ブリッジレポート
(2687:東証1部) シー・ヴイ・エス・ベイエリア 企業HP
泉澤 豊 社長
泉澤 豊 社長

【ブリッジレポート vol.28】サークルKサンクスとの訴訟について
取材概要「シー・ヴイ・エス・ベイエリアは晴海4丁目に店舗を保有しています。そこから通りを1本隔てた晴海2丁目にサークルKSの本部が平成18年に・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年8月10日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア
社長
泉澤 豊
所在地
千葉県浦安市美浜1−9−2
事業内容
千葉及び東京のベイエリア地域を中心に、コンビニを直営店舗主体に展開。ビジネスホテル事業の他、子会社がマンション向けフロントサービスを提供。
決算期
2月
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年2月 26,322 416 610 235
2009年2月 25,271 571 334 -78
2008年2月 24,277 623 446 216
2007年2月 23,347 699 610 310
2006年2月 22,332 1,018 1,055 600
2005年2月 20,956 1,081 1,101 578
2004年2月 17,236 946 1,048 499
2003年2月 14,024 880 878 390
2002年2月 12,358 847 873 445
2001年2月 11,835 753 722 386
2000年2月 9,840 641 673 306
株式情報(8/2現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
115円 24,683,602株 2,838百万円 6.1% 1,000株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
4.00円 3.4% 7.78円 15.4倍 160.54円 0.7倍
※株価は8/2終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、シー・ヴイ・エス・ベイエリアは、企業フランチャイズ契約を結んでいる株式会社サークルKサンクス(3337 東証1部、以下、サークルKS)に対し同契約の解消に向けた話し合いを求めたところ、同社から中途解約権を有しないことの確認、FC契約に基づく競業避止義務違反行為および他チェーン本部への店舗の転貸、譲渡の差し止めを求める訴訟を提起されています。

これだけ見てしまうとシー・ヴイ・エス・ベイエリアに非があるように受け取ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、泉澤豊社長は、こうした状況に至ったのは、コンビニエンスストア業界全体および一企業体としてのサークルKSが抱える個別の問題に起因すると考えているようです。

泉澤社長のお話を伺いました。
 
サークルKSとの訴訟の経緯
 
1.サークルKSとのFC契約
 
従来はセブン・イレブンのフランチャイジーであったシー・ヴイ・エス・ベイエリアは当時の「サンクス」から熱心な勧誘を受け、「サンクス」のフランチャイジーとなり積極的に店舗展開を行う中で、平成9年1月24日には「サンクス企業フランチャイズ契約」を締結し、エリアの独占権を持たない形態で、エリア本部事業を開始しました。
その後平成16年に「シーアンドエス」、「サークルケイ・ジャパン」、「サンクスアンドアソシエイツ」の3社が合併しサークルKSとなりましたが、泉澤社長は「買収効果の上がりそうのない合併」と評価していました。
泉澤社長は「サンクス」に対してはそれまでの経緯から好意的でしたが、新会社「サークルKS」は「サンクス」スタッフは中心から外され、疑問を持っていたサークルKが主導権を持っていたことからサークルKSに対する距離を一定に保ち、しばらくは様子をみることとしましたが、将来性がないという判断に至りました。(理由は後述)
本来は「サークルKS」となった際に、サークルKSとの間で改めてフランチャイズ契約を結ぶのが筋ですが、サークルKSは、存在感の大きいシー・ヴイ・エス・ベイエリアに脱退されることを懸念したのか、「サンクス企業フランチャイズ契約」をそのまま継続しており、このような対応も同社の「事なかれ主義」を示しているといいます。
 
2.契約解消の申し込みと訴訟まで
 
サークルKSの企業フランチャイザーを継続することに疑問を感じていた泉澤社長は、約1年ほどサークルKS側と今後について話し合いの場を何度も持ちましたが、先方からは明確な答えは出てこず問題解決が先に進まないため、平成21年2月に契約解消に向けた話し合いをしたいとの意向を書面にて伝えました。
これに対しサークルKSは、「シー・ヴイ・エス・ベイエリアに中途解約権がないこと。」、「競業避止義務があること。」を主張し、平成21年7月に調停を申し立てました。しかし、通常調停というのは両社の意見が平行線の場合に、間に調停委員が立ってお互いの譲歩を引き出し、落とし所を見つけるものですが、サークルKSは自らの主張を訴えるばかりで話し合いの余地は一切なく、泉澤社長としては、この調停申し立ては単にサークルKS経営陣の「保身を図るためのポーズ」としか考えられないものでした。
こうした中でシー・ヴイ・エス・ベイエリアは、平成21年11月に自社で開業したビジネスホテルの1Fの物件を、平成22年4月にローソンに賃貸しました。
これに対してサークルKSは平成22年5月に「シー・ヴイ・エス・ベイエリアは中途解約権を有しないことの確認」、「契約期間及び契約期間終了後2年間におけるサンクス企業フランチャイズ契約に基づく競業避止義務違反行為の差し止め」を求める訴訟を東京地方裁判所に提起。平成22年7月13日に第1回公判が開かれました。
 
訴訟の背景:泉澤社長の主張
 
訴訟を提起されたシー・ヴイ・エス・ベイエリアですが、泉澤社長は、サークルKSの企業としての問題点、理不尽さを世間にアピールする絶好の機会であると考えています。
以下、泉澤社長の主張をご紹介します。
 
「中途解約権がないことについて」
契約書には「解除権」が双方に認められている一方で、片方にしか「中途解約権がない」という主張は、明らかに「優先的地位の利用」であり、これをおかしいと思わない感覚を持っている企業がサークルKSである。
 
「契約終了後2年間にもわたる競業避止義務違反について」
自由な経済活動が認められ、憲法が職業選択の自由を保障する中、時代遅れで形骸化している競業避止義務は社団法人日本フランチャイズチェーン協会でも認められておらず、コンビニエンスチェーンだけが主張している。
自社物件であるビジネスホテルの1階部分をローソンに賃貸したことをもって、「競業避止義務違反」と主張するのは、自分の財産を自分の自由意志で処分できないということであり、契約書に記載されていないことを強引に主張しているばかりか、基本的な権利である財産権の侵害である。
 
「サークルKSという企業について」
コンビニエンスストアに限らず、FCチェーンというのは、一般的には「フランチャイザー」と「フランチャイジー」が共存共栄する方向で進めていかなければ成り立たないのに対し、サークルKSはそうした考えを一切持っておらず、FCビジネスを行う資格のない企業である。
一例としては、サークルKSは2010年2月期、大幅な減収・減益となったが、広告・宣伝費を17.3億円(-21.1%)も削減している。(同社説明会資料より)
本来加盟店から受け取ったロイヤルティ収入の一部で、加盟店のために広告・宣伝活動費として使うのが本部の義務であるはずだが、そうした事を考えていない証拠である。
ほかにも、首都圏の店舗内ATMで、三菱東京UFJ銀行のカードが使えないことを1年半以上も放置していることや、交通系電子マネーである「スイカ・パスモ」が他チェーンに遅れること3年で、ようやくこの7月から利用可能となるなど、お客さまや加盟店のことを考えて経営を行っているのか疑問である。
当社のみでなく、多くのエリアフランチャイザーもサークルKSを見限り始めてる。サークルKS自体が「お殿様」との意識が強く、エリアフランチャイザーに対しては積極的な支援をせず、経営体力が低下したところで、子会社化している(青森、西埼玉、栃木など)。
また、チェーン離脱の意向を示したエリア会社に対しては、訴訟を提起し半ば強引に子会社化している。(北陸)
そうした具合なので、「サンクス」を中心とした通常の加盟店も信用していない。ただそういう風に自社が見られているということをサークルKSは認識できていないようだ。
そもそも、サークルKSには真の理念もない。競合他社が明確な経営ビジョンを掲げ、企業経営を行っているにも関わらず、自社で方向を決められず、先を見抜く力もなく、全て他社の物真似だけである。
一例を挙げれば生活必需品を均一価格で提供する店舗。ローソンが展開する「ローソン100」を真似てみたが、かなり遅れて参入し、品揃え、システムなど全て失敗している。昔は人真似でも通用したかもしれないが、変化の波が短い現在は難しいのにもかかわらず、それを理解していない。
サークルKSは当社の成長に対し「システムやノウハウなどそれなりの支援をしてきた。そのためFC契約を解約し他チェーンと契約すればそうしたシステムやノウハウが流出する。」と主張する。
しかし、本部としての指導など受けたことがなく、ライセンスフィーを徴収するだけである。
当社はクリーニング受付、布団丸洗いなど様々なサービスを開発して展開しているが、「お殿様」であるサークルKSは面子もあるのだろうが一切取り入れようとしない。
以上のように、サークルKSのメンバーとなっていてもこれからの方向性が見えないし将来性も極めて疑問である。つまり今回の問題は「サークルKS」の経営者、企業体質に大きな要因がある。
今回のサークルKSの主張がまかり通ったとすれば、コンビニエンスチェーンにおけるFCシステム自体の将来はない。
FC契約は2012年2月末までとなっているが、年内中には解決させたい。1日も早く脱退したいと考えている。
 
 
今後の事業展開
 
今回の訴訟終了後を見据えたシー・ヴイ・エス・ベイエリアの成長戦略を伺いました。
 
<コンビニエンス事業>
企業フランチャイザーとして他のチェーンを吟味して決定したい。
サークルKSを脱退する考えだったので、昨年度より出店を見送っている。また既存店の改修なども積極的に行えていないのが現状である。
そのため、新チェーンに加盟すれば出店、改装も進められるのでブランド力、競争力が向上。バイイングパワーが評価され、従業員のモチベーションアップも期待でき、サークルKS時代とは大きな違いが出てくる。
売上高、粗利益ともに大きく拡大させることが可能になる。
 
<非コンビニエンス事業>
コンビニエンス事業を抑えていたこの2年間のおかげで、非コンビニエンス事業の土台を構築することができた。
FA24、アスクともに黒字化が達成でき、今後の拡大も見えている。
特に「アスク」は「Last 1mile」の確保ができた意味が大きい。マンションの各戸にスムーズに様々なサービス、商品を届けることができる。これからの高齢化社会に対応してニーズの拡大・開拓が期待できる。
 
<非コンビニ事業の概要>
「便利さの提供」を企業理念に掲げ、この一環としてコンビニの店舗で「クリーニング取次ぎサービス」や「宝くじ」販売等の独自サービスを提供している他、非コンビニ事業の育成にも注力している。具体的には、09年11月にJR京葉線市川塩浜駅前にビジネスホテル「CVS・BAY HOTEL」(千葉県市川市)を開業した他、連結子会社(株)エフ.エイ.二四がマンションフロントでの「クリーニング取次ぎサービス」(200物件以上でサービスを提供中)や「お掃除サービス」等を手掛けている。また、09年10月にはマンション向けフロント(コンシェルジュ)サービスで業界トップの(株)アスクを子会社化した。
 
ビジネスホテル「CVS・BAY HOTEL」
市川市が保有するJR京葉線市川塩浜駅前の遊休地を定期借地で借受け、108室規模(シングル54室、ダブル12室、ツイン41室、バリアフリー1室)のビジネスホテルを運営している。投資額は700百万円(建物650百万円、客室設備50百万円)。
JR京葉線 市川塩浜駅は東京駅から快速で19分。東京ディズニーリゾートのある舞浜駅まで2駅5分、幕張メッセがある海浜幕張駅まで14分の好立地。価格競争力も強く(朝食付きで1泊5,800円から)、周辺には競合となるビジネスホテルがない状態。
連結子会社(株)アスク社
09年10月1日に議決権の58.3%を取得し、マンション向けフロント(コンシェルジュ)サービスで業界トップの(株)アスクを連結子会社化した。(株)アスクは、クリーニングなどの各種取次ぎや各種案内等のコンシェルジュサービス、メンテナンスサポートやハウスクリーニング業者紹介等のレジデンスサポート、ミニショップや売店の運営、更にはカーシェアリング事業(22物件、4,400世帯を対象に30台の車両を提供中)を手掛けており、不動産会社やマンション管理会社等を顧客に持ち、首都圏を中心に約800物件を受託している。「クリーニング取次ぎ」や「ハウスクリーニング」サービス等で連結子会社(株)エフ.エイ.二四との相乗効果が期待でき、中期的には物販の取次ぎ等でコンビニ事業等との連携も強めていく考え。
 
取材を終えて
シー・ヴイ・エス・ベイエリアは晴海4丁目に店舗を保有しています。そこから通りを1本隔てた晴海2丁目にサークルKSの本部が平成18年に移転。するとサークルKSはそのビルの1角に店舗を出店しました。
FC契約では最低200mという店舗間の距離規制が設けられており、サークルKSの店舗は200m内であったため、シー・ヴイ・エス・ベイエリアが抗議すると、「本社併設店舗だから距離規制は適用されない。」との回答だったそうで、前述のようにサークルKSが共存共栄する姿勢のないFCビジネスを行う資格のない企業であることの現われであると、泉澤社長は憤慨していました。
市場の飽和感が一段と強まっているコンビニエンスストア業界ですが、今回の訴訟は業界の抱える問題を明らかにしたと言えそうです。また訴訟の結果はコンビニエンスストア業界のあり方を大きく変化させる契機となるかもしれません。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
Copyright(C) 2017 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.

« ブリッジレポート:(2714)プラマテルズ vol.2 | ブリッジレポート:(2183)リニカル vol.3»

ブリッジレポート(バックナンバー)
アンケート
ブリッジメール
アラート申込み
CLOSE