ブリッジレポート
(8275) 株式会社フォーバル

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ブリッジレポート:(8275)フォーバル vol.29

(8275:JASDAQ) フォーバル 企業HP
大久保 秀夫 社長
大久保 秀夫 社長

【ブリッジレポート vol.29】2010年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「通期業績予想を達成するには第4四半期の動向が鍵を握るが、コスト削減や生産性の改善は進んでおり方向性は悪くない。同社は、価格競争が激・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年3月16日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フォーバル
会長兼社長
大久保 秀夫
所在地
東京都渋谷区神宮前 5-52-2 青山オーバルビル
決算期
3月
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2009年3月 34,358 112 17 -1,879
2008年3月 34,323 -933 -1,264 -532
2007年3月 26,216 -1,878 -2,012 -1,390
2006年3月 27,500 3 14 1,063
2005年3月 40,089 1,962 1,962 1,174
2004年3月 32,981 1,446 1,360 660
2003年3月 37,402 1,522 1,334 443
2002年3月 44,411 -860 -1,027 -4,756
2001年3月 52,045 1,026 699 86
2000年3月 54,668 1,278 1,281 1,122
株式情報(3/3現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
246円 13,564,100株 3,337百万円 - 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12.50円 5.1% 7.27円 33.8倍 306.09円 0.8倍
※株価は3/3終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
フォーバルの2010年3月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
中小・中堅企業を対象に、電話機や複写機等のオフィス向け情報通信機器の企画・販売・設置・保守サービスの他、携帯電話端末の販売、光ファイバーを利用したIP電話サービスや小規模事業者向けのFMC(固定通信と移動体通信の融合)サービス、セキュリティサービス等、様々なサービスを「ワンストップ」で提供している。社名のFORVAL(フォーバル)は、「For Social Value」を語源とし、「社会価値創出企業をめざす」という経営理念が込められている。

<事業セグメント>
事業セグメントは、電話機、複写機、パソコン等の販売を主とする機器関連事業と、FTフォン等の通信サービスや携帯電話の販売を中心とした通信ネットワークやセキュリティ関連等のネットワーク関連事業に分かれ、09/3期の売上構成比は、前者が28.5%、後者が71.5%。

<「総合ブロードバンドソリューションカンパニー集団」を目指して>
1980年に設立され電話機販売からスタートした同社だが、その後、ナローバンド、ブロードバンド、そしてモバイルと、時代のニーズに即した分野で様々なサービスを開発してきた。そして、今、フォーバルグループとして、中小・中堅企業に対するNo.1の「総合ブロードバンドソリューションカンパニー集団」を目指し、情報通信分野を核とした総合経営コンサルティングサービス「アイコン」を育成中である。
 
総合経営コンサルティングサービス「アイコン」
 
 
 
2010年3月期第3四半期決算
 
 
前年同期比8.4%の減収、172百万円の経常利益
ここ数年高い伸びを示してきた通信ネットワークが新通信サービス事業の伸び悩みや首都圏の携帯ショップを閉鎖した影響等で減少に転じ、IT投資の落ち込みで機器販売も売上が減少した。ただ、利益面では、事務所や店舗の統廃合による地代家賃の削減、業務の効率化による残業の抑制、更には子会社の整理等による人件費の減少等で販管費の削減が進み、前年同期に7百万円だった営業利益が199百万円に増加。加えて、投資事業組合運用損や不正流用損失が無くなり営業外損益が改善した他、投資有価証券評価損や減損損失の減少等で特別損益も改善、87百万円の四半期純利益を確保した。
 
 
機器関連事業
売上高は前年同期比9.0%減の6,773百万円、営業利益は63百万円(前年同期は33百万円の損失)。主力の電話機販売は前年同期比6.9%減の2,759百万円。第2四半期に本格的に取り扱いを開始した小規模事業者向けのFMC(固定通信と移動体通信を融合したサービス)対応新商品の寄与で数量ベースでは伸びたものの、小型モデルから投入した事もあり低価格ゾーンの比重が高まった。サーバーの販売の一服やパソコン販売の低迷で情報機器関連の売上高も820百万円と同14.9%減少。低価格ゾーンに需要がシフトした事やカウンタ-価格の低下により複写機等の売上高も3,143百万円と同8.5%減少した。
 
ネットワーク関連事業
売上高は前年同期比8.2%減の16,711百万円、営業利益は3.3倍強の135百万円。スパムメール対策を切り口とした中小企業向け統合型セキュリティアプライアンス商品の販売促進策の継続や12月から取り扱いを開始した新たな統合型セキュリティアプライアンス商品の寄与等でセキュリティ関連の売上が1,063百万円と同23.1%増加。Webサポートサービス等のストック型サービスの寄与や第2四半期(7-9月)以降にマーケットニーズに合わせて廉価版のホームページの取り扱いを開始したことでWeb関連の売上も769百万円と同4.5%増加した。一方、(株)フォーバルテレコムの新通信サービス事業の伸び悩みや(株)リンクアップが首都圏の携帯ショップを閉鎖した事等で主力の通信ネットワークの売上高が12,314百万円と同8.2%減少。印刷関連子会社や特注文具関連子会社及び人材関連子会社等の苦戦でその他の売上も2,563百万円と同19.7%減少した。
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
第3四半期末の総資産は前期末比972百万円減の14,274百万円。運転資金の減少を受けて、有利子負債の削減を進めた。CFの面では、売上債権の減少が前年同期ほどではなかった事で営業CFが減少したものの、M&A関連支出の減少で投資CFが改善。703百万円のフリーCFを確保した。
 
 
 
 
2010年3月期業績予想
 
 
前期比6.0%の減収、400百万円の経常利益予想(前期は17百万円の利益)
通期業績予想に変更は無い。情報通信分野を核とした総合経営コンサルティングサービス「アイコン」の強化とコスト削減や生産性の改善により通期業績予想の達成を目指している。配当は1株当たり12.5円の期末配当を予定。
 
 
 
取材を終えて
通期業績予想を達成するには第4四半期の動向が鍵を握るが、コスト削減や生産性の改善は進んでおり方向性は悪くない。同社は、価格競争が激しい機器販売から、保守、サポート、更にはコンサルティング等の経営支援サービスへのシフトを進めており、既に情報通信分野を核とした総合経営コンサルティングサービス「アイコン」の提供を開始している他、09年4月に発足したコンサルティングプロジェクトを7月にコンサルティングディビジョンとして事業部に昇格させ社内体制も強化した。また、10月には「日本企業を元気にする」という新しいコンセプトの経営者倶楽部 “フォーバル グッとくるカンパニー倶楽部” を発足。今後、「アイコン」サービスの提供により既存顧客の深耕を図ると共に、 “フォーバル グッとくるカンパニー倶楽部” の会員企業に「おまかせライン」や情報通信機器の販売やビジネスマッチング等のサービスを提供する事で新規顧客として取り込み、更には経営コンサルティングサービスへと誘導していく考え。

なお、同社は3月5日に通期業績予想の修正を発表しており、投資有価証券売却益等により当期純利益を100百万円から350百万円に上方修正している。