ブリッジレポート
(7839) 株式会社SHOEI

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ブリッジレポート:(7839)SHOEI vol.9

(7839:東証2部) SHOEI 企業HP
山田 勝 社長
山田 勝 社長

【ブリッジレポート vol.9】2008年9月期第3四半期業績レポート
取材概要「第3四半期までの好調な業績を踏まえ、通期の業績予想を上方修正した。売上高純利益率は前期の12.0%に対し、08年9月期は14.1%と一段と向上す・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年8月12日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社SHOEI
社長
山田 勝
所在地
東京都台東区上野5-8-5
決算期
9月 末日
業種
その他製品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2007年9月 13,586 2,942 2,751 1,630
2006年9月 11,796 2,310 2,117 1,248
2005年9月 10,661 1,581 1,510 890
2004年9月 9,725 1,364 1,282 732
2003年9月 9,575 757 703 381
2002年9月 8,700 379 190 85
2001年9月 9,088 694 592 359
株式情報(8/1現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,780円 14,522,400株 25,850百万円 28.6% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
71円 4.0% 143.22円 12.4倍 493.87円 3.6倍
※株価は8/1終値。発行済株式数は直近中間期末の発行済株式数。
 
SHOEIの2008年9月期第3四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
<概要>
世界ナンバーワンのヘルメットメーカー。オートバイ用を中心にカート用などの4輪車用、航空機用や戦車用等の官需用のヘルメットを製造している。販売網は日本のみならず、ヨーロッパやアメリカをはじめ世界50カ国以上を網羅。「SHOEI」ブランドはその安全性と機能性、そして造形の美しさが世界各国で高い評価を受け、高級ヘルメットの代名詞となっている。
独自の技術とノウハウ、優れたデザイン力により、右の3つの世界一を実現する事を経営方針に掲げている。
 
<沿革>
1954年、ポリエステル加工メーカーとして創業。59年3月に昭栄化工(株)として法人化、一般用ヘルメットの生産を開始。翌60年1月、二輪乗車用ヘルメットの生産に着手。68年7月、アメリカに子会社を設立し海外展開を開始、87年7月には子会社設立によりフランスへも進出した。92年5月、会社更生手続開始を申立、同年9月、現山田社長が管財人となり更生手続きを開始。93年12月、更生計画が認可された。更生手続き中の94年3月、子会社を設立し、ドイツに進出。98年3月、会社更生計画認可から4年3ヶ月という短期間で会社更生手続を終結した。同年12月には社名を(株) SHOEIに変更。04年7月、JASDAQに株式を上場し、07年9月には、東証第二部に上場(JASDAQは上場廃止)した。
 
<三位一体の事業展開>
同社は「商品戦略」、「生産戦略」、「市場戦略」を融合させた三位一体の事業戦略の推進により、顧客満足度、株主及び役職員の満足度向上に努めている。
 
 
<事業内容>
オートバイ用のヘルメット(二輪乗車用ヘルメット)の売上高が約90%を占めている。なかでも、高品質で高付加価値の「プレミアムヘルメット」に特化し、茨城工場(茨城県稲敷市)、岩手工場(岩手県東磐井郡)の国内2工場で生産。国内生産により高い品質を維持すると同時に技術の流出防止にも努めている。
また、業界では唯一の「トヨタ生産方式」導入企業として、高い限界利益率と在庫回転率、及び優れた資産効率を誇る。
 
2008年9月期第3四半期業績
 
<連結業績>
 
当該期における同社グループの業績は、北米地域向け販売は減少したが、海外子会社の欧州販売を含めた欧州向け販売が好調であること、並びにオーストラリアを含めたその他の地域の販売が拡大したこと等から、ユーロ高とも相俟って、当該四半期においては比較的堅調に推移した。また、国内市場も若干の増加であったことから、連結売上高は11,151百万円(前年同期比11.8%増)となった。
 
 
当該期における為替の実行レートは、USドル=107.57円(前年同期比△10.22 円)、ユーロ=161.3円(同+11.95 円)となり、各利益は、中間期における生産効率化に伴う製造原価の大幅低減効果に加え、レーサー契約金の約半分相当が第4四半期にずれ込んだこと等から、営業利益2,930百万円(同35.7%増)、経常利益2,892百万円(同43.9%増)及び第3四半期純利益1,810百万円(同52.6%増)となった。
 
<財政状態>
 
(総資産)
当該期末における総資産残高は、10,507百万円で、前期末比1,096百万円増加した。
主な要因は、販売の増加に伴う現預金(長期性定期預金含む)の増加(577百万円)、売掛金の増加(92百万円)、たな卸資産の増加(257百万円)に加え、設備投資の増加に伴う有形固定資産の増加(280百万円)によるもの。
(負債)
当該期末における負債残高は、2,878百万円で、前期末比119百万円減少した。
主な要因は、買掛金の減少(75百万円)及び賞与引当金の減少(130百万円)によるもの。
(純資産)
当該期末における純資産残高は、7,629百万円で、前期末比1,216百万円増加した。
主な要因は、利益剰余金の増加(1,323百万円)及び為替調整勘定の減少(109百万円)によるもの。
 
2008年9月期業績予想
 
<連結業績>
08/9通期の業績予想は、07年11月14日に発表した前回予想を修正した。
 
 
第4四半期の為替相場の想定レートをUSドル=102.00円(当初計画比△13.00円)、ユーロ=157.00円(同△4.00円)として業績見通しを算出しており、USドルに対しては大幅な円高の影響を見込んでいる。また、中間決算発表時点で懸念していたアメリカ向け販売並びに為替相場の変動は、現状かなり落ち着きを取り戻している。

下半期は、販売面では依然として欧州向け販売が好調に推移しており、その他地域の販売も拡大していること等から、アメリカ向け販売の未達要因(計画比△350百万円)を吸収し、計画比200百万円増となる見込み。また、利益面では、レーサー契約金(広告宣伝費)の先送り相当額130百万円が当初計画比マイナスとなる程度。

その結果、連結売上高は14,800百万円(前期比8.9%増)となる予定であり、営業利益、経常利益及び当期純利益も各々3,450百万円(同17.2%増)、3,400百万円(同23.5%増)及び2,080百万円(同27.6%増)と最高益を更新する見込み。

また、当期末の配当金も、連結配当性向50%を予定しており、1株当たり71円(前期比、実質111.9%増)となる予定。
 
取材を終えて
第3四半期までの好調な業績を踏まえ、通期の業績予想を上方修正した。売上高純利益率は前期の12.0%に対し、08年9月期は14.1%と一段と向上する見込み。無借金、安定した営業基盤、効率的な経営、売掛金が殆ど増加しない良好な販売条件など、同社の優れた面が業績にも表われていると言える。
08年9月期の上方修正はある程度予想されていたこともあり、第3四半期の業績発表、通期業績予想の上方修正発表を機に株価は利益確定の売りが優勢となり下落した。しかし、上方修正した今期配当71円に対する配当利回りは4%と高く、投資の好機となる可能性が高いと思われる。