ブリッジレポート
(6914) オプテックスグループ株式会社

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ブリッジレポート:(6914)オプテックス vol.19

(6914:東証1部) オプテックス 企業HP
小林 徹 社長
小林 徹 社長

【ブリッジレポート】オプテックス vol.19
(取材概要)
「1979年に小林社長を含めた3人で設立した同社ですが、設立から30年弱を経て売上高200億円、経常利益40億円の企業規模となりました。今期は利益の伸び・・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
オプテックス株式会社
社長
小林 徹
所在地
滋賀県大津市雄琴 5-8-12
決算期
12月
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2006年12月 20,294 3,728 3,921 2,282
2005年12月 19,012 2,655 2,776 1,584
2004年12月 17,138 2,159 2,321 1,297
2003年12月 15,173 2,203 2,215 1,354
2002年12月 13,047 1,595 1,546 951
2001年12月 11,507 1,173 1,305 544
2000年12月 11,240 1,081 1,213 620
1999年12月 11,201 1,133 957 861
株式情報(3/2現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,505円 16,951,216株 42,463百万円 14.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
40円 1.6% 135.84円 18.4倍 1,305.11円 1.9倍
※株価は3/2終値、ROEは前期実績
※配当を除く1株当たりの指標は連結ベース
 
オプテックスの2006年12月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
遠赤外線技術を利用した防犯、自動ドア、産業機器、環境関連、交通関連の各種センサ及びセンサを用いたシステムの開発・販売を行っています。
 
センサとは、いわば進化し続ける人間社会の"五感"。私たちのくらしの「安全・安心・快適」を支える"縁の下の 力持ち"的存在として、目立たないけれど、身近なところで活躍しています。ちょっと気をつけてみれば、街のあちらこちらで、オプテックスのセンサを発見することができます。
 
 
2006年12月期決算
 
 
増収・増益となりました。
売上高はほぼ予想とおりの着地ですが、売上総利益率の高い防犯用屋外用センサや客数情報システムが当初の予想以上に好調、原価低減効果もあり、最高益更新となりました。
尚、中間及び期末の配当金を1株当たり5円増配し、年間配当を40円とする予定です(前期は記念配5円を含め35円)。
 
<営業利益増減要因>
増収効果に加え、プロダクトミックスの良化や原価削減効果、更には為替の影響もあり、営業利益率が18.4%と4.4ポイント上昇しました。
為替レートは、1ドル=116.38円(前期:1ドル=110.20円)、1ポンド=214.44円(同:1ポンド=200.26円)。
 
 
 
防犯事業
テロ対策需要により大型施設向けのニーズが、犯罪情勢の悪化により一般家庭向けのニーズが、それぞれ高まり、欧州、東欧、南アフリ力、北米で屋外用センサが堅調に推移しました。
 
自動ドア事業
国内では、自動ドア新設件数と置き換え需要が引き続き好調。北米では、新しい安全基準に適合した新製品が好調でした。
 
産業機器事業
国内市場で文字認識力ラービジョンセンサ及び変位センサが堅調に推移しました。
 
交通関連
4月から製品の出荷を開始しましたが、主な提案先である運送業界では原油高の影響等で新たな投資に消極的でした。
 
<地域別売上高>
欧米で防犯用製品が伸長、日本も輸出を中心に売上が増加しました。
 
 
 
投資有価証券の取得等で投資活動によるキャッシュ・フローが14億90百万円の流出(マイナス)となりましたが、営業活動によるキャッシュ・フローが39億64百万円の流入となった事で、フリー・キャッシュ・フローは24億74百万円の流入となりました。
 
2007年12月期業績予想
 
 
増収・増益の予想です。
EMS、産業機器の売上が増加しますが、高収益な自動ドア事業が微増にとどまるため、利益が伸び悩むと見ています。
 
 
今後の展開
 
<経営方針 :To the Next Generation ~次なる世代へ~>
赤外線センサ技術及び画像関連技術をコア技術として、よりHigh Levelなテクノロジー分野へシフトすると共に全社的な開発体制を構築することで、これまでの機器の製造・販売の拡大はもとより、IT技術を駆使するソリューションプロバイダーとしての機能を強化していく考えです。
 
 
<中期ビジョン>
業績拡大を図るためには、新規事業の創出と育成が重要な課題となります。このため、交通関連分野の事業育成や、セキュリティ関連での新領域における事業創出に注力すると共に、M&A、資本提携、事業・技術提携等による外部とのアライアンスを戦略的に進めていく考えです。
 
 
2007年12月期は、来期以降の成長に向けての踊り場と位置づけ、基盤固めを図ります。中期的には既存事業で10%強の成長を見込み、年率15%の利益成長を目指します。
 
<事業分野別の取り組み :顧客指向追及によるOPTEXブランドの構築>
1.セキュリティ製品分野
基本方針として、赤外線式センサ分野において、世界市場でNo.1のシェアを目指します。
(1)市場の現状と同社のポジション
 
 
同社の調べでは、赤外線式センサの推定市場規模は、460億円。
(2)戦略実現に向けた取り組み
・画像及び通信関連技術を活用したトータルソリューションシステムの提供
・屋外用途を主体とした高信頼性センサ製品の開発強化
・」M&A、資本提携、事業・技術提携等を活用した外部リソースの積極活用
(3)地域別の取り組み
・欧州・北米:新規サービスによる提案営業及び大手メーカーへのOEM供給
・成長市場諸国:東欧・ロシア、アフリカ、アジア、南米市場における販路開拓とブランドの強化
・国内:周辺機器メーカー、システムインテグレーター等とのパートナーシップによる販路拡大
 
2.自動ドア事業分野
基本方針として、自動ドア起動用センサ分野において、世界市場でNo.1のシェアを目指します。
(1)自動ドア市場
 
 
(2)地域別の取り組み
①欧州・北米市場
・欧州  規模35億円、成長率2%
・北米  規模35億円、成長率4%
 
市場の半数を占めるスイングドア市場へ新機種を投入すると共に、海外シェアアップの為の新たなる拠点展開を図ります。
 
 
②日本市場 ・日本 規模35億円、成長率6% 自動ドア用センサ・シェア50%超に加えて、アクセスコントロールシステム等の新規分野に進出します。
 
3.その他事業
交通関連事業、環境関連事業、計測機器関連事業における施策は次の通りです。
 
交通関連事業
・自己画像記録分野の強化
・安全運転管理機能強化商品の投入
 
環境関連事業
・下水及び排水処理施設向け高精度濁度計の投入
・民間企業への営業展開強化
 
計測機器関連事業
・据置中高温域の商品投入 ・熱画像/複合センシング技術の育成
 
取材を終えて
1979年に小林社長を含めた3人で設立した同社ですが、設立から30年弱を経て売上高200億円、経常利益40億円の企業規模となりました。今期は利益の伸びが微増にとどまるため、物足りなく思う方は多いかもしれません。確かに、セキュリティ製品分野、自動ドア分野共にワールドワイドでのシェア拡大余地は十分にあります。しかし、急成長で足下が揺らいでいるのに、立ち止まって足下を固めることなく、更に成長を加速しようとして失敗した多くの新興企業を見てきました。同社においても、ここ1、2年は特に利益の伸びが大きかっただけに、今期を踊り場として足場を固める事は悪いことではありません。