ブリッジレポート
(4709:JASDAQ) インフォメーション・ディベロプメント 企業HP
舩越 真樹 社長
舩越 真樹 社長

【ブリッジレポート vol.38】2012年3月期上期業績レポート
取材概要「国内IT投資の減少が続いているものの、10月発表の「特定サービス産業動態統計調査」にみられるように、減少余地は少なくなってきているようだ・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年12月6日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社インフォメーション・ディベロプメント
社長
舩越 真樹
所在地
東京都千代田区二番町 7-5
事業内容
独立系情報サービス会社。金融向けITアウトソーシング主力に幅広いITサービスを提供。
決算期
3月
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年3月 16,450 839 892 447
2010年3月 17,263 850 864 155
2009年3月 18,458 1,057 1,109 563
2008年3月 18,032 1,200 1,191 594
2007年3月 14,692 1,024 1,024 550
2006年3月 13,028 851 845 430
2005年3月 11,378 550 557 119
2004年3月 11,203 625 628 203
2003年3月 11,668 598 591 274
2002年3月 11,081 548 546 272
2001年3月 9,738 756 735 242
2000年3月 8,468 640 586 320
株式情報(11/10現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
485円 7,427,608株 3,602百万円 7.6% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
21.00円 4.3% 63.28円 7.7倍 807.69円 0.6倍
※株価は11/10終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
インフォメーション・ディベロプメントの2012年3月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
金融向けITアウトソーシングに強みを持つ独立系の情報サービス会社。一つの顧客に対し、ソフトウェア開発からシステム運営管理等の複数のサービスを提供するBusiness Operations Outsourcing戦略を推進しており、好不況の波の大きいIT業界にあって、相対的に業績の変動が小さく、高配当を継続している。
グループは、同社の他、システム運営管理を手掛ける(株)日本カルチャソフトサービス(出資比率100%。以下、CS)、日本ユニシス(株)との合弁会社(株)ソフトウエア・ディベロプメント(同80%、SD)、情報システム・コンサルティング等の(株)プライド(同54.4%)、及び中国でソフトウェア開発、システム運営管理等を手掛ける艾迪系統開発(武漢)有限公司(100%、ID武漢)の連結子会社4社(11年11月21日に紙データの電子化技術を有する(株)シィ・エイ・ティの全株式を売却)。
 
システム運営管理
1,300名規模の技術者を擁する専門部隊が、ミドルウェアのカスタマイズからハードウェアの保守、24時間体制のオペレーションまで、トータルかつ高付加価値のアウトソーシングを実現している。
ソフトウェア開発・保守
「独立系SE集団」として、特定のマシン、OS、ツール、開発言語にとらわれず、顧客の開発ニーズに合わせたシステム構築をサポート。大型汎用機から携帯端末まで、金融、公共、サービス分野を中心に豊富な実績を誇る。
その他
セキュリティ&コンサルティングを中心に展開している。海外の大手ベンダーと提携し、各種セキュリティ製品の提供からコンサルティング、セキュリティ環境の構築・導入・運用・サポートまで一貫したサービスを提供している。
 
国内受託データ入力事業からの撤退
東京国民健康保険のレセプト入力や証券代行業務が電子化された事で国内データエントリー市場が縮小。新規案件も乏しく、09/3期から11/3期にかけて約20億円の売上が消失した。
このため、前11/3期に同社が国内受託データ入力業務から撤退。11年11月には連結子会社(株)シィ・エイ・ティの全株式を売却し、創業以来の事業であった国内受託データ入力事業から撤退する(中国でのサービスは継続)。
 
 
2012年3月期上期決算
 
 
前年同期比3.9%の減収、同25.1%の経常減益
売上高は前年同期比3.9%減の77.3億円。既存顧客向けの減少を新規の顧客開拓でカバーしたシステム運営管理が前年同期並みの売上を確保した他、セキュリティ事業も堅調に推移したものの、ソフトウェア開発・保守の落ち込みをカバーできなかった。利益面では、稼働率の低下や価格要請への対応で売上総利益率が悪化。グループをあげて販管費の削減に取り組んだものの、売上総利益の減少をカバーできず営業利益は3.2億円と同21.6%減少した。営業外損益の悪化は、雇用調整助成金の減少及び為替差損の計上による。
 
 
主力のシステム運営管理の売上は前年同期比0.3%増の48.8億円。価格要請で既存顧客向けの売上が減少したものの、新規の顧客開拓が進み、わずかだが前年同期を上回る売上を確保した。一方、ソフトウェア開発・保守の売上は同11.1%減の23.1億円。農林系金融機関の統合案件が一巡する中、新規受注が低迷した。その他の売上は同6.6%減の5.3億円。官公庁向けを中心にセキュリティ事業が伸びたものの、撤退に伴い国内受託データ入力事業の売上が無くなった影響をカバーできなかった。
 
 
大手SIer等の戦略パートナー向けを中心に情報・通信・サービス向けの売上が増加したものの、農林系金融機関の統合案件一巡や価格要請への対応で金融・保険向けの売上が減少。国内受託データ入力事業の売上が無くなった事に加え、エネルギー関連・空運関連向け等を中心にその他の顧客向けの売上も減少した。
尚、契約形態別では、エンドユーザーとの直接契約の比率が78.9%(前年同期80.4%)、戦略パートナー向けの比率が21.1%(同19.6%)。戦略パートナー向けの売上比率が上昇したが、戦略パートナーとは大手SIer4社で、取引は分散されており特定のSIerに依存している訳ではない。戦略パートナーとの緊密な関係を考えると、今後、この比率が更に上昇する可能性があるが、現在のように分散されている限り、30〜40%程度までであれば、大きなリスクにはならないと同社では考えている。
 
 
インフォメーション・ディベロプメント個別の業績は前年同期比3.1%の増収、同37.0%の経常減益と苦戦したものの、子会社各社は全般に健闘した。日本カルチャソフトサービスが大幅な減収・減益となったのはSI事業をインフォメーション・ディベロプメントに移したため。また、中国子会社ID武漢(艾迪系統開発(武漢)有限公司:中国湖北省武漢市)は、現地でのオフショア開発やシステム運営管理の好調に加え、東京支店がインフォメーション・ディベロプメントの国内事業の大きな戦力となっている。尚、11年11月21日付けで紙データの電子化技術を有する(株)シィ・エイ・ティの全株式を売却する。
 
(4)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
上期末の総資産は前期末比8.2億円減の84.5億円。売上の減少で売上債権・仕入債務が減少した他、厳しい事業環境を踏まえて財務の健全化を図るべく有利子負債の削減に努めたため現預金が減少。この結果、有利子負債は4.3億円に減少し(総資産の84.5億円に対して極めて僅少)、自己資本比率は71.4%と前期末の64.7%から6.7ポイント上昇した。一方、CFの面では、役員退職慰労金の支払い(403百万円→1百万円)や税金費用(290百万円→167百万円)の減少で前年同期は1.6億円のマイナスだった営業CFが3.4億円の黒字に転換。設備投資に伴う支出もわずかなものにとどまり、2.8億円のフリーCFを確保した。ただ、フリーCFを上回る有利子負債の削減を進めたため、現金及び現金同等物の上期末残高は17.3億円と前期末比2.6億円減少した。
 
 
 
業界動向と同業他社の状況
 
 
経済産業省が10月18日に発表した「特定サービス産業動態統計調査」によると、情報サービス産業の売上高は長期にわたり低迷が続いているが、受注ソフトウェアについては、1-3月が前年同期比95.3%、4-6月期が同98.6%、7-9月が同99.0%と回復傾向にあり、比較的安定しているシステム等管理運営委託についても96.7%、99.9%、99.5%とほぼ前年同期並みで推移している。全体としての水準が低いため、厳しい事業環境が続いていることに変わりはないが、最悪期は脱した感がある。
また、同業他社の状況をみると、売上高1,000億円超の大手各社は売上に力強さはないものの、外注の削減等で利益面では堅調。また、下請けの比率が高い売上高100億円未満の会社は(営業費用等の負担が軽いため損益分岐点売上高が低い)、顧客の業種や特定分野で強みを有するか否か(市場縮小の影響を受け難い)で明暗を分けている。一方、同社を含めた中間層は、外注費等の削減余地が乏しい中、営業費用等の負担も重く、市場縮小の影響を強く受けている。
 
 
2012年3月期業績予想
 
(1)下期及び通期の業績見通し
(株)シィ・エイ・ティの全株式売却の影響を織り込むと共に足下の厳しい事業期環境を踏まえ、下期の利益予想を下方修正した。

通期では前期比2.1%の減収、同27.2%の経常減益予想。減収と利益率悪化で限界利益が減少する中、低採算案件の発生もあり営業利益が同24.9%減少する見込み。配当は1株当たり2円増配の期末21円を予定(配当性向33.2%)。
 
 
 
(2)中期経営計画の方向性
中期経営計画「Breakthrough 200!」で掲げた14/3期の目標(連結売上高200億円、営業利益12.6億円)を達成するべく、「Business Operations Outsourcing」、「グローバル展開」、「クラウドへの対応」、及び「M&A・業務提携」といった4つの戦略を進めている。
 
「Business Operations Outsourcing」
一つの顧客に対し、ソフトウェア開発からシステム運営管理、BPOまで、複数のサービスを提供するBusiness Operations Outsourcingを推進する事で既存顧客の深耕と新規顧客の開拓を図る。この上期は新規顧客の開拓で成果をあげたが、既存顧客の深耕も含めて事業拡大の余地は大きい。尚、同社では、上記のトータルなITアウトソーシングサービスを「i-Bos24®」として、「IDグループ」と共にブランディングしていく考え。
 
 
「グローバル展開」
ID武漢は、ソフトウェア開発からシステム運営管理、BPOまで、トータルなITサービスを提供しており、12/3期上期は営業損益が黒字化した。今後、現地有力ベンダーとの協業や提携も含め中国市場におけるビジネス展開拡大を図っていく考え。
また、本年5月に既存顧客の米国での事業展開を支援するべくSYSCOM (USA) INC.(米国ニューヨーク市、代表取締役社長 佐藤誠詞)と提携した他、9月には英国での支援を目的に、Newton Information Technology Ltd.(英国ロンドン、代表取締役社長 森本健至良)と提携した。SYSCOM (USA) INC.は、米国における日系金融機関や商社を対象にデータセンターにおけるシステム運営管理からネットワーク環境の設計・構築、更にはERP導入や内部統制構築支援等のサービスを提供しており、サーバの仮想化などシステムの基盤系分野においても豊富な実績を有する。また、Newton Information Technology Ltd.は、英国において日系金融機関や製造業等を対象に、IT基盤構築・運用・保守から業務システムのコンサルティング・構築支援、更には情報セキュリティコンサルティングや事業継続計画(BCP)構築支援まで幅広く提供しており、コンサルティングから構築、運用、保守、リスク管理までのワンストップサービスを強みとしている。
 
「クラウドへの対応」
クラウドコンピューティングの普及に伴い、今後、需要の増加が見込まれるプラットフォーム系開発業務において要員の育成を行い、顧客ニーズに広範かつ迅速に対応できる体制を構築する。また、クラウド関連のコンテンツを有する他社との提携にも柔軟に対応していく考え。尚、プラットフォーム系開発業務とは、ハードウェア、OS、ミドルウェアの機能を最適な手段で活用し、低コスト高信頼性のシステム稼働環境を設計・構築するサービス。
 
「M&A・業務提携」
国内での過当競争脱却を念頭に置いた国内競合企業のM&Aや、グローバル市場での事業展開に向けた海外企業のM&A、更には業務提携にも積極的かつ柔軟に対応していく考え。
 
 
今後の注目点
国内IT投資の減少が続いているものの、10月発表の「特定サービス産業動態統計調査」にみられるように、減少余地は少なくなってきているようだ。今後、メガバンクのシステム増強投資や損保・信託銀のシステム統合等の案件が立ち上がってくる見込みで、業界全体の人員稼働率や受注単価にも改善が見られよう。「夜明け前が最も暗い」と言われるが、IT投資は今がまさに夜明け前ではないだろうか。来期以降の同社の業績には、事業環境の改善が反映されてくるものと思われる。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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