ブリッジレポート
(8275:東証1部) フォーバル 企業HP
大久保 秀夫 会長
大久保 秀夫 会長
中島 將典 社長
中島 將典 社長
【ブリッジレポート vol.53】2016年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「同社の16/3期第3四半期連結累計期間決算では、5セグメント全ての売上高が増加するなど好調が継続していることが確認された。加えて、引き・・・」続きは本文をご覧ください。
2016年3月8日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フォーバル
会長
大久保 秀夫
社長
中島 將典
所在地
東京都渋谷区神宮前 5-52-2 青山オーバルビル
事業内容
・(株)フォーバルを中心とした中小法人向けOA・ネットワーク機器の販売、サービスの取次、及びコンサルティングサービス等
・(株)フォーバルテレコムを中心としたVoIP・モバイル等の通信サービス、インターネット関連サービス、普通印刷、及び保険サービス等
・(株)リンクアップを中心としたモバイルショップでの携帯端末の取次等
・(株)アップルツリーを中心としたオール電化・エコ住宅設備の卸・工事請負等
決算期
3月
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2015年3月 45,075 1,921 1,817 1,241
2014年3月 39,443 1,481 1,486 1,110
2013年3月 35,193 1,180 1,232 791
2012年3月 34,695 843 846 587
2011年3月 32,287 681 665 464
2010年3月 32,206 523 478 449
2009年3月 34,358 112 17 -1,879
2008年3月 34,323 -933 -1,264 -532
2007年3月 26,216 -1,878 -2,012 -1,390
2006年3月 27,500 3 14 1,063
2005年3月 40,089 1,962 1,962 1,174
2004年3月 32,981 1,446 1,360 660
2003年3月 37,402 1,522 1,334 443
2002年3月 44,411 -860 -1,027 -4,756
2001年3月 52,045 1,026 699 86
株式情報(2/16現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
634円 25,424,084株 16,119百万円 18.6% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
13.75円 2.2% 49.04円 12.9倍 251.84円 2.5倍
※株価は2/16終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROEは前期末実績。
※BPSは16/3期3Q実績、EPSは16/3月期予想。
 
フォーバルの2016年3月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
中小・中堅企業を対象に「情報通信分野」・「海外分野」・「環境分野」・「人材・教育分野」の4分野に特化した次世代経営コンサルティングカンパニーを目指している。また、ITを活用し経営を高度化・効率化する手段として、オフィス向けの光ファイバー対応IP電話サービスやFMCサービス(固定通信と移動体通信を融合したサービス)、ならびにそれらとネットワークセキュリティを融合したIP統合ソリューションなどの通信・インターネット関連サービスを提供するほか、OA・ネットワーク機器の販売・工事、携帯端末の取次ぎ、Web構築、太陽光システムやオール電化製品の販売・工事などのサービスを提供している。社名のFORVAL(フォーバル)は、「For Social Value」を語源とし、「社会価値創出企業を目指す」という経営理念が込められている。

事業は、(株)フォーバルを中心に、中小法人向けOA・ネットワーク機器の販売、サービスの取次、コンサルティングサービス等を手掛けるフォーバルビジネスグループ、(株)フォーバルテレコムを中心に、VoIP・モバイル等の通信サービス、インターネット関連サービス、普通印刷、及び保険サービス等を手掛けるフォーバルテレコムビジネスグループ、(株)リンクアップを中心にモバイルショップにおいて携帯端末の取次等を手掛けるモバイルショップビジネスグループ、14/3期に新たに子会社化した(株)アップルツリーがオール電化・エコ住宅設備の卸・工事請負業を営む総合環境コンサルティングビジネスグループの4セグメントに分かれる。加えて、報告セグメントに含まれないその他の事業セグメントには人材・教育コンサルティングを含む。

近年のハード販売における付加価値の低下を踏まえ、現在、差別化が可能で付加価値も高いコンサルティングサービスへのシフトを進めており、08年4月にサービスを開始したITコンサルティングサービス「アイコン」がその中核となっている。また、コンサルティングサービスの一環として、中小企業の情報化の支援やASEAN展開の支援にも取り組んでおり、前者ではIP統合ソリューションを展開。後者では、10年5月にFORVAL(CAMBODIA)CO.,LTD.(カンボジア・プノンペン)を設立し、以後、11年7月のPT FORVAL INDONESIA(インドネシア・ジャカルタ)及び同年8月のFORVAL VIETNAM CO., LTD.(ベトナム・ホーチミン)の設立、更には12年3月のミャンマー駐在員事務所(ミャンマー・ヤンゴン)を開設後、翌13年2月に現地法人化(FORVAL MYANMAR CO., LTD.を設立)するなど、ASEANにおいてネットワークの拡充を進めている。
また、平成26年1月24日に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)から市場第二部へ市場変更となった後、平成26年10月2日に市場第一部に上場した。
 
 
 
IT領域における教育と資格の奨励を通じて従業員のスキルを高め、ハードの卸売りからアイコンサービスによるコンサル業態へ事業転換させた効果が確認できる。
 
 
成長戦略
 
同社は、グループの新しい中期ビジョンとして、企業経営そのものを支援し、中小・中堅企業の利益に貢献する『次世代経営コンサルティング』の確立を掲げた。既存の事業領域である情報通信の知識・技術を駆使した経営コンサルと強みである独自の海外進出ノウハウを活用した経営コンサルに加え、一昨年M&Aを行った株式会社アップルツリーの活用により、重要度が高まっている環境問題にいかに配慮し、事業を展開、環境に貢献していくかの経営コンサルが可能となる。加えて、情報通信分野、海外分野、環境分野において顧客企業の社員教育がワンストップで実施できる体制が整備された。また、同様に一昨年M&Aを行った株式会社アイテックがグループに加わったことで、顧客企業の人材・教育分野でのサービスのラインナップも強化された。同社は、これら4分野において、売上拡大と業務効率改善とリスク回避のためのコンサルディングを実施し、中小・中堅企業の利益に貢献する。
 
 
 
次世代経営コンサルティングサービスの中核をなすのが、情報通信分野(国内)と海外分野におけるアイコンサービスの提供である。アイコンの基本サービスは、経営のよろず相談サービス、定期訪問&通信技術を使った遠隔サポート、パソコン・ネットワーク状態監視サービス、各種アプリケーションの問合せサービス、お客様専用サイトの運営などがある。
 
 
15/3期のよろず経営相談件数は7,070件(前期は2,070件)となった。また、16/3期上期も前年同期比96.8%増加と拡大が加速している。アイコンサービスの増加は、よろず経営相談の増加につながり、更には、本格的な経営コンサルの増加へつながり、差別化、顧客囲い込み、高付加価値化などにつながる可能性が高い。よろず経営相談件数の増加は、経営コンサルタントとしての同社の評価が確立されてきた証と言えよう。
 
OEMによるアイコンサービス導入件数の推移
また、同社では、アイコン事業の更なる拡大・強化のためアイコンのOEMによるネットワーク作りに注力している。同社の差別化された新しいビジネスモデルのノウハウの提供を通じて、パートナー数とアイコンユーザー数の拡大を目指す。16/3期9月末時点のOEMによるアイコン導入件数は、3,959件となり前年同期比65.6%の大幅な増加とアイコンサービス導入件数全体の伸びの原動力となっている。また、同社では、17/3期のOEMによるアイコン導入件数は6,400件(15/3期実績は3,102件)まで拡大すると予想している。
 
 
アイコンサービスの売上高推移
「アイコンサービス」開始以降、利用する顧客数やアイコン関連の売上高は順調に拡大しているものの、今後も新サービスのリリースやOEMの積極的な展開などにより高収益事業であるアイコンサービスの売上拡大を目指す方針。同社では、17/3期のアイコンサービスの売上高が33億円(15/3期実績は30億66百万円)まで拡大すると予想している。また、16/3期上期のアイコンサービスの売上高も前年同期比5.5%の増加と堅調に推移した。
 
 
(2)海外分野の拡大−海外進出支援事業の拡大
同社の大久保会長は、十分な教育の機会が無いカンボジアにおいて、自らが設立し理事長を務める公益財団法人CIESF(シーセフ)を通して、教育インフラの構築から人材教育に至る広範な支援活動に取り組んできた。
ASEAN進出支援事業は、このCIESFの活動を通じて培った経験や人脈が活きている。「同社グループ及び顧客である中堅・中小企業の事業の成長を考える上で、アジア地域の成長を取り込む事が重要」と言う考えの下、既に、カンボジア(10年5月)、インドネシア(11年7月)、及びベトナム(11年8月)に現地法人を設立しており、12年3月にはミャンマーに駐在員事務所を開設した。
更に、現地での支援体制の更なる充実・強化を図るために13年2月に現地法人の認可を取得し準備を進めてきたミャンマーでは、14年4月より事業活動が本格化した。15年9月末現在で、海外9拠点(現地法人及び海外関連会社)の現地従業員数は392名まで拡大した。
 
 
同社のASEAN進出支援事業である「グローバルアイコンサービス」は、海外進出前と進出後の様々な問題や障害を、ワンストップでサポートするビジネスモデルである。現在はカンボジアとベトナム、インドネシア、ミャンマーの4ヶ国で展開。情報提供から始まり、FS支援、現地法人の設立代行、人材採用・人材教育支援、バックオフィス整備支援、ネットワーク環境支援、現地パートナー開拓支援等をトータルサポートすることで、同社が最も得意とする情報通信技術を活用した日本と変わらない快適なオフィス空間を提供するビジネスヘつなげていく。日本と現地の両国で、トータルサポートを実施。
また、同社は、国内の行政機関、地域金融機関や海外の中央政府・行政機関、各国工業団地などとのアライアンスを積極的に拡大することで、「グローバルアイコンサービス」の潜在顧客を発掘・育成している。
 
海外事業の売上高推移
積極的な海外拠点の拡充により、海外事業の売上高も順調に拡大している。現在、海外子会社は持分法対象であり連結売上高には含まれていないが、同社では、17/3期の海外事業の売上高が10億50百万円(15/3期実績は4億35百万円)まで拡大すると予想している。16/3期上期の海外事業の売上高は、前年同期比61.5%増と好調に推移している。先行投資負担が重く、海外主要子会社4社の利益寄与は当面小さいものの、来期以降は投資の回収期となる模様。
 
 
(3)新規分野の拡大
その他、環境分野では、新電力事業の立ち上げを行う。経済産業省より新電力(特定規模電気事業者:PPS)の認定を取得し、
法人向け高圧・特別高圧の電力供給を開始(電気料金を最大5%削減)するとともに、法人向けに電力・通信のパッケージ提供を開始する(通信セットプラン加入で新電力料金を最大3%割引)。
更に、人材・教育分野では、通信教育事業をクラウドサービスを使ったE-learningモデルへ再構築するなどE-learningによるコンテンツの拡販を行う他、 国内でのノウハウをアジアに展開し、カンボジア、ベトナムで人材紹介事業やカンボジア、ベトナム、インドネシア、ミャンマーで日系企業の社員研修の受託やベトナムでIT人材採用支援事業を開始する。
 
 
2016年3月期第3四半期決算
 
 
前年同期比15.8%の増収、同27.9%の経常増益
売上高は前年同期比15.8%増の367億37百万円。アイコンサービスが順調に拡大した他、セキュリティ関連やサーバー等の販売が好調に推移したフォーバルビジネスグループで同8.0%増加した。また、光回線サービスやISPが順調に拡大したほか、印刷関連及び保険関連の子会社が好調に推移したフォーバルテレコムビジネスグループで同14.0%増加したほか、携帯販売台数が前年同期比11.8%増となったことでモバイルショップビジネスグループも同18.7%増加した。更に、太陽光発電システムやエコキュートに代表されるスマートグリッド設備機器の卸売において、特に産業用システムが増加したことにより総合環境コンサルティングビジネスグループが38.3%増加したほか、IT教育サービス事業関連の子会社が好調に推移したその他事業グループでも同7.4%増加した。

利益面は、収益性の高いアイコンサービスの拡大などによりフォーバルビジネスグループで前年同期比47.8%の増益となった他、印刷関連の子会社の拡大でフォーバルテレコムビジネスグループも同0.4%増加した。更に、新規契約が大きく伸びたモバイルショップビジネスグループも同75.3%増加した。一方で販売費や電力小売事業の本格的開始に備えた人材の採用等による費用の増加により総合環境コンサルティングビジネスグループは86百万円のセグメント損失(前年同期は30百万円の利益)となった。また、IT教育サービス事業関連の子会社の好調によりその他事業グループは同34.9%増加した。高収益事業であるアイコンサービスの拡大などにより売上総利益が前年同期比18.4%増加し、売上総利益率は、同0.6ポイント上昇の28.7%となった。人員増による人件費の増加等により、販管費が同17.4%増加したものの、売上高対営業利益率は4.1%と同0.3ポイント上昇した。その他、持分法による投資損失87百万円(前年同期は1億63百万円)の計上などがあったものの経常利益は同27.9%の増益。一方、フォーバルテレコム及びその子会社、フォーバル・リアルストレート、リンクアップなど対象の会社の四半期純利益がいずれも順調に推移したことにより、非支配株主に帰属する四半期純利益が増加したことから、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比10.3%の減少となった。
 
 
収益性の高いアイコン事業の増加や経費の削減により、第3四半期(4-12月期)の業績は拡大傾向。
 
 
 
15/12月の総資産は前期末比5億18百万円減の188億34百万円。資産は、売上債権が主な減少要因。負債純資産は、仕入債務や、自己株式の取得や配当金の支払いによる株主資本が主な減少要因。15/12末の自己資本比率は34.0%と前期末から2.2ポイント低下したものの、これは主に自社株買いの実施によるもの。また、15/12月末の有利子負債(リース債務含まず)は9億80百万円と前期末から7億22百万円増加した。これは、フォーバルテレコムの予想以上のISP受注の拡大による販促費の資金需要に対応したもの。
 
 
2016年3月期業績予想
 
 
前期比4.3%の増収、同15.5%の経常増益予想
16/3期の会社計画は、売上高が前期比4.3%増の470億円、経常利益が同15.5%増の21億円の期初予想から変更なし。売上高は6期連続の増収、経常利益と営業利益は8期連続の増益を目指す。国内景気の緩やかな回復が続く中、同社グループの事業領域である情報通信分野においてもクラウドやビックデータ、IoT関連のサービスなどが拡大している。こうした状況下、同社は企業経営を支援する次世代経営コンサルタント集団として、IP統合商品の更なる普及促進、ビッグデータ活用による新サービスの創出、スマートフォンに代表される情報通信の利活用促進、太陽光発電などの総合環境コンサルティング・IT技術者向けを中心とした教育サービスの提案、東南アジア諸国への進出支援などに積極的に取り組む方針。
売上面は、アイコンサービスなどの経営コンサルティング分野が拡大するフォーバルビジネスグループの増加に加え、保険関連の子会社やネット系サービスが拡大するフォーバルテレコムビジネスグループの増加に加え、(株)アップルツリーの事業強化による総合環境コンサルティングビジネスグループの増加を見込んでいる。
利益面は、主としてフォーバルビジネスグループ、フォーバルテレコムビジネスグループの増収効果と売上構成比の変化による収益性の改善を見込んでいる。営業利益は21億円と同9.3%の増益。売上高営業利益率は4.5%で、前期比0.2ポイント高まる計画。
また、経常利益は同15.5%増益と持分法による投資損失の減少により営業利益に比べ増益率が高まる一方、当期純利益は税金費用が増加するため同0.7%増益と各利益指標と比較し増益率が低下する計画。
配当も前期と同額の1株当たり年間13.75円の計画を据え置き(15年9月1日を効力発生日とする普通株式1株を2株の株式分割後)。
 
 
売上高、利益ともに、例年第4四半期のウエイトが高い。概ね、会社計画並みに推移している模様。
 
 
今後の注目点
同社の16/3期第3四半期連結累計期間決算では、5セグメント全ての売上高が増加するなど好調が継続していることが確認された。加えて、引き続き資本を効率化させながら、収益性を高めている点極めて評価が高い。株主の利益を重視した経営を貫いており、マネジメントへの信頼感は厚い。こうした中で不安要因をあげるとすれば、フォーバルテレコムビジネスグループが一時的な要因により収益性が悪化していることと、先行投資段階にある総合環境コンサルティングビジネスグループがセグメント損失となっていることであろう。フォーバルテレコムビジネスグループは、ISP受注に伴うインセンティブの増加や保険業法改正に伴う組織変更のための人件費増加が影響している。特に、インセンティブの増加に対応するために有利子負債が大幅に増加している点は気がかりである。今後新規に獲得した顧客からもたらされるISPのストック収益が積み上がることでキャッシュフローは徐々に改善してくると思われるものの、今第3四半期においてはキャッシュフローの改善は見られなかった。一方、保険業法改正に伴う組織変更は概ね完了したことから、今後営業効率の向上や収益性の改善が図られるものと期待される。現在、収益性が悪化しているフォーバルテレコムビジネスグループにおいていつの段階で利益の成長性が高まってくるのか注目される。加えて、新規事業分野である環境分野は先行投資段階にありセグメント損失が継続している。今後いかに同事業を拡大させていくのか、今後の経営戦略が注目される。
また、中国発の景気スローダウンや円高株安の動きが国内景気に悪影響を及ぼす可能性が出てきている。好調を継続している国内の携帯電話販売にも影響を及ぼす可能性も否定できない。一方で、経営環境が難しくなる局面においては、同社に対する経営相談が増えることが予想される。環境変化に対応していかに事業を拡大してくのか、マネジメントの経営手腕にも注目したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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