ブリッジレポート
(9445) 株式会社フォーバルテレコム

スタンダード

ブリッジレポート:(9445)フォーバルテレコム vol.14

(9445:東証マザーズ) フォーバルテレコム 企業HP
谷井 剛 社長
谷井 剛 社長

【ブリッジレポート vol.14】2009年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「収益の柱である新通信サービス事業は、「FTフォン」の拡販、各種アドオン・サービスの強化等を進め、また「おとくライン」サービスの新規獲得・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年8月26日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フォーバルテレコム
社長
谷井 剛
所在地
東京都千代田区神田小川町 3-9-2
決算期
3月
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年3月 13,466 337 344 192
2007年3月 12,461 845 840 975
2006年3月 11,024 859 868 841
2005年3月 7,740 470 452 726
2004年3月 6,114 214 205 205
2003年3月 7,746 93 40 69
2002年3月 11,879 -1,732 -1,779 -4,939
2001年3月 18,224 284 134 45
2000年3月 20,503 53 -50 88
株式情報(8/12現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
22,290円 166,800株 3,718百万円 8.8% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
1,500円 6.7% 2,398.08円 9.3倍 12,744.33円 1.7倍
※株価は8/12終値
 
フォーバルテレコムの2009年3月期第1四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
電話機やOA機器の販売を手掛けるフォーバル(8275)グループで通信事業を展開。光ファイバー対応IP電話「FTフォン」の販売を中心に、インターネットサービス、セキュリティサービス、モバイルサービス等の各種アドオン・サービスの強化に取り組んでいる。電気通信事業者から回線を仕入れてエンドユーザーに再販する回線リセーラー(再販業者)であり、ターゲットは中小企業。もっとも、単に回線を再販するだけでなく、一般番号ポータビリティー(従来と同じ電話番号での使用が可能)や携帯電話への発番通知等、独自のサービスを付加している。また、同社のサービスを利用すれば、国内電話、国際電話、インターネット等の請求が一本化される(ワンビリングサービス)ため、ユーザー企業は事務処理を簡素化する事ができる。
 
<沿革>
95年4月、フォーバルグループの通信事業を担う戦略子会社「フォーバル・インターナショナル・テレコミュニケーションズ(株)」として設立され、国際電話サービスfit(フィット)コールを開始した。96年に市外電話サービスを、97年に市内電話サービスを、それぞれ開始。98年8月の現社名への商号変更を経て、「fit接続サービス」や「fitホスティングサービス」といったインターネット関連ビジネスを本格化。通信事業の拡大を受けて、2000年 11月に東証マザーズに株式を上場した。02年2月、ソフトバンクグループのソフトバンクBB(株)と合弁会社を設立し、中小法人向けVoIP(インターネット上で音声データを送受信する技術)及びADSLサービスを開始。03年には、光ファイバー対応IP電話「FTフォン」サービスを開始した。
 
<事業内容>
事業は、「FTフォン」等の法人向けVoIPサービスを提供する新通信サービス事業、法人向け国際電話・市内外電話等のサービスを提供する旧音声系サービス事業、連結子会社(株)トライ・エックス及び同社の子会社(株)新英、タクトシステム(株)が手掛ける印刷や特注文具(ファイル・バインダー等)の製造・販売のドキュメント事業、及び連結子会社(株)FISソリューションズが手掛ける保険関連のコンサルティング等の経営支援サービスやオフィスセキュリティマーク取得コンサルティング等のセキュリティサービスを中心とした経営・保険コンサルティング事業、情報通信機器販売等のその他事業に分かれる。
 
2009年3月期第1四半期業績
 
<連結業績>
 
同社グループは光ファイバー対応IP電話「FTフォン」の拡販を中心に、中小法人向けの各種サービスを提供している。具体的には、同社単体において「FTフォン」及び中小法人向けの割安電話サービス「fitコール」を中心に、インターネットサービス・モバイルサービス・セキュリティサービス等を提供している。
(株)トライ・エックスグループでは、フォーバルテレコムのサービスを利用している顧客からのニーズが強い「ドキュメント・ソリューションサービス」を提供している。同社グループにおいてはタクトシステム(株)を2008年4月に子会社化したことにより、上流工程から最終工程まで一貫したサービスの提供が可能となっている。
また、(株)FISソリューションズにおいては、フォーバルテレコムのサービスを利用している顧客へ「経営支援コンサルティング」及び「保険サービス」を提供している。

以上の結果、当第1四半期間の経営成績は、売上高が38億83百万円(前年同期比19.3%増)、営業利益が1億21百万円(前年同期比28.5%増)、経常利益が1億18百万円(前年同期比23.9%増)、四半期純利益が1億7百万円(前年同期比11.5%増)となった。
 
<事業別動向>
 
(新通信サービス事業)
「新通信サービス事業」は、主に「FTフォン」の拡販及び各種アドオン・サービスの強化等を進め、また「おとくライン」サービスの新規獲得ユーザーの回線開通に注力した結果、当第1四半期連結会計期間の売上高は28億89百万円(前年同期比19.0%増)、営業利益は1億33百万円(前年同期比79.0%増)となった。
 
 
(旧音声系サービス事業)
「旧音声系サービス事業」は、前年度に引続き顧客ニーズが急増して採算性も高い「新通信サービス事業」への移行を優先する施策を講じたことにより、当第1四半期間の売上高は2億69百万円(前年同期比23.2%減)、営業利益は4百万円(前年同期比47.9%減)となった。
 
(ドキュメント事業)
「ドキュメント事業」は、「印刷」「特注文具(ファイル・バインダー等)の製造及び販売」で構成している。
また、2008年4月にタクトシステム㈱の株式を取得し、連結の範囲に含めた。なお、当第1四半期間の売上高は5億32百万円(前年同期比76.9%増)、営業利益は2百万円(前年同期比80.7%減)となった。
 
(経営・保険コンサルティング事業)
「経営・保険コンサルティング事業」は、「経営支援コンサルティング」及び「保険サービス」で構成している。当第1四半期間の売上高は1億31百万円(前年同期比22.8%減)、営業損失20百万円(前年同期比21百万円減)となった。
 
(その他事業)
「その他事業」は、「情報通信機器販売等」で構成している。当第1四半期連結会計期間の売上高は60百万円(前年同期比57百万円増)、営業利益は2百万円(前年同期比4百万円増)となった。
 
<財政状態>
 
(流動資産)
当第1四半期間末における流動資産の残高は39億94百万円となり、前年度末比2億14百万円の増加となった。これは主に、現金及び預金の減少(1億60百万円)、受取手形及び売掛金の増加(3億42百万円)によるもの。

(固定資産)
当第1四半期間末における固定資産の残高は21億53百万円となり、前年度末比4億27百万円の増加となった。これは主に、のれんの増加(3億48百万円)によるもの。

(流動負債)
当第1四半期間末における流動負債の残高は35億79百万円となり、前年度末比3億67百万円の増加となった。これは主に、支払手形及び買掛金の増加(83百万円)及び短期借入金の増加(2億98百万円)によるもの。

(固定負債)
当第1四半期間末における固定負債の残高は4億4百万円となり、前年度末比2億45百万円の増加となった。これは主に、長期借入金の増加(1億30百万円)によるもの。

(純資産)
当第1四半期間末における少数株主持分の残高は9百万円となった。また、純資産の残高は21億64百万円となり、前年度末比28百万円の増加となった。これは主に、四半期純利益の計上(1億7百万円)及び剰余金の配当(83百万円)によるもの。
 
<キャッシュ・フロー>
 
当第1四半期間末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前第1四半期間末に比べ1億84百万円増加し、9億42百万円となった。当第1四半期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおり。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、1億32百万円となった。これは主に、税金等調整前四半期純利益が1億15百万円、売上債権の増加が68百万円となったこと等によるもの。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2億38百万円となった。これは主に、子会社株式の取得による支出が3億58百万円となったことによるもの。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、78百万円となった。これは主に、長期借入金の返済による支払が2億97百万円、短期借入れによる収入が2億88百万円及び配当金の支払が68百万円となったことによるもの。
 
2009年3月期業績予想
 
<連結業績>
第2四半期連結累計期間および通期の業績は、現在のところ概ね計画通り推移しており、08年5月16日に公表致した業績予想に変更はない。
 
 
取材を終えて
収益の柱である新通信サービス事業は、「FTフォン」の拡販、各種アドオン・サービスの強化等を進め、また「おとくライン」サービスの新規獲得ユーザーの回線開通に注力した結果、順調に拡大している。第2四半期連結累計期間の予想に対する進捗率は、売上高で57%、営業利益で61%となっており、今期は好スタートとなった。
同社は、ドキュメント、セキュリティ、財務コンサルティング等、様々な角度からのアプローチにより既存顧客の深耕を図る考えで、4月にはタクトシステムを子会社化し、ドキュメント事業において一貫したサービスを提供する体制を整えた。その効果が今後の収益にどの程度表われるか、注目していきたい。