ブリッジレポート

(6890) フェローテック/山村 章社長
2002年11月29日(金)

フェローテックの中間決算説明会に出席しました。

2003年3月期中間期実績

売上高
6,262百万円
前年同期
8,717百万円
営業利益
324百万円
前年同期
1,029百万円
経常利益
−87百万円
前年同期
997百万円
当期純利益
−168百万円
前年同期
−235百万円

世界的な電子機器産業の業績不振による需要の落ち込みの影響を受けて、厳しい経営環境ですが、山村社長は、いい人材を採用することができるなど逆にチャンスと捉えています。 コスト競争力強化のために石英製造及び基板実装ラインの中国子会社への一部移設と生産技術の移転などを進めています。また、CMS事業のうちシリコンウェハー加工に関する技術導入および設備導入についても順調に進んでいます。


山村 章社長

 

セグメント別状況

装置関連事業
半導体製造装置関連の真空シールは、設備投資抑制の影響を受けましたが、プラズマディスプレイ、液晶、有機ELなどのフラットパネルディスプレイ向けへの販売が堅調だったため、ほぼ計画どおりでした。
一方、石英製品は国内半導体メーカーが主な供給先であるため価格下落と共に需要が大きく低下しました。また、国内生産体制の中国移管が進むにつれ一時的な移管コストが発生しました。

売上高
3,412百万円
(前年同期比 −39.7%)
営業利益
32百万円
(前年同期比 −94.7%)


電子デバイス事業
パソコンやサーバーに使用されるHDD(ハードディスクドライブ)向け部品であるコンピュータシールは、HDDの低価格化の影響を受け使用される機種が減少し、またIT産業や企業向けサーバー用HDDの生産調整もあり、計画を下回りました。エレクトロニクス産業全般で使用されるサーモモジュールは、半導体製造装置向けと光通信向けが減少し、自動車用温調シート向けが自動車販売好調によりほぼ計画どおりとなりました。
一方、基板実装は国内の需要が減少したことにより売上高が減少しました。

売上高
2,357百万円
(前年同期比 −19.0%)
営業利益
398百万円
(前年同期比 −33.7%)


CMS事業

契約により受託した他社製品を製造する事業ですが、守秘義務などにより開示可能な受託品名は、シリコンウェハー加工、金属表面処理、装置洗浄などです。

売上高
492百万円
(前年同期比 +226.5%)
営業利益
−106百万円

来期は売上高40−50億円、翌期70億円を目指しています。
また、現在の取扱い商品群だけで5年以内に120−130億円の売上高も可能と見ています。 中国フェローテックに基礎的な生産技術を蓄積し、また利益率を高めていくために、部品や加工機械も自社生産のものを使う形で進めていきます。

 

最近のトピックス

装置洗浄事業
2002年8月より、中国子会社のCMS事業において半導体及び液晶の製造装置部品の洗浄を開始しました。
部品メーカーとして、半導体メーカーなどのより幅広いネットワークを構築し、来期には15億円程度の売上高を目指します。

シリコンウェハー事業
同事業を中核事業と位置付けています。

東芝セラミックスのシリコンウェハー加工を11月に開始しました。
これは東芝セラミックスからシリコンインゴットの供給と、小口径シリコンウェハー用生産設備・加工技術の提供を受け、上海工場でCMS事業としてディスクリート用小口径シリコンウェハー加工を受託するものです。月産5万枚でスタートし、1年かけて40万枚へ拡大させていきます。
ディスクリート半導体は、2001年の市場規模は約120億ドル。需要は底固く、特に中国での増加が予想されています。
来期20億円、翌期35億円、翌々期60億円程度の売上高を計画しています。

また、これとは別に子会社のフェローテックシリコンが、国内でシリコンインゴットの製造から個別半導体向け小口径シリコンウェハー加工までを一貫して行い、ICチップメーカーへ供給していきます。月産4−5万枚を計画しています。
大手のシリコンウェハーメーカーが対応できていない「少量多品種短納期」を武器に、ニーズを持つ国内顧客をターゲットにしています。
売上高で来期12−15億円、翌期25億円程度の目標です。
中期的には、フェローテックシリコンの事業を中国へ移管しコスト競争力を強化し、また小口径(6インチ)ウェハー加工で実績を積み、8−12インチへ展開していきます。

リチウムイオン二次電池事業
リチウムイオン二次電池は、デジカメ、携帯無線機、携帯プリンターなどに使用されるもので、2001年には国内で4.6億個、2,482億円、また輸出は3.5億個、1865億円という市場規模があります。輸出先では東南アジアが66%と圧倒的に多く、次いで欧州(15%)、北米(14%)となっています。
*二次電池とは、一般に蓄電池と呼ばれている充電式の電池のことを言います。19 世紀電池が発明された頃は発電機がなく、電池を使って充電式の電池を充電していたので、電気を供給する側を一次、受ける側を二次と呼んだことに由来します

2002年9月に、同社が加工技術・製造拠点を、三菱電線が電池製造技術を提供し、同電池の研究開発・設計・マーケティングを行なう「ダイヤセルテック」という合弁会社を設立しました。
生産はダイヤセルテックの100%出資の中国子会社で行います。フェローテック中国は生産ノウハウを提供し、指導料と輸出代行で収益を得ることになっています。
製品は、ニコンD100などのプロ用デジカメの他、台湾・中国市場にも供給していく考えです。
売上は来期15−20億円、翌期30−40億円、その後は60億円以上を計画しており、4,000億円といわれる市場の何%かを中国市場で獲得していく考えです。

同社では、CMS事業の新規モデルとして位置付けており、中国進出を検討する企業にフレキシブルな進出形態を提供し、CMS事業の拡大を目指します。
また、同社の工場中心に多様な技術の集積を図り、技術力、付加価値の向上を進めます。

研究開発体制
10月に研究開発拠点として、フェローテック・エンジニアリング・ルーマニアを設立しました。メカトロニクスとサーモモジュールの新素材開発などで、即戦力となる研究開発拠点と位置付けています。20年前に米国へ亡命した研究者が中心メンバーで、「R&Dもコストパフォーマンス重視の時代」と認識し、非常に優秀なスタッフを低コストで採用できることは大きなメリットです。

これで「日本:生産・加工技術の蓄積」、「米国:アプリケーションの開発」、「中国:長期的な視野に立った研究開発拠点。若いエンジニアの育成」、「ルーマニア:即戦力の開発拠点」という体制が整いました。

 

2003年3月期通期業績予想

売上高
13,630百万円
前年比
− 7.7%
営業利益
651百万円
前年比
−28.9%
経常利益
129百万円
前年比
−86.9%
当期純利益
−261百万円
前年同期
−357百万円

セグメント別売上高                    
装置関連事業
7,369百万円
前年比
− 19.2%
電子デバイス事業
4,680百万円
前年比
−  6.2%
CMS事業
1,582百万円
前年比
+136.1%

経営環境は一段と厳しい状況であり、設備投資抑制は一部で底打ち後徐々に回復するものと考えられますが、好影響を及ぼすのは来期以降と考えています。
こうした中、前述したように中国子会社CMS事業における半導体及び液晶の製造装置部品の洗浄事業が本格稼動し、シリコンウェハー加工は今期末からの稼動予定となっています。石英製品、基板実装の製造ライン中国移管のための一時的コストが発生しますが、移管完了後は価格競争力の向上と中国国内での受注拡大が見込まれます。
また、米国において新たなアプリケーション向けサーモモジュールの受注が増加する見込です。

 

取材を終えて

厳しい環境ですが、優秀な人材を採用することができるチャンスと捉えています。
大きな期待と可能性を持った中国におけるCMS事業が着実に立ち上がっていることに加え、世界的な研究開発体制を構築し、R&Dを積極的に推進し、3年先には売上高1000億円企業へと成長することを目指している同社の今後に注目していきたいと思います。

 
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