ブリッジレポート

(6890) フェローテック/山村 章社長
2003年5月26日(月)

 

フェローテックの決算説明会に出席しました。
山村社長、山崎執行役員が決算概要、今後の取り組みについてお話されました。

 


山村 章社長

2003年3月期決算概要

<連結>
 
 (単位:100万円)
実績
前年比
売上高
12,845
−13.1%
経常利益
−626
前期984百万円
当期純利益
−899
前期−357百万円

世界的なエレクトロニクス産業の需要落ち込みおよび設備投資抑制の影響により、減収・減益となりました。

装置関連事業:

売上高
6,851百万円
(前年比 −24.8%)
(営業損失87百万円)

真空シールは、半導体不況による設備投資抑制の影響を受けましたが、PDP(プラズマディスプレイ)、液晶、有機ELなどのFDP(フラットパネルディスプレイ)製造装置向けの販売が堅調で、ほぼ計画どおりでした。
国内半導体メーカーが主要供給先である石英製品は、需要が大きく低下しました。


電子デバイス事業:

売上高
4,271百万円
(同−14.4%)
営業利益501百万円
(同+1.8%)

HDD向けコンピュータシールは、使用機種の減少、企業向けサーバ用HDDの生産調整、次世代半導体の生産延期などで計画を下回りました。
サーモモジュールは、半導体製造装置向けおよび光通信向けが大きく減少しましたが、自動車用温調シート向けが好調でほぼ計画どおりとなりました。
基板実装は国内の需要家が国内生産から撤退したことから中国へ生産シフトしましたが、計画を下回りました。


CMS事業:

売上高
1,722百万円
(同+156.9%)
営業損失266百万円

製品が多岐にわたること、顧客との守秘義務などから開示可能な受託商品は、シリコンウエハー加工、工作機械組立、装置部品洗浄などです。
まだ立ち上げて間もないものが多いため、売上は大幅に増加しましたが、営業利益はマイナスとなっています。

 

2004年3月期決算予想

<連結>
 
(単位:100万円)
予想
前年比
売上高
16,000
+24.6%
経常利益
400
前期−626百万円
当期純利益
10
前期−899百万円
  • 電子製品、関連部品の在庫調整が続き、先行きは不透明。設備投資は徐々に回復が予想されるが好影響は後半からと予想
  • CMS事業におけるシリコンウエハー加工は順調に稼動開始
  • リチウムイオン2次電池事業はダイヤセルテック(三菱電線工業との出資)の中国子会社が量産を開始
  • フェローテックシリコンが2002年後半、ウエハー加工事業に進出し売上に寄与
  • サーモモジュールは自動車温調シート向け製品が、日本・米国・韓国での採用車種増加で受注拡大へ
  • フェローテッククオーツ(石英製品の製造販売子会社)の製造拠点を中国へ移管中で、これに伴う工場の一部閉鎖・リストラコストが発生するが、移管完了後はコスト削減、中国市場での販売拡大へ。
  • グループ全社における人件費削減
<事業セグメント別動向> 
(単位:100万円)
予想
前年比
装置関連事業
8,620
+25.8%
電子デバイス事業
4,150
− 2.8%
CMS事業
3,230
+87.6%

 

セグメント別の状況と見通し

1. 装置関連事業
  真空シール
    日本においてはFPD製造装置向けが堅調です。300mmサイズ製造装置向けの引き合いが徐々に拡大しています。
    米国では半導体製造装置への投資抑制が続く中で、メンテナンス需要の比率が高まっています。
        
  石英製品
    上海のSMIC社との取引が開始されました
    300mmサイズ製造装置向けの引き合いが徐々に拡大しています。
    AMAT社向け石英製品が拡大しています。
    予定より遅れている中国への生産移管を急いで進めています。
    国内生産拠点の再編を進めており、会津工場を国内の主力工場とし300mmサイズに対応します。
    これらの施策により、今期の収益改善を見込みます。
       
  シリコン関連
    フェローテックシリコンが通期で貢献します。
    インゴッド引上げからウエハー加工までの一貫生産を行います。
       
2. 電子デバイス事業
  コンピュータシール
    ハイエンドモデルのFDB化(オイルを使った動圧軸受)が進み、需要が低下しています。
    高速回転用のUシールの構成比が高まる見込みです。
    磁性流体動圧軸受(FFB)は、量産評価用サンプルが出荷済みです。
       
  サーモモジュール
    自動車温調シートが大きく成長し、本格的に動き出します。サーモモジュールの販売先業種別シェアでは、自動車向けが前々期の22%から前期33%へと上昇しています。
    同社のサーモモジュールはアメリゴン社の温調装置に使われているのですが、そのアメリゴン社製品がBig3の一つGM社に新たに採用されることとなりました。(これまでは、フォード、トヨタ、日産など)
    主として乗用車、なかでもSUV(Sports Utility Vehicle)での搭載が多くなっています。サーモモジュールの場合は冷暖の温度調整が容易なため、暖めるだけのHeated Only Seatよりも実用性が高いと評価されています。
    今後は温調装置の組立加工も開始する予定です。
    欧州市場では、バイオ、光学などの分野向けの営業活動を開始しました。
       
3. CMS事業
    シリコンウエハー加工を順調に拡大しています。
    表面処理・装置洗浄事業は緩やかに拡大していくと考えています。 ・ リチウムイオン電池事業は中国で量産を開始します。
    CMS事業全体で、今期中の黒字転換を目指します。

 

研究開発

今後成長し、かつ生き残るために最も重要な分野と認識しています。
以下のような分野に重点を置きます。

  • FFBの量産技術開発
  • サーモモジュールの高性能材料の開発
  • 発電用サーモモジュール
  • 廉価型サーモモジュール


中期経営計画

<連結> 
(単位:100万円)
03/3期
04/3期(予)
05/3期(計)
06/3期(計)
売上高
12,845
16,000
29,700
35,220
経常利益
−626
400
2,000
3,000
当期利益
−899
10
1,200
2,000

商品別では以下のような商品の成長に期待しています。

<売上高推移見通し>
(単位:100万円)
04/3期(予)
05/3期(計)
06/3期(計)
真空シール
3,040
4,150
4,900
石英製品
3,110
4,190
4,930
サーモモジュールおよび応用製品
1,750
3,580
5,360
HDD用FFB
40
900
1,440
ウエハー加工
1,900
5,350
5,650

リチウムイオン2次電池は、2006年3月期で20〜50億円と見ています。 2007年3月期には総売上高500億円達成を目指します。

 

取材を終えて

世界的に取り巻く環境は厳しく、今期においても楽観視はしていないようです。
ただ一方で、サーモモジュールの本格的な展開が始まったり、CMS事業も着実に拡大し、今期黒字転換の可能性も大きくなってきている点は注目です。
それぞれの事業展開を今後も引き続きフォローアップしていきたいと思います。

 
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