027 -4,756
2001年3月 52,045 1,026 699 86
2000年3月 54,668 1,278 1,281 1,122
株式情報(12/11現在データ)
株価 時価総額 発行済株式数 単元株数 決算データ年月 1株配当
418円 5,796百万円 13,866,311株 100株 2006年3月 20.00円
配当利回り PER(連) 1株利益(連) PBR(連) 1株株主資本(連) ROE
4.78% 5.58倍 74.87円 0.61倍 687.97円 11.74%
フォーバルの2007年3月期中間決算について、会社概要と共にブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
都心部の中堅・中小法人を対象に情報通信機器の販売、通信サービス及びネットワーク関連サービスを提供しています。電話機販売からスタートした同社は、ナローバンド、ブロードバンド、そしてセキュリティと、時代のニーズに即した分野で様々なサービスを開発し、「新しいあたりまえ」を創造してきました。
 
社名のFORVAL(フォーバル)は、「For Social Value」を語源とし「社会価値創出企業を目指す」という経営理念を表しています。
 
 
また、FORVALのは、シンボルマーク「ダイナミックオーバル」です。グループ各社それぞれが、また社員一人ひとりが束縛されずにのびのびと躍動していながら、ひとつのビジョンに向かって上昇している姿を示しています。
 
<沿革>
1980年9月、新日本工販として設立され、電気通信機器やコンピュータ等の販売、及び設置工事、保守管理のサービスの提供を開始しました。
87年9月、後に同社が100億円企業の仲間入りをするきっかっけとなるNCCサービスを開始。88年11月には、株式を店頭登録(現ジャスダック)。90年4月、スーパーディスプレイホン(SDP・液晶画面付き多機能電話機)をメーカーと共同開発し、販売を開始しました。
 
 
91年10月、フォーバルに商号を変更。95年4月、「第三電電構想」を実現するため、(株)フォーバル テレコムを設立し国際電話サービス事業に参入しました。00年11月、フォーバル テレコムが東証マザーズへ上場。翌01年12月には、ネットワークセキュリティ関連の製品販売とサービス提供を行なうフォーバルクリエーティブが、大証ナスダック・ジャパン(現ヘラクレス)市場へ上場。
03年10月、IP電話&ブロードバンドサービス「FTフォン」サービスを開始しました。
 
<事業内容>
事業セグメントは、電話機、複写機、パソコンの販売を主とする機器関連事業と、通信サービス、セキュリティ関連等のネットワーク関連事業に分かれます。2007年3月中間期の構成比は、前者が41.4%、後者が58.6%でした。
 
<強み>
同社グループの強みとして次の3点。対象マーケットにおいて強い競争力を持っています。
 
1.中小法人社長の特性・問題を把握 : 25年間の実績・ノウハウ、約15万社の顧客基盤
2.商品企画力・開発力 : 「新しいあたりまえ」を創造し続ける力
3.ワンストップ、ワンビリングサービス : 中小法人にとって高い利便性を提供
 
1.中小法人社長の特性・問題を把握
同社が毎年行なっている小規模模事業者の実態調査をまとめた「フォーバル小規模事業者白書」は、多くのメディアでも取り上げられています。
 
2.商品企画力・開発力
同社の沿革で説明したように、1980年に設立され電話機販売からスタートした同社は、その後、ナローバンド、ブロードバンド、そしてセキュリティと、時代のニーズに即した分野で様々なサービスを開発し、「新しいあたりまえ」を創造してきました。
 
3.ワンストップ、ワンビリングサービス
ワンストップ、ワンビリングサービスは、中小法人に高い利便性を提供しています。
 
上半期の取組み
 
「安心」と「安全」を共通テーマに徹底した顧客接点の拡大・強化を図りました。
 
 
1.営業体制・体質の改善
小集団(5〜7名)の営業ユニットに再編し、迅速な意思決定が可能な体制を整えた他、Push型からYahoo!等のWebを活用したPull型営業への転換を図りました。また、東京商工会議所、宅建業界等と提携、今後、これら提携先向けのセミナー等を通して顧客開拓を進めます。
更に、前期に大量採用した社員の教育機関として、(株)フォーバルキャリアファームを設立しました。(株)フォーバルキャリアファームは、今後のフォーバルのけん引役となる人材を教育し、目標設定・向上策実施・スキル測定/分析・スキル評価を一体としたスキルマネジメントを推進します。
 
2.きめ細かなマーケティング
マーケティングの強化に向けて営業支援システム「POPEYEシステム」を稼動させた他、工事や保守を行うカスタマーサポート、ブロードバンドの利活用をアドバイスするブロードバンドアドバイザーといった顧客との良好な関係を築いている要員が顧客ニーズを吸い上げていく仕組みを構築しました。
 
3.積極意的な商品開発
法人向けのトータルセキュリティサービス等、商品ラインナップの拡充に取り組みました。
 
4.マーケット獲得のためのM&A、JV、アライアンス
悪質なリース販売を行った事業者の問題が業界全体に対する不信感となって厳しい事業環境が続いており、事業継続が難しくなっている同業者が増えているそうです。このため、M&A等の案件持込みも増えており、業界再編の機運が高まっています。マーケット獲得のためのM&A、JV、アライアンスに積極的に対応していく考えです。
 
5.今後の課題
(株)フォーバルキャリアファームが、未だ十分に機能しているとは言え無い事。稼動が下期にずれ込んだ事で、「POPEYEシステム」の活用も十分では無い事等が下期以降の課題として残りました。
 
2007年3月期中間決算
 
<連結>
 
電話機販売の落ち込みや通信サービス(「おとくライン」)の取次ぎ手数料の減少が響き、営業損失となりました。
 
<期初予想との比較>
 
電話機販売の苦戦に対応し、計画を上回る販管費の削減を進めましたが、売上総利益の減少をカバーできませんでした。
 
<セグメント別動向>
1.機器関連事業
 
 
電話機販売の不振が響きました。
 
2.ネットワーク関連事業
 
 
売上高は増加しましたが、R&D関連の米国子会社等の費用が利益を圧迫しました。
 
<セグメント別詳細>
1.機器事業
(1)電話機
 
 
個人事業主向けに悪質なリース販売を行った事業者の問題が業界全体に対する不信感となり、厳しい事業環境が続きました。第2四半期以降、セキュリティ関連の拡販に重点を移したため、大幅な減収となりました。
 
(2)複写機等
 
 
業界全体では、カラー対応機が堅調なものの、モノクロ機の落ち込みが大きく、市場は縮小しています。一方、同社のカラー対応機販売は、台数ベースで業界全体の倍近く伸びました。このため、売上高はわずかな減少にとどまりました。
 
(3)パソコン、ファクシミリ、その他
 
 
パソコン、ファクシミリは積極的に拡販しておらず、顧客のニーズのオーダーを受けて販売している状況です。また、ファクシミリはいずれ複合機に置き換わると予想しています。
 
2.ネットワーク関連事業
(1)通信サービス等
 
 
大手キャリアが展開する通信サービスの取次ぎ手数料収入が減少したため減収となりましたが、「FTフォン」の売上高が前年同期に比べて70%強増加する等、ストック型サービスは堅調に推移しました。
 
 
(2)セキュリティ関連
 
 
大手企業向けのファイアーウォール商品は、需要一巡及び競争激化により苦戦しました。
一方、統合型セキュリティアプライアンス商品(FortiGate、注.1)が中小企業向けに大きく伸びました。
「FortiGate」については、フォーバル本体でも6月より全国販売を開始しました。7-9月の「FortiGate」販売台数では、アジア・オセアニア地区でNo.1ディストリビュータとなりました。
 
 
(注.1)FortiGate
米Fortinet社のSOHOからサービスプロバイダまでをカバーする高速アンチウイルス・セキュリティー・ゲートウェイ(高機能ルーター)。
 
(3)その他
 
 
前下期より開始したWeb制作(Winシリーズ)が大きく伸びました。
また、7月に株式取得により子会社となった特注文具の製造・販売を営む新英が寄与した他、昨年6月に設立したIT技術者派遣事業を営むクリエーティブソリューションズがフルに寄与しました。
 
<グループ会社別動向>
1.フォーバル(個別)
 
 
電話機販売の不振に加え、「おとくライン」取次ぎ手数料も減少しました。
2.フォーバルテレコム連結
 
 
「FTフォン」の拡大に加え、買収した新英も寄与しました。
 
3.フォーバルクリエーティブ連結
 
 
「FortiGate」の拡販に取り組みました。
 
4.その他(単純合算)
 
 
損失の主なものは次の通りです
フォーバルキャリアファーム 損失 5億26百万円
米国R&D子会社 損失 1億10百万円
国内R&D子会社 損失 50百万円
セブンライズ 損失 50百万円
 
<販管費>
 
販売費が増加したものの、人件費、求人費、及び会議費等が減少しました。
 
<貸借対照表>
 
未収入金(2億07百万円減)や売上債権の減少により流動資産が減少する一方、固定資産においてフォーバルテレコムの新英買収に伴い土地が増加(4億23百万円)した他、ソフトウェア(1億36百万円)、投資有価証券(1億17百万円)が増加しました。
必要な資金を短期借入金で賄ったため、流動負債が増加。固定負債の増加は主に退職給付引当金の増加によります。
この結果、自己資本比率は44.3%となりました(前期末は56.2%)。
 
<キャッシュ・フロー>
 
売上債権等が減少したものの、税金等調整前損益が11億88百万円の損失となった事が響いて、営業活動によるCFは10億48百万円の流出となりました。
投資有価証券の取得(4億96百万円)や連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得(3億11百万円)、その他有形・無形固定資産の取得等で投資活動によるCFは10億22百万円の流出となりました。
短期借入金の増加(24億99百万円)等で財務活動によるCFは22億30百万円の流入となりました。
 
この結果、現金及び現金等の中間期末残高は44億22百万円となりました。
 
今後の取組み
 
引き続き「安心」と「安全」を共通テーマに徹底した顧客接点の拡大・強化を図ります。
 
 
機器関連事業
電話機販売は引き続き厳しい環境が予想されます。リースを活用したビジネスモデルが陳腐化していることもあり、新たなビジネスモデルの構築に取り組みます。
 
ネットワーク関連事業
FortiGateを中心にしたセキュリティ関連とWinシリーズを中心にしたWeb関連に注力するほか、法人向けトータルセキュリティサービスを12月中旬より開始する予定です。
 
1.セキュリティ関連
(1)FortiGateの特徴
 
 
Fortinet 社のASICベースのアンチウイルス・ファイアウォール「FortiGateシリーズ」は、Eメール及びウェブ・トラフィックを経由するウイルスやワーム、不正侵入、不適切なウェブ・コンテンツなど、深刻な被害を及ぼしかねないコンテンツベースの脅威を、ネットワークのパフォーマンスを損なうことなくリアルタイムで検知・防御する次世代の統合脅威管理(UTM-Unified Threat Management )アプライアンスです。
FortiGateシリーズは、ファイアウォール、VPN、IDS/IPS、帯域制御など、包括的なネットワークレベルのサービスに加え、アンチウイルス、アンチスパム、URLフィルタリングといったアプリケーションレベルのサービスを、操作性に優れた専用のプラットフォームで提供します。
また、統合型で、ユーザー単位ではなく、アプライアンス単位の料金体系のため(クライアント無制限)のため、初期費用、運用コストを低減できます。
 
(2)スキル向上策
セキュリティアドバイザー認定制度によるスキル向上で、営業からコンサルテントへ戦略的転換を図ります。
 
 
(3)FortiGateの販売戦略
無料のセキュリティ診断とスパイウエア検知により、セキュリティに対するニーズの発掘に努めます。
 
 
2.Web関連
(1)Winシリーズの特徴
Webサイト構築ソリューション「Winシリーズ」は、ユーザビリティの良いサイト構成、ハイクオリティなデザインやコンテンツ、更には安全なレンタルサーバとのセットで検索エンジン対策も施されています。また、ブロードバンドアドバイザーによる更新のアフターフォローサービスも受けることができます。
 
 
(2)Winシリーズの販売戦略
 
 
既存戦略に加え、新規戦略としてWeb広告をツールとした新規マーケットの獲得に努めます。具体的には、広告商材であるYahooクーポン、PPC広告等を活用して収益を確保するとともに、Winシリーズのアドオンを図ります。
 
2007年3月期業績予想
 
<連結>
 
電話販売の苦戦が続くことに加え、米国R&D子会社及びフォーバルキャリアファームの経費が期初の予想を上回る見込みです。
 
<セグメント別売上高予想>
 
2010年のフォーバルグループの姿
 
ブロードバンド環境の構築・メンテナンスからビジネスサポート、セキュリティまでのトータルプロデュース企業を目指します。
 
 
また、上期のような厳しい事業環境が続いても利益が出せるよう、余剰人員の他社への派遣、新商品・新サービスの開発、営業サポート部門の赤字縮小等に取り組みます。
 
取材を終えて
主力の電話機販売の不振が響き、下期も苦戦が続く見込みです。ただ、その一方で、セキュリティ関連、Web関連等の新しい事業が育ちつつあります。今期は電話機販売の苦戦をカバーするまでには至りませんが、いずれも市場規模が大きいだけに今後の展開が注目されます。また、業界再編の動きも同社にプラスに働くものと思われ、今期の業績は厳しいものの、悪い事ばかりではありません。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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