ブリッジレポート
(8275:東証2部) フォーバル 企業HP
大久保 秀夫 会長
大久保 秀夫 会長
中島 將典 社長
中島 將典 社長
【ブリッジレポート vol.45】2014年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「新たなビジネスモデルの中核をなすITコンサルティングサービス「アイコン」が順調に拡大している。事業拡大に伴う人員増の影響で上期に・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年3月25日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フォーバル
会長
大久保 秀夫
社長
中島 將典
所在地
東京都渋谷区神宮前 5-52-2 青山オーバルビル
事業内容
・(株)フォーバルを中心とした中小法人向けOA・ネットワーク機器の販売、サービスの取次、及びコンサルティングサービス等
・(株)フォーバルテレコムを中心としたVoIP・モバイル等の通信サービス、インターネット関連サービス、普通印刷、及び保険サービス等
・(株)リンクアップを中心としたモバイルショップでの携帯端末の取次等
決算期
3月
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年3月 35,193 1,180 1,232 791
2012年3月 34,695 843 846 587
2011年3月 32,287 681 665 464
2010年3月 32,206 523 478 449
2009年3月 34,358 112 17 -1,879
2008年3月 34,323 -933 -1,264 -532
2007年3月 26,216 -1,878 -2,012 -1,390
2006年3月 27,500 3 14 1,063
2005年3月 40,089 1,962 1,962 1,174
2004年3月 32,981 1,446 1,360 660
2003年3月 37,402 1,522 1,334 443
2002年3月 44,411 -860 -1,027 -4,756
2001年3月 52,045 1,026 699 86
2000年3月 54,668 1,278 1,281 1,122
株式情報(2/28現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
598円 13,263,125株 7,931百万円 14.4% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
20.00円 3.3% 70.87円 8.4倍 454.13円 1.32倍
※株価は2/28終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
フォーバルの2014年3月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
中小・中堅企業を対象とした経営コンサルティングサービスや海外進出支援サービスの他、ITを活用し経営を高度化・効率化する手段として、オフィス向けの光ファイバー対応IP電話サービスやFMCサービス(固定通信と移動体通信を融合したサービス)、ならびにそれらとネットワークセキュリティを融合したIP統合ソリューションなどの通信・インターネット関連サービス、OA・ネットワーク機器の販売、携帯端末の取次、Web構築などのサービスを提供している。社名のFORVAL(フォーバル)は、「For Social Value」を語源とし、「社会価値創出企業を目指す」という経営理念が込められている。

事業は、(株)フォーバルを中心に、中小法人向けOA・ネットワーク機器の販売、サービスの取次、コンサルティングサービス等を手掛けるフォーバルビジネスグループ、(株)フォーバルテレコムを中心に、VoIP・モバイル等の通信サービス、インターネット関連サービス、普通印刷、及び保険サービス等を手掛けるフォーバルテレコムビジネスグループ、(株)リンクアップを中心にモバイルショップにおいて携帯端末の取次等を手掛けるモバイルショップビジネスグループ、の3セグメントに分かれる。

近年のハード販売における付加価値の低下を踏まえ、現在、差別化が可能で付加価値も高いコンサルティングサービスへのシフトを進めており、08年4月にサービスを開始したITコンサルティングサービス「アイコン」がその中核となっている。また、コンサルティングサービスの一環として、中小企業の情報化の支援やASEAN展開の支援にも取り組んでおり、前者ではIP統合ソリューションを展開。後者では、10年5月にFORVAL(CAMBODIA)CO.,LTD.(カンボジア・プノンペン)を設立し、以後、11年7月のPT FORVAL INDONESIA(インドネシア・ジャカルタ)及び同年8月のFORVAL VIETNAM CO., LTD.(ベトナム・ホーチミン)の設立、更には12年3月のミャンマー駐在員事務所(ミャンマー・ヤンゴン)、その他ベトナム2番目の拠点となるハノイ支店の開設とネットワークの拡充を進めている。
平成26年1月24日に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)から市場第二部へ市場変更となった。
 
 
 
成長戦略
 
同社は、「『情報通信コンサルタント』として企業経営を支援する集団となり、中小・中堅企業の利益に貢献する」というグループのビジョンを掲げている。そのために、中小・中堅企業に対する質の高い経営支援とサポートの充実と販売力の拡充を行うことで、差別化されたポジショニングの確立を目指している。
 
 
同社グループは、機器販売からコンサルティングを中心にした経営支援へビジネスモデルの転換を進めている。機器販売を中心とした保守・サポートビジネスは参入障壁が低く、周辺事業へのビジネスチャンスも限られてしまう。そこで、同社グループが取り組んでいるのは、ARPUの上昇とビジネス範囲の拡大が期待できる、ITコンサルティングサービス「アイコン」を通しての進化である。 企業経営そのものを支援する。「アイコン」においては様々なサービスを提供しているが、特に情報通信の知識・技術を駆使した経営コンサルと強みである独自の海外進出ノウハウを活用した経営コンサルに注力し顧客企業の経営支援をしながら関係強化に取り組んでいる。
 
(1)情報通信の知識・技術を駆使した経営コンサルの拡大
「アイコンサービス」開始以降、利用する顧客数やアイコン関連の売上高は順調に拡大している。また、よろず経営相談の件数も増加しており、情報通信コンサルタントとしての同社の認知度も高まっている。アイコンサービスの増加は、よろず経営相談の増加につながり、更には、本格的な経営コンサルの増加へつながり、差別化、顧客囲い込み、高付加価値化などにつながる可能性が高い。
 
 
また、同社では、アイコン事業の更なる拡大・強化のためBRMC(Business Restructuring & Management Consulting)というアイコンのOEMによるネットワーク作りに注力している。同社の差別化された新しいビジネスモデルのノウハウの提供を通じて、パートナー数とアイコンユーザー数の拡大を目指す。13/9月末時点のBRMC経由のアイコン導入件数は、前年同期末比5.5倍と大幅に増加した。更に、情報処理技術者試験対策を中心としたIT教育サービスを提供する株式会社アイテックを買収するなど、アイコンに足りないコンテンツは今後も積極的にM&Aを活用し補完する方針である。
 
 
(2)独自の海外進出ノウハウによる経営コンサルの強化
同社の大久保会長は、十分な教育の機会が無いカンボジアにおいて、自らが設立し理事長を務める公益財団法人CIESF(シーセフ)を通して、教育インフラの構築から人材教育に至る広範な支援活動に取り組んできた。
ASEAN進出支援事業は、このCIESFの活動を通じて培った経験や人脈が活きている。「同社グループ及び顧客である中堅・中小企業の事業の成長を考える上で、アジア地域の成長を取り込む事が重要」と言う考えの下、既に、カンボジア(10年5月)、インドネシア(11年7月)、及びベトナム(11年8月)に現地法人を設立しており、12年3月にはミャンマーに駐在員事務所を開設した。
 
 
同社のASEAN進出支援事業である「グローバルアイコンサービス」は、海外進出前と進出後の様々な問題や障害を、ワンストップでサポート・支援するビジネスモデルである。現在はカンボジアとベトナム、インドネシア、ミャンマーの4ヶ国で展開。情報提供から始まり、FS支援、現地法人の設立代行、採用・教育支援、バックオフィスの整備をトータルでサポートすることで、同社が最も得意とする情報通信技術を活用した日本と変わらない快適なオフィス空間を提供するビジネスヘつなげていく。日本と現地の両国で、トータルサポートを実施。
また、同社は、国内の行政機関、地域金融機関や海外の行政機関、各国工業団地などとのアライアンスを積極的に拡大することで、「グローバルアイコンサービス」の潜在顧客を発掘・育成している。
 
 
 
2014年3月期第3四半期決算
 
 
前年同期比6.3%の増収、同8.6%の経常増益
売上高は前年同期比6.3%増の271億77百万円。経常利益は、同8.6%増の7億88百万円。売上面は、「アイコン」が順調に拡大したことに加え、その相乗効果でビジネスフォンやパソコン、顧客の売上拡大を目的としたホームページ制作等が順調に推移したことや、ビジネスフォンやパソコンの施工保守ならびに光ファイバーやLAN工事を手掛ける子会社の外部向け売上が拡大したことなどにより、フォーバルビジネスグループが同5.1%の増収となった。また、保険及び印刷関連を手掛ける子会社が順調に推移したフォーバルテレコムビジネスグループが同2.4%の増収となった。更に、スマートフォン等の販売が好調に推移したことにより、モバイルショップビジネスグループも同12.4%の増収となった。
利益面は、収益性の高い「アイコン」事業などが増加したフォーバルビジネスグループが前年同期比42.1%の増益となった他、増収効果によりフォーバルテレコムビジネスグループが同4.9%の増益、収益性の高いスマートフォンの販売が増加したモバイルショップビジネスグループも同20.2%増加した。「アイコン」等が順調に拡大したことで売上総利益は、前年同四半期末の29.0%から今四半期末は29.1%と若干改善した。一方、事業拡大に伴う人件費の増加等があったものの、その他の経費の抑制に努めたことにより、販管費の伸び率が同4.9%増に抑制され、営業利益は同21.2%増加した。その他、持分法投資損失61百万円や貸倒引当金繰入額24百万円の計上などにより経常利益は同8.6%の増益にとどまったが、投資有価証券売却益164百万円や子会社株式売却益77百万円を計上したことなどにより四半期純利益は同74.0%増加した。
 
 
その他事業セグメントは、IT教育サービスを提供している企業を子会社化したことにより、増収率が高まったものの、セグメント損失へ転じた。
 
第3四半期(10-12月期)の売上・営業利益の推移
 
収益性の高いアイコン事業の増加や経費の削減により、第3四半期(10-12月期)の業績は過去と比較し高い水準となった。
 
 
14/3期第3四半期末の総資産は13/3期末比15億41百万円減の150億54百万円。資産の減少は、現預金と売上債権の減少が主なもの。負債純資産の減少は、仕入債務と未払法人税の減少が主なもの。当期の第3四半期の自己資本比率は40.0%と前期末から5.5ポイント上昇し、財務体質の健全性が高まった。また、今四半期末の有利子負債(リース債務含まず)も3億94百万円と前期末の8億78百万円から減少した。同社は、無借金かつ自己資本比率50%を目標に、財務体質の強化を進めている。
 
 
2014年3月期業績予想
 
 
前期比2.3%の増収、同13.6%の経常増益予想
14/3期は前期比2.3%の増収、同13.6%の経常増益の期初計画から変更なし。業績は順調に推移しているものの、情報通信業界や中小企業を取り巻く環境の不透明さを考慮した。企業経営を支援する「情報通信コンサルタント」集団として、IP統合商品の更なる普及促進、ビックデータ活用による新サービスの創出、スマートフォンなどの情報通信の活用促進の提案や東南アジア諸国への進出支援を通じて、売上の拡大を目指す。ITコンサルティングサービス「アイコン」を中心に引き続きフォーバルビジネスグループの売上が増加する見込み。業績予想を開示しているフォーバルテレコム(9445)は、前期比ほぼ横ばいを計画。
利益面でも、利益率の高い「アイコン」の売上構成比が上昇することに加え、更なる効率化による販管費抑制から営業利益率が改善する計画。事業拡大に伴う人員増の影響で上期に一時的に利益率が悪化したフォーバルビジネスグループは、下期以降に利益率が改善する見込み。営業利益は13.7億円と同16.1%増加する予定。
配当は、通期の業績が好調に推移する見込みとなったことから、2月12日に1株当たり年間20円(期初予想17.5円)の予想に上方修正した。
 
 
今後の注目点
新たなビジネスモデルの中核をなすITコンサルティングサービス「アイコン」が順調に拡大している。事業拡大に伴う人員増の影響で上期に一時的に利益率が悪化したフォーバルビジネスグループであるが、早々と利益率を回復させ第3四半期の増収増益にしっかりと寄与している点は評価が高い。人員増強により売上が増加していることはもとより、更なる効率化の取り組みにより販管費の伸び率が抑制されていることは注目に値する。これらの成果により、今第3四半期(10-12月期)の業績は、過去の同期と比較しても、売上・営業利益と高い水準まで回復している。同社の業績は、中小企業の設備投資の動向に影響を受ける傾向があることから、売上・利益とも取引先企業の期末が集中する第4四半期の比率が高くなる。積極的に採用した人員の活躍と更なる効率化の取り組みにより、同社の最大の稼ぎ時である1-3月にいかなる水準まで業績を拡大させることができるのか、同社の第4四半期の収益動向が注目される。
更に、同社はアイコンサービスの普及を加速させるため、BRMC(Business Restructuring & Management Consulting)によるパートナー戦略を強化している。同社の営業拠点のない地域を中心に、パートナーを有効に活用していく方針である。新たな営業チャネルからもたらされる優良な顧客基盤は、同社の中期的な事業拡大に欠かせない。そのため、引き続き今後のBRMC件数とアイコン契約事業所数の動向にも注目していきたい。
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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