ブリッジレポート

(6890)フェローテック/山村 章社長
2004年11月30日(火)

フェローテックの中間説明会に出席しました。
山村社長、山崎執行役員が、中間決算概要、今後の見通しについて説明されました。

フェローテックは、磁性流体応用製品のパイオニアとして半導体産業や液晶産業向けに製品を供給しており、早くから中国に進出している企業です。冷熱素子であるサーモモジュールやHDD用部品のコンピュータシールなど、ニッチ市場ながらシェアの高いユニークな製品を持っています。 ここ数年は、大型の設備投資と中国移管のコストが先行していましたが、今期から回収に入ったところです。

 


山村 章社長

2005年3月期中間決算概要
<連結>

(単位:100万円)
売上高
前年同期比
営業利益
前年同期比
売上高
10,783
9,500
113.5%
+58.0%
営業利益
1,063
730
145.6%
+6162.5%
経常利益
940
540
174.1%

-

中間純利益
458
200
229.0%
-

3セグメント全てが期初計画を上回りました。半導体やFPD(フラット・パネル・ディスプレイ)関連の活発な投資が追い風となり装置関連事業が売上・利益共に大きく伸ばしたことに加え、電子デバイス事業もサーモモジュールを中心に好調に推移しました。また、稼働率が上昇したことでCMS事業が先行投資負担を吸収して黒字転換しました。

<セグメント別動向>
(単位:100万円)
売上高
前年同期比
営業利益
前年同期比
装置関連事業
5,339
+41.3%
692
+2463.0%
電子デバイス事業
2,115
+16.3%
316
+53.4%
CMS事業
3,328
+171.2%
75

黒字転換

消去
-
-
-21
-
合計
10,783
+58.0%
1063
+6162.5%

装置関連事業:
真空シール・部品、石製製品、シリコン製品、EB−ガン等

半導体・FPD関連の活発な設備投資が追い風となった真空シール・部品や中国への生産移管が完了し顧客開拓も進んだ石英製品が期初予想を大幅に上回りました。

電子デバイス事業:
コンピュータシール、サーモモジュール、基板表面実装、磁性流体等

サーモモジュールが半導体製造装置やバイオ関連向けで予想を上回ったほか、減収を見込んでいたコンピュータシールもユーザー製品のFDB(流体同圧軸受け)化の遅れから増収となりました。

CMS事業:
シリコンウエハー加工、装置部品洗浄、リチウムイオン2次電池、工作機械等

先行投資負担が重いシリコンウエハー加工の稼動率が上昇し収益改善が進んだ他、認定取得が進んだ装置部品洗浄では新規顧客の開拓が進みました。また、工作機械の製造・販売も中国ローカルマーケット向けが伸びました。


2005年3月期業績予想

<連結>
(単位:100万円)
予想
前期比
売上高
20,800
+38.7%
営業利益
1,650
-4.8%
経常利益
1,300
黒字転換
当期純利益
620
黒字転換

下期計画は、装置関連事業、電子デバイス事業で減速を見込む慎重なものとなりましたが、足下の受注・売上は堅調に推移しているようです。

<セグメント別動向>
(単位:100万円)
予想
前期比
装置関連事業
10,236
+29.2%
電子デバイス事業
3,444
-4.8%
CMS事業
7,120
+105.9%
合計
20,800
+38.7%

装置関連事業は、半導体・FPD関連投資に減速感があり、真空シール・部品、石英製品を中心に下期は減収となる見込みです。
電子デバイス事業は、自動車向けを中心にサーモモジュールが伸びる見込みですが、コンピュータシールは製品ライフサイクルの最終期を迎えつつあります。
CMS事業は、6段階に分けて日本からの移管を進めてきた主力のシリコンウエハー加工が移管の最終段階にあり、収益性の改善が進む見込みです。また、装置部品洗浄は新規顧客向けの伸びが期待できます。


今後の見通し

装置関連事業

半導体・FPD投資は一巡感がありますが、デジタル家電の市場拡大で需要の裾野が広がっており、2000年から2001年にかけての落込みほどにはならないと見ています。また、英国のアドバンス・フルイド・システム社から真空シール事業の営業権を取得したほか、ドイツのアプライド・フィルムズ社とITO膜(液晶等に不可欠な透明電極膜)の成膜装置の独占供給契約を締結しており、いずれも今下期以降、業績への貢献が始まります。
更に、石英製品では、これまで弱かった機械加工(石英の加工方法の一つ)の技術導入を進めており、ユーザーニーズに幅広く対応できる体制の構築を進めています。

電子デバイス事業
ピークには売上高の80%程度を占めたコンピュータシールが来期はゼロになる見込みです。一方、サーモモジュールは自動車向けが来期10%程度増加する見込みであるほか、新たなスペック・インも進んでおり再来期以降は一段の拡大が見込まれます。また、自動車以外でもサーモモジュールを使用した新たな製品の開発が進んでいるほか、素材の改良により、消費電力を30%削減したサーモモジュールの開発にも成功しました。杭州での新工場建設で、生産能力を倍増する計画です。

CMS事業
シリコンウエハー加工の最終移管が1-3月期(子会社の来期第1四半期)に完了する予定です。これにより、来期のCMS事業の売上高は100億円程度になり、前倒しで減価償却を行ってきたため、収益性も大幅に改善する見込みです。また、装置部品洗浄は既に上海地区で90%程度のシェアを握っており、装置のユーザーである半導体メーカーに加え、装置の製造元である半導体製造装置メーカーとも提携を進めて、アウトソーシング需要を積極的に取り込んでいく考えです。更に、中国のローカルマーケット向けを中心とする工作機械の製造・販売も軌道化してきました。今後は、台湾や日本への輸出を視野に事業を進めていく考えです。


取材を終えて

下期の計画は慎重なものですが、足下は堅調に推移しており、発表されている通期の業績予想は達成可能な下限値といった印象を受けました。
今後、装置関連事業の減速が見込まれますが、自動車向けの伸びに加えて新しい応用製品の開発が進んでいるサーモモジュールは一段の事業拡大が見込まれ、これまで先行投資負担が重かったCMS事業の利益貢献も始まります。CMS事業の収益性改善は、キャッシュフローにも好影響を与えており、設備投資資金をキャッシュフローでまかなう事のできる体制も整いつつあります。
今中間決算で追い風となった半導体・FPD関連投資は一服の感がありますが、中期的には楽しみな話題や材料が豊富な会社であることを再確認した説明会でした。

http://www.ferrotec.co.jp/

 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
Copyright(C) 2017 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.

« ブリッジレポート:(9616)共立メンテナンス vol.8 | ブリッジレポート:(4289)ビジネストラスト vol.6»

コメント

下記規定に同意の上、コメントしてください



※ 公開されません


保存しますか?


ブリッジレポート(バックナンバー)
アンケート
アラートメール登録
メールアドレス
パスワード
CLOSE