ブリッジレポート
(8860) フジ住宅株式会社

プライム

ブリッジレポート:(8860)フジ住宅 vol.7

(8860)フジ住宅 今井 光郎社長
2006年5月 8日(月)

フジ住宅の決算説明会に出席しました。
山田常務が決算概要、中期経営計画についてお話されました。


今井 光郎社長

2006年3月期決算概要

<連結>
(単位:100万円)
 
実績
前期比
売上高
41,333
-6.0%
営業利益
3,229
+0.7%
経常利益
3,196
+14.2%
当期純利益
1,312
-21.0%

不動産ファンド向け賃貸マンション事業において、今期の売上を予定した一部の物件が前期に前倒しで売却された事、及び土地売却の減少により減収となりましたが、戸建住宅や中古住宅の好調により営業利益は前期実績を上回りました。
営業利益がわずかな増加にとどまったのは、会社が表明している「分譲住宅部門での顧客満足日本一を目指す」ことを目的として建築部門とアフターサービス部門の人員を増強したこと、及び営業効率を上げるため全社用車にカーナビを搭載したこと等の前向きの経費が増加したためです。
金融収支の改善及び受取手数料の増加等で経常利益は31億96百万円と前期比14.2%増加しましたが、連結会社間の営業譲渡に伴い発生した賃貸物件の譲渡に係る損失等で942百万円を特別損失に計上したため、当期純利益は13億12百万円と同21.0%減少しました。


<事業別売上高>
(単位:100万円)
 
数量
実績
構成比
前年同期比
  戸建住宅
771戸
25,308
61.2%
+38.4%
分譲マンション
4戸
101
0.3%
-98.4%
中古住宅等 中古住宅
431戸
6,307
15.3%
+28.0%
土地販売
3,507㎡
387
0.9%
-79.5%
定期借地権付分譲住宅
-
-
-
-
不動産投資ファンド向け
賃貸マンション
-
-
-
-
不動産販売事業
1,206戸
32,105
77.7%
-6.2%
3,507㎡
土地有効活用事業
39件
3,985
9.6%
-17.5%
賃貸及び管理事業
5,011
12.1%
+8.4%
その他の事業
232
0.6%
-15.0%
合計
1,206戸
41,333
100.0%
-6.0%
3,507㎡
39件

不動産販売事業
2006年3月期に売上予定だった不動産ファンド向け賃貸マンションを前倒しで2005年3月期に売上げたこと、2005年3月期に特殊要因で更地販売が発生したことの反動などで売上高は321億05百万円と前期比6.2%減少しました。ただ、付加価値の高い戸建分譲や中古住宅販売等事業全体は順調に伸びた事で営業利益は33億47百万円と同20.2%増加しました。

戸建住宅
大阪北部方面(寝屋川市、吹田市等)及び神戸方面へ販売エリアを拡大。神戸市内では、総戸数81戸のユーロフォーラム舞子の販売を開始しました。既存の販売エリアも含めて、顧客の住宅間取りや設備仕様に対する様々なニーズに対応した「自由設計方式」の住宅が引き続き好評を維持したことにより、戸建住宅の受注契約戸数は前期比85戸増の830戸となり、受注契約高は261億63百万円と同7.3%増加しました。

分譲マンション
土地仕入れ競争の激化等による事業リスクの高まり等から、戸建住宅へのシフトを進めています。このため、新たな物件開発は行っておらず、完成在庫となっていた4戸を販売するにとどまりました。

中古住宅
地価の上昇が一部の中古住宅の仕入れ価格上昇を誘引するなど懸念材料もありましたが、改装付中古住宅「快造くん」が引き続き好調を維持、受注契約高は58億84百万円と前期比5.7%増加しました。また、本年2月に中古住宅の物件情報をメインとした新業態店「おうち館」を岸和田市に開設しました。

不動産投資ファンド向け賃貸マンション
売上の計上はありませんでしたが、7棟の成約を完了。受注契約高は58億55百万円と前期比132.6%増加しました。


土地有効活用事業
受注高は21億41百万円減の35億64百万円、売上高は同17.5%減の39億85百万円、営業利益は同47.3%減の3億56百万円となりました。
尚、本年1月に賃貸用木造一戸建住宅の新商品として「フジパレス戸建」の供給を開始しました。期末までの3ヶ月間で10棟の受注に成功するなど好調なスタートを切ることができました。初年度の受注目標は100棟です。

賃貸及び管理事業
土地有効活用事業にリンクした賃貸物件及び管理物件の取扱い件数が増加した結果、売上高は50億11百万円と前期比8.4%増加しました。ただ、収益性の高い不動産ファンド向け賃貸マンションの新規稼動がなかったこと及び子会社フジ・アメニティサービス(株)への営業譲渡(注.1)に伴う一時的な経費の増加等により営業利益は2億96百万円と同19.1%減少しました。

その他の事業
中古住宅の仲介88件を成約しましたが、売上高は2億32百万円と前期比15.2%減少、営業利益は22百万円となり同48.3%減少しました。

(注.1)
2005年9月1日をもって、賃貸物件、不動産の賃貸及び管理に係る事業を新設子会社「フジ・アメニティサービス(株)」に営業譲渡しました。

 

2007年3月期業績予想

<連結>
(単位:100万円)
 
予想
前期比
売上高
52,600
+27.3%
営業利益
3,789
+27.3%
経常利益
3,600
+12.6%
当期純利益
2,124
+61.9%

増収・増益が見込まれます。
主力の戸建住宅事業が引き続き好調を持続するほか、不動産投資ファンド及び同じビジネスモデルの個人富裕層向け賃貸マンションや中古住宅再生事業(快造くん)の拡大が見込まれます。売上高の増加により、経常利益も同21.6%増加する見込です。
尚、一株当たりの配当金は昨年の東証・大証一部市場指定替えに伴う記念配当を普通配当に変えて、中間配当8円、同期末配当9円の年17円とする予定です。

<事業別売上高>
(単位:100万円)
 
数量
金額
構成比
前期比
  戸建住宅
860戸
28,020
53.3%
+10.7%
中古住宅等
440戸
6,690
12.7%
-0.1%
不動産投資ファンド向け
賃貸マンション
12棟
6,470
12.3%
-
不動産販売事業
1,300戸
41,180
78.3%
+28.3%
12棟
土地有効活用事業
49件
5,420
10.3%
+36.0%
賃貸及び管理事業
5,730
10.9%
+14.3%
その他の事業
270
0.5%
+16.4%
合計
1,300戸
52,600
100.0%
+27.3%
12棟
49件

中古住宅等が減収となるのは、「等」の部分の更地販売を見込んでいないためです。中古住宅の販売は、6%強増加する見込みです。



中期経営計画 "顧客満足日本一を目指して"

決算発表が行われた2006年5月2日に中期経営計画が併せて発表されました。個人所得が低水準にとどまる中での地価上昇、更にはマンションの構造計算偽造問題発覚以降の住宅の強度や質に対する購入者意識の高まり等、ここにきて事業環境は厳しさを増してきました。同社はこのような状況こそ業績向上の最大の好機と捉え更なる成長を実現すべく、この中期経営計画において、「顧客満足日本一」の達成とこれを促進するための経営基盤の強化に取り組みます。
具体的には、(1)分譲事業における近鉄南大阪線沿線地域への本格的な進出、(2)中古住宅販売事業における堺市の市場の深耕、(3)土地活用事業における一戸建賃貸住宅「フジパレス戸建」の受注拡大、及び(4)不動産ファンド等向け賃貸マンションにおける個人富裕層向け小規模賃貸マンション一棟売りの積極化等により、最終の2009年3期に売上高650億円、経常利益47億円の達成を目指します。



<経営基盤の強化>

Ⅰ.財務体質の強化
バブル期に取得した販売用不動産の処理は1990年代に終了しており、固定資産についても2006年3月期に減損会計に対応することで処理を終えました。財務の健全化に目処が付いたことから、今後は株主資本の充実と更なる財務体質の強化を図ります。

Ⅱ.業績の向上
業績向上に向けて、地域戦略、新規事業、商品づくり、設備投資、人員政策を進めます。

地域戦略
営業地域拡大により売上高と利益の増大を図ります。具体的には、分譲住宅、土地有効活用及びこれに付帯する賃貸管理事業においては、大阪府下全域、兵庫県南部、和歌山市の深耕を図ります。また、中古住宅再生事業においては、昨年進出した堺市(2006年4 月1 日 政令指定都市)を深耕します。

新規事業
不動産投資ファンド向けの賃貸マンション一棟売りのビジネスモデルを応用して、個人富裕層を対象にした小規模の賃貸マンションの供給を本格化します。

商品づくり
各々の事業分野で「建てさせていただく」「買っていただく」「住んでいただく」を念頭に、住まいづくりに取り組みます。

設備投資
2006年3月期に本社ビルの増築及び「お・う・ち・館」の新築を行ったことで、大きな設備投資は一服となります。当面、新たな設備投資の計画はありません。

人員政策
従来の中途採用に加え、資質の高い新卒者を定期採用し、経営理念・方針の理解・実践者(能力×熱意×考え方の高い人財)をより多く育成することで、長期的な業績の向上を目指します。また、「顧客満足日本一」の達成を目指して、建築部門とアフターサービス部門の人員を増強すると共に、建築工事の一定期間集中を避け工事量の平準化を図ることでよりレベルの高い施工に努めます。

Ⅲ.配当政策
2007年3月期は前の期の東証・大証一部昇格記念配当5 円(一株あたり)を普通配当に変えて年17 円配当とし、中間配当8 円 期末配当9 円を予定しています。2008年3月期以降も業績に見合った配当で株主還元を実施していく考えです。

<事業別の重点施策>

分譲住宅事業
戸建住宅の供給を増加させます。今後、地価や金利が上昇したとしても、景気回復に伴うものであれば、街づくりと自由設計で低廉良質な住宅を供給する限り、戸建住宅でのシェアを高めることは可能と判断しています。2003年3月期に大阪府下全域と兵庫県神戸市までに営業地域を拡大した効果が、販売・用地情報の両面から表れています。
一方、供給過剰傾向下での地価及び建築コストの上昇により適正利益の確保ができないとの判断から分譲マンションの供給計画はありません(分譲マンションの市況が回復する見通しが立てば供給を再開する考えです)。

具体策
①地域戦略
・ 北部大阪、兵庫県南部地域の用地仕入れ及び住宅販売の強化
・ 南大阪の東部(河内長野市、富田林市、藤井寺市等の近鉄南大阪線の沿線地域)への本格的な進出
②「さらなる顧客満足度向上」をテーマにした住宅づくり
・ 建売住宅ではかなわない、お客様の夢の実現を可能にする自由設計方式を継続
・ 設備・仕様の各品目について、3,000 アイテムから成るオプション制度の充実
・ プロジェクト毎の特徴ある魅力的な街づくりの継続


中古住宅販売事業 (中古住宅再生事業 「快造くん」)
この事業を最も成長性のある重要事業と位置付けており、営業地域の拡大と2006年2月に開設した中古住宅情報提供の「お・う・ち・館」での集客効果により事業の拡大を目指します。

具体策
①段階的な営業地域の拡大
前期に進出した堺市の市場を深耕し、この地域で大阪府南部地域以上の事業規模を目指します。
②営業手法
交差点単位での地域情報とその分析による物件の鑑定力、及び仕入れ・販売価格の査定の速度と正確性、及びリフォームのマニュアル化により、他社との差別化を図ります。また、地価の上昇に伴う中古住宅の仕入れ価格の上昇で粗利益率が低下傾向にありますが、改装後の中古住宅である「快造くん」と未改装の中古住宅との違いを顧客に十分に訴えることで一戸当たりの利益の増大を図ります。


土地有効活用事業
従来通り既契約者と銀行ルートでの提案営業を活動の中心とします。地域密着ならではの、所有地に関する迅速かつ適切な市場性の調査・診断の提供、あるいは賃貸マンションやアパートの経営に関する多角度からの助言サービスの提供を通じた営業活動を展開します。

具体策
①商品の充実
主力商品として美観性が高く、居住性に優れた木造アパート「フジパレス」シリーズ、低コストのRC 造マンション「エフ・コンスパイヤー」に、一戸建て賃貸住宅「フジパレス戸建」を新シリーズとして加えます。
②分譲住宅部門と並行して営業地域を拡大し、より需要の多い地域へ進出します。


不動産投資ファンド等向け賃貸マンション販売事業
賃貸マンションの好立地の地価が上昇し、2008年3月期売上予定の用地までは確保できましたが、2009年3月期の売上予定物件は現在取得の目途が立っている2 棟です。
ただ、用地の仕入れ方針(完成した賃貸マンションを長期的に保有運営して一定の利益が上がる物件)は崩さずない方針です。不動産ファンドがノン・リコースローンとエクイティファイナンスで調達した資金で賃貸物件を購入し、運用による賃貸収入で金利等の経費を支払い、残った収益で配当する仕組みである限り、現状の地価での彼等の採算を度外視した物件仕入れはイレギュラーを除けば有り得ず、そのイレギュラーケースに軸足を置いた用地仕入れをすればこの事業の成功は望めるはずがないと考えているからです。地価が収益還元法で説明できる水準に戻れば、即時にこの事業を積極的に進める方針です。
但し、土地有効活用事業部が推進中の個人富裕層向け小規模賃貸マンションの一棟売りについては、ファンドと違い個人の資金運用の手段として多少の金利上昇傾向下でも需要が強いこと、及び一棟当たりの投資額が小額で事業リスクが低いことから積極的に進める方針です。

具体策
①長期保有を前提とした物件の選別
同社自身が賃貸事業を運営した場合に業績に貢献できる物件のみを手掛けます。
②住まいのトータルクリエイターとしての独自ノウハウの活用
立地の選定、用地の仕入れ、長期的に高稼働の見込める設備・仕様等の企画、設計・建築・販売の全工程について、各事業部門のスタッフによるプロジェクトチームを編成。専属者を置かずに、住まいのトータルクリエイターとしての独自のノウハウをこの事業に活かします。
③販売手法
不動産投資ファンド向けは、新築物件を竣工時に引き渡すだけではなく、選択肢として一定期間保有運営し、稼動実績を付けて販売する方式があります。これにより賃貸収入と販売利益の両方を確保できます。


賃貸及び管理事業
2005年6月に賃貸管理事業を専業とする100%出資子会社を新設し、同年9 月に子会社に賃貸管理事業及び賃貸物件を譲渡しました。これにより専門性に特化し、経営の合理化と原価低減を含む収益性の向上を図ります。

具体策
①経営の合理化と賃貸管理原価の低減
②不動産投資ファンド等向け賃貸マンション販売後の管理受注の推進
③管理物件の大規模修繕提案を推進、収益の増大



<数値目標>

(単位:100万円)
 
2007年3月期
2008年3月期
2009年3月期


戸建住宅
28,020
30,720
34,740
分譲マンション
-
-
-
中古住宅
6,690
8,490
10,950
不動産投資ファンド等向け賃貸マンション
6,470
8,900
6,500
土地有効活用
5,420
4,160
5,000
賃貸及び管理収入
5,730
6,420
7,470
その他
270
310
340
52,600
59,000
65,000
 
売上原価
42,895
48,514
53,652
 





戸建住宅
5,049
5,533
6,262
分譲マンション
-
-
-
中古住宅
880
1,100
1,400
不動産投資ファンド等向け賃貸マンション
1,087
1,306
650
土地有効活用
1,434
1,184
1,472
賃貸及び管理収入
982
1,052
1,222
その他
270
310
340
9,704
10,485
11,347
   


人件費
3,516
3,701
3,884
広告宣伝費
1,340
1,527
1,683
販売手数料
288
294
324
その他
770
715
641
5,915
6,238
6,534
 
営業利益
3,789
4,247
4,812
 
営業外収益
332
353
370
営業外費用
521
500
482
 
経常利益
3,600
4,100
4,700
 
税金等調整前当期純利益
3,600
4,100
4,700
法人税、住民税及び事業税
541
1,846
1,991
法人税等調整額
934
-164
-64
 
当期純利益
2,124
2,419
2,773
 
売上高経常利益率
6.80%
6.90%
7.20%
株主資本利益率(ROE)
16.40%
16.40%
16.30%
予想1 株当たり利益
64円05銭
72円95銭
83円62銭
1株当たり年間配当
17円
未定
未定



トピックス


「お・う・ち・館」の歩道(花壇含む)が「アドプト・ロード・土生町二丁目」と認定されました。

同社は、中古住宅再生事業「快造くん」を中心とする住宅情報館フジ・ホームバンク「お・う・ち・館」を本年2月26日(日)にグランドオープンしました。地域活動の一環として、本年に入ってから休日を除く毎朝、「お・う・ち・館」の営業スタッフ約30名が前面道路(府道岸和田港塔原線のJR 阪和線東岸和田駅南一番踏み切りから国道26号線までの区間、約450m)を清掃しています。
こうした活動が、大阪府から評価され、「お・う・ち・館」前の歩道が「アドプト・ロード・土生町二丁目」と認定されました。これに伴い2006年2月27日付けで大阪府、岸和田市、同社で協定書を締結し、相互協力の下、地球に愛されるきれいな道路づくりや地域の環境美化の推進に取り組むことになりました。
アドプト活動とは市に代わって市民や事業者が身近な公共空間を利活用し、地域に良好な環境を作り出す活動です。


「大阪府アドプト・ロード・プログラム」とは(大阪府土木事務所ホームページより)
大阪府が管理する道路の一定区間において、地元自治会や団体が自主的に清掃や緑化等のボランティア活動を実施する場合に大阪府と関係市町村が支援し、三者が協力して地域に愛されるきれいな道路づくりや地域の環境美化に取り組むことを目的としています。
「アドプト」とは、「養子にする」という意味です。
大阪府と参加団体との間で府道を養子縁組し、参加団体のみなさんに道路を大切に育てていただくものです。
本プログラムについては、平成13年度から実施し、府内全域を対象に積極的に推進しているところであります。

(役割分担)
・ 地元自治会は、原則として月1回以上の歩道部の清掃や緑化等のボランティア活動をします。
・ 地元市町は、回収したゴミの処分等についての協力をします。
・ 大阪府は清掃道具の貸し出しや、美化活動をしていただく団体のサインボードを設置します。



取材を終えて
地価や金利の上昇により事業環境は厳しさを増しつつありますが、景気回復による地価や金利の上昇であるだけに、大きな需要の落ち込みはないと思われます。
現在、1,000万円を35年ローンで借りた場合、変動金利は1.375%程度ですが、仮に金利が2.375%に上昇した場合、返済額は月々5,074円増えるそうです。返済額が少ない方がいいのは当然ですが、月額5,000円の上昇で住宅の購入意欲が大きく落ち込むことはないと思われます。今後、地価や金利の上昇で業界全体が打撃を受けると考えるよりは、業界内での2極化が進むと考えたほうがいいのではないでしょうか。
同社が勝ち組となるためには、街づくりと自由設計による低廉良質な住宅の供給を可能にする技術力と営業力、そしてこれらを支える経営基盤の強化が欠かせません。その辺りの課題と対応策を網羅したものが、中期経営計画と言えます。
もっとも、新築住宅の価格が上昇すれば、新築に比べて相対的に割安感のある中古住宅の需要増が期待できると思います。また、大阪府下だけを考えても事業エリア拡大余地が大きく、2003年3月期以降、種まきをしてきた成果が今後期待できる等、同社に限って言えば、悲観的な材料ばかりではありません。

 

http://www.fuji-jutaku.co.jp/

このレポートは公開された企業情報の提供を目的としており、対象企業に対する投資の推奨、勧誘などを目的としたものではありません。投資の最終判断は御自身で行ってください。仮にこのレポートに基づいて投資を行った場合でも、その結果に対し弊社には一切の責任は生じません。