ブリッジレポート
(4317) 株式会社レイ

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ブリッジレポート:(4317)レイ vol.12

(4317:JASDAQ) レイ 企業HP
分部 日出男 社長
分部 日出男 社長

【ブリッジレポート】レイ vol.12
(取材概要)
「今期は大幅な減益となる見込みですが、前期に二つの大きなイベントが重なった事を考えると、まずまずの業績であると思います。ただ、順調な売上高の増加・・」 続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
株式会社レイ
社長
分部 日出男
所在地
東京都港区六本木 6-15-21
決算期
2月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2006年2月 9,533 782 773 416
2005年2月 8,237 386 380 226
2004年2月 7,649 434 429 207
2003年2月 6,761 142 126 34
2002年2月 8,184 800 763 429
2001年2月 7,030 634 599 266
2000年2月 6,169 309 262 73
株式情報(1/11現在データ)
株価 時価総額 発行済株式数
223円 3,195百万円 14,328,976株
レイの2007年2月期第3四半期業績について、会社概要と共にブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
企業のセールスプロモーション(SP:キャンペーン、展示会、ショールーム等)の企画制作、演出機器レンタル、及びTVCM等の映像制作や映像編集加工等を行っています。各種SPの企画制作だけでなく、充実したポストプロダクション(注)機能を備えていることが特徴です。
また、純粋持株会社方式を採用しており、グループは経営戦略の立案・遂行と各事業会社の管理業務を代行する持株会社(株)レイと、事業体である子会社8社で構成されています。
 
(注)ポストプロダクション【Post-production】
各種映像や映画の制作における撮影後の作業の総称。あるいは、作業を行うスタジオのことをいう。
 
<沿革>
同社グループは、学生サークルであった「早稲田大学レーザーディスプレイ研究会」を母体とします。1981年に(株)スタジオ・レイとして法人化、文系出身者が多いこの業界で数少ないコンピュータを扱える技術集団として、レーザーイベント(レーザー光はコンピュータ操作で行う)の演出等を数多く手掛けました。
90年にはデジタル映像事業に進出。翌91年の現社名への変更以降、高度なコンピュータ操作の延長線上にあるデジタルの映像加工技術と映像演出技術を強みに事業を本格化させました。92年に映像機材レンタルを、96年にTVCMの映像制作をそれぞれ開始。01年10月にJASDAQに株式を上場しました。
 
<事業内容>
セールスプロモーションの企画制作、演出機器レンタルを行うビジネスコミュニケーション事業とTVCM等の映像制作や映像編集加工などを行うデジタルコンテンツ事業が二本柱。前者では、NTTドコモビジネスショーや六本木ヒルズオープニングセレモニー、サザンオールスターズコンサート、上海モーターショーなど、大型演出で豊富な実績を誇ります。
両事業はいずれも、プロデュース(企画)部門とプロダクツ(制作)部門を持ち、プロデュース部門は主にクライアント及び広告代理店より総合企画を受注し、プロダクツ部門は主に制作会社から受注し、制作現場で演出・編集加工等の実制作を行います。
 
 
1.ビジネスコミュニケーション事業
主にキャンペーン、展示会、博覧会、ショールーム等のセールスプロモーションの企画制作を行うプロデュース部門と映像機器を活用した演出を行うプロダクツ部門に分かれます。担当する子会社は、以下のとおりです。

(1)プロデュース部門:セールスプロモーション市場における企画制作
(株)プレイズ
(株)ウイーズ・ブレーン
ポノポノコミュニケーションズ(株)

作品例 (株)プレイズの企画制作による「愛・地球博  バイオラングシンフォニー」
 
 
(2)プロダクツ部門:各種映像演出機器を保有し、各種催事の演出及び機材レンタル
(株)プレント
 
※セールスプロモーションにおける仕事の流れ
クライアント及び広告代理店が方向性や戦略を決定し、企画・制作会社は戦略に基づいて詳細な実施計画を立案し、実制作作業を各種業者に発注します。
同社グループは、実施計画を立案するプロデュース部門と制作実施を担当するプロダクツ部門を持ち、ワンストップでビジネスコミュニケーションのソリューションを提供できることができます。
 
2.デジタルコンテンツ事業
デジタル映像編集スタジオを保有し、主にTVCMやTV、映画等のデジタル映像の制作を行うプロデュース部門と編集及び加工を行うプロダクツ部門に分かれます。担当する子会社は、以下のとおりです。
 
(1)プロデュース部門 :映像制作市場において、DVDの企画発売やTVCM制作等のコンテンツ制作
デジタルサイト(株)
(株)ティーシー・マックス
モバイルゲート(株)
 
(2)プロダクツ部門:保有映像編集スタジオでの各種映像の実制作及び編集
マックレイ(株)
 
 
※映像制作における仕事の流れ
企業、TV局、映画会社及び広告代理店は、方向性や戦略を決定し、企画・制作会社へ発注します。企画・制作会社は戦略に基づいて詳細な実施計画を立案し、実制作作業を各種業者に発注します。
同社グループは、TVCMや研究開発のシミュレーション映像の企画を立案するプロデュース部門と映像のデジタル加工や音声編集をおこなうプロダクツ部門を持ち、ワンストップで企画から制作までを行う事ができます。
 
2007年2月期第3四半期業績
 
 
「愛・地球博」関係の特需の反動やモーターショー開催年でない事等が重なり、ビジネスコミュニケーション事業におけるプロデュース部門(販促企画)の売上が大きく減少しましたが、その他の部門が堅調に推移した事、及び今期子会社化した(株)ティーシー・マックスの寄与もあり、売上高はほぼ前年同期の水準を維持する事ができました。
 
一方利益面では、販促企画の減収が響いた他、(株)ティーシー・マックスとのシナジーが不十分であった事、及び新規事業である「ポノポノコミュニケーションズ(株)」、「モバイルゲート(株)」の2社の事業が未だ軌道に乗っていない事等により、前年同期の実績を大きく下回りました。
 
<四半期毎の売上高・営業利益の推移>
 
 
第2四半期(6-8月)との比較では、この第3四半期(9-11月)は前年同期のようにモーターショーがなかったものの、19.5%の増収となり、営業損益が1億24百万円改善しました。
 
2007年2月期業績予想
 
 
業績予想に変更はありません。
「愛・地球博」関係の特需の反動やモーターショー開催がない事などから前期との比較では減益が避けられませんが、全体として基幹事業はほぼ計画通り推移しています。
 
トピックス
 
<映像撮影に新提案「ドリーカムHT」:2006年10月30日>
撮影から編集まで、映像制作を担うレイグループのマックレイが映像撮影に新商材「ドリーカムHT」を投入しました。
動く被写体の撮影は、レール(専門用語でドーリー)を引いたり、人間が手動で撮影したりといった手法がとられますが、ブレの問題や撮影場所が制限される等の問題があります。しかし、「ドリーカムHT」に撮影機材をのせれば、従来困難だった映像表現も可能になります。映画、TVドラマ、CM等に積極的に提案していく考えです。
 
 
<一般建設業、特定建設業許可取得 :2006年12月18日>
セールスプロモーションの企画制作を手がけている(株)ウイーズ・ブレーン(2006年9月15日付けで一級建築士事務所の登録済み)が、2006年12月11日付けで一般建設業、特定建設業の許可を取得しました。これにより、従来の企画や演出のみでなく、展示スペースを含めた制作が可能になります
 
取材を終えて
今期は大幅な減益となる見込みですが、前期に二つの大きなイベントが重なった事を考えると、まずまずの業績であると思います。ただ、順調な売上高の増加を利益に反映できていない面があり、(株)ティーシー・マックスとのグループシナジーの顕在化と共に今後の課題と言えます。