ブリッジレポート
(6914) オプテックスグループ株式会社

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ブリッジレポート:(6914)オプテックス vol.24

(6914:東証1部) オプテックス 企業HP
小林 徹 社長
小林 徹 社長

【ブリッジレポートvol.24】2008年12月期第1四半期業績レポート
取材概要「第1四半期の連結業績は、前年同期比で減収減益となりました。通期予想に対する進捗率は売上高が21.6%、営業利益が22.8%です。前期の・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年5月13日掲載
企業基本情報
企業名
オプテックス株式会社
社長
小林 徹
所在地
滋賀県大津市雄琴 5-8-12
決算期
12月
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2007年12月 22,167 3,854 4,075 2,377
2006年12月 20,294 3,728 3,921 2,282
2005年12月 19,012 2,655 2,776 1,584
2004年12月 17,138 2,159 2,321 1,297
2003年12月 15,173 2,203 2,215 1,354
2002年12月 13,047 1,595 1,546 951
2001年12月 11,507 1,173 1,305 544
2000年12月 11,240 1,081 1,213 620
1999年12月 11,201 1,133 957 861
株式情報(5/1現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,683円 16,945,847株 28,520百万円 13.4% 100株
  配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
40円 2.4% 141.53円 11.9倍 1,098.22円 1.5倍
※株価は5/1終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
オプテックスの2008年12月期第1四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
赤外線を応用した防犯・自動ドア等のセンサの大手です。1979年、小林社長が仲間2人と同社を設立。翌年には世界初の遠赤外線利用の自動ドア用センサを開発するなど、その技術力は設立当初から高い評価を受けていました。98年にはデジタル監視カメラシステム「Wonder Track」を発売し、画像関連分野に参入。2004年には、客数情報システム、来場者計数装置、駐車台数管理システム及び警戒管理、防犯システム等を手掛ける技研トラステムを子会社化。2005年には交通関連事業に進出するなど、業容拡大を続けています。
 
<事業内容>
事業は、防犯事業、自動ドア事業、産業機器事業、環境関連事業、交通関連事業、生産受託事業その他に分かれます。
 
防犯事業
屋外用センサや屋内用パッシブセンサ、ワイヤレスセキュリティシステム、画像記録システム等がこの事業の主な製品です。創業以来信頼性の高いセンサシステムを提供してきた同社は、防犯用製品の海外での売上比率は60%以上を占め、世界でもトップクラスのシェアを獲得しています。近年では、デジタル画像技術・通信技術などを積極的に取り込んでいます。
 
自動ドア事業
無目付け用センサ、シートシャッター用センサ、ワイヤレスタッチセンサ等がこの事業の主な製品です。上述のように、世界で初めて自動ドア起動用赤外線センサを開発したのが同社です。近年では、画像センシング技術を積極的に導入し、自動ドアの開閉だけでなく、入退室者の管理や人の動きを分析できる製品を供給しています。
 
産業機器事業
連結子会社 オプテックス・エフエー(株)の事業領域です。ポータブル型や据置型の非接触温度計、カラービジョンセンサ、レーザ変位センサ等がこの事業の主な製品です。人体用センサだけでなく、物体検知用各種センサにも注力しています。特にCCDカメラ・液晶モニタ・操作部が一体となった世界初のカラービジョンセンサ「CVSシリーズ」は独自性の高い製品で、現場ニーズに即して開発した製品です。
 
環境関連事業
透視度センサなどがこの事業の主な製品です。自然保護の観点から近赤外線を利用した水の透明度自動測定システムを世界で初めて開発しました。そのノウハウを活かした水質監視用センサや濁度計は様々な設備に導入されており、排水監視において重要な役割を担っています。
 
交通関連事業
危険な瞬間を記録する「ドライブトレーナー」がこの事業の主な製品です。創業以来培ってきた画像技術及びセンシング技術を応用し、2005年にこの分野に参入しました。「ドライブトレーナー」は、交通事故時の映像を録画するだけでなく、日常的に運転履歴を蓄積できる新しいカテゴリーの製品です。
 
 
2008年12月期第1四半期業績
 
<連結>
 
 
売上高は、54億11百万円(前年同期比0.4%減)となりました。
利益面については、今後の事業成長に向けた積極的な開発関連投資を実施したことにより、営業利益は9億28百万円(前年同期比24.7%減)、円高進行による為替差損の発生により経常利益は8億54百万円(前年同期比33.7%減)、四半期純利益は4億62百万円(前年同期比36.8%減)となりました。
 
<セグメント別状況>
 
 
電子機器関連事業
(防犯関連事業)
海外市場は、米国向けの販売台数は伸びたものの、為替の影響により売上高は前年同期比微減となりました。一方、ヨーロッパ、南アフリカは好調に推移した結果、売上高は前年同期を上回りました。国内市場は、警備会社向けの画像機器の受注が伸び悩み、前年同期を下回りました。これらの結果、売上高は26億35百万円(前年同期比6.6%減)となりました。

(自動ドア関連事業)
海外市場は、関連会社であったセキュマティック社(SECUMATIC B.V. オランダ)を連結子会社化したこともあり、売上高は前年同期を上回りました。一方、国内市場につきましては、前年に施行された改正建築基準法による建築物件の減少の影響もあり横ばいとなりました。これらの結果、売上高は14億59百万円(前年同期比3.2%増)となりました。

(産業機器関連事業)
海外市場は堅調に推移しましたが、国内市場は大口物件の売上が第2四半期以降にずれ込んだことにより、売上高は前年同期を下回りました。これらの結果、売上高は9億37百万円(前年同期比3.9%減)となりました。
なお、今回より従来別記していた環境関連製品の売上高を含んでいます。

(交通関連事業)
交通関連事業は、大口物件の売上が第2四半期以降にずれ込んだことにより、売上高は14百万円(前年同期比70.2%減)となりました。

(生産受託関連事業)
生産受託関連事業は、受託製品機種数が増えたことにより、売上高は3億56百万円(前年同期比116.8%増)となりました。
 
その他の事業
アウトドアスポーツクラブ事業は、売上高は前年同期比横ばいの3百万円となりました。
 
<財政状態>
 
 
(資産)
資産の状況は、資産合計が前年度末に対し7億61百万円減少し、229億40百万円となりました。前年度末と比して変動の大きかったものは、譲渡性預金の取崩しによる有価証券の減少5億87百万円、法人税等の納税に伴う現金及び預金の減少3億91百万円です。

(負債及び純資産)
負債の状況は、負債合計が前年度末に対し3億48百万円減少し、38億68百万円となりました。この主な要因は、納税に伴い未払法人税等が2億82百万円減少し、支払手形及び買掛金が1億52百万円減少したことによるものです。
一方、純資産合計は、前年度末に対し4億13百万円減少し190億71百万円となり、自己資本比率は0.6%増加し79.1%となりました。
 
<キャッシュ・フロー>
 
 
営業活動の結果獲得した資金は2億63百万円となりました。これは主に法人税等の支払額(6億63百万円)及び売上債権の増加(1億83百万円)による資金減少があったものの、税金等調整前四半期純利益(8億15百万円)を確保したことにより資金が増加したものです。

一方、投資活動の結果使用した資金は5億59百万円となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出(2億87百万円)によるものです。

また、財務活動の結果使用した資金は3億48百万円となりました。これは主に配当金の支払額(3億39百万円)によるものです。なお、急激な円高進行により外貨建の預金等に為替評価損が発生していることから、現金及び現金同等物に係る換算差額は△4億46百万円となりました。

これらの結果、第1四半期末の連結ベース資金は、前期末と比較して10億91百万円減少し67億43百万円となりました。
 
2008年12月期業績予想
 
<連結>
2月13日に公表した業績予想から変更はありません。
 
 
トピックス
 
<IDEC株式会社と業務・資本提携>
2月26日に、IDEC株式会社(東証1部上場)との間で業務・資本提携を行うことを決議し、基本合意したと発表しました。
IDECグループは、機械設備周辺の安全管理システムに高い実績を有しており、更に、生産・物流等を中心とした顧客に対し、トータルシステムソリューションで「安全」と「安心」を提供することを目指しています。オプテックスグループの有するセンシング技術や画像処理技術等の活用アプリケーションを拡大する上で、IDECグループとの協業による相乗効果は極めて高いと判断しました。
今後、商品開発及び販売面のみならず新たな事業創出も視野に入れた包括的な業務提携を推進し、企業価値の向上を図っていく考えです。

IDECはオプテックスの発行済株式を、170,000株(発行済株式総数の約1.0%)を上限として取得する予定です。また、オプテックスはIDEC株を、250百万円を上限として取得する予定です。
 
取材を終えて
第1四半期の連結業績は、前年同期比で減収減益となりました。通期予想に対する進捗率は売上高が21.6%、営業利益が22.8%です。前期の第1四半期段階の進捗率(売上高24.5%、営業利益32.0%)と比べても、やや出遅れた感があります。
前述のように、減益の要因は積極的な開発関連投資や、円高進行による為替差損などで、必ずしも悲観するものではなく、第2四半期以降の巻き返しに期待したいと思います。
今後、更なる成長を図るためには、他社との業務提携・資本提携等による協業も重要な施策であると同社は認識しており、今回のIDECとの提携は成長への布石として評価できるでしょう。