ブリッジレポート
(6914) オプテックスグループ株式会社

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ブリッジレポート:(6914)オプテックス vol.23

(6914:東証1部) オプテックス 企業HP
小林 徹 社長
小林 徹 社長

【ブリッジレポート】オプテックス vol.23
(取材概要)2008年4月8日掲載
「2007年12月期は売上・利益共に過去最高を更新したものの、計画未達となりました。これは、一部の地域で売上が伸び悩む中、当初の計画通り先行投資を・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
オプテックス株式会社
社長
小林 徹
所在地
滋賀県大津市雄琴 5-8-12
決算期
12月
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2007年12月 22,167 3,854 4,075 2,377
2006年12月 20,294 3,728 3,921 2,282
2005年12月 19,012 2,655 2,776 1,584
2004年12月 17,138 2,159 2,321 1,297
2003年12月 15,173 2,203 2,215 1,354
2002年12月 13,047 1,595 1,546 951
2001年12月 11,507 1,173 1,305 544
2000年12月 11,240 1,081 1,213 620
1999年12月 11,201 1,133 957 861
株式情報(4/4現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,431円 16,945,847株 24,250百万円 13.4% 1株
  配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
40円 2.8% 141.63円 10.1倍 1,098.22円 1.3倍
※株価は4/4終値。発行済株式数は直近中間期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
オプテックスの2007年12月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
赤外線を応用した防犯・自動ドア等のセンサの大手です。1979年、小林社長が仲間2人と同社を設立。翌年には世界初の遠赤外線利用の自動ドア用センサを開発するなど、その技術力は設立当初から高い評価を受けていました。98年にはデジタル監視カメラシステム「Wonder Track」を発売し、画像関連分野に参入。2004年には、客数情報システム、来場者計数装置、駐車台数管理システム及び警戒管理、防犯システム等を手掛ける技研トラステムを子会社化。2005年には交通関連事業に進出するなど、業容拡大を続けています。
 
<事業内容>
事業は、防犯事業、自動ドア事業、産業機器事業、環境関連事業、交通関連事業、生産受託事業その他に分かれます。
 
防犯事業
屋外用センサや屋内用パッシブセンサ、ワイヤレスセキュリティシステム、画像記録システム等がこの事業の主な製品です。創業以来信頼性の高いセンサシステムを提供してきた同社は、防犯用製品の海外での売上比率は60%以上を占め、世界でもトップクラスのシェアを獲得しています。近年では、デジタル画像技術・通信技術などを積極的に取り込んでいます。
 
自動ドア事業
無目付け用センサ、シートシャッター用センサ、ワイヤレスタッチセンサ等がこの事業の主な製品です。上述のように、世界で初めて自動ドア起動用赤外線センサを開発したのが同社です。近年では、画像センシング技術を積極的に導入し、自動ドアの開閉だけでなく、入退室者の管理や人の動きを分析できる製品を供給しています。
 
産業機器事業
連結子会社 オプテックス・エフエー(株)の事業領域です。ポータブル型や据置型の非接触温度計、カラービジョンセンサ、レーザ変位センサ等がこの事業の主な製品です。人体用センサだけでなく、物体検知用各種センサにも注力しています。特にCCDカメラ・液晶モニタ・操作部が一体となった世界初のカラービジョンセンサ「CVSシリーズ」は独自性の高い製品で、現場ニーズに即して開発した製品です。
 
環境関連事業
透視度センサなどがこの事業の主な製品です。自然保護の観点から近赤外線を利用した水の透明度自動測定システムを世界で初めて開発しました。そのノウハウを活かした水質監視用センサや濁度計は様々な設備に導入されており、排水監視において重要な役割を担っています。
 
交通関連事業
危険な瞬間を記録する「ドライブトレーナー」がこの事業の主な製品です。創業以来培ってきた画像技術及びセンシング技術を応用し、2005年にこの分野に参入しました。「ドライブトレーナー」は、交通事故時の映像を録画するだけでなく、日常的に運転履歴を蓄積できる新しいカテゴリーの製品です。
 
 
2007年12月間決算
 
<連結>
 
 
海外市場を中心に防犯用センサが伸長、産業機器用製品でのM&A効果もあり、増収・増益。売上高、利益共に過去最高を更新しました。ただ、下期の売上が伸び悩む中、来期以降を見据えて新製品開発等の先行投資を続けた結果、売上高、利益共に前年4月27日の修正値には届きませんでした。売上高が計画未達となった要因は、年後半のアジアでの防犯用製品の減速、産業機器用製品の北米及び国内での伸び悩み、及び高機能画像処理システムの受注の遅れ等です。
 
<事業分野別売上高>
 
 
<事業別動向>
1.防犯事業 売上高11,140百万円(前年度比5.5%増)
警備会社向けの画像製品機器の販売減少により国内売上高は減少したものの、海外は欧州や南アフリカで一般住宅向け屋外用センサの需要が拡大した事に加え、米国を中心とした大規模公共施設等の防犯設備強化による防犯需要の増加を背景に屋外用センサ関連製品の販売が好調に推移しました。
また、屋外防犯意識の高まりがみられるイギリスにおいて、市場調査と現場ニーズを速やかに製品開発へフィードバックするべく、ファーサイト社(FARSIGHT SECURITY SERVICES,LTD. イギリス)を子会社化しました。
 
 
2.自動ドア関連事業 売上高5,176百万円(前年度比3.1%増)
国内は建築基準法改正に伴う建築確認業務混乱の影響等で売上高がわずかに減少したものの、世界的には自動ドアの安全性に対するニーズが高まっています。
米国において東部地区に新たな営業拠点を開設(既存の西部地区拠点と2拠点体制)。また、欧州においては関連会社セキュマティック社(SECUMATIC B.V. オランダ)の子会社化を図る等、欧米市場での販売力の強化に取り組みました。また、国内では、ドア周辺事業へ展開。エントランスシステム「OES-800/810シリーズ」やセキュリティ機能を付加させた「共連れ検出システム」を市場に投入しました。
 
 
3.産業機器事業 売上高4,016百万円(前年度比8.4%増)
連結子会社 オプテックス・エフエー(株)の事業領域です。マルチカメラ画像センサ「MVSシリーズ」を新たに投入すると共に、事業領域を拡大すべく高度な画像処理技術を有する日本エフ・エーシステム(株)を子会社化しました。本格的に画像処理システム分野へ進出する考えです。
尚、営業と開発の意思疎通を図り商品開発をスピーディにするため、オプテックス・エフエー(株)は京都リサーチパーク(京都府下京区)へ本社を移転しました。
 
 
<営業利益増減要因>
営業利益は研究開発費等の先行投資負担を吸収して、3,854百万円と前期比3.4%増加しました。原価の上昇及び新たなグループ会社や研究開発費の増加等が減益要因となりましたが、個別売上高の増加や為替等の営業増益要因で吸収しました。
 
 
<キャッシュ・フロー(CF)>
税負担の正常化により営業活動によるCFのプラスが減少しました(前期は税金の還付があり差引の税負担が少なかった)。一方、投資有価証券や有形固定資産の取得が減少した事で投資活動によるCFのマイナスが減少しました。また、配当金支払額の増加や長期借入金の返済等で財務活動によるCFはマイナス幅が拡大しました。
 
 
2008年12月期業績予想
 
<連結>
 
 
前期比12.8%の増収、新製品開発に向けた先行投資を吸収して経常利益は同3.1%増加する見込みです。
 
今後の展開
 
「2012年に連結売上高500億円(年率平均17%以上UP)実現」を目指し、防犯事業分野、自動ドア関連事業分野、産業機器事業分野、交通関連事業分野へ注力すると共に、技術開発力の強化に取り組んでいます。
また、2012年の目標達成のための一里塚として、2009年3月期に連結売上高300億円の達成を目指しています。
 
 
<300億円達成向けた取組み>
2009年12月期売上高300億円の達成に向けて、マネジメント力と技術開発力を強化すると共に、開発から量産プロセスの効率化とスピードアップを図ります。
 
1.マネジメント力強化
執行役員を増員(07/12期5名 → 08/12期9名)すると共に、取締役の執行役員兼務を廃止します。
 
2.技術開発力の強化
開発要員の増強、新たな要素技術の開発、及びシステム対応力の強化に取り組みます。このため、08/12期は開発要員を前期比50%増員する計画で、このうち中国の開発要員については倍増させる考えです。
 
3.開発から量産プロセスの効率化とスピードアップ
川上と川下の連携を強化します。具体的には、生産統括本部を設置して工場との連携を強化すると共に、新規開発と量産開発の分業によるコンカレント(協調)を図ります。
 
<事業分野毎の取組み>
 
1.防犯事業分野
海外で高い成長が見込める屋外分野に注力すると共に、国内で新しいビジネスを立ち上げます。具体的には、海外で屋外ビームセンサ及び屋外面警戒センサを強化すると共に、国内で店舗マネジメント支援ビジネスを立ち上げます。
 
米国では、テロ対策として「Homeland Security(国家安全保障法)」が制定され、社会インフラを担っている化学コンビナート、空港やパイプライン等が、防犯センサの設置を義務付けられました。これに伴い、5年間で約1兆円の資金がハイセキュリティ市場に流入すると見られています。また、欧州ではアフリカ、東欧、トルコ系の移民が増えて治安悪化に対する不安から、ローカルセキュリティに対する意識が急速に高まっています。
 
 
(1)屋外ビームセンサの強化(海外)
屋外用センサは、未だ屋内用センサの1/10程度の市場ながら、成長市場です。同社は屋外ビームセンサで30%の市場シェアを有するトップ企業です。
 
 
屋外ビームセンサの普及を促進するための課題は、イニシャルコスト、つまり施工コストの削減です。この解決策として考えられているのがワイヤレス技術やソーラー技術の活用です。ただ、これらの技術を活用するためには、消費電力の少ないセンサが必須となります。同社は低消費電力屋外ビームセンサの投入により、屋外用のセンサ需要を取り込んでいく考えです。
 
 
(2)屋外面警戒センサの強化(海外)
屋外センサはランニングコストの削減も課題です。この場合のランニングコストとは、誤報への対応コストと言い換える事もできます。市場では誤報の少ない高信頼性センサが求められており。同社も製品ラインナップの拡充に努めています。
 
 
既にVXシリーズが市場から高い評価を受けていますが、今回新たに、一般家庭・小規模施設向けHXシリーズ及び重要施設・大規模施設向けREDWALL-Vシリーズを投入しました。
 
 
新製品は、インテリジェント化により誤報を削減すると共に、高所取付によりブラインドエリアを解消しました。また、検知エリアの可視化により施工性の向上を図りました。また、新たな要素技術を用いた高度解析型センサの開発を進めています。
 
(3)店舗マネジメント支援ビジネス(国内)
顧客情報システムの技術と遠隔画像システムを融合したシステムを構築して、百貨店、スーパー、量販店等、多店舗展開業態のエリアマネージャーをサポーします。ドアセンサを店舗マネジメントツールとして利用するもので、店舗内での「買い物客等の動き」や「売り場」を見える化して、効果的な店舗運営を支援する事で売上増やコスト削減につなげていきます。
 
 
2.自動ドア関連事業分野
海外市場のシェア拡大、国内市場の更なるシェア拡大、及びドア周辺事業の確立に取り組みます。
 
 
(1)海外市場のシェア拡大
自動ドア市場の40%をスイングドアが占める米国において、スイングドア用センサ「ELITE」の販売強化によりシェア拡大を図ります。「ELITE」の製品コンセプトや施工性は、テスト設置で高い評価を受けています。ロサンゼルスとノースキャロライナ(07年4月開設)の2拠点体制を敷き、サポート体制を強化しています。
一方、欧州では戦略拠点としてSECUMATIC B.V.社を子会社化しました。欧州安全規格への早期対応のための情報収集と技術力の強化に加え、客数情報システム、共連れ検出システム、及び店舗マネジメントシステム等の欧州展開の準備を進めます。
 
 
(2)国内市場の更なるシェア拡大
安全性を向上させた新製品の投入によりシェアの拡大を図ります。07年11月にOA-220V/720Vを投入しており、更にインテリジェント化を進めたOA-230V/730Vを08年初夏に発売する予定です。
上記製品は、ガイドレール上にも検出エリアを設ける事ができるため(従来不可能であった)、立体的で広範囲な検出が可能です。
 
 
(3)ドア周辺事業の確立
共連れ検出システムを活用した入退室管理ソリューションを展開します。入退室管理だけでは、共連れを防ぐ事はできません。共連れ検出機能を付加する事により、高度な入退室管理システムを構築する事ができます。
 
3.産業機器分野
成長する画像処理システム分野に注力します。人間の目の替わりに画像で品質をチェックするという市場が拡大しています。同社は、色認識、文字認識、及び形状認識が可能なCVSシリーズに加え、新たに高機能なマルチ画像センサ「MVSシリーズ」を投入しました。アプリケーション毎にカスタマイズ体制を整備し、ローエンド・ミドルエンド分野を中心に、半導体、自動車、電機、液晶等の業界へ高速・高度な検知能力と周辺機器までを含めたソリューションを提案していく考えです。
 
 
4.交通関連事業
自動ドアの周辺には、セキュリティやアクセスコントロールなど様々な市場が存在しており二桁成長が続いています。前期までに用途に応じたラインナップが揃い、顧客対応力が向上しました。2009年12月期に売上高7億円を目指しています。
 
 
<2012年に向けて>
2012年の目標(売上高500億円)達成に向けて、次の事項に取り組みます。
 
1.CO2排出量の削減を目指した製品開発の強化(低消費電力化、省エネセンサライトシステム他)
2.ASPを活用したビジネスの展開
3.資本提携、M&A等による事業拡大
 
取材を終えて
2007年12月期は売上・利益共に過去最高を更新したものの、計画未達となりました。これは、一部の地域で売上が伸び悩む中、当初の計画通り先行投資を進めたためです。今後も地域によって、或いはその時々で、多少の強弱感が出る事はあるでしょうが、防犯意識やセキュリティに対する意識は、高まりこそすれ、低下する事は無いと思います。ただ、一口に「防犯意識、セキュリティ」と言っても、ユーザーによって具体的なニーズは様々。また、成長が見込める市場であるだけに新規参入や既存企業との競争激化も予想されます。このため、多様なニーズへの対応や技術革新、更には潜在的なニーズの掘り起しが必要となります。
「セキュリティ」と言うテーマは息の長いテーマであり、関連銘柄は今後も折に触れて物色されるものと思います。ただ、同社の場合、単なるテーマ性だけでなく、財務内容に優れ、キャッシュ・フローが安定している事も特徴(経営の安定性)。相場が悪い時や、業績が踊り場を向かえて株価が軟調な時は、投資チャンスであると考えます。