ブリッジレポート
(9616) 株式会社共立メンテナンス

プライム

ブリッジレポート:(9616)共立メンテナンス vol.16

(9616:東証1部) 共立メンテナンス 企業HP
石塚 晴久 会長
石塚 晴久 会長
佐藤 充孝 社長
佐藤 充孝 社長
【ブリッジレポート vol.16】2008年3月期決算業績レポート
取材概要「前期は増収、増益を達成し、今期も増益が続く見込みであり、会社側が宣言しているように「回復から成長」軌道へ戻ったと言えよう。しかしその一・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年7月8日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社共立メンテナンス
会長
石塚 晴久
社長
佐藤 充孝
所在地
東京都千代田区外神田 2-18-8
決算期
3月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年3月 75,606 4,492 4,167 2,740
2007年3月 66,287 3,745 3,787 2,413
2006年3月 63,084 4,611 4,823 2,010
2005年3月 58,014 4,407 4,411 2,343
2004年3月 54,080 4,004 4,059 2,137
2003年3月 50,108 4,148 3,884 2,039
2002年3月 50,064 3,908 3,580 1,821
2001年3月 37,884 2,827 2,643 1,146
2000年3月 36,787 2,368 2,281 906
株式情報(6/23現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,110円 14,367,717株 303億円 9.9% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
38円 1.8% 194.19円 10.87倍 1,917円 1.1倍
※株価は6/23終値。
 
共立メンテナンス2008年3月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
<沿 革>
1979年9月東京都葛飾区に共立メンテナンス設立、同年10月に千葉県松戸市で受託給食の営業を開始。翌80年には東京・神奈川で、83年には名古屋地区で学生寮事業を開始。85年には大阪地区で学生寮事業、東京地区で社員寮事業を開始した。その後、87年に千葉県で外食事業を開始、93年には本社を東京都千代田区外神田に移転した。また同年7月に長野県でリゾートホテル事業に、8月に埼玉県でビジネスホテル事業に参入した。

株式については、94年に現在のJASDAQ市場へ上場、99年に東証二部上場、01年9月には東証一部上場を果たしている。
 
<事業内容>

(寮事業)
学生寮、社員寮などの受託、運営。社員寮事業では、施設をまるごと受託する方式と、社員数に合わせて必要な部屋数だけ契約出来る方式がある。研修センターなどの受託・運営も行っている。物件をオーナーから借り受け、契約企業や学校などへサブリースする方式を取っている。
 
(ホテル事業)
ビジネスホテルとリゾートホテルの運営を行っている。
 
(総合ビルマネージメント事業)
賃貸ビルの運営、管理。
 
(フーズ事業)
寮運営で培った「賄い」のノウハウを生かして、「一期一会グループ」として外食事業を行っている。
 
(デベロプメント事業)
不動産の開発。同社の事業所開発に伴う「仕入れ」に該当する事業。
 
(その他事業)
ウェルネスライフ事業(高齢者向け住宅の管理運営)、ライスサービス事業(通販・レンタル販売等)、不動産賃借の仲介斡旋、管理、保険代理業、人材サービス、融資事業など。
 
2008年3月期決算<連結>
 
<損益計算書サマリー>
 
 
 
前期(2008年3月期)決算は上表のように前年比では19.9%の営業増益、10.0%の経常増益となったが計画値は下回った。前年比で増益となったのは、主力の寮事業、ホテル事業などが順調に伸びたことに加え、前々期(2007年3月期)に集中的に大型リゾートホテルがオープンしたことから開発費が急増、初めて経常減益となったために、前期はその反動で増益率が大きくなったとも言える。いずれにしろ、増益基調に戻ったことに変わりはなく、会社側でも「回復から成長軌道に入りつつある」と述べている。

セグメント別営業利益は上表のようになったが、主力の寮事業の伸びに加え、ホテル事業、フーズ事業の採算が大きく改善したことが営業増益に寄与している。(各部門の状況は次章に詳細を述べる。)
 
<貸借対照表サマリー>
 
下表がバランスシートの要約。有形固定資産が大きく増加しているが、これは寮、ホテルへの大型投資が続いたため。一方で、有利子負債が増加、過去最高水準に達した。この結果、下表にあるように、同社デット・エクイティ・レシオ(D/Eレシオ)は前々期の1.4から1.8へ上昇した。
 
 
事業部門別状況
 
注:下表において2009年3月期の予想は、すべて会社予想
 
<寮事業の概況>
 
 
大学・短大・専門学校との提携契約数伸長の動きが継続。同社学生寮の利用実績は、学校数で1,588校(前期比1.5%増)、契約者数で15,992名(同3.5%増)と堅調に推移。社員寮事業は、企業収益の回復を受けた若年層雇用者数増加や研修施設としてのニーズが拡大し、利用実績企業数で1,249社(同1.4%増)となり、契約者数で5,655名(同10.0%増)と大幅に増加した。ドミール(ワンルームマンションタイプ寮)も、学生寮入居者の卒業後の住み替え需要や、寮利用者からの紹介などの相乗効果で、入居者数3,695名(同5.1%増)と好調に推移した。

営業利益は順調に拡大したが、営業利益率は低下した。この主要因は、食材費、燃料費の高騰だが、これに対する施策として、①来年(平成21年)4月から1室あたり1,000円の値上げを予定、②札幌、仙台などの地方都市の稼働率が低いので、これを改善すべくエリア戦略を見直し中、③古い物件では修繕費が増加傾向にあるためオーナーとの負担割合を調整している。
 
 
学生寮においては、有力大学(特に4年制大学)との提携を積極的に推進中。少子化により大学間の競争が激化していることから、大学の意識も変化してきており、この分野は今後も注力する。この結果、4年生大学の比率は7年前の15%から前期には43%まで高まっている。
 
 
 
また社員寮の契約数も順調に伸びている。これは景気回復により企業が積極的に新卒を採用する傾向にあり、そのために社員寮の需要が増加していること、また社員同士のコミニュケーションの場として社員寮が見直されていること、などが要因のようだ。
 
 
<ホテル事業の概況>
 
 
ビジネスホテルは6棟を開業し、既存事業所と合わせた全28事業所が高い稼働率(年間平均稼働率80.2%)で推移した。リゾートホテルは、大型ホテル3棟(「ラビスタ大雪山」「奥飛騨温泉郷 深山桜庵」「南紀白浜 海舟」をオープンした。
損益面では、営業損益は依然として赤字だが、前期までにオープンした大型ホテルの収益改善が進み、営業収益は大きく改善した。今期には黒字化を予定している。
 
 
リゾートホテル事業の収益改善状況は下表のようになっている。
 
 
<総合ビルマネージメント事業の概況>
 
 
依然として厳しい価格競争や、管理委託会社の集約化等による値下げ要請・解約など、厳しい経営環境が継続している。前期は特に日産(自動車)、大手コンビニからの解約があり、これが営業利益を押し下げる結果となった。
厳しい事業環境の中、会社側では「更に信頼してもらえるる技術力・商品力の向上に努め、より質の高いビルサービスが提供できる体制づくりを積極的に推進。また、全国展開を進めている当社グループのホテルを、建物施設管理の側面からサポートしていき、全国に拠点網を構築する計画。」と述べている。
 
<フーズ事業の概況>
 
 
新規ホテルレストランへの出店を推進するとともに、変動原価管理を徹底して行い、収益構造の抜本的な改善に努めたことから前期は黒字化した。しかし今期は原材料の価格改定などがあり、厳しい環境が続くと会社側では見ている。
 
<デベロプメント事業の概況>
 
 
原材料価格の上昇に加え、建築確認の遅れなど逆風が続いたが、工程管理の強化などにより生産性向上を図り、利益は横ばいを維持した。今期も原材料価格の上昇が続くが、生産性向上を図り、増益を確保する計画。
 
<その他事業の概況>
 
 
シルバー関連事業で空室が発生したことから減益となった。今期も環境は厳しいと予想されることから、会社側では減益を見込んでいる。
 
2009年3月期業績予想<連結>
 
 
会社側では今期の収益を上表のように予想している。主力の寮事業は引続き安定成長が続く見込みであり、ビジネスホテル事業は稼働率アップにより増益を予想、リゾートホテル事業も収益構造改善により大幅な増益を予想している。
一方で設備投資は79億円(内寮関係15億円、ホテル関係64億円)を計画、前期に比べるとほぼ半減予想。
 
質疑応答
 
Q: 有利子負債が増加し、DEレシオが1.8になったことは気になる。対策や計画は?
A: 昨年の決算説明会で07/3月期末の有利子負債をピークとしたいと述べたが、実際には実行出来ず。その要因のひとつは、REITに対して100億円くらいの物件を売却する予定だったが、これが出来なかったこと。今後も流動化は進める。今年9-12月で100億円くらいは売却する計画。
Q: リゾートホテル事業は、前期は赤字だったが今期は黒字化を予定している。この部門でも資産の見直しを進めるのか?
A: 見込みのないものは見直していくつもりだが、同事業はチェーン化して拡大しているので、個々の物件ベースではなく、全体として判断していく。
Q: 前期のREITへの売却は結局いくらだったか?
A: 前々期が76億円(1件)、前期はゼロ、今期は100~110億円を予定している
Q: リゾートホテルの平均単価はどのくらいか? また今期の予想は?
A: 新棟を除いた既存棟ベースになるが、伊豆・箱根グループは、前期が47,900円、今期は49,900円を予定。那須・熱海・京都グループは、前期が44,500円、今期は45,800円を予定している
Q: 外国人旅行者の比率、影響、今後の戦略は?
A: 今までは外国人として数字取っていないので、今期から。ただし重要な顧客層であると考えており、特に直行便が入っている地区では誘導が可能と考える。現在、韓国の代理店(高額客を得意とする)と話を進めている。
Q: 前ビジネスホテルの稼動率および平均単価は?
A: 前々期までにオープンした17棟の前期稼働率86.9⇒今期予想87.2、単価7,456円⇒7,509円、以下同様に前期オープンの分は、76.6⇒75.5、7,011円⇒7,237円、前期オープンの分は、66.5⇒72.1、7,950円⇒7,709円。が76億円(1件)、前期はゼロ、今期は100~110億円を予定している
 
取材を終えて
前期は増収、増益を達成し、今期も増益が続く見込みであり、会社側が宣言しているように「回復から成長」軌道へ戻ったと言えよう。しかしその一方で、有利子負債が過去最高水準に達しておりバランスシートは膨張傾向にある。今後はバランスシートのスリム化、資産効率の向上に努めることが重要な経営課題となろう。 ROEやROAの目標値を定めることも必要かもしれない。