ブリッジレポート
(9445) 株式会社フォーバルテレコム

東証2部

ブリッジレポート:(9445)フォーバルテレコム vol.9

(9445:東証マザーズ) フォーバルテレコム 企業HP
谷井 剛 社長
谷井 剛 社長

【ブリッジレポート】フォーバルテレコム vol.9
(取材概要)2007年6月26日掲載
「過去数年間の業績拡大をけん引してきた新通信サービス事業が踊り場を向え、新たなステージへステップアップしようとしています。このため、2008年3月期は・・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
株式会社フォーバルテレコム
社長
谷井 剛
所在地
東京都千代田区神田小川町 3-9-2
決算期
3月
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2007年3月 12,461 845 840 975
2006年3月 11,024 859 868 841
2005年3月 7,740 470 452 726
2004年3月 6,114 214 205 205
2003年3月 7,746 93 40 69
2002年3月 11,879 -1,732 -1,779 -4,939
2001年3月 18,224 284 134 45
2000年3月 20,503 53 -50 88
株式情報(6/15現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
47,700円 166,752株 7,954百万円 48.9% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
2,000円 4.2% 2,998.46円 15.9倍 13,605.03円 3.5倍
※株価は6/21終値
 
フォーバルテレコムの2007年3月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
電話機やOA機器の販売を手掛けるフォーバル(8275)グループで通信事業を展開。NTT等の電気通信事業者から回線を仕入れ、割引サービスを受けることが難しい中小企業に割安な通信サービスを提供しています(回線の再販)。同社のサービスを利用すれば、国内、国際、インターネット等の請求が一本化される(ワンビリングサービス)ため、ユーザー企業は事務処理を簡素化することもできます。現在、光ファイバー対応IP電話「FTフォン」を中心とした新通信サービス事業の拡大に注力しています。
 
<沿革>
95年4月、フォーバルグループの通信事業を担う戦略子会社「フォーバル・インターナショナル・テレコミュニケーションズ(株)」として設立され、国際電話サービスfit(フィット)コールを開始しました。
96年に市外電話サービスを、97年に市内電話サービスを、それぞれ開始。98年8月には現社名へ社名変更しました。その後、「fit接続サービス」や「fitホスティングサービス」といったインターネット関連ビジネスを本格化。通信事業の拡大を受けて、2000年11月に東証マザーズに株式を上場しました。
02年2月、ソフトバンクグループのソフトバンクBBと合弁会社を設立し、中小法人向けVoIP(インターネット上で音声データを送受信する技術)及びADSLサービスを開始。03年には、光ファイバー対応IP電話「FTフォン」サービスを開始しました。
 
<事業内容>
事業は、「FTフォン」等の法人向けVoIPサービスを提供する新通信サービス事業、法人向け国際電話・携帯電話・市内外電話等のサービスを提供する旧音声系サービス事業、及び連結子会社(株)トライ・エックスが手掛ける印刷サービス、同 (株)新英が手掛ける特注のファイル・バインダー(論文や企業の創立記念誌等)等のその他事業に分かれます。
現在、旧音声系サービス事業から、「FTフォン」を中心とした収益性の高い新通信サービス事業に移行中です。
 
2007年3月期決算
 
 
増収ながら、経常減益となりました。
新通信サービス事業が堅調に推移しましたが、旧音声系サービスの利益の減少を補うことができませんでした。
当期純利益が増加したのは、税効果によるものです。
 
尚、1株当たり配当は中間配当2,000円を含む3,000円を予定しています。2006年10月に1株を2株に分割しているため、実質的には期末配当2,000円(年間配当4,000円)になります。
 
 
2005年3月期の配当金は、2005年5月の株式分割(1:3)、2006年10月の株式分割(1:2)の影響を遡及修正した金額です。また、2006年3月期の配当金及び2007年3月期の配当予想は、2006年10月の株式分割(1:2)の影響を遡及修正した金額です。
 
 
新通信サービス事業
「FTフォン」を中心に、事業提携や各種アドオンサービスの強化を進めると共に、「おとくライン」(提供元通信事業者:ソフトバンクテレコム株式会社)サービスの新規獲得ユーザーの回線開通に注力した結果、前期比25.6%の増収、同9.4%の営業増益となりました。
 
 
 
連結子会社トライ・エックスが新英の株式を取得しましたが、この際、700百万円の借り入れを行いました(2006年7月)。ただ、現預金残高1,339百万円を考慮すれば、実質無借金と言えます。
 
 
 
2006年3月期は2005年3月期分の代理店への支払が期をまたいで発生したため、営業活動によるCFが大幅な赤字となりました。2007年3月期は、これが正常化したことで営業活動によるCFが黒字転換。新英の買収等で投資活動によるCFの赤字が増加しましたが、フリー・キャッシュ・フローは黒字化しました。財務活動によるCFは、配当金の支払が増加したものの、短期借入を行った事等で黒字となりました。
 
 
2008年3月期業績予想
 
 
増収・減益の予想です。
経常利益が減少するのは、NTTの光電話など「FTフォン」の競合商品の登場に伴い、代理店に支払うインセンティブが増加するためです。
 
2008年3月期の取組み
 
" [ブロードバンド+モバイル&セキュリティ]へのConversionによる事業基盤の強化 "
 
<モバイル事業の市場規模>
携帯電話市場はこの10年間で急激に拡大し、現在、既存キャリア3社の営業収益は8兆円を超え、着メロ、着うた、ケータイゲーム等モバイルコンテンツ市場も7,000億円を突破しました。一方、ビジネス市場は未だ、未開拓の状態です。今後、個人情報保護法等に対応して携帯電話の管理監督が強化され、会社が契約し社員に配布するような形態が増えるものと思われます。
 
 
1兆円マーケットへの拡大が見込まれるセキュリティ市場。大企業では充実しつつありますが、中小・零細企業では未だ手付かずの状態です。
 
 
M&Aやアライアンス、グループ間の連携強化、更にはキャリア・メーカーとのリレーションにより、ブロードバンドユーザーに対して、「モバイル」、「セキュリティ」、「営業支援」が一体となったサービスを提供していきます。
 
 
 
移動体通信網 ⇔ 固定通信網の定額サービスやFMC(携帯電話と固定電話の融合、屋内では携帯電話を固定電話の子機として使用)といった新しいサービスをワンビリングで提供する事により、既存顧客の深耕と携帯販売事業者の販路を基点とした新規顧客の開拓に取り組みます。
 
 
法人顧客の開拓に苦戦している携帯電話ショップや量販店との提携を強化します。各店舗を今は亡き「街の電話局(NTT窓口)」に替わるモバイルを軸に据えた「ユビキタス社会の法人向けトータル・アンテナショップ」として位置付け、サービスの充実を図ります。
 
 
シャープ、村田機械、岩崎通信機とサテライトサーバを共同開発しました。このサテライトサーバを核とした個人情報漏洩抑止ソリューションを提供していく考えです。このシステムは、パソコン、ファクシミリ、コピー、電話、更には入退室のログ管理等を一括して行うものです。
 
 
営業支援サービスの提供に向け、グローバルワン(株)とケイ・ワイズファクトリー(株)の株式を取得しました。今後も、事業会社のM&Aにより、スピード感のある事業展開を進めていく考えです。各種のコンサルティングに加え、インタラクティブな通信環境やビリング・プロバイダの特性を生かした提供コストの低減により、更なる顧客の利便性の向上にも取り組んでいく考えです。
 
 
取材を終えて
過去数年間の業績拡大をけん引してきた新通信サービス事業が踊り場を向え、新たなステージへステップアップしようとしています。このため、2008年3月期は大幅な減益が避けられません。しばらくは厳しい局面が続くかもしれませんが、モバイル事業(移動体通信網 ⇔ 固定通信網の定額サービス、FMC等)、セキュリティ事業(個人情報漏洩抑止ソリューション等)、更には、営業支援サービス事業やワンビリングのOEM提供等、種まきも進んでいます。新規事業の今後の展開に期待したいと思います。