ブリッジレポート
(7839) 株式会社SHOEI

プライム

ブリッジレポート:(7839)SHOEI vol.3

(7839:JASDAQ) SHOEI 企業HP
山田 勝 社長
山田 勝 社長

【ブリッジレポート】SHOEI vol.3
(取材概要)
「普段何気なく見ているヘルメットですが、他社の製品と比べてみると、同社製品はベンチレーションに対する配慮が他社製品以上になされており、また、・・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
株式会社SHOEI
社長
山田 勝
所在地
東京都台東区上野5-8-5
決算期
9月 末日
業種
その他製品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2006年9月 11,796 2,310 2,117 1,248
2005年9月 10,661 1,581 1,510 890
2004年9月 9,725 1,364 1,282 732
2003年9月 9,575 757 703 381
2002年9月 8,700 379 190 85
2001年9月 9,088 694 592 359
東京モーターサイクルショー
 
3月30日(金)から4月1日(日)にかけて、東京ビッグサイトにて第34回東京モーターサイクルショーが開催されました。これまで、ブリッジレポートにて業績の動向をご報告しているジャスダック上場のSHOEIが出展しており、同社のブースを尋ねてみました。
 
 
東京モーターサイクルショーは、東京モーターサイクルショー協会の主催によるものです。同協会は、モーターサイクル産業の振興と健全なモーターサイクル文化の育成・普及を通じ、豊かな社会生活の実現と経済の発展に寄与することを目的に、1993年10月6日に設立されました。
現在、正会員15社、モーターサイクル関連企業等の準会員30社、及びモーターサイクル関連団体6団体によって構成されています。
 
 
私たちが訪れたのはマスコミや関係者への特別公開日でしたから、31日以後のかなり混雑する一般公開日に比べてスムーズに各ブースを見て回ることが出来たわけですが、明日から一般公開にも関わらず一般の方が「特別招待券を譲ってください」とプラカードをもって入り口付近にいるなど、熱烈なファンの方もいらっしゃいました。
 
 
バイクやウェアの派手なブースが目を引く中、同社のブースは屋内会場の中央、ステージに近いところにありました。ヘルメットメーカーのブースとしては、比較的大きなブースで、平野明人経営企画部長にお話を伺いました。
 
 
<ヘルメットの性能は第一に「安全性」>
同社では、その「安全性」は2つに分けることができると考えているそうです。
万が一のアクシデントに備えるための性能「Passive Safety」と、万が一を起こさないための性能「Active SAFETY」。
ライダーの頭を守るための性能はもとより、安全なライディングをもたらすためのヘルメットとは。そこに同社のSAFETY CONCEPTがあります。
 
PASSIVE SAFETY
万が一の際に.衝撃から頭部の損傷を防ぐこと。世界各地域に存在する規格の定める性能基準に余裕を持ってクリアーする事はもちろんのこと、その性能を例外なく全ての製品に対して確実に再現するというヘルメットの安全性の基本理念です。
 
ACTIVE SAFETY
事故を未然に防ぐ観点からライディングに集中できる快適性をライダーに提供するSHOEI独自の予防安全に対する理念。既成概念を覆したSHOEIのべンチレーション開発や「安全だから重くても」という妥協を改革した軽量化技術など、全ては安全のための快適性能なのです。
 
また、ライダーが万が一のアクシデントに遭遇した場合、救護者によるヘルメットの取り外しは想像以上に困難といえます。同社独自の"Q.R.I.P"システムは、安全最優先の考え方から、チークパッドを容易に引き抜ける設計を採用しています。このシステムをもつ同社のエマージェンシーコンセプト対応モデルは、負傷の可能性の高い頸部への負担を最小限に抑えつつ、容易にヘルメットを取り外すことが可能です。これは同社が考える、ヘルメットに求められる安全機能を具現化したひとつの形と言えます。
 
<同社の強み>
安全規格
日本のJIS規格をはじめ、アメリカのDOT、SNELL、ヨーロッパのECEなど世界ではいくつもの安全規格が存在し、それぞれで安全基準が示されていますが、その尺度はそれぞれの規格で異なっています。このため、極端に言えば、仕向け先毎に製品を作らなくてはなりません。
量産した全ての製品が規格をクリアーできる安定した生産技術も必要です。近年、海外では抜き取り検査が厳格に行われるようになり、安さを売り物にするメーカーで、安全規格取得の認定を取り消されるケースが増えているそうです。
 
開発
同社では風洞実験と実走行での検証を開発プロセスに組みこみ、製品開発を行っています。ベンチレーション(換気)性能、被り心地、へルメットの軽量化、そして空力特性等は、安全性と相反する面がありますが、それらを両立している点にSHOEIブランドの強さがあります。
 
クオリティーコントロール
先進テクノロジーとクラフトマンシップの融合による生産工程のなかで、素材の検査、シェルの重重・肉厚検査から、塗装、組み立て最終検査に至るまで幾度となく厳しい検査が繰り返されます。例えば、同社独自のAIM構造のシェルは、熟練した技術者によって、全てを自社内で一つ一つ丁寧に成形されます。カラーリングは、10行程以上の塗装工程があるそうです。
できあがった製品は定期的に抜き取り試験が行われ、その数は年間に3,000回以上にも及ぶそうです。
 
 
取材を終えて
普段何気なく見ているヘルメットですが、他社の製品と比べてみると、同社製品はベンチレーションに対する配慮が他社製品以上になされており、また、シールドの着脱の容易さ等でも優れている事が実感できました。普段は気が付きませんが、形状に各社の個性が表れていることもよくわかりました。
最新モデルや話題のバイクに加え、盛りだくさんのイベント、各種パーツ、ウェアの展示&即売や試乗会、更にはモータースポーツ情報等、様々な企画やコーナーが設けられており、短い見学時間ではありましたが、二輪車の魅力に触れる事ができました。

尚、4月4日に、朝の株式情報番組「オープニングベル」(テレビ東京)で、同社の茨城工場が紹介されました。国や地域毎に異なる安全基準への対応や、手作りによる匠の技術が高い評価を得ていました。