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(5162:JASDAQ) 朝日ラバー 企業HP
伊藤 潤 社長
伊藤 潤 社長

【ブリッジレポート vol.28】2015年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「15/3期第1四半期は、利益こそ医療・衛生用ゴム事業における一部製品の品質管理に係るコストの増加や前期の積極的な設備投資実施に伴う減価償・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年8月26日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社朝日ラバー
社長
伊藤 潤
所在地
埼玉県さいたま市大宮区土手町2-7-2
事業内容
自動車内装照明向けLED用ゴムで採用車種拡大。家電用高精密、医療、スポーツ用ゴム等も。
決算期
3月 末日
業種
ゴム製品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2014年3月 5,677 286 296 160
2013年3月 4,789 135 139 76
2012年3月 5,010 243 211 72
2011年3月 4,806 161 117 21
2010年3月 4,667 125 91 41
2009年3月 4,904 46 14 -80
2008年3月 6,284 414 325 211
2007年3月 5,314 399 375 176
2006年3月 4,578 366 353 209
2005年3月 4,057 251 251 147
2004年3月 3,449 233 211 112
2003年3月 3,154 172 159 75
2002年3月 2,907 98 85 10
2001年3月 3,582 315 336 189
2000年3月 3,140 313 300 141
株式情報(8/21現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
354円 4,547,620株 1,609百万円 5.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
8.00円 2.3% 32.98円 10.7倍 705.77円 0.5倍
※株価は8/21終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期実績。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
小型電球やLEDに被せる事で様々な発色を可能にする被覆用ゴム製品を主力とする。自動車の内装用照明を中心に、携帯用通信機器、電子・電気機器、産業機器、スポーツ用等、幅広い分野で利用されている。シリコーン(ゴム状の合成樹脂)材料の配合技術と調色技術に強みを有し(色と光のコントロール技術)、シリコーンゴムに蛍光体を配合したLED用ゴムキャップは、LEDの光を波長変換して色調や輝度を調節できるため、10,000色以上の光を出す事やLEDの課題である光のばらつきを均一化する事が可能。また、医療・衛生用ゴム製品や硬質ゴムと軟質ゴムの複合製品等も配合技術を活かしてそれぞれの用途にあったゴム質を実現している。

グループは、同社の他、ゴム・プラスチック等の研究開発を行う(株)朝日FR研究所、米国の販売会社ARI INTERNATIONAL CORP.、及び工業用ゴム製品の販売を手掛ける朝日橡膠(香港)有限公司、10年7月に設立した工業用ゴム製品の製造・販売を手掛ける東莞朝日精密橡膠制品有限公司、及び12年1月に設立した工業用ゴム製品の開発・設計・販売を手掛ける朝日科技(上海)有限公司の連結子会社5社からなる。
 
 
【事業内容と主要製品】
事業は、自動車のスピードメーターや内装照明の光源向けの「ASA COLOR LED」や各種センサ向けのレンズ製品「ASA COLOR LENS」、或いは弱電製品に使われる応用製品、更にはスポーツ用ゴム製品(反発弾性、高摩擦抵抗等を追及した高品質の卓球ラケット用ラバー)等の工業用ゴム事業、点滴輸液バッグ用ゴム栓や真空採血管用ゴム栓、プレフィルドシリンジ(薬液充填済み注射器)向けガスケット等、使い捨てのディスポーザブル用ゴム製品の医療・衛生用ゴム事業に分かれ、14/3期の売上構成比は、それぞれ79.5%、20.5%。
今後は、白色レジスト材、RFIDタグ用ゴム製品、マイクロ流体デバイスなどの新製品の販売拡大が期待される。
 
・ASA COLOR LED
ASA COLOR LEDとは、LEDの光と色のばらつきを解消する商品。ASACOLOR LEDは青色LEDに蛍光体を配合したキャップを被せたもの。各青色LEDに合わせて、キャップに配合する蛍光体の種類、量を調整することで、色調を均一にコントロールすることが可能。シリコーンゴムキャップ内の蛍光体を調合する事で多彩な色度を創りだす事ができ、カラーバリエーションは10,000色以上。
 
 
・卓球ラケット用ラバー
球を高速で弾く反発弾性、強烈なスピンをかける高摩擦抵抗などを追及した高性能、高品質の製品。
 
 
・医療用ゴム製品
点滴輸液バッグ用ゴム栓、真空採血管ゴム栓、薬液混注ゴム栓など、医療現場で用いられるディスポーザブル商品に使用さる。 医療機器及び医療用具に用いられることから、各種法規に準拠し、素材の安全性や医療事故を防止する機能など、厳しい品質基準を満たした製品。
 
 
・マイクロ流体デバイス
今後、分子接着技術を応用したマイクロ流体デバイスの販売拡大を目指す。分子接着は、ゴムと金属・ゴムと樹脂・ゴムとセラミックス・ゴムとガラス・ゴム同士などを強固に接着する技術であり、接着面の表面処理と加熱加圧等により従来の接着工程のような高濃度の接着剤塗布や高温、高圧を必要とせず強固な接着力が得られる。
また、分子接着は、①高濃度の接着剤塗布を必要としない、②分子接着は、分子に近い膜であるためガラスや樹脂に転写した極微な溝を潰すことなく封止することができる、③プラスチックの熱融着と違い、被着体の融点以下の温度しかかけないため形状変更の恐れが少ない、④.難接着性のプラスチックとシリコーンゴムを接着することができるという特徴を持ち、電気泳動、化学反応、細胞培養、PCRなどで用いられる。
 
 
 
新中期経営計画
 
新中期経営計画を策定するにあたり、独自の新製品開発による成長を描くため、中期3ヶ年の2回分である2020年を見据えたビジョン「AR-2020VISION」を制定。
AR-2020VISION
・技術革新を基盤に、新しい価値を創造し続ける企業になる。
・現在の仕事に慢心せず、常に変革を求め、経営環境の変化に応じ継続的に磨きをかける。
・人財こそが、事業運営の要とし、人材の育成を行う。
このビジョンの実現に向けて、最初のステージである15/3期〜17/3期の新中期経営計画(V-1計画)を作成。
中期経営方針として、①既存事業の質・量の持続的成長、②新市場・新分野への事業展開、③2020年に向けた事業基盤の強化と整備と定め、最終年度である17/3期に数値目標である、売上高80億円、営業利益8億円の達成を目指す。
 
 
 
(1)今後の事業戦略
自動車分野
主力ASA COLOR LEDは、数量は増加するものの単価の下落が続き、現状規模の売上の前提。こうした環境下、新タイプによる材料費削減で利益率を改善させる。また、接点ラバー、Oリングなどの売上拡大を目指す。設備投資計画は、15/3〜17/3期の3ヵ年累計で約10億円。
 
医療分野
プレフィルドシリンジ(薬液充填済み注射器)用ガスケットが主な製品。前期までに設備投資を行った分野であり、V-1計画では新製品の開発期間と位置付け、今後の成長に向けた要素技術の深堀を進める。設備投資計画は、15/3〜17/3期の3ヵ年累計で約6億円。
 
ライフサイエンス分野
卓球ラケット用ラバーは、顧客の要求に着実に応えていく。マイクロ流体デバイスは同社の柱と位置付け拡大目指す。NEC向けは、14年秋から量産を予定。その他企業の複数案件も現在進行中であり、V-1計画内で量産スタートの予定。設備投資計画は、15/3〜17/3期の3ヵ年累計で約8.5億円。
 
その他分野
主力RFIDタグ用ゴム製品は、コア技術の深堀りと新しい製品、新しい分野に挑戦する。
 
(2)海外展開
V-1計画内では、海外における新規の工場建設や販売会社の設立を考えていない。現地での採用、教育、朝日ラバーとの交流などにより、現地拠点の人材面の充実を図る。また、顧客にニーズに応え、子会社間の連携を強化して受注獲得を目指す。
 
 
 
2015年3月期第1四半期決算
 
 
前年同期比7.6%の増収、同23.8%の経常減益
売上高は、前年同期比7.6%増の14億85百万円。売上面では、機能製品であるRFIDタグ用ゴム製品の海外向け販売が好調に推移した他、「ASA COLOR LED」及びスイッチ用ゴム製品等の自動車関連製品の海外向け販売が増加したことなどにより工業用ゴム事業で同9.8%増加した。一方、医療・衛生用ゴム事業は、プレフィルドシリンジ用ガスケット及び採血用・薬液混注用ゴム栓の販売が堅調に推移したものの、前年同期に新規量産のための金型起工及び販売があったことにより同0.5%減少した。
営業利益は、前年同期比15.0%減の55百万円。セグメント利益は、売上増加による量産効果などにより工業用ゴム事業で同26.4%の増益となったもの、一部製品において品質管理に係るコスト増等があったことにより医療・衛生用ゴム事業で同73.4%の減益となった。売上総利益率は、24.8%と前年同期比1.8ポイント低下したものの、コストダウンの取り組みなどにより売上高対販管費率が同0.8ポイント低下した。経常利益は、営業外収益において為替差益がなくなったことや補助金収入が減少したことから、同23.8の減益となった。
また、特別利益において福島県より交付されたマイクロ流体デバイスの生産設備購入に関する「ふくしま医療福祉機器開発事業費補助金」である補助金収入を58百万円計上したものの、当該補助金の交付が生産設備購入によるものであることから、該当する固定資産の取得価格から直接減額し、固定資産圧縮損として56百万円の特別損失を計上した。
 
 
 
 
 
14年6月末の総資産は14年3月末比38百万円増の84億95百万円。資産面では売上債権が、負債・純資産面では長期借入金が主な増加要因。
 
 
2015年3月期業績予想
 
 
前期比0.4%の増収、同25.7%の経常減益予想
第1四半期終了時点で、15/3期の会社予想は、売上高が前期比0.4%増収の57億円、経常利益が同25.7%減益の2億20百万円の期初予想から修正なし。売上面では、開発製品の販売増を見込んでいるものの、自動車関連製品の販売単価の下落を織り込んでいる。セグメント別では、工業用ゴム事業が同0.6%の増収、医療・衛生用ゴム事業が同0.6%減収の会社計画。
利益面では、新製品の先行投資による減価償却費の負担増(前期比約80百万円増)を織り込んでいる。売上総利益率は、1.5ポイント悪化の25.1%、売上高対販管費率は、1.1ポイント改善の20.5%の会社前提。この結果、営業利益は、前期比9.1%減益の2億60百万円となる見込み。
設備投資の計画は、自動車分野(2億30百万円)、医療分野(80百万円)、ライフサイエンス分野(2億50百万円)の約5億60百万円(14/3期5億75百万円)、減価償却費は4億60百万円(同3億83百万円)を計画。設備投資は、ASA COLOR LEDの利益率改善に伴う投資やマイクロ流体デバイスの量産ラインの導入などが主なもの。
1株当たりの配当も、14/3期と同額の年間8円(上期末3円、期末5円)の計画から変更なし。
 
 
今後の注目点
15/3期第1四半期は、利益こそ医療・衛生用ゴム事業における一部製品の品質管理に係るコストの増加や前期の積極的な設備投資実施に伴う減価償却費の増加などにより前年同期比減益の決算となった。しかし、売上面では、機能製品であるRFIDタグ用ゴム製品や主力「ASA COLOR LED」などの自動車関連製品の販売が海外向けを中心に好調に推移していることも確認された。また、前年同期比若干の売上減少となった医療・衛生用ゴム事業においても、前年同期に新規量産のための金型起工及び販売があったことが影響しており、プレフィルドシリンジ用ガスケット及び採血用・薬液混注用ゴム栓の販売は堅調に推移していることが確認された。同社製品開発の成果であり、見た目の決算数字以上に内容の良い第1四半期であったと総括される。今期からスタートした新中期経営計画では、自動車・医療・ライフサイエンスの3つを重点事業領域と定め、各事業分野で技術革新を基盤に新しい価値を創造し収益性の柱となる主力製品の受注を確保すること及び、同社の技術を活かした新製品の創造を行うことを目標としている。新中期経営計画のもとで今第1四半期に実行した取り組みが、第2四半期以降にどのような形で同社の開発に結びつき、同社の製品力を更に高めていくのか注目される。
また、同社の今後の事業拡大向けてその成功が不可欠であろうマイクロ流体デバイスは、NEC向け以外の複数案件が進行中であり、引き続き本格的な量産スタートの動きにも注目していきたい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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