ブリッジレポート
(6890:JASDAQ) フェローテック 企業HP
山村 章 社長
山村 章 社長

【ブリッジレポート vol.33】2012年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「同社が事業の軸足を置く中国では、今秋に習近平政権が誕生する予定だ。インフレ抑制のために金融引き締めを続けてきた中国だが、2011年12月に・・・」続きは本文をご覧ください。
2012年3月13日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フェローテック
社長
山村 章
所在地
東京都中央区日本橋 2-3-4 日本橋プラザビル
事業内容
太陽電池関連製品、半導体・FPD製造装置部品等の製造・販売及び各種技術サービス
決算期
3月
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年3月 57,880 6,931 6,290 4,483
2010年3月 31,541 703 524 156
2009年3月 36,653 2,790 2,097 743
2008年3月 36,625 3,057 2,414 1,903
2007年3月 32,517 2,288 2,081 1,703
2006年3月 23,946 1,210 1,040 708
2005年3月 21,105 1,762 1,456 633
2004年3月 15,000 615 -177 -645
2003年3月 12,845 111 -626 -899
2002年3月 14,775 916 984 -357
2001年3月 16,435 2,665 2,561 1,644
2000年3月 7,988 892 629 288
株式情報(3/5現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
947円 30,612,319株 28,990百万円 19.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
20.00円 2.1% 93.16円 10.2倍 986.60円 1.0倍
※株価は3/5終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
フェローテックの2012年3月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
太陽電池用シリコン単結晶引上装置(台数ベースで世界NO.1)や消耗品である坩堝(世界NO.1)等の太陽電池関連製品、半導体製造装置やフラット・パネル・ディスプレイ(FPD)製造装置の部品、半導体材料、各種温度調節に使われるサーモモジュール等の製造・販売を行っている。いずれも目に触れる機会はないものの、パソコンや携帯電話、液晶やプラズマ等、身近な分野で同社の技術が活かされている。
グループは、同社の他、生産の中心を占める中国等の他、欧米、ロシア、台湾等に展開する連結子会社21社、持分法適用関連会社6社。
 
<事業セグメント>
事業は装置関連事業、電子デバイス事業、太陽電池関連事業に分かれ、11/3期の売上構成比は、それぞれ48%、12%、37%(この他、ソーブレード、装置部品洗浄、工作機械等の報告セグメントに含まれない「その他」が3%)。近年、急速な伸びを示しているのが、製造装置や石英坩堝等の消耗品を手掛ける太陽電池関連事業である。太陽電池の材料となるシリコン結晶の製造装置には、同社の製品である真空シールが主要部材として使われており、これまで蓄積してきた技術やノウハウが活かされている。
 
<中期経営計画「Challenge 1000」>
同社グループでは、創業31年目を迎える12/3期を「第2の創業」と位置付け、太陽電池関連事業とLED関連事業を成長ドライバーとする中期経営計画「Challenge1000」(12/3期〜14/3期)をスタートさせた。
 
 
 
2012年3月期第3四半期決算
 
 
前年同期比25.2%の増収、同2.0%の経常減益
売上高は前年同期比25.2%増の497.7億円。シリコン結晶製造装置の出荷が順調に進んだ他、製造時に消耗品として使わる石英坩堝の好調等で太陽電池関連事業の売上が大きく伸びた。利益面では、夏場以降の太陽電池用シリコンの価格下落が響き売上総利益率が低下。変動費の増加や新工場の立ち上げ及び子会社設立等による販管費の増加が負担となり、営業利益は同4.4%の増加にとどまった。支払利息の増加(315百万円→429百万円)やファイナンスにかかる手数料の計上(123百万円)等で営業外損益が悪化した他、特別損失の増加(179百万円→504百万円)もあり四半期純利益は21.7億円と同18.0%減少した。
尚、特別損失の主なものは、固定資産処分損93百万円、投資有価証券評価損91百万円、任用契約一括償却損170百万円等。
 
 
装置関連事業
売上高201.4億円(前年同期比0.5%減)、セグメント利益24.2億円(同6.0%増)。半導体、FPD及びLED向けの設備投資の一巡と生産の減少で、第2四半期以降、全般に売上が減少傾向にある。唯一堅調なセラミックスは、スマートフォンの市場拡大を追い風にしたマシナブルセラミックス"ホトベール"(半導体の検査冶具:垂直型プローブカードのプローブピンのガイド板)や半導体の微細化投資を追い風にしたファインセラミックス(D-RAM等のメモリーの製造装置向けが中心)が寄与した。利益面では、新興国市場向けLED蒸着装置の普及版の開発やセラミックス製品の新材料開発等で研究開発費が増加したものの、セラミックス等の好調と原価低減努力で吸収した。
 
太陽電池関連事業
売上高235.1億円(前年同期比82.7%増)、セグメント利益12.8億円(同28.2%増)。シリコン結晶製造装置の売上が倍増した他、太陽電池用シリコンや石英坩堝の売上も6割弱増加した。利益面では、太陽電池用シリコン(太陽電池用セルや同ウエーハ)の販売価格の下落や、これに伴うたな卸資産の評価減の計上で第2四半期(7-9月)にセグメント全体で損失を計上した事が響いた(太陽電池用セルや同ウエーハは第3四半期も価格下落の影響が残ったが、原材料価格も下落したため採算は改善に向かいつつある)。
 
電子デバイス事業
売上高18.0億円(前年同期比16.5%減)、セグメント利益5.7億円(同32.5%減)。サーモモジュールの売上減少が減収・減益の要因。用途別では、バイオや光通信向け等が堅調に推移したものの、主力の自動車温調シート向けが販売先の在庫調整で減少した。利益面では、売上の減少に加え、省エネ製品に欠かせないパワーデバイス用基板の開発等、積極的な先行投資も負担となった。
 
 
前年同期比12.2%の減収、同71.2%の経常減益
豊富な受注残を抱えるシリコン結晶製造装置や消耗品の石英坩堝を中心に太陽電池関連事業の売上が増加したものの、販売先の在庫調整で電子デバイス事業の売上が落ち込んだ他、装置関連事業も急減速した。利益面では、売上の減少で装置関連事業や電子デバイス事業の限界利益が減少した他、太陽電池関連事業も第2四半期(7-9月)半ば以降の太陽電池用シリコンの採算悪化で利益が半減した。
 
 
 
業容の拡大に加え、公募増資等による資金調達を実施した結果、第3四半期末の総資産は753.2億円と前期末比148.2億円増加した。自己資本比率は前期末比4.0ポイント改善の44.1%。
CFの面では、第3四半期以降の受注・売上の減速等による運転資金の減少で営業CFが増加したものの、中国での子会社設立や増産投資等で投資CFのマイナス幅が拡大したため、フリーCFは66.4億円のマイナスとなった。ただ、借入れや新株の発行による資金の調達で財務CFが黒字となり、現金及び現金同等物の第3四半期末残高は106.0億円と前期末比35.1増加した。
 
 
 
2012年3月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比8.8%の減少、同33.2%の経常減益予想
売上の減少による装置関連事業及び電子デバイス事業の限界利益の減少に加え、太陽電池関連事業も、足下では改善傾向にあるものの、第2四半期の採算悪化が響く。設備投資は70億円(前期は50.3億円)を予定しており、減価償却費は33.5億円(同26.5億円)を織り込んだ。為替レートの前提は、1ドル=75円(前期は83.8円)、1人民元=12円(同12.5円)。配当は1株当たり20円の期末配当を予定している。
 
 
 
 
 
今後の注目点
同社が事業の軸足を置く中国では、今秋に習近平政権が誕生する予定だ。インフレ抑制のために金融引き締めを続けてきた中国だが、2011年12月に一転して金融緩和に動き、2月には追加の金融緩和を実施した。経済ジャーナリストの財部誠一氏の言葉を借りれば、「新政権のスタートダッシュのためのウォーミングアップが始まったと理解すべきだろう」と言う事になり、同社の中国ビジネスもその恩恵を受けよう。
また、価格下落の影響を受けた主力の太陽電池関連事業も、太陽光パネル等の価格下落と発電効率の改善が相まって発電コストが大幅に下がっているだけに底打ち後の回復は早いものと思われる。加えて、第3四半期に急減速した装置関連事業についても、同社の主要な取引先である東京エレクトロンの受注が急速回復している事を考えると見通しは明るい。この背景にあるのは、成長が続いているスマートフォンやタブレット端末に加え、これらに対抗するべくパソコンメーカーが力を入れている「ウルトラブック」(Intel社が提唱した薄型軽量かつ安価なノートパソコン。薄さ、重量、バッテリー駆動時間、価格等の目安が示されている)の市場拡大であり、これらの商品には最先端の微細化半導体が使われている。同社のセラミックス製品が好調を維持しているのは微細化半導体の生産増を反映したものだが、東京エレクトロンの受注急回復は半導体メーカー各社が増産投資にも動き出した事を示している。
各セグメントで今しばらく調整が続くものと思われるが、遠からず業績の底打ちを確認できるのではないだろうか。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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